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月日が経っても平常運転です
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そして、月日は流れていく。
学園に通い、授業の一環として定期的に行軍に同行して、夜間の特訓はかかさずに、――――ミナと仲間たちは、順調に力を伸ばしていた。
「うんうん、いい調子。これならどんな魔獣が出てきたって一発で倒せそうよね?」
ミナは上機嫌で笑みをこぼす。
「……たしかに強くなっているんだけど」
「ちょっと、強くなりすぎたような気がするような?」
ルーノとルージュは顔を見合わせ、ため息をつく。
「私、騎士学科の仲間に『これ以上強くなって、お前は何を目指しているんだ?』って呆れた顔で聞かれたんだけど」
「俺も研究学科の先生に『世界征服でも狙っているのか?』って真顔で聞かれた」
ルージュとルーノの表情は暗い。
「あら? 世界征服なんてするの?」
「するわけないだろう!」
ミナの問いかけにルーノがツッコむ。
(う~ん、相変わらずナイスなタイミングのツッコミや。これでもう少し軽い性格なら、一緒にコンビを組めるんに)
ルーノは真面目な性格だ。ミナと漫才はしてくれそうにない。
(お笑い、ええと思うんやけどな。異世界初の芸人になって、あちこち回れたら最高や!)
艱難辛苦の旅はお断りだが、お笑いの旅なら最高だとミナは思う。
(本格ファンタジーRPGだっただけあって、この世界の風景ビジュアル、キレイやったもんな。天空の島から流れ落ちる滝とか、砂漠のど真ん中で堂々と葉を生い茂らせる樹齢百万年の聖樹とか、普通に見たいもん!)
幸いにして、ミナにはナハトという心強い仲間がいる。たとえ砂漠の果てだろうと、ナハトに乗れば行くのは容易いはず。
(それに、今のあたしはゲームで旅立った時のヴィルヘルミナより、うんと強いはずや。艱難辛苦どころか物見遊山ができそうや!)
考えれば考えるほど、旅に出たくなる。
「――――ルーノは、卒業したらどうするの?」
お笑いの旅が諦めきれないミナは、たずねてみた。
ルーノは「う~ん」と考え込む。
「王立研究所や騎士団から、就職の話はきているんだけど、実はどうしようか迷っている。孤児の俺にはもったいないような話ばかりで、悩むのも申し訳ない気もするけれど……ローズもすっかり元気になったし、孤児院の経営も順調だし、どうしてもこうしたいって目標がないんだよな」
腕を組み、首を傾げるルーノは、本気で迷っているようだ。
「だったら私と“つきあって”!」
ミナは勢いよく申しこんだ。
「は? …………え? え? ――――“つきあう”?!」
ルーノはすごくビックリする。
「ええ、そうよ! 私、ルーノと一緒がいいの! 考えてみてくれる?」
ニコニコと、精一杯の笑みを浮かべ、ミナはルーノを誘う。
それなのに、ルーノの顔はみるみる青ざめていった。
「……ミ、ミナ! お前、それ、絶対! 意識せずに言っているだろう!?」
――――何を意識しろと言うのだろう?
何のことかわからないミナは、コテンと首を傾げる。
ルージュが、ルーノの隣で額をおさえて首を横に振った。
いつの間にかミナの横に立っていたハルトムートが、彼女の顔を覗きこんでくる。
「…………つきあうとは、どういう意味だ?」
ものすごく不機嫌に聞いてくる。
「ことと次第によっては、私も黙っていないぞ」
反対側の隣に、急にレヴィアが現れた。
ハルトムートもレヴィアも神出鬼没だなとミナは感心する。
「ミ、ミ、ミ、ミナ! 落ち着け! お前、それは、いつ? どこに? つきあえっていうことだ!?」
落ち着くのは、ルーノの方だろうと、ミナは思う。
ますます顔色を悪くするルーノを、ミナは呆れたように見つめた。
まあ、しかし、たしかにミナも言葉を省きすぎたかな? とは、思う。
「それは当然、“卒業後に諸国漫遊の旅につきあって”って意味よ。その前に卒業後はどうするの? って、話もしていたんだもの。少しは察してくれてもいいでしょう?」
ミナの言葉を聞いたルーノは、大きなため息をついた。
ルージュも「まあ、そうよね」とコクコク頷いている。
一方、ハルトムートとレヴィアの不機嫌は直らなかった。
「諸国漫遊の旅?」
「それに、その小僧と二人で行くと?」
「二人とは決まっていないけど。…………え? レヴィアは、もちろん一緒にいてくれるわよね?」
ナハトとレヴィアは、もうずっと自分と一緒なのだと、ミナは思っている。確かめるまでもないと思っていたのだが、違ったのだろうか?
(だって、あたしが死ぬまで召喚されてくれるって、そういう話やったよね?)
その後、ミナのネックレスを受け取るという契約だったはずだ。
どうやらそれは間違ってはいないようで、目に見えて上機嫌になったレヴィアは「当然だな」と力強く答える。
一方、ハルトムートは、ますます不機嫌になっていった。
いったい何が気に入らないのだろう?
首を傾げていれば、考え込んでいたルーノが話しかけてきた。
「ミナ、返事は後でもいいかな? 旅に出るなんて発想がなかったから正直面食らっている。ローズや孤児院のみんなにも相談したいし」
「もちろんよ! 卒業後の話なんだから。ゆっくり考えて」
(その前に、卒業式イベントもあることやし。返事なんてそれからで十分や)
「……それって、私も行ってもいいですか?」
恐る恐る聞いてきたのはルージュだった。
ミナはビックリしてしまう。
「え? でも、ルージュは魔法剣士になって騎士団に入るんでしょう?」
騎士学科を選んだのだ。当然騎士を目指しているのだろうと思ったのだが?
ルージュは、困ったような顔で笑った。
「最初はそう思っていたんだけど……最近少し迷っているの。その、騎士学科って、私以外は全員貴族でしょう? だからって、仲間はずれにされているとかそういうわけじゃないけれど……ミナみたいな貴族を見てきた後だと、他の貴族の人たちの考え方に、どうにもついていけないところがあって――――」
周囲が全て貴族の中で、はじめて騎士学科に入った平民としてルージュは戸惑っているのだろう。
そう思ったのだが、
「あ~、たしかにミナを見ちゃうとなぁ」
ルーノが、わかるわかると相づちを打つ。
「そうなんです! 一、二年の時も違いは感じていたんですけれど、騎士学科って本当に貴族の中でも、我こそは選ばれたエリート! みたいな方たちばかりで……実力なんて、ミナの足下にも及ばないのに」
ついでに言えばルージュよりもずいぶん下なのだそうだ。
なのにプライドばかり高く、相手を貶める努力はしても、自分が高みに登る努力はしないという。
「中には、まともな方もおられるのですが……圧倒的少数で」
ハァ~と大きなため息をルージュはつく。
騎士団の構成員は、ほとんどが騎士学科卒業の貴族。となれば、騎士団内部の様子とて学園と変わりはないだろう。
「憧れていた騎士団の現実を見て幻滅するよりも、ミナと波瀾万丈、ドキドキワクワク、ドラマチックな旅をした方が楽しそうかな? と」
いやいやいや! ちょっと待て!
(なんで波瀾万丈な旅なんて話に、なってるんや!?)
「私がしたいのは、物見遊山な旅よ」
遊ぶという字が入っていることからわかるように、物見遊山とは楽しく遊びながら、あちこち見て回る旅だ。そのついでにルーノと“お笑い”ができたら最高だとミナは思っている。
「え~?」
「ミナなのに?」
「…………それは、ムリだろうな」
ルージュ、ルーノ、ハルトムートの順のセリフである。
「ムリってなんや!?」
思わずミナはツッコんだ。
「は?」
「あ、……えっと、ムリというのは、納得できませんわ。平穏無事に旅を楽しむことは誰にだってできることですもの」
焦って言い直すミナを、ハルトムートはジロリと睨む。
「お前がいるだけで、平穏無事などありえないだろう?」
ずいぶんな言われようである。
「そんなことありませんわ」
「学園の実地訓練に治癒魔法使い見習いとして参加しただけで、その騎士団を配下に置いた奴が何を言う?」
とんでもない誤解である!
「配下になんてしていません!」
「エストマン伯爵令嬢と一緒に戦った者たちは、彼女の言うことならなんでもきくようになると噂になっているんだぞ」
いったい、いつの間にそんな噂が広がっているのだろう?
「皆さま親切なだけですわ!」
たしかに、実地訓練で一緒になった騎士たちは、その後も何かにつけて声をかけてくれたり便宜をはかってくれたりすることが多い。特に最初に同行した騎士団は、団長、副団長をはじめとして、全員ミナに親切だった。
「そんな風に誤解するだなんて、皆さまに失礼です!」
プンプンとミナが怒れば、ハルトムートも他のみんなも呆れたように肩を竦める。
「自覚がないところも問題だ。勝手に旅になんて行かせないから、そう思え!」
「私が旅に出るのに、どうしてハルトムートさまの許可がいるんですか?」
「お前が目を離すと何をするかわからないからだろう!」
「失礼な! 横暴です」
「横暴でもなんでも、ダメなものはダメだ!」
侃々諤々と言い争うミナとハルトムート。
「あ~あ、ハルトムートさま、素直じゃないからなぁ」
「ミナも、鈍すぎるし」
隣でルーノとルージュが何やら失礼なことを言っていたけれど、今のミナはそんなことにかまっていられなかった。
「ハルトムートさま、勝負です! 私の実力、今日こそ思い知っていただきますから!」
「受けて立つ」
――――それでいいのか? とルーノやルージュならずとも思うだろう。
ミナの周囲は、今日も平常運転だった。
学園に通い、授業の一環として定期的に行軍に同行して、夜間の特訓はかかさずに、――――ミナと仲間たちは、順調に力を伸ばしていた。
「うんうん、いい調子。これならどんな魔獣が出てきたって一発で倒せそうよね?」
ミナは上機嫌で笑みをこぼす。
「……たしかに強くなっているんだけど」
「ちょっと、強くなりすぎたような気がするような?」
ルーノとルージュは顔を見合わせ、ため息をつく。
「私、騎士学科の仲間に『これ以上強くなって、お前は何を目指しているんだ?』って呆れた顔で聞かれたんだけど」
「俺も研究学科の先生に『世界征服でも狙っているのか?』って真顔で聞かれた」
ルージュとルーノの表情は暗い。
「あら? 世界征服なんてするの?」
「するわけないだろう!」
ミナの問いかけにルーノがツッコむ。
(う~ん、相変わらずナイスなタイミングのツッコミや。これでもう少し軽い性格なら、一緒にコンビを組めるんに)
ルーノは真面目な性格だ。ミナと漫才はしてくれそうにない。
(お笑い、ええと思うんやけどな。異世界初の芸人になって、あちこち回れたら最高や!)
艱難辛苦の旅はお断りだが、お笑いの旅なら最高だとミナは思う。
(本格ファンタジーRPGだっただけあって、この世界の風景ビジュアル、キレイやったもんな。天空の島から流れ落ちる滝とか、砂漠のど真ん中で堂々と葉を生い茂らせる樹齢百万年の聖樹とか、普通に見たいもん!)
幸いにして、ミナにはナハトという心強い仲間がいる。たとえ砂漠の果てだろうと、ナハトに乗れば行くのは容易いはず。
(それに、今のあたしはゲームで旅立った時のヴィルヘルミナより、うんと強いはずや。艱難辛苦どころか物見遊山ができそうや!)
考えれば考えるほど、旅に出たくなる。
「――――ルーノは、卒業したらどうするの?」
お笑いの旅が諦めきれないミナは、たずねてみた。
ルーノは「う~ん」と考え込む。
「王立研究所や騎士団から、就職の話はきているんだけど、実はどうしようか迷っている。孤児の俺にはもったいないような話ばかりで、悩むのも申し訳ない気もするけれど……ローズもすっかり元気になったし、孤児院の経営も順調だし、どうしてもこうしたいって目標がないんだよな」
腕を組み、首を傾げるルーノは、本気で迷っているようだ。
「だったら私と“つきあって”!」
ミナは勢いよく申しこんだ。
「は? …………え? え? ――――“つきあう”?!」
ルーノはすごくビックリする。
「ええ、そうよ! 私、ルーノと一緒がいいの! 考えてみてくれる?」
ニコニコと、精一杯の笑みを浮かべ、ミナはルーノを誘う。
それなのに、ルーノの顔はみるみる青ざめていった。
「……ミ、ミナ! お前、それ、絶対! 意識せずに言っているだろう!?」
――――何を意識しろと言うのだろう?
何のことかわからないミナは、コテンと首を傾げる。
ルージュが、ルーノの隣で額をおさえて首を横に振った。
いつの間にかミナの横に立っていたハルトムートが、彼女の顔を覗きこんでくる。
「…………つきあうとは、どういう意味だ?」
ものすごく不機嫌に聞いてくる。
「ことと次第によっては、私も黙っていないぞ」
反対側の隣に、急にレヴィアが現れた。
ハルトムートもレヴィアも神出鬼没だなとミナは感心する。
「ミ、ミ、ミ、ミナ! 落ち着け! お前、それは、いつ? どこに? つきあえっていうことだ!?」
落ち着くのは、ルーノの方だろうと、ミナは思う。
ますます顔色を悪くするルーノを、ミナは呆れたように見つめた。
まあ、しかし、たしかにミナも言葉を省きすぎたかな? とは、思う。
「それは当然、“卒業後に諸国漫遊の旅につきあって”って意味よ。その前に卒業後はどうするの? って、話もしていたんだもの。少しは察してくれてもいいでしょう?」
ミナの言葉を聞いたルーノは、大きなため息をついた。
ルージュも「まあ、そうよね」とコクコク頷いている。
一方、ハルトムートとレヴィアの不機嫌は直らなかった。
「諸国漫遊の旅?」
「それに、その小僧と二人で行くと?」
「二人とは決まっていないけど。…………え? レヴィアは、もちろん一緒にいてくれるわよね?」
ナハトとレヴィアは、もうずっと自分と一緒なのだと、ミナは思っている。確かめるまでもないと思っていたのだが、違ったのだろうか?
(だって、あたしが死ぬまで召喚されてくれるって、そういう話やったよね?)
その後、ミナのネックレスを受け取るという契約だったはずだ。
どうやらそれは間違ってはいないようで、目に見えて上機嫌になったレヴィアは「当然だな」と力強く答える。
一方、ハルトムートは、ますます不機嫌になっていった。
いったい何が気に入らないのだろう?
首を傾げていれば、考え込んでいたルーノが話しかけてきた。
「ミナ、返事は後でもいいかな? 旅に出るなんて発想がなかったから正直面食らっている。ローズや孤児院のみんなにも相談したいし」
「もちろんよ! 卒業後の話なんだから。ゆっくり考えて」
(その前に、卒業式イベントもあることやし。返事なんてそれからで十分や)
「……それって、私も行ってもいいですか?」
恐る恐る聞いてきたのはルージュだった。
ミナはビックリしてしまう。
「え? でも、ルージュは魔法剣士になって騎士団に入るんでしょう?」
騎士学科を選んだのだ。当然騎士を目指しているのだろうと思ったのだが?
ルージュは、困ったような顔で笑った。
「最初はそう思っていたんだけど……最近少し迷っているの。その、騎士学科って、私以外は全員貴族でしょう? だからって、仲間はずれにされているとかそういうわけじゃないけれど……ミナみたいな貴族を見てきた後だと、他の貴族の人たちの考え方に、どうにもついていけないところがあって――――」
周囲が全て貴族の中で、はじめて騎士学科に入った平民としてルージュは戸惑っているのだろう。
そう思ったのだが、
「あ~、たしかにミナを見ちゃうとなぁ」
ルーノが、わかるわかると相づちを打つ。
「そうなんです! 一、二年の時も違いは感じていたんですけれど、騎士学科って本当に貴族の中でも、我こそは選ばれたエリート! みたいな方たちばかりで……実力なんて、ミナの足下にも及ばないのに」
ついでに言えばルージュよりもずいぶん下なのだそうだ。
なのにプライドばかり高く、相手を貶める努力はしても、自分が高みに登る努力はしないという。
「中には、まともな方もおられるのですが……圧倒的少数で」
ハァ~と大きなため息をルージュはつく。
騎士団の構成員は、ほとんどが騎士学科卒業の貴族。となれば、騎士団内部の様子とて学園と変わりはないだろう。
「憧れていた騎士団の現実を見て幻滅するよりも、ミナと波瀾万丈、ドキドキワクワク、ドラマチックな旅をした方が楽しそうかな? と」
いやいやいや! ちょっと待て!
(なんで波瀾万丈な旅なんて話に、なってるんや!?)
「私がしたいのは、物見遊山な旅よ」
遊ぶという字が入っていることからわかるように、物見遊山とは楽しく遊びながら、あちこち見て回る旅だ。そのついでにルーノと“お笑い”ができたら最高だとミナは思っている。
「え~?」
「ミナなのに?」
「…………それは、ムリだろうな」
ルージュ、ルーノ、ハルトムートの順のセリフである。
「ムリってなんや!?」
思わずミナはツッコんだ。
「は?」
「あ、……えっと、ムリというのは、納得できませんわ。平穏無事に旅を楽しむことは誰にだってできることですもの」
焦って言い直すミナを、ハルトムートはジロリと睨む。
「お前がいるだけで、平穏無事などありえないだろう?」
ずいぶんな言われようである。
「そんなことありませんわ」
「学園の実地訓練に治癒魔法使い見習いとして参加しただけで、その騎士団を配下に置いた奴が何を言う?」
とんでもない誤解である!
「配下になんてしていません!」
「エストマン伯爵令嬢と一緒に戦った者たちは、彼女の言うことならなんでもきくようになると噂になっているんだぞ」
いったい、いつの間にそんな噂が広がっているのだろう?
「皆さま親切なだけですわ!」
たしかに、実地訓練で一緒になった騎士たちは、その後も何かにつけて声をかけてくれたり便宜をはかってくれたりすることが多い。特に最初に同行した騎士団は、団長、副団長をはじめとして、全員ミナに親切だった。
「そんな風に誤解するだなんて、皆さまに失礼です!」
プンプンとミナが怒れば、ハルトムートも他のみんなも呆れたように肩を竦める。
「自覚がないところも問題だ。勝手に旅になんて行かせないから、そう思え!」
「私が旅に出るのに、どうしてハルトムートさまの許可がいるんですか?」
「お前が目を離すと何をするかわからないからだろう!」
「失礼な! 横暴です」
「横暴でもなんでも、ダメなものはダメだ!」
侃々諤々と言い争うミナとハルトムート。
「あ~あ、ハルトムートさま、素直じゃないからなぁ」
「ミナも、鈍すぎるし」
隣でルーノとルージュが何やら失礼なことを言っていたけれど、今のミナはそんなことにかまっていられなかった。
「ハルトムートさま、勝負です! 私の実力、今日こそ思い知っていただきますから!」
「受けて立つ」
――――それでいいのか? とルーノやルージュならずとも思うだろう。
ミナの周囲は、今日も平常運転だった。
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