16 / 75
いざ! 入学式
しおりを挟む
ゆっくりと確実に季節は巡り、日本の桜に似たピンクの小さな花――――セリシールが満開に咲き誇り風にヒラヒラと花びらを散らせる時季となる。
「ヴィルヘルミナさま。馬車の用意ができました」
「はい。今行きます」
部屋の窓から花を愛でていたミナを、妊娠し大きくなったお腹を抱えたヒルダが迎えにきた。
「無理をしないでね」
「これくらい大丈夫ですよ。少しは動かないとダメだと、お医者さまにも言われていますから」
心配するミナに、ヒルダはニッコリと笑って返す。最近のヒルダは、聖母みたいな雰囲気がでて、日に日にきれいになっていくようだ。
(女性って――――母親って、不思議やな)
見惚れていたミナは、ヒルダが真新しいカバンを持とうとするのに気づき、慌てて彼女に駆け寄った。
「私が自分で持ちます」
「あら。まあまあ、お嬢さま。大丈夫ですよ。これくらい持てます」
「私が自分で持ちたいの。……だって、私も今日から学園の一年生なんですもの」
ミナが言い張れば、ヒルダは微笑ましそうな顔でカバンを渡してくれた。
――――ヴィルヘルミナ十歳。
無事に入学前の魔法属性検査を終えた彼女は、今日から学園に通うことになっている。
同じ検査で二属性持っていることが判明したルーノも無事学園に入学することになっており、年齢は一つ年上ながらも今日から同じ新入生だ。
わかっていたことだが、ミナの属性は当然光だった。
攻撃防御共に高威力な上、治癒系にも優れているという万能な希少属性に、家族一同が喜びに沸いたのはつい先日だ。
(……闇属性だって光と同じくらい万能やのにな)
むしろ攻撃力だけ見れば闇は光よりも優れている。
代わりに治癒が弱いがそれだって炎系よりずっと強い。
(なんで闇だっちゅうだけで、みんな忌避するんやろ)
皆から祝福されながらもミナの心は複雑だ。
この国の第二王子が闇属性だったことが、公然の秘密として噂になっているから。
ハルトムートは、どんな思いで今日の日を迎えているだろう。
彼の心情を考えれば心も沈む。
(そう……いよいよ、ハルトムートと対面なんやな)
最初の出会いをふいにしてから三年。
当然と言えば当然なのだが、この間ミナは一度もハルトムートに会っていない。
いくら貴族の令嬢とはいえ社交界デビューもまだの子供がそうそう王族に会えるはずなどないのである。
もっとも王妃の従妹である母などは何度か二人の出会いを演出しようとしたようなのだが、ハルトムートの都合が合わず果たせていなかった。
(ていうか、微妙に避けられていたような気がするんやけど? やっとの思いで日程を合わせても、当日になってお腹が痛くなったり急用が入ったりなんて……あからさますぎやろ?)
八歳や九歳の生意気盛りの男の子が、女の子――――しかも、自分の婚約者になりそうな女の子に会いたくないと思う気持ちはわからないでもない。
だからといって避けていいのかと言えば、それは違った。
(うちは伯爵家とはいえ勢いのある家やもの。少なくとも自分の気持ちだけで遠ざけていい家やない)
その点ハルトムートは、まだまだ子供なのだと思われた。
(まあ、実際子供なんやろうけど)
王族としては失格だ。
(そんなことしているから、闇属性やってわかった途端みんなにそっぽむかれたんとちゃうか?)
うがった見方かもしれないが、ミナはそう思う。
実際、ハルトムートが闇属性とわかった時、沈痛な表情を浮かべながら父の言動の端々には『言わんこっちゃない』という雰囲気が垣間見えた。
兄など、はっきりきっぱり『ざまあみろ』という顔をしていたのだ。
父のそれがハルトムート自身に対するものか、はたまた有能な父に対して仕事を無茶振りしてくる国王に対してのものなのかは、はっきりしないが。
(まあ、でもきっとハルトムートも、わがまま王子だったんやろな)
ミナは、まだ見ぬハルトムートの性格をそう予想する。
これはゲームでは垣間見えなかった裏事情だ。
(設定にあったんか、なかったんか? ……ううん違うな。そんなもん、もう関係ない。――――ここは、あたしにとってゲームやなくて現実なんやから)
これからミナが出会うのは、ゲームのキャラクターのハルトムートではなく実際に生きているハルトムートという名の少年だ。
ミナと同じ十歳の、たぶんわがままな王子さま。
今までちやほやされて、なのに自分の魔法属性が闇だとわかった途端、周囲から疎まれている。
それはとても哀れなことだった。
(属性なんて本人のせいやないのに)
ハルトムートの心情を思い、ミナはますます心を沈ませる。
そんな彼女を慰めるかのように(ニャア)という鳴き声が聞こえてきた。
今まさに出ようとしている部屋の奥にはクッションがあって、そこに黒い猫が丸くなっている。
しかしミナは、そちらを振り返ることはなく、自分の足元――――影の方へと視線を落とした。
(ありがとうナハト。私は大丈夫よ)
影に向かって心の中で応える。
部屋の奥にいる猫は、ヒルダや他の使用人を欺くためのナハトの幻影。
本物のナハトはミナの影の中にいるのだ。
魔獣であるナハトが、影遁と呼ばれるミナの影に潜む術を覚えたのは今から一カ月ほど前。学園に入学する準備を進めながら『いい子でお留守番してね』と繰り返し言い聞かせていた中でのことで、びっくりしてしまった。
(よっぽど『お留守番』が、やだったんやろな)
だからといって影遁を使えるようになるとは思わなかった。さすが魔獣と言うべきで、普段のんびりしているナハトの真価が垣間見えた瞬間だ。
ナハトに感心していれば、別の声が頭の中に響いてくる。
(ミナ、またお前はたいして敏くもない頭を悩ませるな。……いつもの能天気はどうした?)
声の発信源は制服の下につけているネックレスだった。
非常に失礼な内容の声の主は、言わずと知れたレヴィアだ。
(ひょっとして、それで慰めているつもりなの?)
(なぜ、私がお前を慰める必要がある?)
――――ナルシストな俺さま騎士は相変わらずである。
(脆弱な人間の子であるお前が、ない頭を振り絞りいくら考えても何もできはしないだろう。下手の考え休むに似たりと言うではないか。学園には私も一緒に行くのだ。何かあれば私が守ってやる。だからお前はいつも通り笑っていろ)
上から目線の言葉はバカにしているとしか思えない。
それでも、これはレヴィアなりの最大限の慰めだった。
レヴィアと出会って一年あまり、悲しいかなこの手の発言をミナはもう聞き慣れている。
(……腹は立つけどな)
苦笑しながらミナは、制服の上からそっとネックレスに触れた。
妖精騎士の宿るネックレスは、ほんのり温かい。
(ありがとう)
(主を守るは騎士の務め。礼には及ばん)
レヴィアの言葉を聞きながら、ミナはドアを閉める。
「ミナ! 用意はいいかい?」
その時、玄関ホールからアウレリウスがミナを呼ぶ声がした。
ミナより四歳年上の兄はラキセラ学園の五年生。
今日は、入学式の会場までミナの付き添い役をしてくれることになっている。
本当は両親が一緒に行く予定だったのだが、今朝になって、突如外せない用が夫婦ともにできたらしい。入学式には遅れて参加するということで、ミナに謝りながら先ほど出かけて行った。
「お父さまお母さまが揃ってご用なんて珍しいですね? お兄さま」
「心配かい? ミナ、大丈夫だよ。私がきちんとミナをエスコートするからね」
玄関ホールについたミナの顔をのぞきこみ、アウレリウスは安心させるように笑ってくれる。
今日から妹と同じ学園に通えるということで、彼はとても張りきっているのだ。
ミナも嬉しそうに笑った。
「頼りにしています。お兄さま」
「ああ。十分に頼るといいよ」
わざと気取ってそう言ったアウレリウスが、ミナに手を差し伸べてくる。
「入学おめでとう。ミナ」
あらためて言われたお祝いの言葉にミナは笑みを深くした。
こうして彼女は学園の入学式を迎えたのだった。
「ヴィルヘルミナさま。馬車の用意ができました」
「はい。今行きます」
部屋の窓から花を愛でていたミナを、妊娠し大きくなったお腹を抱えたヒルダが迎えにきた。
「無理をしないでね」
「これくらい大丈夫ですよ。少しは動かないとダメだと、お医者さまにも言われていますから」
心配するミナに、ヒルダはニッコリと笑って返す。最近のヒルダは、聖母みたいな雰囲気がでて、日に日にきれいになっていくようだ。
(女性って――――母親って、不思議やな)
見惚れていたミナは、ヒルダが真新しいカバンを持とうとするのに気づき、慌てて彼女に駆け寄った。
「私が自分で持ちます」
「あら。まあまあ、お嬢さま。大丈夫ですよ。これくらい持てます」
「私が自分で持ちたいの。……だって、私も今日から学園の一年生なんですもの」
ミナが言い張れば、ヒルダは微笑ましそうな顔でカバンを渡してくれた。
――――ヴィルヘルミナ十歳。
無事に入学前の魔法属性検査を終えた彼女は、今日から学園に通うことになっている。
同じ検査で二属性持っていることが判明したルーノも無事学園に入学することになっており、年齢は一つ年上ながらも今日から同じ新入生だ。
わかっていたことだが、ミナの属性は当然光だった。
攻撃防御共に高威力な上、治癒系にも優れているという万能な希少属性に、家族一同が喜びに沸いたのはつい先日だ。
(……闇属性だって光と同じくらい万能やのにな)
むしろ攻撃力だけ見れば闇は光よりも優れている。
代わりに治癒が弱いがそれだって炎系よりずっと強い。
(なんで闇だっちゅうだけで、みんな忌避するんやろ)
皆から祝福されながらもミナの心は複雑だ。
この国の第二王子が闇属性だったことが、公然の秘密として噂になっているから。
ハルトムートは、どんな思いで今日の日を迎えているだろう。
彼の心情を考えれば心も沈む。
(そう……いよいよ、ハルトムートと対面なんやな)
最初の出会いをふいにしてから三年。
当然と言えば当然なのだが、この間ミナは一度もハルトムートに会っていない。
いくら貴族の令嬢とはいえ社交界デビューもまだの子供がそうそう王族に会えるはずなどないのである。
もっとも王妃の従妹である母などは何度か二人の出会いを演出しようとしたようなのだが、ハルトムートの都合が合わず果たせていなかった。
(ていうか、微妙に避けられていたような気がするんやけど? やっとの思いで日程を合わせても、当日になってお腹が痛くなったり急用が入ったりなんて……あからさますぎやろ?)
八歳や九歳の生意気盛りの男の子が、女の子――――しかも、自分の婚約者になりそうな女の子に会いたくないと思う気持ちはわからないでもない。
だからといって避けていいのかと言えば、それは違った。
(うちは伯爵家とはいえ勢いのある家やもの。少なくとも自分の気持ちだけで遠ざけていい家やない)
その点ハルトムートは、まだまだ子供なのだと思われた。
(まあ、実際子供なんやろうけど)
王族としては失格だ。
(そんなことしているから、闇属性やってわかった途端みんなにそっぽむかれたんとちゃうか?)
うがった見方かもしれないが、ミナはそう思う。
実際、ハルトムートが闇属性とわかった時、沈痛な表情を浮かべながら父の言動の端々には『言わんこっちゃない』という雰囲気が垣間見えた。
兄など、はっきりきっぱり『ざまあみろ』という顔をしていたのだ。
父のそれがハルトムート自身に対するものか、はたまた有能な父に対して仕事を無茶振りしてくる国王に対してのものなのかは、はっきりしないが。
(まあ、でもきっとハルトムートも、わがまま王子だったんやろな)
ミナは、まだ見ぬハルトムートの性格をそう予想する。
これはゲームでは垣間見えなかった裏事情だ。
(設定にあったんか、なかったんか? ……ううん違うな。そんなもん、もう関係ない。――――ここは、あたしにとってゲームやなくて現実なんやから)
これからミナが出会うのは、ゲームのキャラクターのハルトムートではなく実際に生きているハルトムートという名の少年だ。
ミナと同じ十歳の、たぶんわがままな王子さま。
今までちやほやされて、なのに自分の魔法属性が闇だとわかった途端、周囲から疎まれている。
それはとても哀れなことだった。
(属性なんて本人のせいやないのに)
ハルトムートの心情を思い、ミナはますます心を沈ませる。
そんな彼女を慰めるかのように(ニャア)という鳴き声が聞こえてきた。
今まさに出ようとしている部屋の奥にはクッションがあって、そこに黒い猫が丸くなっている。
しかしミナは、そちらを振り返ることはなく、自分の足元――――影の方へと視線を落とした。
(ありがとうナハト。私は大丈夫よ)
影に向かって心の中で応える。
部屋の奥にいる猫は、ヒルダや他の使用人を欺くためのナハトの幻影。
本物のナハトはミナの影の中にいるのだ。
魔獣であるナハトが、影遁と呼ばれるミナの影に潜む術を覚えたのは今から一カ月ほど前。学園に入学する準備を進めながら『いい子でお留守番してね』と繰り返し言い聞かせていた中でのことで、びっくりしてしまった。
(よっぽど『お留守番』が、やだったんやろな)
だからといって影遁を使えるようになるとは思わなかった。さすが魔獣と言うべきで、普段のんびりしているナハトの真価が垣間見えた瞬間だ。
ナハトに感心していれば、別の声が頭の中に響いてくる。
(ミナ、またお前はたいして敏くもない頭を悩ませるな。……いつもの能天気はどうした?)
声の発信源は制服の下につけているネックレスだった。
非常に失礼な内容の声の主は、言わずと知れたレヴィアだ。
(ひょっとして、それで慰めているつもりなの?)
(なぜ、私がお前を慰める必要がある?)
――――ナルシストな俺さま騎士は相変わらずである。
(脆弱な人間の子であるお前が、ない頭を振り絞りいくら考えても何もできはしないだろう。下手の考え休むに似たりと言うではないか。学園には私も一緒に行くのだ。何かあれば私が守ってやる。だからお前はいつも通り笑っていろ)
上から目線の言葉はバカにしているとしか思えない。
それでも、これはレヴィアなりの最大限の慰めだった。
レヴィアと出会って一年あまり、悲しいかなこの手の発言をミナはもう聞き慣れている。
(……腹は立つけどな)
苦笑しながらミナは、制服の上からそっとネックレスに触れた。
妖精騎士の宿るネックレスは、ほんのり温かい。
(ありがとう)
(主を守るは騎士の務め。礼には及ばん)
レヴィアの言葉を聞きながら、ミナはドアを閉める。
「ミナ! 用意はいいかい?」
その時、玄関ホールからアウレリウスがミナを呼ぶ声がした。
ミナより四歳年上の兄はラキセラ学園の五年生。
今日は、入学式の会場までミナの付き添い役をしてくれることになっている。
本当は両親が一緒に行く予定だったのだが、今朝になって、突如外せない用が夫婦ともにできたらしい。入学式には遅れて参加するということで、ミナに謝りながら先ほど出かけて行った。
「お父さまお母さまが揃ってご用なんて珍しいですね? お兄さま」
「心配かい? ミナ、大丈夫だよ。私がきちんとミナをエスコートするからね」
玄関ホールについたミナの顔をのぞきこみ、アウレリウスは安心させるように笑ってくれる。
今日から妹と同じ学園に通えるということで、彼はとても張りきっているのだ。
ミナも嬉しそうに笑った。
「頼りにしています。お兄さま」
「ああ。十分に頼るといいよ」
わざと気取ってそう言ったアウレリウスが、ミナに手を差し伸べてくる。
「入学おめでとう。ミナ」
あらためて言われたお祝いの言葉にミナは笑みを深くした。
こうして彼女は学園の入学式を迎えたのだった。
0
お気に入りに追加
569
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる