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Ⅱ カイルのサンカラーラの暮らし
ヴィハーンと食べる夕食
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『おい、生きているか』
突然聞こえた太い声にカイルはハッと目を覚ました。
昼間に女王に拝謁した後、タクールの食事の誘いを断って帰ってきた。そしてあまりに疲れてそのまま眠ってしまったらしい。
パドマの薬と根性で女王の圧倒的なフェロモンの誘惑を振り払った反動か、頭も身体もひどく重くてだるい。それを悟られないようにできるだけ普通の顔で身体を起こすと、天を衝くような大男が四本の腕を組んでカイルを睨むように見下ろしていた。
「あ、あれヴィハーン? どうしたんだい?」
『それはこっちのセリフだ』
ヴィハーンはジロリとカイルを見て言った。
『早速女王に呼び出されたようだな』
「耳が早いね。タクールから聞いたのかい?」
『いや、隣の小さな蜥蜴の細君だ』
「トカゲのさいく…………えっ、パドマから!?」
驚きのあまりガバッと跳ね起きる。確かパドマは初めてヴィハーンを見た時、仰天してダラーと一緒に走って逃げ帰るほど彼を怖がっていたはずだ。
(なのに僕のためにヴィハーンに頑張って声を掛けてくれたのかな……)
パドマのぶっきらぼうな優しさに思わず胸を熱くする。そしてふと(そういうところはヴィハーンとパドマは似ていなくもないな)と思った。四本の腕を組んでふんぞり返っている巨人のヴィハーンと、箒片手にカイルの腰ほどしかない小さな身体で踏ん張って睨み上げるパドマが並んで立っているところを想像してうっかり噴き出してしまう。
『心配して来てみたが、充分すぎるほど元気そうだな』
そう言って踵を返そうとしたヴィハーンの腕に飛びついて「いやいや見舞いに来てくれてありがたいよ!」と返した。彼はカイルを上から下まで見下ろすとフン、と鼻を鳴らす。
『魚を持って来た。いらんなら隣のやつらにやれ』
「魚だって!? ちょうどお腹すいてたから! タクールのところでお茶を一杯飲ませてもらったっきりだから!」
さっきまであんなにだるくて食欲なんてなかったのに、なぜか急に腹が鳴り出す。
「ああ、でも相変わらず僕は竈の扱いに長けてなくて……」
と言いかけるとヴィハーンがまた鼻を鳴らした。
『薪と焚き付けを持って来た。お前も手伝え』
「もちろんだとも」
寝室から出て行く彼の後を追って食堂兼居間に行く。その時彼がカイルの金髪を嫌っていることを思い出して急いでベッドの隅に放り出していたヘシュカを取って頭に巻いた。
テーブルの上には大きな魚が何匹も乗っていて思わず歓声をあげる。それから床のど真ん中に積まれた薪の山を見て「これだけあるならぜひ毎日来て肉や魚を焼いてくれ!」と言ってヴィハーンに睨まれた。
「僕は水を汲んでくるよ」
ニヤニヤ笑いでそう言って桶を持って外に飛び出す。
外に出ると陽はだいぶん傾いていて、冷たい風が吹いてきてぶるりと身体を震わせた。
井戸で水を汲むついでにこっそりパドマの薬を二回分飲んでおく。そして家に戻ると、ヴィハーンが背中を丸めて竈の中を覗き込んでいた。その後ろから首を突っ込むようにして見ていると、彼は薪と焚き付けの藁と火打石と灰を掻き出すための棒をいっぺんに持って火をつけていた。
「いつも思うが手が四つあるというのは本当に便利だな」
こうなるとなぜ人間には二本しか腕がないのかと心底残念に思う。やがて石造りの竈の中で薪がごうごうと燃え始めると一気に家の中が暖かくなった。
「なるほど、この竈は暖房の役目も果たすのか」
ヴィハーンが熾火になった薪を灰掻き棒で突いて奥にやり、手前に棒に差した魚を並べる。ついでにダラーに貰った芋を置いて湯沸かしも一緒に掛けた。
ヴィハーンは竈の前にどっかりと腰を下ろして火の具合を見ている。その時、カイルはヴィハーンの動作がいつもより気だるげに見えることに気が付いた。
(疲れているのかな。もしかしてこの魚を採るために無理をしたとか?)
カイルは以前貰ったお茶を丁寧に淹れてヴィハーンに渡した。
「椅子に座ったらどうだい?」
『ここでいい』
竈の前にあぐらをかいたまま茶をすするヴィハーンを眺めながら、カイルは自分用にやや薄めに淹れたお茶を飲む。
「こうしていると学生時代のキャンプを思い出すな」
少ない食器をかき集め、一枚の皿に魚も芋も付け合わせのピクルスも全部乗せてヴィハーンに渡す。自分も同じようにあらゆるものを皿に乗せながら、何種類もの食器をとっかえひっかえして食べる実家の食事よりずっと楽だし便利だと自画自賛した。
カイルはさっそく魚の刺さった串を持ってかぶりつく。パリッと焼けた皮の下にほくほくした白身が湯気を立てている。舌に触れる粗塩の丸い塩味の刺激がたまらない。
「こんな美味いものは初めて食べたぞ、ヴィハーン!」
『お前はいつもそう言っているな』
カイルの感動の叫びをあっさり流してヴィハーンは一口で骨ごと魚を食べてしまった。「なんというお行儀ですか!」と叱る母がいないのをいいことに、もぐもぐと口を動かしながらヴィハーンの皿に自分の芋をわけてやる。そして次々に食べ物が消えていく彼の大きな口を眺めながら思った。
こうしてヴィハーンといると、さっきまでの心臓に重く圧し掛かるだるさや圧迫感が消えていく。そして女王と会ってくさくさした気分も綺麗に晴れていった。
口ではどれだけ理解ある風を装っていても、カイルは聖人君子ではない。昨日謁見の間で女王の後ろでヒソヒソと囁き合う王族たちにはイライラさせられたし、仮にも他国から迎えた客である自分に対して躊躇うことなくフェロモンを浴びせかけて操ろうとした女王にも腹が立つ。
(結局、彼らにとって僕は尊重すべき相手じゃなくて、異国から来た珍獣にすぎないんだな)
なのにヴィハーンは違う。最初はけんもほろろな態度だったが、今では随分親切にしてくれている。特別優しくしてくれたり愛想がいいわけではない。顔つきだって相変わらずの仏頂面だ。でもカイルが何かすればその礼だと言って何か持って来てくれたり、カイルが言ったことには何かしら反応を返してくれる。
(昔、シュレンが言っていた『親しき中にも礼儀あり』というやつだな)
といっても過剰に気を遣ったりはせず、いつでも無造作なヴィハーンの態度が逆に心地いい。彼が自然体で接してくれるのなら、カイルだって自由に振舞っていいのだと思わせてくれるからだ。
「ヴィハーン、ポテトをもう一つどうだい?」
カイルは笑ってそう尋ねた。
突然聞こえた太い声にカイルはハッと目を覚ました。
昼間に女王に拝謁した後、タクールの食事の誘いを断って帰ってきた。そしてあまりに疲れてそのまま眠ってしまったらしい。
パドマの薬と根性で女王の圧倒的なフェロモンの誘惑を振り払った反動か、頭も身体もひどく重くてだるい。それを悟られないようにできるだけ普通の顔で身体を起こすと、天を衝くような大男が四本の腕を組んでカイルを睨むように見下ろしていた。
「あ、あれヴィハーン? どうしたんだい?」
『それはこっちのセリフだ』
ヴィハーンはジロリとカイルを見て言った。
『早速女王に呼び出されたようだな』
「耳が早いね。タクールから聞いたのかい?」
『いや、隣の小さな蜥蜴の細君だ』
「トカゲのさいく…………えっ、パドマから!?」
驚きのあまりガバッと跳ね起きる。確かパドマは初めてヴィハーンを見た時、仰天してダラーと一緒に走って逃げ帰るほど彼を怖がっていたはずだ。
(なのに僕のためにヴィハーンに頑張って声を掛けてくれたのかな……)
パドマのぶっきらぼうな優しさに思わず胸を熱くする。そしてふと(そういうところはヴィハーンとパドマは似ていなくもないな)と思った。四本の腕を組んでふんぞり返っている巨人のヴィハーンと、箒片手にカイルの腰ほどしかない小さな身体で踏ん張って睨み上げるパドマが並んで立っているところを想像してうっかり噴き出してしまう。
『心配して来てみたが、充分すぎるほど元気そうだな』
そう言って踵を返そうとしたヴィハーンの腕に飛びついて「いやいや見舞いに来てくれてありがたいよ!」と返した。彼はカイルを上から下まで見下ろすとフン、と鼻を鳴らす。
『魚を持って来た。いらんなら隣のやつらにやれ』
「魚だって!? ちょうどお腹すいてたから! タクールのところでお茶を一杯飲ませてもらったっきりだから!」
さっきまであんなにだるくて食欲なんてなかったのに、なぜか急に腹が鳴り出す。
「ああ、でも相変わらず僕は竈の扱いに長けてなくて……」
と言いかけるとヴィハーンがまた鼻を鳴らした。
『薪と焚き付けを持って来た。お前も手伝え』
「もちろんだとも」
寝室から出て行く彼の後を追って食堂兼居間に行く。その時彼がカイルの金髪を嫌っていることを思い出して急いでベッドの隅に放り出していたヘシュカを取って頭に巻いた。
テーブルの上には大きな魚が何匹も乗っていて思わず歓声をあげる。それから床のど真ん中に積まれた薪の山を見て「これだけあるならぜひ毎日来て肉や魚を焼いてくれ!」と言ってヴィハーンに睨まれた。
「僕は水を汲んでくるよ」
ニヤニヤ笑いでそう言って桶を持って外に飛び出す。
外に出ると陽はだいぶん傾いていて、冷たい風が吹いてきてぶるりと身体を震わせた。
井戸で水を汲むついでにこっそりパドマの薬を二回分飲んでおく。そして家に戻ると、ヴィハーンが背中を丸めて竈の中を覗き込んでいた。その後ろから首を突っ込むようにして見ていると、彼は薪と焚き付けの藁と火打石と灰を掻き出すための棒をいっぺんに持って火をつけていた。
「いつも思うが手が四つあるというのは本当に便利だな」
こうなるとなぜ人間には二本しか腕がないのかと心底残念に思う。やがて石造りの竈の中で薪がごうごうと燃え始めると一気に家の中が暖かくなった。
「なるほど、この竈は暖房の役目も果たすのか」
ヴィハーンが熾火になった薪を灰掻き棒で突いて奥にやり、手前に棒に差した魚を並べる。ついでにダラーに貰った芋を置いて湯沸かしも一緒に掛けた。
ヴィハーンは竈の前にどっかりと腰を下ろして火の具合を見ている。その時、カイルはヴィハーンの動作がいつもより気だるげに見えることに気が付いた。
(疲れているのかな。もしかしてこの魚を採るために無理をしたとか?)
カイルは以前貰ったお茶を丁寧に淹れてヴィハーンに渡した。
「椅子に座ったらどうだい?」
『ここでいい』
竈の前にあぐらをかいたまま茶をすするヴィハーンを眺めながら、カイルは自分用にやや薄めに淹れたお茶を飲む。
「こうしていると学生時代のキャンプを思い出すな」
少ない食器をかき集め、一枚の皿に魚も芋も付け合わせのピクルスも全部乗せてヴィハーンに渡す。自分も同じようにあらゆるものを皿に乗せながら、何種類もの食器をとっかえひっかえして食べる実家の食事よりずっと楽だし便利だと自画自賛した。
カイルはさっそく魚の刺さった串を持ってかぶりつく。パリッと焼けた皮の下にほくほくした白身が湯気を立てている。舌に触れる粗塩の丸い塩味の刺激がたまらない。
「こんな美味いものは初めて食べたぞ、ヴィハーン!」
『お前はいつもそう言っているな』
カイルの感動の叫びをあっさり流してヴィハーンは一口で骨ごと魚を食べてしまった。「なんというお行儀ですか!」と叱る母がいないのをいいことに、もぐもぐと口を動かしながらヴィハーンの皿に自分の芋をわけてやる。そして次々に食べ物が消えていく彼の大きな口を眺めながら思った。
こうしてヴィハーンといると、さっきまでの心臓に重く圧し掛かるだるさや圧迫感が消えていく。そして女王と会ってくさくさした気分も綺麗に晴れていった。
口ではどれだけ理解ある風を装っていても、カイルは聖人君子ではない。昨日謁見の間で女王の後ろでヒソヒソと囁き合う王族たちにはイライラさせられたし、仮にも他国から迎えた客である自分に対して躊躇うことなくフェロモンを浴びせかけて操ろうとした女王にも腹が立つ。
(結局、彼らにとって僕は尊重すべき相手じゃなくて、異国から来た珍獣にすぎないんだな)
なのにヴィハーンは違う。最初はけんもほろろな態度だったが、今では随分親切にしてくれている。特別優しくしてくれたり愛想がいいわけではない。顔つきだって相変わらずの仏頂面だ。でもカイルが何かすればその礼だと言って何か持って来てくれたり、カイルが言ったことには何かしら反応を返してくれる。
(昔、シュレンが言っていた『親しき中にも礼儀あり』というやつだな)
といっても過剰に気を遣ったりはせず、いつでも無造作なヴィハーンの態度が逆に心地いい。彼が自然体で接してくれるのなら、カイルだって自由に振舞っていいのだと思わせてくれるからだ。
「ヴィハーン、ポテトをもう一つどうだい?」
カイルは笑ってそう尋ねた。
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