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知らないうちにフラグを折ってしまったようです
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「噂に違わず――――だな」
「ああ、この目で見るまでは、さすがに信じられなかったのだが」
「あの父にして、この子あり」
「いや、あの兄にして、この妹ありじゃないか?」
なんだかずいぶんな言われようだと思う。
いったいどんな噂をされているのだろう?
(それに、なんで、お父さまやお兄さまが、ここで出てくるんや?)
「…………分を超えるか。では、そういった縛りを無しにして、君ならこの戦場をどのくらいで制することができる?」
そう聞いてきたのは、騎士の中でも一際目立つ男だった。
(えっと? ……たしか、副団長さんや、なかった?)
そんなトップクラスがここまで戻ってきていいのかと心配になる。
「それを聞いて、どうなさるおつもりですか?」
質問に質問を返すのは、ミナの趣味じゃない。
それでも、聞かなければならないことは聞く以外ないだろう。
副団長は、嫌がることもなく、あっさりと返事をしてくれた。
「君が即戦力になるのなら、もちろん戦ってもらうに決まっている」
「それは、今回の実地訓練として、間違った行為ではないでしょうか?」
「実地訓練と言えど、これは実戦だ。我らは命をかけて戦っている。犠牲を少なくするために使えるものを使うのに躊躇いはないぞ。――――君の力は遊ばせておくには勿体ないほどのもののようだからな。しかも、その容姿とくれば、兵の士気も上がるだろう。戦場には英雄が必要だ」
ミナは、大きなため息をついた。
「からかわないでください」
「いたって真面目なつもりだが?」
「では、あなたは底抜けのアホウなんでしょうね。…………戦場に必要なのは、英雄ではなく、決められた役割を正確に果たすことのできる歯車ですよ」
ミナにアホウと言われて、副団長は面白そうに目を細めた。
「ほう? どうしてそう思う?」
「一人の英雄が救えるのは一つの戦場のしかも一時期だけだからです。――――突出した力は、それが組織に属さない独立したものであれば、この上ない戦力ですが、組織の中の一部としては、欠陥品としか言いようがありません。なぜなら、それは代えのきかない部品だからです。どんな英雄もいつかは力衰え、死んでいきます。それが欠けたときに致命的な影響を及ぼすものなんて、大局的に見れば無用の長物なんです」
一時的に局面を有利にできても、それが続かない戦力など長期的に見れば害の方が大きい。
「それはずいぶん上から目線だな。実際に今を戦う者は、そんなことを言っていられない。――――君は、自分が力を出さないことで、他人が死してもかまわないと言うのかな?」
ミナは思わず半眼になってしまった。
ジトリとした視線で、副団長を見る。
「実際に死者が出てから、文句を言ってください」
「――――は?」
「死者なんて出すわけないでしょう? そんな寝覚めが悪いことしませんよ。私は小心者なんです」
ミナは、レヴィアとナハトにお願いして、最初から騎士団を守らせている。
軽いケガは自分たちの実地訓練に必要だからかまわないとして、致命傷になりそうな魔獣からの攻撃は、少し軌道を変えたり、“偶然”被害者を転ばせたりして、わざと外させているのだ。
(たまたま運がええことくらい、あっても不思議やないもんな)
たとえ実地訓練といえど、自分がいる部隊に死者や重傷者など出してたまるものかと、ミナは思う。
副団長は、クッと息を詰めると、やがてたまらず笑い出した。
「そうか。既に裏から手を回していたのだな。……いや、私も先ほどから、今日の戦闘はやたら運がいいなとは思っていたのだが」
どうやら副団長は、それを確かめるためもあって、ミナに絡んでいたようだ。
「全員! 聞いたか? 今日の戦闘にはエストマン伯爵家の“勝利の女神”が付いている! 思う存分暴れるぞ!!」
「おうっ!」
という勇ましい声が、騎士たちから上がった。
見れば、五百メートル先の戦場でも剣を突き上げ叫ぶ姿がある。
(なんや? “勝利の女神”って)
ミナは、ムッとしてしまう。
「――――伝声魔法ですか?」
「団長が、聞きたがっていてね」
この場でのやりとりを、前線でも聞かせていたのだということを、悪びれることなく副団長は認めた。
戦場の動きが、急に活発になり遠目にも戦意が上がったことがわかる。
「学生を戦闘に利用しないでください」
「利用できるものはなんでも利用する主義なんだ。言っただろう? 実際に今を戦う者は、きれいごとなんて言ってられないんだって」
そこまでの発言ではなかったと思うが、まあ、言っても詮無いことだろう。
「それでは戦場に戻るか。……ああ、安心しろ。君がいない戦場では過度な幸運をあてにしたりはしないから。俺たちはそこまで分別のない大人ではないからな」
ニヤリと笑った副団長の笑みに……既視感を覚えた。
(この人……たしか……そうや! ゲームの最終局面で駆けつけてくる王国の騎士団を率いていた騎士団長や!)
思い出した事実にミナはびっくりしてしまう。
本格ファンタジーRPGゲーム『闇夜の星』のラストでは、魔王と化したハルトムート率いる闇の軍団と、ヴィルヘルミナを中心とした光の軍団が最終決戦を繰り広げる。
全世界を巻き込んだ大規模な戦となり、そこには、それまで世界中を旅したヴィルヘルミナが、各地で縁を結び、助けてきた者たちが、共に戦うべく駆けつけてくれるのだ。
(おかげで、ホンマもんのトゥルーエンドを見るためには、えらい小さなイベントも無視できへんかったんよね。普通に勝つだけなら簡単やったんやけど)
とはいえ、ヴィルヘルミナの祖国は、他ならぬ魔王ハルトムートの祖国。
なんのイベントを起こす必要もなく、騎士団は派遣されてくるのだが。
(そっか、今は副団長だけど、将来的にはこの人が団長になっているんやな。まだ何年も先のことやから、それもありか)
容姿も今より年をとっていて、それでミナは気がつけなかった。
(それに、頬に大きな傷があったし。……たしか、大量発生した魔獣を討伐した時に負った傷やって話だったような? ……当時は副団長で、一緒に戦った隊は、団長も含めて半分ほど殺られたって……命があっただけ自分は幸運だったって、言っていたような? ……だからこそ、最終決戦に“自ら”志願したんだって言って…………?)
――――まさか、今回の討伐じゃないわよね?
ミナの背中を、汗が一筋流れ落ちる。
(いや! 犠牲がでぇへんのなら、いいに決まっているんやけど!)
知らず知らずのうちに、ミナは彼のフラグを叩き折ったのかもしれない。
(…………ま、まぁ。それ以前に、今のあたしにはハルトムートを闇落ちさせるつもりなんて、まったくないんやし。トゥルーエンドも何もあらへんもんな!)
アハハと、ミナは心の中で乾いた笑い声をあげた。
うんうん、なんの問題もないと、自分で自分に言い聞かせる。
「……エストマン伯爵令嬢」
「はいぃぃっっ!」
急に副団長に呼ばれて、ミナは上ずった声をあげてしまう。
「ありがとう」
一言そう告げて、副団長は駆け去った。
その後、意気の上がった騎士団は、それまで以上の戦いぶりで魔獣を倒して行く。
それを後方で見ながら、ミナは考え込んだ。
魔物の大量発生は起こっても、その被害は今のところゲームに比べて格段に小さい。
少なくともミナは、ゲームで語られていたような惨状を聞いたことがない。
(この世界がゲームと同じやないっちゅうことは、よくわかっているんやけど)
いろいろ違ってきたこの世界は、どこへ向かっているのだろう?
そして、自分はどこに行くのか?
(…………なぁんて! 引きこもりのあたしがどこかへ行くわけないんやけどな! ハルトムートの闇落ち防いだら、伯爵領の田舎で施療院でも開いて、じいちゃんばあちゃん相手にのんびり暮らすんや! …………あ、でもその前に、温泉巡りくらいならしてもええかもしれへんな)
実現不可能と言うなかれ。夢みるくらい自由である。
そろそろ戦いも終盤で、騎士団の勝利は確定的だ。
(いよいよ、うちらの出番やな)
そう思ったミナは、前を向く。
一歩足を踏み出した途端――――
「だから! どうして前に出ようとするんです!? 呼ばれるまで行かないでください!!」
エレーヌに、めちゃくちゃ怒鳴られた。
「ああ、この目で見るまでは、さすがに信じられなかったのだが」
「あの父にして、この子あり」
「いや、あの兄にして、この妹ありじゃないか?」
なんだかずいぶんな言われようだと思う。
いったいどんな噂をされているのだろう?
(それに、なんで、お父さまやお兄さまが、ここで出てくるんや?)
「…………分を超えるか。では、そういった縛りを無しにして、君ならこの戦場をどのくらいで制することができる?」
そう聞いてきたのは、騎士の中でも一際目立つ男だった。
(えっと? ……たしか、副団長さんや、なかった?)
そんなトップクラスがここまで戻ってきていいのかと心配になる。
「それを聞いて、どうなさるおつもりですか?」
質問に質問を返すのは、ミナの趣味じゃない。
それでも、聞かなければならないことは聞く以外ないだろう。
副団長は、嫌がることもなく、あっさりと返事をしてくれた。
「君が即戦力になるのなら、もちろん戦ってもらうに決まっている」
「それは、今回の実地訓練として、間違った行為ではないでしょうか?」
「実地訓練と言えど、これは実戦だ。我らは命をかけて戦っている。犠牲を少なくするために使えるものを使うのに躊躇いはないぞ。――――君の力は遊ばせておくには勿体ないほどのもののようだからな。しかも、その容姿とくれば、兵の士気も上がるだろう。戦場には英雄が必要だ」
ミナは、大きなため息をついた。
「からかわないでください」
「いたって真面目なつもりだが?」
「では、あなたは底抜けのアホウなんでしょうね。…………戦場に必要なのは、英雄ではなく、決められた役割を正確に果たすことのできる歯車ですよ」
ミナにアホウと言われて、副団長は面白そうに目を細めた。
「ほう? どうしてそう思う?」
「一人の英雄が救えるのは一つの戦場のしかも一時期だけだからです。――――突出した力は、それが組織に属さない独立したものであれば、この上ない戦力ですが、組織の中の一部としては、欠陥品としか言いようがありません。なぜなら、それは代えのきかない部品だからです。どんな英雄もいつかは力衰え、死んでいきます。それが欠けたときに致命的な影響を及ぼすものなんて、大局的に見れば無用の長物なんです」
一時的に局面を有利にできても、それが続かない戦力など長期的に見れば害の方が大きい。
「それはずいぶん上から目線だな。実際に今を戦う者は、そんなことを言っていられない。――――君は、自分が力を出さないことで、他人が死してもかまわないと言うのかな?」
ミナは思わず半眼になってしまった。
ジトリとした視線で、副団長を見る。
「実際に死者が出てから、文句を言ってください」
「――――は?」
「死者なんて出すわけないでしょう? そんな寝覚めが悪いことしませんよ。私は小心者なんです」
ミナは、レヴィアとナハトにお願いして、最初から騎士団を守らせている。
軽いケガは自分たちの実地訓練に必要だからかまわないとして、致命傷になりそうな魔獣からの攻撃は、少し軌道を変えたり、“偶然”被害者を転ばせたりして、わざと外させているのだ。
(たまたま運がええことくらい、あっても不思議やないもんな)
たとえ実地訓練といえど、自分がいる部隊に死者や重傷者など出してたまるものかと、ミナは思う。
副団長は、クッと息を詰めると、やがてたまらず笑い出した。
「そうか。既に裏から手を回していたのだな。……いや、私も先ほどから、今日の戦闘はやたら運がいいなとは思っていたのだが」
どうやら副団長は、それを確かめるためもあって、ミナに絡んでいたようだ。
「全員! 聞いたか? 今日の戦闘にはエストマン伯爵家の“勝利の女神”が付いている! 思う存分暴れるぞ!!」
「おうっ!」
という勇ましい声が、騎士たちから上がった。
見れば、五百メートル先の戦場でも剣を突き上げ叫ぶ姿がある。
(なんや? “勝利の女神”って)
ミナは、ムッとしてしまう。
「――――伝声魔法ですか?」
「団長が、聞きたがっていてね」
この場でのやりとりを、前線でも聞かせていたのだということを、悪びれることなく副団長は認めた。
戦場の動きが、急に活発になり遠目にも戦意が上がったことがわかる。
「学生を戦闘に利用しないでください」
「利用できるものはなんでも利用する主義なんだ。言っただろう? 実際に今を戦う者は、きれいごとなんて言ってられないんだって」
そこまでの発言ではなかったと思うが、まあ、言っても詮無いことだろう。
「それでは戦場に戻るか。……ああ、安心しろ。君がいない戦場では過度な幸運をあてにしたりはしないから。俺たちはそこまで分別のない大人ではないからな」
ニヤリと笑った副団長の笑みに……既視感を覚えた。
(この人……たしか……そうや! ゲームの最終局面で駆けつけてくる王国の騎士団を率いていた騎士団長や!)
思い出した事実にミナはびっくりしてしまう。
本格ファンタジーRPGゲーム『闇夜の星』のラストでは、魔王と化したハルトムート率いる闇の軍団と、ヴィルヘルミナを中心とした光の軍団が最終決戦を繰り広げる。
全世界を巻き込んだ大規模な戦となり、そこには、それまで世界中を旅したヴィルヘルミナが、各地で縁を結び、助けてきた者たちが、共に戦うべく駆けつけてくれるのだ。
(おかげで、ホンマもんのトゥルーエンドを見るためには、えらい小さなイベントも無視できへんかったんよね。普通に勝つだけなら簡単やったんやけど)
とはいえ、ヴィルヘルミナの祖国は、他ならぬ魔王ハルトムートの祖国。
なんのイベントを起こす必要もなく、騎士団は派遣されてくるのだが。
(そっか、今は副団長だけど、将来的にはこの人が団長になっているんやな。まだ何年も先のことやから、それもありか)
容姿も今より年をとっていて、それでミナは気がつけなかった。
(それに、頬に大きな傷があったし。……たしか、大量発生した魔獣を討伐した時に負った傷やって話だったような? ……当時は副団長で、一緒に戦った隊は、団長も含めて半分ほど殺られたって……命があっただけ自分は幸運だったって、言っていたような? ……だからこそ、最終決戦に“自ら”志願したんだって言って…………?)
――――まさか、今回の討伐じゃないわよね?
ミナの背中を、汗が一筋流れ落ちる。
(いや! 犠牲がでぇへんのなら、いいに決まっているんやけど!)
知らず知らずのうちに、ミナは彼のフラグを叩き折ったのかもしれない。
(…………ま、まぁ。それ以前に、今のあたしにはハルトムートを闇落ちさせるつもりなんて、まったくないんやし。トゥルーエンドも何もあらへんもんな!)
アハハと、ミナは心の中で乾いた笑い声をあげた。
うんうん、なんの問題もないと、自分で自分に言い聞かせる。
「……エストマン伯爵令嬢」
「はいぃぃっっ!」
急に副団長に呼ばれて、ミナは上ずった声をあげてしまう。
「ありがとう」
一言そう告げて、副団長は駆け去った。
その後、意気の上がった騎士団は、それまで以上の戦いぶりで魔獣を倒して行く。
それを後方で見ながら、ミナは考え込んだ。
魔物の大量発生は起こっても、その被害は今のところゲームに比べて格段に小さい。
少なくともミナは、ゲームで語られていたような惨状を聞いたことがない。
(この世界がゲームと同じやないっちゅうことは、よくわかっているんやけど)
いろいろ違ってきたこの世界は、どこへ向かっているのだろう?
そして、自分はどこに行くのか?
(…………なぁんて! 引きこもりのあたしがどこかへ行くわけないんやけどな! ハルトムートの闇落ち防いだら、伯爵領の田舎で施療院でも開いて、じいちゃんばあちゃん相手にのんびり暮らすんや! …………あ、でもその前に、温泉巡りくらいならしてもええかもしれへんな)
実現不可能と言うなかれ。夢みるくらい自由である。
そろそろ戦いも終盤で、騎士団の勝利は確定的だ。
(いよいよ、うちらの出番やな)
そう思ったミナは、前を向く。
一歩足を踏み出した途端――――
「だから! どうして前に出ようとするんです!? 呼ばれるまで行かないでください!!」
エレーヌに、めちゃくちゃ怒鳴られた。
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