籠の中の過誤

カイル

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「また昔のように一緒に暮らさないか?」


長い長い口づけが俺から根こそぎ酸素を奪っていって、少し強引に顔を下げて息継ぎした。


這い回る舌にどうにかついていこうと必死になるあまり、きつすぎる程にハオの服を握りしめていた。

一緒に暮らす。その言葉に手から力が抜け行く。


「俺と?」


濃密なキスで上気した体は俺の意思とは無関係に、もっと、もっとと貪欲に快楽を求め始める。


「あぁ、そうだ。全部捨てて私についてきて欲しい。」


俺の唇を親指でぬぐいながら、到底冗談には思えない温度でハオははっきりとそう言った。




…俺は知っている。

こんな浅く広くしか人と関わろうとしない薄っぺらい俺でも、知っている。

その言葉がどんな鎖になるのかぐらい、知っている。
過去に一度だけハオ以外の人間に恋というものをしたことがある。その時、俺もそう言って相手を俺の人生に引きずり込んだ。

その人は泣いて喜んでくれたんだ。俺自身も何もかも全部捨てて、その人を選んだから。

そいつだけいればそれでいい、そいつ以外は何もいらない。その時は本気でそう思っていたし嘘の欠片もなかった。

でもさ、でもな。



所詮子供の恋愛ごっこだったわけで、リアルは何一つうまくいかなかった。


お互い無理して、お互い気使って、お互い疲れて、疲れ切って。

全部捨ててお前についてきたのに。

全部捨ててお前を選んだのに。


全部捨てたのに。


この言葉が呪のようにお互いを苦しめた。愛でキラキラ輝いていた時はなんとも甘く甘美な言葉でも、ズレてしまった2人にはただの重石にしかなりやしなかった。


夫婦ってここをなんとなく誤魔化しながら一生を添い遂げるのかな。とか、結婚したらいろんなことに目をつぶって、いろんなことを見なふりしながら生きていかねぇとなんねぇんかな。とか漠然と考えていたことがある。


俺は、その恋の後誰とも本気で恋愛したことがない。

いまもこうして[あぁ、もちろん付いていく]この言葉を躊躇している。


怖ぇんだ。



散々二葉に甘やかされ続けて、散々自由奔放、何にも束縛されずに生きてきた俺が今度はうまくやれるなんて保証は皆無なのだから。

お互いの探り合うような視線が絡み合う。

適当でよければ即答などいとも容易かった。

ある程度年齢を重ねれば、嘘も方便、相手を傷つけず、自分も気持ちよくなれるその場限りの約束があたりまえのように成立するリアルを知っているだろ。

それ自体が大人的なステータスだとも思っているし、悪意もない。


でも今は、この人にだけは程度のいい答えは不相応に感じる。


「困らせたようだ。すまない。でもありがとう、真剣に悩んでくれて。それだけでも嬉しいよ。だが、前言撤回はしない。いつでも気が向いたら私のものになってくれ。いつまででも待ってる。」


切なそうなその瞳に、あやうくYESと口から出そうになって慌てて呑み込んだ。



全力で走れない。

いつでも、どこかでブレーキがかかってしまう。何も考えずにただ真っ直ぐにこの人と恋に落ちればいいものを。


「すみません。嫌とかそういうことじゃないんだけど。。。なんつーか自信がないっつーか。ぶっちゃけますけど、俺今まで同性と付き合ったことないです。あんたのことは真面目に好きだと思うけど。どうしていいのか今すげぇ困ってます。」


「クスクス、虹斗は相変わらず真っ直ぐなんだね。もちろんそんなお前も大好きだ。」


一瞬ぽかんとした顔が俺を見つめていて、また何か間違ったのかと少し焦った。

俺は自分が同性愛者だと自覚したことは一度もない。
女性が好きだと豪語するわけではないが、男が好きだと断言もできない。

俺の性癖云々なんぞどうでもいいが、今この瞬間初めて男を好きなのだと俺は自覚している。


悶々と考え出した俺の手を握り直し、ハオはまたゆっくりと歩き出した。


湿度を含んだ空気は少し生ぬるく、潮風は皮膚にまとわりつくようだ。
それでも風が吹いているおかげで、涼しいとさえ感じられる。


人口の砂浜に波が砕ける音が響く。


俺達はポツリポツリと色んな話をした。
大学のこと、絵のこと、バイトのこと。もちろん二葉や青空のことも。

人にいろんなことを聞かれるのは煩わしいと思っていたけど、存外心地いものなのなのだなと新たな発見をしてみたり。


その時、鼻の頭にポツリと落ちてきた雫。

しずく、そういえば聞こえはいいが実際はただの雨粒で。ほぼ同時に天を仰いだ俺達。


「あ、また雨、だ。」


そういえば関東地方も梅雨入りしたと、さも大ニュースだと言わんばかりに点滅テロップが流れてたっけ。


真っ暗な空から白い針が落ちてくる。暗い闇のある一点から突如現れて
、無数に俺達めがけて落ちてくる。


刺さったら痛ぇだろうな、これ。



「戻ろうか、やみそうな感じがしない。」


「戻らない、まだ一緒にいる。」


あの日、店にハオが来た時と同じだ。思い残すことは何もないと言わんばかりにあまりにも潔く帰ってしまったハオ。

置いて行かれた俺は、必死で追いかけたのに追いつけなくて。だから今度は、今度こそは後に従うことはしない。

ハオは俺が帰ると言えば、さっさと帰るんだろう。あの日と同じ空気をさっと纏ったハオを今度は見逃さない。



「あぁ、じゃあ、もう少しここにいよう。雨にぬれるのもたまには楽しい。」




天を仰いだまま目をつぶって、優しい口調でそう言うハオからは帰る気配は完全に消えた。


俺、帰らないはいーけどこの雨どうすんだし。
シトシトとか流暢な感じじゃないよ?どっちが雨男なの?ってほどボツボツ降ってきてます。


あっという間にせっかく着替えたイケテル服もずっしりと雨を含んで重量オーバー。


ふと背後に視線を向けると、傘を差したコンラートらしき人影。あいつら何やってんだ?って思ってんだろうねきっと。


「近くにおいで、雨で視界が悪い。顔がよく見えない、ほらもっとだ。」


楽しそうにびしょ濡れの手を差し出すハオ。どっかで見た映画のワンシーンのようにそのまま再度口づけを交わす俺達。

自分たち以外の液体に浸され、どこにキスしてもヌルヌルと滑っていくこの感覚が妙に楽しい。

じゃれつくように俺たちはかじりつきあう。このまま砂浜で押し倒されちまうのかと思い始めた頃ハオが言った。

部屋で飲み直そう。そう誘われ、溜まり始めた熱を吐き出したいという性的欲求も後押しして二つ返事で海を後にした。


よくある話だろ?

どこにでもあるだろ、こんなの。

男同士って事を差し引けば、なんもおかしな点はない流れ。

普通に好きあってる奴同士が肉体関係を持ちたいと思うのは、至極当然の話だろ?

そりゃゲイの中には挿入自体なしで恋愛だけって希少なやつもいるけど、俺はそんなレアな危惧種ではない。

何もおかしな点なんか、ないはずだったんだ。


なのに・・・。











部屋に着くとシャワーの時間もおしいと、絡み合いながらベットへなだれ込んだ。

完全に発情した雄と雄は、廊下からベットまでの間ですらくちゃくちゃと濃厚なキスを繰り返しもたつきながら移動する。


優しく丁寧な愛撫は二葉のそれとよく似ていて、堪えようにも甘い嬌声が喉から漏れ出る。

一旦感じてしまえば、全身がビクビクと性感帯になってしまう。
這い回る舌に首筋を舐めあげれば、思わずのけ反る俺の体。コリコリと上半身をつままれるだけで、下からトロリと体液が滴る。


足の先から手の指先まで、余すととこなく舐めつくされるころには知らぬ間にユラユラと尻を揺らす俺がいた。



もう限界だった。

溜まった熱を吐き出すことだけに囚われ、次の刺激欲しさにもっとシテ欲しいとねだる始末。


二葉はいつも俺の限界を知ると、それまでこれでもかって程執拗にお預けしていたのが嘘のように、すんなりと長いその指と舌で俺の精を搾り取ってくれていた。

さもうまそうに喉を鳴らして体液を飲み下すあの二葉は、思い出すだけで下半身は熱を持つほどいやらしかった。



「痛ッ!!」



突然感じた正体不明な痛みに驚いて、反射的にハオから身を引いた。

途端にあらがいようもない力で引き戻され、組み敷かれる。いったい何事かと状況を見極めようにも何一つ情報がない。

ただ俺は今、この人と愛情の確認作業をしていただけのはず。



ほぼ同時に眩しいほどの照明が部屋を照らし出した。



そこに照らし出されたのは、俺の鼻先で静かな怒りに震えるハオの姿だった。



こんな表情も持っているのかと心底驚いた。

そして、この怒りに揺れる灰色の目は酷く俺を怯えさせた。これと同じ目を知っているから。丁度あの頃のハオの母さんと、ハオの年は重なるのかもしれない。

俺がもうすぐ20だから、二つ年上のハオは22。

あぁ、やっぱり今思い出してもあの人はそれくらいの年齢だったように思う。



若くしてバリ島から日本へやってきたハオの母さん。浅黒い肌が自慢の踊りの上手なハオの母さん。


たまたま仕事でバリを訪れた銀髪の少年のお父さんは、日本にいる妻の腹に子が宿っていることも知らず滞在中ずっと彼女と過ごした。当然性行為は何度も行われ、幸か不幸かたった1週間のうちに種は彼女に宿ったのだった。

そうとは知らず彼女は旅行気分で彼について日本へやってきた。

二、三か月日本を堪能したら帰るはずだった。

彼女は自分の国を愛していたし、自分の生まれた村を誇りに思っていた。

が、数週間でやってきた吐き気と倦怠感に悩まされながら、彼女は一人突然の人生変更に戸惑い涙した。


金は払うが認知はしない。屋敷に住んでも構わないが結婚はしない。これが屋敷主人の答えだった。


泣いても叫んでも、何の役にも立たないと理解すると彼女はひっそり屋敷で子供を産んだ。

その数日後、同じく産声を上げたのが銀髪の少年だった。

ただ違うのはここは病院なのかと疑うほどの豪勢な場所で出産し、多くの医者、家族に囲まれ祝福され励まされながらその子は産み落とされたという事。


この頃からすでに少しずつ、少しずつ屋敷は害虫に喰い散らかされ始めていたんだろう。


目に見えない腐った木、目に見えないカビの巣、風が通ることのない下の方から徐々に浸食は始まり、崩壊が目に見えるようになった頃、丁度あの日俺が、ひいてはいけない引き金を引いてしまったんだ。















「…な、何?」


何でそんなに怒ってるの?最後まで言葉にできない程俺は怯えていた。


俺の腹に馬乗りになり、両手をきつく掴み上げるハオのこめかみにはうっすらと血管が浮き出ている。


「コンラート、入れ。」


俺の問いに答えることなく、声を荒げるでもなくハオはそう言った。

「はい、お呼びでしょうかハオ様。」


ぎょっとした。


呼ばれて僅か数秒で部屋へ現れたコンラート。部屋の外で待機していたとしか考えられない。


男二人が全裸で重なり合っているのがはっきりと見えているだろうに、コンラートは顔色一つ変えやしない。

それどころか涼しい顔をして俺達を静観するその瞳が、静かすぎて薄気味悪い。



「確認するが、お前の報告では虹斗は未経験だとそう言ったな。それで間違いないか。」


スーーっと影が後追いしていくように、ハオは鋭い双眸をコンラートへ向ける。


ギリギリと音がしそうなほど、徐々に力が込められる手。締め上げられた自身の両手が段々とうっ血してしびれを感じ始める。





ハオの恐ろしく威圧的な視線を受けてコンラートの表情が初めて動いた。失敗を問いただされ、弁解の余地もなく委縮していく彼は吹いたら消えてしまいそうだ。


「な、んのこと?」


二人の空気に割り込む隙間は紙ほどもない。それでも聞かずにはいれなかった。明らかに何かが常軌を逸している。

ぼんやりしてる俺だって、そんくらいは分かる。


精神的に結構頑張った俺の問いは、ツッと向けられた冷たい視線に相殺されそれ以上食い下がる勇気は奮い起こせそうにない。


"黙れ"そう言われた気がしたから。



「はい、間違いありません。」


どんな罰でもうけます、そう言わんばかりにシャキッと姿勢を正し答えたコンラート。


ハオは無言でサイドテーブルに置かれたワインボトルを掴むと、迷うことなく彼に投げつけた。その加減のなさに思わず息をのむ。


「下がれ。」


ボトルは激しくドアに叩きつけられ、中身をぶちまけながら粉砕した。

自分のすぐ脇をかすめたというのに、コンラートは眉ひとつ動かさず一礼し部屋を出て行った。


底知れぬ主従関係を目の当たりにし、突如突きつけられた圧迫されるような不快感は確実に大きくなっていく。


つい、数時間前までのハオでないことだけは確実に頭で理解できた。

細められたこの灰色の瞳を見た瞬間から、これから起こるであろう不仕合わせは肉体が予見していた。

ハオの視線が再度俺に向けられたその時はすでに、彼の目は俺を見てはいなかった。

憎々しげにお世辞にも男らしいとは到底言えない俺の体を、じっとみているだけ。




「アイツ…だな。これも、これもこれも。全部あいつが付けんだな。俺から虹斗を奪っておいて、今までずっと隠しておいて。。。やっと見つけたのに、なのに。お前はもう何もかもアイツのものなんだな。・・・・・ククッ…、あはははっ!いいさ、今度は俺がアイツから何もかも奪ってやる。何より大事な虹斗は、もう決して渡しはしない、決して触れさせるものか。二度とだ!もう二度とこの肌に触れさせやしない!」


何を言っているのかさっぱり理解できない。

何をそんなに怒っているのか、理由がわからない。

わからないけど、俺の体に付けられた赤黒い点を一つ一つ指で確認しているハオが真新しいキスマークを不愉快に感じていることは見て取れる。


「待って、違う、これは・・・。」


これは、何?

何て言えばいいだ?

二葉と全裸でじゃれ合うのは、日常茶飯事で別にたいしたことではなくて。

そもそもアイツは異性、同性とかそういう類の人種ではなく、日によっては"人"ですらないただの可愛い獣で、性行為云々では誓ってない。


こんなこと、、、言えるか?



「これは?二葉だろ?虹斗がアイツと四六時中一緒にいたことは知っているよ。咎めはしない、でも許せそうにない。」



吐息がかかるほどの距離で低い声でそう告げるハオの瞳には、怒りと悲しみがないまぜになったような。。。複雑な色がゆらめいていた。


「ちょ、え?待って待って!ハオ!違う!聞いて、嫌だ待って、ま・・・。」


押し当てられる熱いものを感じて、冷や汗が伝う。
待ってという俺の声は届かないのだろうか、嫌だという俺の意志は聞くに値しないものなのだろうか。


俺の必死の訴えをスレスレの距離で見て、聞いているのにハオには何も届かなかった。



「今更何を戸惑う必要がある。何度もここに銜え込んだんだろうアイツのモノを。」



硬く閉じたソコを無遠慮にこじ開け、押し開らかれる恐怖。


必死で身を硬くし、シーツを頼りにハオから逃げようと躍起になる俺。

こうもガッチリ拘束されて、すんなり逃れることができるなんて思ってないが一発ぐらいこの面にかましてやりたい。

もともと大した自尊心なんぞ持ち合わせちゃいないが、この状況はなんだ。

別に甘ったるい恋愛ごっこを夢見たわけではない、初めては大事に気を使われながら経験したかったとか乙女チックな思考を巡らせたこともない。

ないけど、こんな何の同意もない身勝手なセックスは願い下げだ。俺だって男、服従するつもりは毛の先ほどもねぇっつの。


「虹斗。力を抜け、俺を拒むな。」


段々腹が立ってきた俺は、もう全力で暴れまくった。それを押さえつけるためにハオの力も加減を失っていく。


「離せ、嫌だっつってんだよ、聞こえねぇのか。」


噛みつきそうな勢いでそう叫ぶと、一瞬だけ動きを止めたハオ。押さえつけられた力がわずかに緩んだその瞬間にグンと手を引いて、拘束から逃れる。

自由になったその手で、思い切りハオめがけ拳を振り抜いた。
ガツンと鈍い音が響いたが、殴られたままわずかに俯いてしまったハオの表情は俺からじゃ確認できない。



「あぁ、そうか貞操は大事だもんな。アイツ以外には体を開かない?そういうことか。」



やけに穏やかな口調でそうつぶやくハオからは、怒りの色が少し抜けたように見えた。

代りに何かふっ切れたような、諦めでは決してないが何か身のすくむような感覚を俺に与えた。



「よ、せ、よせよせよせ、よせ、止めろ、っよせクソォ!」


一瞬でそれまでの数倍の力でねじ伏せられ、獣のような体位を強制的にとらされたかと思う間もなく、熱い物をあてがわれそれは一気に俺の胎内を貫いた。


身が裂ける鋭い痛みと、皮膚をむりやり引っ張られ異物を突っ込まれる痛みと、酷い圧迫感。

屈辱的なこの状況も、俺のなけなしの自尊心を酷く傷つけた。

何より、俺の言葉が何一つハオに届かなかった現実に落胆を覚えた。何故、何より俺の言葉を聞いてくれないのかと悲しかった。


圧倒的な力の差と、冷たい灰色の瞳は刻々と拭い去れない恐怖心を俺に植え付けていく。




「力を緩めるんだナナ、それでは動けない。」


答える余裕なんかあるわけねぇ、つーか声を出せない。


自分が息を止めていたんだと気づいたのは、ハオが後ろでゆっくりと腰を揺らし始めた時だった。

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