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ぼっち脱出です!
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どのみち『エストマン伯爵令嬢が作った』という事実は知られてしまっているのだ。
信じ難かったというだけの理由なら、隠しきれるとは思えない。
フランソワーヌは、ミナの返事を聞いた途端、パァ~ッと顔を明るくした。
くしゃりと泣き出しそうな顔で微笑むと、ペンダントを握りしめたまま、ミナに向かって頭を下げる。
「え? フランソワーヌさま!?」
「ありがとう!」
戸惑うミナに対し、フランソワーヌは、もう一度「ありがとう」と言った。
そういえば、彼女は「お礼が言いたかった」と先ほど言っていた。
とはいえ、まさかこの場でこんなに率直に頭を下げられるとは思わなかった。
ミナは伯爵令嬢。対してフランソワーヌは侯爵令嬢。
新入生女子生徒だけを見れば、彼女は公爵令嬢に次いで第二位の地位を持っている。
身分差を考えるなら、ミナに対し礼の言葉を伝えても頭を下げる必要などないのだから。
(素直っちゅうか、ピュアっちゅうか……うん。よっぽどの箱入り娘だったんやな)
そんなフランソワーヌを、付き添いできたのだろうエレーヌが呆れた目を向けていた。
「……えっと、せっかくお礼を言っていただいて申し訳ないのですが……そのペンダントにそんな力はないと思いますよ。勇気が出たのだとしたら、単に思い込みで、元々フランソワーヌさまに勇気がおありだったのだと思います」
ぜひそういう話にしてほしいと願いながら、ミナはそう告げる。
せっかくビーズアクセサリー作りを再開できそうなのに、ここでまた変な(?)噂を広めてもらいたくない。
フランソワーヌは、首をふるふると横に振った。
「力があってもなくても、私がこのペンダントに助けられたのは事実です。だからお礼は言わせてください」
そこまで言われては、ミナもそれ以上否定できなかった。
「フランソワーヌさまが、そうおっしゃるのであれば」
仕方なく、そう言って笑う。
フランソワーヌも頬を上気させたまま嬉しそうにしていた。
なんとなく微笑んで見つめ合っていたのだが、そこにエレーヌが話しかけてくる。
「今作っているのは、新しいビーズアクセサリーですか?」
エレーヌは、興味津々にミナの手元をのぞき込む。
気の強そうな少女は物怖じしない性格なのだろう。
それでフランソワーヌとも気があっているのかもしれなかった。
思い出してみれば、ミナのところに来た時も、フランソワーヌはエレーヌに押し出されていた。
身分を超えた友情で結ばれている二人が、ちょっと羨ましいと思う。
「なんだか地味な色合いですね?」
ジッと見ていたエレーヌは、ポツンとそう呟いた。
「エレーヌったら、失礼ですわ。落ち着いたいい色でじゃないですか」
フランソワーヌは怒るが、感じたままを正直に言ってくるエレーヌの態度に、ミナは好感を持つ。
「兄のためのミサンガですから」
今回使っているビーズの原料は、ジェイドという宝石だ。
落ち着いた緑色の石で、護符や魔除けになると同時に、人望も高めてくれると言われている。
学園内で、学生からも教職員からも頼られているアウレリウスにはぴったりな石だろう。
「これは、ヘリンボーンステッチという編み方です。細身のチューブ状にして銀のチャームに合わせるんですよ。――――ほら、落ち着いているし、これなら男性が腕に着けていてもおかしくないでしょう?」
作りかけのものをイメージできるように組み合わせて見せれば、エレーヌもフランソワーヌも、目を輝かせた。
「本当ですわ。とても上品なミサンガになりますのね」
「こういうのをさりげなく身につけられる男性って、憧れる!」
最初のセリフはフランソワーヌで、次はエレーヌだ。
ビーズアクセサリーに興味津々な二人の姿に、ミナはクスリと笑みをこぼす。
(……うん、いい子や。ひとりひとりと向き合えば、二人とも普通の子やのにな)
しかし、彼女たちは入学式やクラス内で、ハルトムートに冷たい視線を浴びせたり、こそこそと陰口を叩いたりした。
(いや、実際には、そんなことしてへんかったのかもしれんけど……でも、それを非難する側にいなかったんは、確かや)
普通の子が、絶対多数の意見に流されるのは、ごくごく自然なことだ。
彼らに悪気はなかったとしても、結果として相手を傷つける側に加担することになる。
(それをあたしが大声で非難できるほど偉い人間かっちゅうと、そうも言えんのやけど)
前世の聖奈が、今のヴィルヘルミナのようであったかと言われれば、それは違う。
イジメなどに加担したことはなかったが、それを止めるための行動を積極的に起こしたこともなかった。
(どっちかっつうと、イジメられる方やったしな。……エセ関西弁を話す社交性皆無の人間なんて、ええイジメの標的やもん)
しかし、幸いなのかどうなのか――――他人からの評価にあまり興味のなかった聖奈は、悪口を言われても、あまり傷つくことがなかった。
多少の悪口なんて、どこ吹く風。聖奈の反応のなさに、いじめる方はいつも拍子抜けしていたものだ。
加えて、五月生まれで背が高く、健康優良児でもあった聖奈は、暴力に遇うこともなかった。
(小学校低学年の頃なんて、男子はみんなあたしより背が低かったもん。――――いっぺんいじめっ子に突っかかってこられたこともあったけど、どつき返してやったんや!)
あれは我ながら見事な返しだったと、聖奈は自画自賛する。
あまりにキレイに決まったため、その後いじめっ子に対し、一緒にどつき漫才をしないかと誘ったのだが、あえなく断られてしまった。
(あそこで断られていなかったら、あたしはお笑い芸人になっていたやもしれん!)
ちょっと惜しいことをしたと、今でも聖奈は思っている。
(……あ? えっと違う。なんでこんなしょうもないことを思い出したんやった? ……ああ! そうそう! この子たちのことやった!)
ついつい思考が脱線していたミナは、目の前のフランソワーヌとエレーヌを見て、意識を取り戻す。
(この子たちは、ハルトムートの悪口を言っていた子と同じ立場の子やけど――――罪を憎んで人を憎まずや!)
いささか脈絡が乱れたままに、ミナはそう思う。
「ビーズアクセサリー、良かったら作ってみますか?」
だからミナは、二人を笑顔で誘ってみた。
フランソワーヌとエレーヌは、パッと顔を明るくする。
「いいんですか!?」
「そんな、ご迷惑では――――」
身を乗り出してくるのはエレーヌで、遠慮するのはフランソワーヌだ。
「迷惑なんかじゃありませんわ。……わたしたち、これから一緒に学園生活を送るクラスメートですもの」
そう。学園生活ははじまったばかり。
これから否が応でもつきあっていかなければならない相手なら、相手を責めて対立するよりも仲良くした方がずっといいのである。
(性根をたたき直してやるのは、仲良うなってからでも遅うないしな)
ミナは、ニンマリ笑う。
フランソワーヌとエレーヌは、二人そろって体をブルリと震わせた。
「あら? どうしたのかしら」
「なんだか寒気がしたような」
顔を見合わせ、首を傾げる。
「まあ、ごめんなさい。ずっと立たせていたせいかしら。どうぞ座って、一緒に作りましょう」
ミナはとびきりの笑顔で二人を促した。
頬を赤らめた少女たちは、嬉しそうに頷く。
この日、ミナに新しい“友だち”が増えた。
(やった! ぼっち脱出や!! この調子で友だち増やして、ハルトムートも闇属性も怖くないんだってことを教え込んで、認識あらたにさせたるで!!)
決意を込めてミナは心に誓う。
(――――それは、純粋に“友だち”ができたとは、言えないのではないか?)
呆れたようなレヴィアのツッコミは、聞こえなかったことにした。
(なにはともあれ、ビーズアクセサリーも作れたし、今日の昼休みは最高や!)
晴れやかに笑うミナは、昼休みが終わって戻ってきたハルトムートが、なんだか不満そうにミナを見ているのに気がつかなかった。
信じ難かったというだけの理由なら、隠しきれるとは思えない。
フランソワーヌは、ミナの返事を聞いた途端、パァ~ッと顔を明るくした。
くしゃりと泣き出しそうな顔で微笑むと、ペンダントを握りしめたまま、ミナに向かって頭を下げる。
「え? フランソワーヌさま!?」
「ありがとう!」
戸惑うミナに対し、フランソワーヌは、もう一度「ありがとう」と言った。
そういえば、彼女は「お礼が言いたかった」と先ほど言っていた。
とはいえ、まさかこの場でこんなに率直に頭を下げられるとは思わなかった。
ミナは伯爵令嬢。対してフランソワーヌは侯爵令嬢。
新入生女子生徒だけを見れば、彼女は公爵令嬢に次いで第二位の地位を持っている。
身分差を考えるなら、ミナに対し礼の言葉を伝えても頭を下げる必要などないのだから。
(素直っちゅうか、ピュアっちゅうか……うん。よっぽどの箱入り娘だったんやな)
そんなフランソワーヌを、付き添いできたのだろうエレーヌが呆れた目を向けていた。
「……えっと、せっかくお礼を言っていただいて申し訳ないのですが……そのペンダントにそんな力はないと思いますよ。勇気が出たのだとしたら、単に思い込みで、元々フランソワーヌさまに勇気がおありだったのだと思います」
ぜひそういう話にしてほしいと願いながら、ミナはそう告げる。
せっかくビーズアクセサリー作りを再開できそうなのに、ここでまた変な(?)噂を広めてもらいたくない。
フランソワーヌは、首をふるふると横に振った。
「力があってもなくても、私がこのペンダントに助けられたのは事実です。だからお礼は言わせてください」
そこまで言われては、ミナもそれ以上否定できなかった。
「フランソワーヌさまが、そうおっしゃるのであれば」
仕方なく、そう言って笑う。
フランソワーヌも頬を上気させたまま嬉しそうにしていた。
なんとなく微笑んで見つめ合っていたのだが、そこにエレーヌが話しかけてくる。
「今作っているのは、新しいビーズアクセサリーですか?」
エレーヌは、興味津々にミナの手元をのぞき込む。
気の強そうな少女は物怖じしない性格なのだろう。
それでフランソワーヌとも気があっているのかもしれなかった。
思い出してみれば、ミナのところに来た時も、フランソワーヌはエレーヌに押し出されていた。
身分を超えた友情で結ばれている二人が、ちょっと羨ましいと思う。
「なんだか地味な色合いですね?」
ジッと見ていたエレーヌは、ポツンとそう呟いた。
「エレーヌったら、失礼ですわ。落ち着いたいい色でじゃないですか」
フランソワーヌは怒るが、感じたままを正直に言ってくるエレーヌの態度に、ミナは好感を持つ。
「兄のためのミサンガですから」
今回使っているビーズの原料は、ジェイドという宝石だ。
落ち着いた緑色の石で、護符や魔除けになると同時に、人望も高めてくれると言われている。
学園内で、学生からも教職員からも頼られているアウレリウスにはぴったりな石だろう。
「これは、ヘリンボーンステッチという編み方です。細身のチューブ状にして銀のチャームに合わせるんですよ。――――ほら、落ち着いているし、これなら男性が腕に着けていてもおかしくないでしょう?」
作りかけのものをイメージできるように組み合わせて見せれば、エレーヌもフランソワーヌも、目を輝かせた。
「本当ですわ。とても上品なミサンガになりますのね」
「こういうのをさりげなく身につけられる男性って、憧れる!」
最初のセリフはフランソワーヌで、次はエレーヌだ。
ビーズアクセサリーに興味津々な二人の姿に、ミナはクスリと笑みをこぼす。
(……うん、いい子や。ひとりひとりと向き合えば、二人とも普通の子やのにな)
しかし、彼女たちは入学式やクラス内で、ハルトムートに冷たい視線を浴びせたり、こそこそと陰口を叩いたりした。
(いや、実際には、そんなことしてへんかったのかもしれんけど……でも、それを非難する側にいなかったんは、確かや)
普通の子が、絶対多数の意見に流されるのは、ごくごく自然なことだ。
彼らに悪気はなかったとしても、結果として相手を傷つける側に加担することになる。
(それをあたしが大声で非難できるほど偉い人間かっちゅうと、そうも言えんのやけど)
前世の聖奈が、今のヴィルヘルミナのようであったかと言われれば、それは違う。
イジメなどに加担したことはなかったが、それを止めるための行動を積極的に起こしたこともなかった。
(どっちかっつうと、イジメられる方やったしな。……エセ関西弁を話す社交性皆無の人間なんて、ええイジメの標的やもん)
しかし、幸いなのかどうなのか――――他人からの評価にあまり興味のなかった聖奈は、悪口を言われても、あまり傷つくことがなかった。
多少の悪口なんて、どこ吹く風。聖奈の反応のなさに、いじめる方はいつも拍子抜けしていたものだ。
加えて、五月生まれで背が高く、健康優良児でもあった聖奈は、暴力に遇うこともなかった。
(小学校低学年の頃なんて、男子はみんなあたしより背が低かったもん。――――いっぺんいじめっ子に突っかかってこられたこともあったけど、どつき返してやったんや!)
あれは我ながら見事な返しだったと、聖奈は自画自賛する。
あまりにキレイに決まったため、その後いじめっ子に対し、一緒にどつき漫才をしないかと誘ったのだが、あえなく断られてしまった。
(あそこで断られていなかったら、あたしはお笑い芸人になっていたやもしれん!)
ちょっと惜しいことをしたと、今でも聖奈は思っている。
(……あ? えっと違う。なんでこんなしょうもないことを思い出したんやった? ……ああ! そうそう! この子たちのことやった!)
ついつい思考が脱線していたミナは、目の前のフランソワーヌとエレーヌを見て、意識を取り戻す。
(この子たちは、ハルトムートの悪口を言っていた子と同じ立場の子やけど――――罪を憎んで人を憎まずや!)
いささか脈絡が乱れたままに、ミナはそう思う。
「ビーズアクセサリー、良かったら作ってみますか?」
だからミナは、二人を笑顔で誘ってみた。
フランソワーヌとエレーヌは、パッと顔を明るくする。
「いいんですか!?」
「そんな、ご迷惑では――――」
身を乗り出してくるのはエレーヌで、遠慮するのはフランソワーヌだ。
「迷惑なんかじゃありませんわ。……わたしたち、これから一緒に学園生活を送るクラスメートですもの」
そう。学園生活ははじまったばかり。
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(性根をたたき直してやるのは、仲良うなってからでも遅うないしな)
ミナは、ニンマリ笑う。
フランソワーヌとエレーヌは、二人そろって体をブルリと震わせた。
「あら? どうしたのかしら」
「なんだか寒気がしたような」
顔を見合わせ、首を傾げる。
「まあ、ごめんなさい。ずっと立たせていたせいかしら。どうぞ座って、一緒に作りましょう」
ミナはとびきりの笑顔で二人を促した。
頬を赤らめた少女たちは、嬉しそうに頷く。
この日、ミナに新しい“友だち”が増えた。
(やった! ぼっち脱出や!! この調子で友だち増やして、ハルトムートも闇属性も怖くないんだってことを教え込んで、認識あらたにさせたるで!!)
決意を込めてミナは心に誓う。
(――――それは、純粋に“友だち”ができたとは、言えないのではないか?)
呆れたようなレヴィアのツッコミは、聞こえなかったことにした。
(なにはともあれ、ビーズアクセサリーも作れたし、今日の昼休みは最高や!)
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