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虎の店長さん、ミナミくんにご飯を奢る。
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時刻は夜の八時半。勝手に増築された違法建築の古いビルと街の獣人たちの胃袋を支える屋台が所狭しと並ぶこの円環城区ではまだまだ宵の口だ。
呉凱は道路脇に立ち、今日十本目の煙草に火を付ける。そして肺まで吸い込んだ煙を吐き出すと、ミナミがはあ、と手に息を吹きかけた。
「だいぶ寒くなってきましたね」
「おう、息も白いな」
そう答えて呉凱はぶるり、と震えながらダウンジャケットの前をきっちり閉める。自前の毛皮はあるが、それでも寒いもんは寒い。すると呉凱をじっと見ていたミナミがハッとした顔で言った。
「……店長さん、もしかしてやっぱり寒いの苦手?」
「……ネコ科だからな」
いつぞやのミナミの言い草を真似てそう言うと、ミナミが目を細めておかしそうに笑った。
「お前、メシまだだろ」
「あ、はい」
本番アリのソープでは下手に満腹状態だと相手次第で気分が悪くなることもあるので、基本食事は取らずに仕事に入る。
呉凱は煙草をふかしながら立ち並ぶ屋台を見渡した。
「魯肉飯でいいか?」
「えーと、豚肉が乗ってるヤツでしたっけ?」
「ああ。甘辛いやつな」
「じゃあ俺もそれで」
呉凱はミナミを連れて屋台を覗き込む。
「老闆、我要兩個魯肉飯」
呉凱が言うと、店主が頷いてプラスチックの飯椀に白飯を盛り、その上に鍋から豚バラを煮込んだものをたっぷりとかけた。隣でミナミが興味津々といった顔で見ている。
呉凱は小銭と引き換えにそれを受け取ると屋台の前に並ぶガタついたテーブルに運んだ。そしてポケットから出した硬貨をミナミに渡す。
「あっちでビール買って来い。お前も飲みたかったら一緒に買え」
「え、あ、ありがとうございます」
ミナミがそう言って二軒隣の屋台へ走っていった。そして店主の狸の獣人に瓶のビールを指差してから人差し指と中指を立てて金を渡すのが見えた。
「店長、頂きます」
ミナミがわざわざ呉凱にそう言って頭を下げる。そしてほかほかと湯気の立つ器を見下ろして微笑んだ。そして大きく口を開けて飯をかき込み、はふはふと白い息を吐いてはにんまりと笑う。
「うまっ! 名前知らなかったけど、これ好きなやつでした!」
「そうか、良かったな」
「めちゃくちゃ白飯が進みますよね。あー、温まる……」
「そうだな」
魯肉飯は細長く切った豚バラ肉を白菜やタケノコと一緒にとろとろになるまで煮込んだものを白米の上にかけたものだ。確かにミナミの言う通り甘辛いタレと米が合わさると何杯でも食えそうな気がする。
この屋台では付け合わせに瓜の漬物をどっさり乗せてくれるのだが、呉凱は特にそれが気に入っていた。するとミナミがその漬物をかじりながら瞬きをする。
「あー、これいい取り合わせですね。交互に口に入れると永遠に食べていられるやつだ。ヤバい」
そう言って黙々と食べ続けるミナミを眺めながら、呉凱はひび割れたアスファルトに煙草の灰を落とした。
先週の週末に採用が決まったミナミは、この土日が初出勤だった。昨日三人、そして今日二人の客を取った。初めはどうなることかと心配していたが、意外と客の評判はよく次週の予約も入り、幸先のいいスタートをきっている。
ミナミはよほど腹が減っていたのか結構な勢いで食べてはいるが、やはりこの辺りの獣人たちに比べると上品で食べかすを落とすこともなく、異世界育ちのニンゲンの生活の良さを彷彿とさせた。
「なあ、お前らのいた場所とここは言葉が違うのか?」
熱い丼は置いておいて、まずビールを取った呉凱は前から気になっていたことを尋ねる。すると相変わらずサイズの合っていない眼鏡を湯気で白く曇らせながらミナミが頷いた。
「そうですね。読み書きはまだ全然ですけど、話し言葉はこの一年でなんとか……。職場で寝泊りしてたんですけど、仕事の後朝までひたすらテレビ見て覚えました」
「一年で話せるようになったのか? そりゃすげぇな」
「まあ、ここじゃしゃべれなきゃ生きていけないですしね」
もうひと口掻き込みながら、ミナミはなんでもないといった口調でさらりと答えた。だがミナミが突然異世界から落っこちてきたという界客だと知っている呉凱は複雑な思いでそれを聞く。
若い頃からそれなりの場数を踏み、大抵のことには動じない自信のある呉凱だが、それでもいきなり見も知らぬ場所に飛ばされて右も左もわからず、しかも言葉も通じないとなったらどんな気持ちがするかはわからない。
(……そんな修羅場をたった一年ちょっとで乗り越えてきたんだな、こいつは)
しかもこの世界に飛ばされてきたのは、店の客にナイフで刺されて殺されたのがきっかけだったとも言っていた。呑気で一見なんの苦労も知らずに生きてきたように見えるが、その実ミナミが味わった苦労や絶望は想像するに余りある。
(界客には変わったヤツが多いというが、確かにそんなヘヴィーな経験したら性格だって変わるわな)
そんなことを思いながらまた牙に引っ掛けてビールの王冠を外すと、もぐもぐと口を動かしながらミナミが呉凱を見ていた。
「なんだよ」
「いえ、痛くないんですか? それ」
「痛い? 何がだ」
意味が分からずそのままビールをあおると、ミナミが自分の瓶を向けて言う。
「あ、あの、俺のも開けて貰えます?」
「おう」
同じように栓を開けてやると、何が楽しいのかニコニコしながらミナミが「ありがとうございます」と礼を言ってきた。
ようやく冷めた魯肉飯を食べながら呉凱はミナミに問う。
「で、この二日間働いてみてどうだった」
「え、あ、はい。そうですね……特に困ったこととかもなかったし、楽しかったです」
「たの……そりゃ良かったな」
初めての風俗勤めでこうもマイペースというか、普通極まりない様子なのは極めて珍しい。普通はもうちょっと疲れていたり戸惑いが感じられたりするものだ。だがミナミにはまったくそういう感じがない。それどころか今も呑気に「同じオスの獣人でも弱い場所や感じるところってみんな違うんですね、初めて知りました」だの「身体の大きさとアレの大きさって比例するもんでもないんですね」などと一人頷きながら話している。
(初出勤の感想が『楽しかった』ってヤツは初めて見たな……)
やはりこのミナミというニンゲンは毒にも薬にもならなさそうな外見だけで判断してはいけない、と改めて思う。
「本業との兼ね合いはどうだ。大丈夫そうか」
ミナミは月曜から金曜は新都心にほど近い町工場で製品設計の仕事をしているらしい。呉凱の店での仕事は金曜と土曜の夜、余裕があれば日曜の日中も入るという約束だった。
炭酸の強い獣人用のビールを眉を顰めながら飲んでいたミナミが、一呼吸おいてから答える。
「そうですね。うち、設計の方は残業とかほとんどないですし、ダブルワークしてる人も結構いるっぽくて……」
「いや、体力の方だよ」
「あ、全然大丈夫です! 俺こう見えて普段から結構鍛えててスタミナあるんで!」
ケロリとした顔で言うミナミに(ほんとニンゲンは見かけには寄らねぇな……)と呉凱はつくづく思った。
「おし、食ったらそろそろ行くぞ」
ガタつく椅子から立ち上がって呉凱が言うと、慌ててミナミも残りのビールを飲み干す。そして呉凱はミナミを連れて多くの獣人たちで賑わう夜市を抜け出した。
呉凱は道路脇に立ち、今日十本目の煙草に火を付ける。そして肺まで吸い込んだ煙を吐き出すと、ミナミがはあ、と手に息を吹きかけた。
「だいぶ寒くなってきましたね」
「おう、息も白いな」
そう答えて呉凱はぶるり、と震えながらダウンジャケットの前をきっちり閉める。自前の毛皮はあるが、それでも寒いもんは寒い。すると呉凱をじっと見ていたミナミがハッとした顔で言った。
「……店長さん、もしかしてやっぱり寒いの苦手?」
「……ネコ科だからな」
いつぞやのミナミの言い草を真似てそう言うと、ミナミが目を細めておかしそうに笑った。
「お前、メシまだだろ」
「あ、はい」
本番アリのソープでは下手に満腹状態だと相手次第で気分が悪くなることもあるので、基本食事は取らずに仕事に入る。
呉凱は煙草をふかしながら立ち並ぶ屋台を見渡した。
「魯肉飯でいいか?」
「えーと、豚肉が乗ってるヤツでしたっけ?」
「ああ。甘辛いやつな」
「じゃあ俺もそれで」
呉凱はミナミを連れて屋台を覗き込む。
「老闆、我要兩個魯肉飯」
呉凱が言うと、店主が頷いてプラスチックの飯椀に白飯を盛り、その上に鍋から豚バラを煮込んだものをたっぷりとかけた。隣でミナミが興味津々といった顔で見ている。
呉凱は小銭と引き換えにそれを受け取ると屋台の前に並ぶガタついたテーブルに運んだ。そしてポケットから出した硬貨をミナミに渡す。
「あっちでビール買って来い。お前も飲みたかったら一緒に買え」
「え、あ、ありがとうございます」
ミナミがそう言って二軒隣の屋台へ走っていった。そして店主の狸の獣人に瓶のビールを指差してから人差し指と中指を立てて金を渡すのが見えた。
「店長、頂きます」
ミナミがわざわざ呉凱にそう言って頭を下げる。そしてほかほかと湯気の立つ器を見下ろして微笑んだ。そして大きく口を開けて飯をかき込み、はふはふと白い息を吐いてはにんまりと笑う。
「うまっ! 名前知らなかったけど、これ好きなやつでした!」
「そうか、良かったな」
「めちゃくちゃ白飯が進みますよね。あー、温まる……」
「そうだな」
魯肉飯は細長く切った豚バラ肉を白菜やタケノコと一緒にとろとろになるまで煮込んだものを白米の上にかけたものだ。確かにミナミの言う通り甘辛いタレと米が合わさると何杯でも食えそうな気がする。
この屋台では付け合わせに瓜の漬物をどっさり乗せてくれるのだが、呉凱は特にそれが気に入っていた。するとミナミがその漬物をかじりながら瞬きをする。
「あー、これいい取り合わせですね。交互に口に入れると永遠に食べていられるやつだ。ヤバい」
そう言って黙々と食べ続けるミナミを眺めながら、呉凱はひび割れたアスファルトに煙草の灰を落とした。
先週の週末に採用が決まったミナミは、この土日が初出勤だった。昨日三人、そして今日二人の客を取った。初めはどうなることかと心配していたが、意外と客の評判はよく次週の予約も入り、幸先のいいスタートをきっている。
ミナミはよほど腹が減っていたのか結構な勢いで食べてはいるが、やはりこの辺りの獣人たちに比べると上品で食べかすを落とすこともなく、異世界育ちのニンゲンの生活の良さを彷彿とさせた。
「なあ、お前らのいた場所とここは言葉が違うのか?」
熱い丼は置いておいて、まずビールを取った呉凱は前から気になっていたことを尋ねる。すると相変わらずサイズの合っていない眼鏡を湯気で白く曇らせながらミナミが頷いた。
「そうですね。読み書きはまだ全然ですけど、話し言葉はこの一年でなんとか……。職場で寝泊りしてたんですけど、仕事の後朝までひたすらテレビ見て覚えました」
「一年で話せるようになったのか? そりゃすげぇな」
「まあ、ここじゃしゃべれなきゃ生きていけないですしね」
もうひと口掻き込みながら、ミナミはなんでもないといった口調でさらりと答えた。だがミナミが突然異世界から落っこちてきたという界客だと知っている呉凱は複雑な思いでそれを聞く。
若い頃からそれなりの場数を踏み、大抵のことには動じない自信のある呉凱だが、それでもいきなり見も知らぬ場所に飛ばされて右も左もわからず、しかも言葉も通じないとなったらどんな気持ちがするかはわからない。
(……そんな修羅場をたった一年ちょっとで乗り越えてきたんだな、こいつは)
しかもこの世界に飛ばされてきたのは、店の客にナイフで刺されて殺されたのがきっかけだったとも言っていた。呑気で一見なんの苦労も知らずに生きてきたように見えるが、その実ミナミが味わった苦労や絶望は想像するに余りある。
(界客には変わったヤツが多いというが、確かにそんなヘヴィーな経験したら性格だって変わるわな)
そんなことを思いながらまた牙に引っ掛けてビールの王冠を外すと、もぐもぐと口を動かしながらミナミが呉凱を見ていた。
「なんだよ」
「いえ、痛くないんですか? それ」
「痛い? 何がだ」
意味が分からずそのままビールをあおると、ミナミが自分の瓶を向けて言う。
「あ、あの、俺のも開けて貰えます?」
「おう」
同じように栓を開けてやると、何が楽しいのかニコニコしながらミナミが「ありがとうございます」と礼を言ってきた。
ようやく冷めた魯肉飯を食べながら呉凱はミナミに問う。
「で、この二日間働いてみてどうだった」
「え、あ、はい。そうですね……特に困ったこととかもなかったし、楽しかったです」
「たの……そりゃ良かったな」
初めての風俗勤めでこうもマイペースというか、普通極まりない様子なのは極めて珍しい。普通はもうちょっと疲れていたり戸惑いが感じられたりするものだ。だがミナミにはまったくそういう感じがない。それどころか今も呑気に「同じオスの獣人でも弱い場所や感じるところってみんな違うんですね、初めて知りました」だの「身体の大きさとアレの大きさって比例するもんでもないんですね」などと一人頷きながら話している。
(初出勤の感想が『楽しかった』ってヤツは初めて見たな……)
やはりこのミナミというニンゲンは毒にも薬にもならなさそうな外見だけで判断してはいけない、と改めて思う。
「本業との兼ね合いはどうだ。大丈夫そうか」
ミナミは月曜から金曜は新都心にほど近い町工場で製品設計の仕事をしているらしい。呉凱の店での仕事は金曜と土曜の夜、余裕があれば日曜の日中も入るという約束だった。
炭酸の強い獣人用のビールを眉を顰めながら飲んでいたミナミが、一呼吸おいてから答える。
「そうですね。うち、設計の方は残業とかほとんどないですし、ダブルワークしてる人も結構いるっぽくて……」
「いや、体力の方だよ」
「あ、全然大丈夫です! 俺こう見えて普段から結構鍛えててスタミナあるんで!」
ケロリとした顔で言うミナミに(ほんとニンゲンは見かけには寄らねぇな……)と呉凱はつくづく思った。
「おし、食ったらそろそろ行くぞ」
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