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第三章 茜空ギャラクシィ
子供博士。
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「だ、誰じゃお前達は、どうやってここに入った!?」
白衣着た子供がなにか喋ってる。
まさかの老人言葉だ。
いや、実際500才オーバーの老人なんだが。
「お前が根本かーっ」
あ、吸血鬼の女王様が捕まえにいった。
「お前のせいで私は蜂蜜だらけになったぞーっ、どうしてくれる!?」
プニプニプニプニプニプニっ。
吸血鬼の女王様が子供博士のほっぺを両手で挟んで凄いプニプニしている。
「や、やめりょ、なんだお前たちわっ」
「根本さん、でいいのかな?」
「んん、離せっ、たしかに私は根本じゃが、お主たちは誰なんだ」
吸血鬼の呪縛から解かれた根本少年がこっちを見る。
「俺たちも日本から来てる者だよ」
「!?、な、なんと、では勇者か……。は、はじめて会った」
根本博士は他の勇者に会ったことないらしい。
「ふむ、なるほど、では勇者の能力で入ってきたのじゃな」
お、賢いぞ根本博士。さすが博士だ。
「して、なんのようなんじゃ?私は見ての通り忙しいのじゃ」
そう言って根本博士はまたみょうな機械をいじり始める。
これロケットなのか?
なんか四角い箱みたいな形してるけど。
「なんだ偉そうにっ」
プニプニプニプニプニプニっ。
偉そうにしてたせいでまた吸血鬼の女王様に目をつけられた。
「や、やめろっ、小娘っ、私を誰だと思っとるんだ」
京を小娘呼ばわりしてるが、彼女は2000才だ。
だが根本少年も実は500才だ。
ややこしい図式だな。
あっ、根本博士はまた吸血鬼の呪縛から逃げて、今度は東くんの後ろに隠れた。
鋭いな。
唯一根本の罠被害がなく、助けてくれそうな東くんの後ろに隠れるとは、博士の勘侮りがたし。
「まああれだよ。根本さん、ロケット作んのもうやめてほしいんだけど」
「……なんでじゃ?」
「この国に1000基位ロケットばら蒔いてるからだよ。危ないでしょ?」
「危ないでしょ?と言われてもじゃな。私は地球に帰らねばいかんのだ。その為には致し方なかろう」
致し方無いことはないだろ。
じゃあせめて作ったヤツそこらに放置してねえで解体しろや。
「……そもそもロケットじゃ帰れないよ」
「なぬっ、どういうことじゃ」
なぬって言った。
「うんまあ、俺の能力はざっくり言うと、なんか色々疑問の答えがわかる能力なんだけどもね。根本さんがロケットで地球に帰れないのは、根本さんが能力使って子供に戻っちゃうせいなんだそうだよ」
「……意味がわからん」
俺も。
「まあ、ぶっちゃけ能力使わずにオッサンになるまで我慢してれば、日本帰れるよ」
「いやいや、意味がわからん。そもそも私の理論は完璧なはず、今度こそ地球に帰れるはずなんじゃ」
「そう、理論が完璧で絶対失敗しないはずなのに、なぜか失敗するらしいよ。多分、運とか偶然とかそういう要素に何かが干渉してんじゃないかな?」
「……そんなバカな。カオス理論を操る存在が敵と言うことか」
根本博士がガックリして膝をつく。
……カオス理論ってなんだっけかな。
ああ、風が吹けば桶屋が儲かるとか蝶の羽ばたきうんぬんのヤツか。
地球の反対側で蝶が羽ばたくと巡りめぐってこっちで嵐になるみたいな。
目に見えないほど細かい歯車が回って数えきれないほどの歯車が連動して最終的にはなんでそれが動いてんのかわからないくらい遠くにある超でっかい歯車が回るみたいなことだったはず。
てか、難しいこと言いやがんなこいつ。
さすがは博士だな。
「まあ、なんにしても、オッサンになるまで我慢してればなんとかなるんだから我慢してればいいじゃん。500年も生きてんなら、すぐっしょ、とりあえずここ出て家で飯でも食おう」
「……うむ、うむむむむむ」
「……家にくれば耳の無いネコ型ロボットが大活躍するDVDもあるよ」
「……仕方あるまい、行くっ」
食いついた。
さすが未来のロボットは万能だ。
そして俺達は子供博士と共に山小屋から出て飯を食うことになりましたとさ。
「ああ、それはダメじゃっ、そっちは引いたらダメじゃっ」
博士を家につれてきて、今は昼飯前のまったりタイムだ。
今は博士を含めた子供達でトランプをしている。種目はババ抜きだ。
博士は500年生きているとは思えないほど、ババ抜きが下手だ。全く感情が隠せていない。
最終的にはババ抜きの最大のタブー、そっちは引いたらダメ発言が飛び出してしまった。
今もババであろうカードを必死に引かせまいとふんばっている。
うーん、なんか不安になってきたな。
ウルトラ鑑定。
名前 ネモト 地球名(根本良太) ♂
年齢 538才
職業 ハカーセ
称号 子供博士
レベル 21
HP 107/107
MP 0/0
発明件数 132
装備
万能ドライバー
才覚の白衣
所持スキル
天上文明
壁を越える頭脳
器用な手
魔導学レベル4
解読、呪文解析、魔導具開発
説明
精神が全く成熟していません。
中身が全然子供です。
勉強ができるアホの子タイプですね。
蓄えた知識と独特な話し方のせいで異世界の住人達は気にしませんでしたが、今までも体が大きくなっても中身はこのままだったはずです。
500年で色々こじらせているので、多分オッサンになる位の年数では地球には帰れません。
彼が地球に帰れる段階になるまでに数百年から下手をすれば数千年かかる可能性があります。
本人には絶対言わないでください。
おそらくやけっぱちになります。
……うわあ、どうしよう。
数百年から数千年って……なんでそんな幅広いんだよ。
これは絶対秘密だな。
「はーい、ご飯ですよー、今日はハンバーグよー」
カワウソ料理人モモさんが昼飯の合図を知らせてくる。
「ハンバーグなんじゃなっ、やったー」
博士大喜び。
完全なる子供だ。
「うまーいっ、この肉汁と旨味をうまく閉じこめたハンバーグと、香辛料が効いたソースが実によく合うのう。まさに至高っ」
料理の感想だけなぜかこなれてやがる。
なんでだ。
「うーん、ママー……」
カワウソ達の部屋で昼食を食べた後、色々話し合う為に勇者勢を俺の部屋に集合させた。
博士は昼食が終わったらお腹いっぱいになったのかソファーで寝ている。
寝言はママー。
子供以外の何者でもない。
いやそこらの子供でも寝言でママーなんてテンプレなこと言わないか。
東くんが寝ている子供博士の隙だらけのお腹に毛布をかけてやっている。
「龍臣、で、これからどうするんだ?これは家で飼うのか?」
京が子供博士のほっぺたをつつきながら言う。
……飼うって言うな。
せめて育てるって言え。
うーん、しかしどうするかな。
「安田くん、この子はどうすれば地球に帰れるの?」
鈴木さんが博士の顔見ながら語りかけてくる。
それもまた問題なのよな。
「いや、これが実はなかなか無理っぽいのよ。このままだと数百年とか数千年とかかかるみたい」
「「「え!?」」」
みんなびっくり。
「……どうしたもんかね。まあ、とりあえず王都に帰ろう。それから落ち着いて考えようか」
「そうですね。ところで安田さんこの王冠もどうするんですか?そろそろ返した方が……」
ああ、そう言えばそれもあったな。
今も東くんの頭の上でキラキラ光ってる。
め、めんどくせえ。
そして、それから数日後にやっとこさ王都付近に到着した。
この数日博士はカワウソの子供達と仲良くなってものすごい遊んでいたり、一緒の部屋で寝ている東くんが急に鬼になったのを見て泣いたり、ものすごい遊んだりしていた。
「鈴木よっ、私はドラ○もんが見たいなっ」
「ハイハイ」
博士を肩車している鈴木さんがご所望のDVDをセットしてやっている。
博士はどうやら寂しいのかなんなのか、絶対に誰かの側を離れない。
500年ほとんど一人で居た反動なのかなんなのか、ここに来て子供らしさが爆発している。
いや、中身ずっとこのままらしいから、普通の子供が寂しい寂しいって500年間さまよってたってことか?
いやいや、そんなん精神が崩壊するだろう。
……ん?そういやあの宇宙人夫婦が神様は精神が頑丈だみたいなこと言ってたよな……
え?これそういうこと?
こいつ500年ずっと家に帰りたいって言い続けてるだけの子供ってこと?
いやいや、辛すぎない?
……おおう、まじで保護できてよかった。
とりあえず今はニコニコしているんだから、まあよし。
しかし、ホントにどうしようかな。
どうにか地球に帰してやる裏技とかないんだろうか。
白衣着た子供がなにか喋ってる。
まさかの老人言葉だ。
いや、実際500才オーバーの老人なんだが。
「お前が根本かーっ」
あ、吸血鬼の女王様が捕まえにいった。
「お前のせいで私は蜂蜜だらけになったぞーっ、どうしてくれる!?」
プニプニプニプニプニプニっ。
吸血鬼の女王様が子供博士のほっぺを両手で挟んで凄いプニプニしている。
「や、やめりょ、なんだお前たちわっ」
「根本さん、でいいのかな?」
「んん、離せっ、たしかに私は根本じゃが、お主たちは誰なんだ」
吸血鬼の呪縛から解かれた根本少年がこっちを見る。
「俺たちも日本から来てる者だよ」
「!?、な、なんと、では勇者か……。は、はじめて会った」
根本博士は他の勇者に会ったことないらしい。
「ふむ、なるほど、では勇者の能力で入ってきたのじゃな」
お、賢いぞ根本博士。さすが博士だ。
「して、なんのようなんじゃ?私は見ての通り忙しいのじゃ」
そう言って根本博士はまたみょうな機械をいじり始める。
これロケットなのか?
なんか四角い箱みたいな形してるけど。
「なんだ偉そうにっ」
プニプニプニプニプニプニっ。
偉そうにしてたせいでまた吸血鬼の女王様に目をつけられた。
「や、やめろっ、小娘っ、私を誰だと思っとるんだ」
京を小娘呼ばわりしてるが、彼女は2000才だ。
だが根本少年も実は500才だ。
ややこしい図式だな。
あっ、根本博士はまた吸血鬼の呪縛から逃げて、今度は東くんの後ろに隠れた。
鋭いな。
唯一根本の罠被害がなく、助けてくれそうな東くんの後ろに隠れるとは、博士の勘侮りがたし。
「まああれだよ。根本さん、ロケット作んのもうやめてほしいんだけど」
「……なんでじゃ?」
「この国に1000基位ロケットばら蒔いてるからだよ。危ないでしょ?」
「危ないでしょ?と言われてもじゃな。私は地球に帰らねばいかんのだ。その為には致し方なかろう」
致し方無いことはないだろ。
じゃあせめて作ったヤツそこらに放置してねえで解体しろや。
「……そもそもロケットじゃ帰れないよ」
「なぬっ、どういうことじゃ」
なぬって言った。
「うんまあ、俺の能力はざっくり言うと、なんか色々疑問の答えがわかる能力なんだけどもね。根本さんがロケットで地球に帰れないのは、根本さんが能力使って子供に戻っちゃうせいなんだそうだよ」
「……意味がわからん」
俺も。
「まあ、ぶっちゃけ能力使わずにオッサンになるまで我慢してれば、日本帰れるよ」
「いやいや、意味がわからん。そもそも私の理論は完璧なはず、今度こそ地球に帰れるはずなんじゃ」
「そう、理論が完璧で絶対失敗しないはずなのに、なぜか失敗するらしいよ。多分、運とか偶然とかそういう要素に何かが干渉してんじゃないかな?」
「……そんなバカな。カオス理論を操る存在が敵と言うことか」
根本博士がガックリして膝をつく。
……カオス理論ってなんだっけかな。
ああ、風が吹けば桶屋が儲かるとか蝶の羽ばたきうんぬんのヤツか。
地球の反対側で蝶が羽ばたくと巡りめぐってこっちで嵐になるみたいな。
目に見えないほど細かい歯車が回って数えきれないほどの歯車が連動して最終的にはなんでそれが動いてんのかわからないくらい遠くにある超でっかい歯車が回るみたいなことだったはず。
てか、難しいこと言いやがんなこいつ。
さすがは博士だな。
「まあ、なんにしても、オッサンになるまで我慢してればなんとかなるんだから我慢してればいいじゃん。500年も生きてんなら、すぐっしょ、とりあえずここ出て家で飯でも食おう」
「……うむ、うむむむむむ」
「……家にくれば耳の無いネコ型ロボットが大活躍するDVDもあるよ」
「……仕方あるまい、行くっ」
食いついた。
さすが未来のロボットは万能だ。
そして俺達は子供博士と共に山小屋から出て飯を食うことになりましたとさ。
「ああ、それはダメじゃっ、そっちは引いたらダメじゃっ」
博士を家につれてきて、今は昼飯前のまったりタイムだ。
今は博士を含めた子供達でトランプをしている。種目はババ抜きだ。
博士は500年生きているとは思えないほど、ババ抜きが下手だ。全く感情が隠せていない。
最終的にはババ抜きの最大のタブー、そっちは引いたらダメ発言が飛び出してしまった。
今もババであろうカードを必死に引かせまいとふんばっている。
うーん、なんか不安になってきたな。
ウルトラ鑑定。
名前 ネモト 地球名(根本良太) ♂
年齢 538才
職業 ハカーセ
称号 子供博士
レベル 21
HP 107/107
MP 0/0
発明件数 132
装備
万能ドライバー
才覚の白衣
所持スキル
天上文明
壁を越える頭脳
器用な手
魔導学レベル4
解読、呪文解析、魔導具開発
説明
精神が全く成熟していません。
中身が全然子供です。
勉強ができるアホの子タイプですね。
蓄えた知識と独特な話し方のせいで異世界の住人達は気にしませんでしたが、今までも体が大きくなっても中身はこのままだったはずです。
500年で色々こじらせているので、多分オッサンになる位の年数では地球には帰れません。
彼が地球に帰れる段階になるまでに数百年から下手をすれば数千年かかる可能性があります。
本人には絶対言わないでください。
おそらくやけっぱちになります。
……うわあ、どうしよう。
数百年から数千年って……なんでそんな幅広いんだよ。
これは絶対秘密だな。
「はーい、ご飯ですよー、今日はハンバーグよー」
カワウソ料理人モモさんが昼飯の合図を知らせてくる。
「ハンバーグなんじゃなっ、やったー」
博士大喜び。
完全なる子供だ。
「うまーいっ、この肉汁と旨味をうまく閉じこめたハンバーグと、香辛料が効いたソースが実によく合うのう。まさに至高っ」
料理の感想だけなぜかこなれてやがる。
なんでだ。
「うーん、ママー……」
カワウソ達の部屋で昼食を食べた後、色々話し合う為に勇者勢を俺の部屋に集合させた。
博士は昼食が終わったらお腹いっぱいになったのかソファーで寝ている。
寝言はママー。
子供以外の何者でもない。
いやそこらの子供でも寝言でママーなんてテンプレなこと言わないか。
東くんが寝ている子供博士の隙だらけのお腹に毛布をかけてやっている。
「龍臣、で、これからどうするんだ?これは家で飼うのか?」
京が子供博士のほっぺたをつつきながら言う。
……飼うって言うな。
せめて育てるって言え。
うーん、しかしどうするかな。
「安田くん、この子はどうすれば地球に帰れるの?」
鈴木さんが博士の顔見ながら語りかけてくる。
それもまた問題なのよな。
「いや、これが実はなかなか無理っぽいのよ。このままだと数百年とか数千年とかかかるみたい」
「「「え!?」」」
みんなびっくり。
「……どうしたもんかね。まあ、とりあえず王都に帰ろう。それから落ち着いて考えようか」
「そうですね。ところで安田さんこの王冠もどうするんですか?そろそろ返した方が……」
ああ、そう言えばそれもあったな。
今も東くんの頭の上でキラキラ光ってる。
め、めんどくせえ。
そして、それから数日後にやっとこさ王都付近に到着した。
この数日博士はカワウソの子供達と仲良くなってものすごい遊んでいたり、一緒の部屋で寝ている東くんが急に鬼になったのを見て泣いたり、ものすごい遊んだりしていた。
「鈴木よっ、私はドラ○もんが見たいなっ」
「ハイハイ」
博士を肩車している鈴木さんがご所望のDVDをセットしてやっている。
博士はどうやら寂しいのかなんなのか、絶対に誰かの側を離れない。
500年ほとんど一人で居た反動なのかなんなのか、ここに来て子供らしさが爆発している。
いや、中身ずっとこのままらしいから、普通の子供が寂しい寂しいって500年間さまよってたってことか?
いやいや、そんなん精神が崩壊するだろう。
……ん?そういやあの宇宙人夫婦が神様は精神が頑丈だみたいなこと言ってたよな……
え?これそういうこと?
こいつ500年ずっと家に帰りたいって言い続けてるだけの子供ってこと?
いやいや、辛すぎない?
……おおう、まじで保護できてよかった。
とりあえず今はニコニコしているんだから、まあよし。
しかし、ホントにどうしようかな。
どうにか地球に帰してやる裏技とかないんだろうか。
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