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ソープの雇われ店長の呉凱(ウーカイ)さん。
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あまりと言えばあまりな答えに思わず二の句が継げず、ソープ店の雇われ店長・呉凱は目の前のニンゲンの顔を凝視した。
そのニンゲンは開店前に備品関係の清算をしようと電卓片手に狭い事務机に座っていた呉凱の元を訪れて『ソープ嬢として働きたいから面接して欲しい』などと言ってきた。
普通なら「大人をからかいたきゃ他所へ行け」と問答無用で放り出しているところだ。だがそうするには目の前のニンゲンに少しばかり引っかかるところを覚えた。
先ほど呉凱に「ちっちゃい」と言われて腹を立てたようだったが、確かにニンゲンにしては割と立派な身体つきをしているように見える。
この国に住むニンゲンの割合は恐らく二割もいないだろうが、色々と訳アリな生活を送ってきた呉凱はそれなりの数のニンゲンを見てきた。黒い髪に黒い目、しっとりと滑らかそうな肌から見るにいわゆる「トウア系」と呼ばれる種族だろう。ニンゲンの中ではそこそこ背も高く、服の上から見た感じそう簡単に怪我をしたり根を上げたりはしなさそうではある。
度胸があるのか単に考えなしなのか、呉凱を前にしてもおどおどした風には見えず、今も妙にサイズの合っていない黒縁の実用一点張りの眼鏡越しにきょとんとした顔で呉凱を見ていた。
獣人の中には呉凱のようにニンゲンよりずっと大きくて力の強い者が少なからずいる。文字通り『カラダ同士のお付き合い』をするこの店では細っこくて根性のないニンゲンは一発で駄目になってしまうに違いない。そういう意味では今目の前にいるニンゲンは体格はともかくあまりにも警戒心の薄そうな、毎日を生き伸びるための苦労など何一つ知らなさそうな顔つきからして不合格間違いなしだった。
(……けど、目はいいな、コイツ)
最初に呉凱を見た時のビックリ顔が落ち着いてみれば、目尻の吊り上がった黒目がちの目は少しばかり猫族に似て挑発的でなかなかに男心をソソる代物だ。
何より、こんな雑然とした風俗店には明らかに慣れていない素振りで少しばかりソワソワしながらも、決して品がいいとは言えない自分の悪人面をまっすぐに見つめてきたところが気に入った。
とはいえ、呉凱から見たらまだガキに毛の生えたような年にしか見えないニンゲンがなんで寄りにもよってこんな本番アリの、しかも獣人の客しか来ない風俗店の泡姫になんぞなりたがるのか見当もつかない。
(何かよほどの事情ってもんがあるのか、それとも……)
と思ったからそう聞いたのだが『なぜここで働きたいのか』という問いにまさか『男に抱かれたいから』などというふざけた答えが返ってくるとは思わなかった。
実のところ、こんな最底辺の職に流れてくるようなヤツは他人に言えない秘密の一つや二つ抱えていて当たり前だ。だから呉凱も身元の照会や本人の性格や資質は厳しくチェックするが、ここに来た理由は本人から言い出さない限りは決して尋ねない。だが今度ばかりは特別だと思った。
このニンゲンは何かワケアリだ。長年こうした後ろ暗い世界で生きてきた男としての勘が呉凱にそう警告する。
そう思って呉凱がギロリ、と睨んでも、なぜかそのニンゲンはほんのり目元を赤らめただけで逃げ出すこともなく、躊躇いながらもちゃんと口を開いた。
「ええと、俺、どうも元々ゲイ? らしくて、いや実際男と付き合ったりとかしたことないからよくわかんないんですけど、どうもそうなんじゃないかな~なんて」
「……なんだ、そのえらく曖昧なカミングアウトは」
「ん、なんというか……、実際好きな男がいたりするわけじゃないんですが」
「当たり前だ。好きなヤツがいてこんな仕事したいっつったらぶっ飛ばすぞ」
「いや、えと、とりあえず最後まで聞いてくれます? なんか勢い削がれるとさすがに恥ずかしくて……」
ニンゲンが困ったようにうなじを手のひらで擦って言った。その様子が毛づくろいする子猫のようでなんとなく目を惹き寄せられる。しかしこのままでは話が進まないのは確かなので、呉凱も腕組みをして覚悟を決めると彼を促した。
「えーと、なんていうか」
サイズが合ってないのか度々ずり落ちる眼鏡を押し上げたニンゲンの顔がまたほのかに上気する。
「ぶっちゃけセックスするのに、突っ込みたいっていうより……、つ、突っ込まれたいんです、俺」
「…………お、おう…………」
少しばかりかわいらしい表情に思わず目を奪われかけたのもつかの間、この直截すぎる物言いに呉凱は言葉を失った。
「でも、俺、こっちに来てからまだ二年くらいで、そう知り合いとかもいないし」
「ちょっと待て」
思わず呉凱は待ったをかける。
「こっち? こっちってのはこの円環街にってことか」
「……いえ、この世界に、ってことです」
その言葉に今度こそ呉凱は驚き呆れた。
「そうかてめぇ、なんか妙だと思ったら『界客』なのか」
すると黒髪のニンゲンはこくり、と頷いた。
『界客』とは『界渡り』とも呼ばれ、いわゆる異世界から飛ばされてきたニンゲンのことを指す。
一体どういう節理かはわからぬが、この街には時々『異世界』とやらからニンゲンが落っこちてくる。そうしたニンゲンは元からこの街にいるニンゲンたちとは違って一風変わった性質の者が多く、目の前のニンゲンが『界客』なのだと知って呉凱はなんとなく納得した。
(なんつーか、界客ってヤツは妙にブッ飛んでるヤツが多いって聞くが、確かにこいつは何と言うか.......)
「ええと、それでまあ、どうすれば俺みたいなニンゲンの男でもOKなヤツと知り合えるのかもわかんないし、それによく知らないヤツとあんまりヘンな付き合いとかできないでしょ? 正直自分の好みだとかそういうのもよくわかんないのに特定の男と付き合うとか、怖いじゃないですか」
「…………はあ」
「でもこういう仕事なら最低限の安全は店が守ってくれるんでしょ? ココ、職場から遠いし、まあ身バレすることもないかな、って思って」
それで面接受けに来ました、とさっきまでの恥じらいはどこへやら、ケロリとした顔で言うニンゲンに、呉凱は開いた口が塞がらなかった。
「……確認するけどよ」
「はい」
「誰か特定のオスと付き合ったことはねぇんだな?」
「ええ」
「で、実際したことあんのかよ、セックス」
「…………男と?」
「そう、野郎にチンポ突っ込まれたことあんのかよ、って聞いてんだよ」
わざとあからさまな言葉で尋ねると、南はあっさりと答えた。
「ないです」
「ないのかよ!」
「あ、でも後ろはかなり慣らしてあるから大丈夫だと思います」
「…………は?」
「ほら、アナニーっていうの? ケツでするオナニーみたいなの。普通に自分の指でもやるけど、ローターとか、一応バイブとかでも……」
「わかった! わかったからもういい!」
あまりにあっけらかんと答えるニンゲンに呉凱の方が焦って止める。彼は何を咎められているのかまるでわからない、という顔でぽかんと呉凱を見返していた。
呉凱は何か色々とヤバそうなこの子猫相手にため息をつきたくなるのをなんとか我慢する。
「……あのよ、俺はニンゲンでそういうヤツに会ったことがねぇからよくはわからんが、オスが好きなら好きでなんで同じニンゲンの相手を探そうとしねぇんだ?」
「いえ、だって人間の知り合いとかほとんどいませんし。それに俺たちの世界ではゲイってかなり少数派で、ただでさえ人数いないのにそう都合よく男がOKな相手が見つかるとは思えませんから」
だったら最初っから獣人狙いの方がまだ当たる確率は高いでしょ? などと宝くじか何かのように話すニンゲンに、呉凱はただ「…………そうかい」としか答えられなかった。
(なんかこいつ……ほんとにわからんな……)
ニンゲンの中ではそれなりにガタイのいい方には見えるが、良くも悪くも直情的な獣人と比べると随分と品がいいというか大人しそうなのに、言ってることはあまりにも身も蓋もない。
昔から異世界からやってきたニンゲンはいろんな意味でちょっと変わったヤツが多い、というのがまさかこういう意味だったとは。
この旧市街であまり大っぴらには言えぬような生き方を長年してきた呉凱にしては珍しくも、このよくわからんニンゲンを持て余していた。
呉凱は勢いよく椅子の背もたれに背中を預けて腕を組む。安物のパイプ椅子がギシリ、とヤバそうな音を立てたが、それを無視して言った。
「…………よし、そこまで言うならテスト受けろ」
「テスト?」
「体験入店ってやつだよ。ソープだけじゃなくてキャバクラとかでもあんだろ」
「あー、そうですね」
ニンゲンがこくり、と頷く。
「えーと、お客さん相手にやるんですか?」
「仕込み終わってねぇ嬢を客前に出すわけねぇだろ? 俺がすんだよ」
「え、あなたが?」
「これでも店長だからな」
そう言って呉凱はパイプ椅子から立ち上がると、ニンゲンに顎で促して言った。
「俺は呉凱だ。で、おめーの名前は?」
我ながら順番がめちゃくちゃだと思いつつ尋ねる。すると黒髪のニンゲンはすこし首を傾げて「南です」と答えた。
「ミナミか、わかった」
そう言って呉凱が立ち上がると、同じく椅子から腰を上げたミナミは呉凱の胸の当たりまでしか身長がなかった。
呉凱はニヤリと笑って今から自分が何をされるのかちっとも分かっていないような顔のミナミを見下ろす。
「来いよ、ほんとに働く覚悟あんのか試してやる」
そのニンゲンは開店前に備品関係の清算をしようと電卓片手に狭い事務机に座っていた呉凱の元を訪れて『ソープ嬢として働きたいから面接して欲しい』などと言ってきた。
普通なら「大人をからかいたきゃ他所へ行け」と問答無用で放り出しているところだ。だがそうするには目の前のニンゲンに少しばかり引っかかるところを覚えた。
先ほど呉凱に「ちっちゃい」と言われて腹を立てたようだったが、確かにニンゲンにしては割と立派な身体つきをしているように見える。
この国に住むニンゲンの割合は恐らく二割もいないだろうが、色々と訳アリな生活を送ってきた呉凱はそれなりの数のニンゲンを見てきた。黒い髪に黒い目、しっとりと滑らかそうな肌から見るにいわゆる「トウア系」と呼ばれる種族だろう。ニンゲンの中ではそこそこ背も高く、服の上から見た感じそう簡単に怪我をしたり根を上げたりはしなさそうではある。
度胸があるのか単に考えなしなのか、呉凱を前にしてもおどおどした風には見えず、今も妙にサイズの合っていない黒縁の実用一点張りの眼鏡越しにきょとんとした顔で呉凱を見ていた。
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(……けど、目はいいな、コイツ)
最初に呉凱を見た時のビックリ顔が落ち着いてみれば、目尻の吊り上がった黒目がちの目は少しばかり猫族に似て挑発的でなかなかに男心をソソる代物だ。
何より、こんな雑然とした風俗店には明らかに慣れていない素振りで少しばかりソワソワしながらも、決して品がいいとは言えない自分の悪人面をまっすぐに見つめてきたところが気に入った。
とはいえ、呉凱から見たらまだガキに毛の生えたような年にしか見えないニンゲンがなんで寄りにもよってこんな本番アリの、しかも獣人の客しか来ない風俗店の泡姫になんぞなりたがるのか見当もつかない。
(何かよほどの事情ってもんがあるのか、それとも……)
と思ったからそう聞いたのだが『なぜここで働きたいのか』という問いにまさか『男に抱かれたいから』などというふざけた答えが返ってくるとは思わなかった。
実のところ、こんな最底辺の職に流れてくるようなヤツは他人に言えない秘密の一つや二つ抱えていて当たり前だ。だから呉凱も身元の照会や本人の性格や資質は厳しくチェックするが、ここに来た理由は本人から言い出さない限りは決して尋ねない。だが今度ばかりは特別だと思った。
このニンゲンは何かワケアリだ。長年こうした後ろ暗い世界で生きてきた男としての勘が呉凱にそう警告する。
そう思って呉凱がギロリ、と睨んでも、なぜかそのニンゲンはほんのり目元を赤らめただけで逃げ出すこともなく、躊躇いながらもちゃんと口を開いた。
「ええと、俺、どうも元々ゲイ? らしくて、いや実際男と付き合ったりとかしたことないからよくわかんないんですけど、どうもそうなんじゃないかな~なんて」
「……なんだ、そのえらく曖昧なカミングアウトは」
「ん、なんというか……、実際好きな男がいたりするわけじゃないんですが」
「当たり前だ。好きなヤツがいてこんな仕事したいっつったらぶっ飛ばすぞ」
「いや、えと、とりあえず最後まで聞いてくれます? なんか勢い削がれるとさすがに恥ずかしくて……」
ニンゲンが困ったようにうなじを手のひらで擦って言った。その様子が毛づくろいする子猫のようでなんとなく目を惹き寄せられる。しかしこのままでは話が進まないのは確かなので、呉凱も腕組みをして覚悟を決めると彼を促した。
「えーと、なんていうか」
サイズが合ってないのか度々ずり落ちる眼鏡を押し上げたニンゲンの顔がまたほのかに上気する。
「ぶっちゃけセックスするのに、突っ込みたいっていうより……、つ、突っ込まれたいんです、俺」
「…………お、おう…………」
少しばかりかわいらしい表情に思わず目を奪われかけたのもつかの間、この直截すぎる物言いに呉凱は言葉を失った。
「でも、俺、こっちに来てからまだ二年くらいで、そう知り合いとかもいないし」
「ちょっと待て」
思わず呉凱は待ったをかける。
「こっち? こっちってのはこの円環街にってことか」
「……いえ、この世界に、ってことです」
その言葉に今度こそ呉凱は驚き呆れた。
「そうかてめぇ、なんか妙だと思ったら『界客』なのか」
すると黒髪のニンゲンはこくり、と頷いた。
『界客』とは『界渡り』とも呼ばれ、いわゆる異世界から飛ばされてきたニンゲンのことを指す。
一体どういう節理かはわからぬが、この街には時々『異世界』とやらからニンゲンが落っこちてくる。そうしたニンゲンは元からこの街にいるニンゲンたちとは違って一風変わった性質の者が多く、目の前のニンゲンが『界客』なのだと知って呉凱はなんとなく納得した。
(なんつーか、界客ってヤツは妙にブッ飛んでるヤツが多いって聞くが、確かにこいつは何と言うか.......)
「ええと、それでまあ、どうすれば俺みたいなニンゲンの男でもOKなヤツと知り合えるのかもわかんないし、それによく知らないヤツとあんまりヘンな付き合いとかできないでしょ? 正直自分の好みだとかそういうのもよくわかんないのに特定の男と付き合うとか、怖いじゃないですか」
「…………はあ」
「でもこういう仕事なら最低限の安全は店が守ってくれるんでしょ? ココ、職場から遠いし、まあ身バレすることもないかな、って思って」
それで面接受けに来ました、とさっきまでの恥じらいはどこへやら、ケロリとした顔で言うニンゲンに、呉凱は開いた口が塞がらなかった。
「……確認するけどよ」
「はい」
「誰か特定のオスと付き合ったことはねぇんだな?」
「ええ」
「で、実際したことあんのかよ、セックス」
「…………男と?」
「そう、野郎にチンポ突っ込まれたことあんのかよ、って聞いてんだよ」
わざとあからさまな言葉で尋ねると、南はあっさりと答えた。
「ないです」
「ないのかよ!」
「あ、でも後ろはかなり慣らしてあるから大丈夫だと思います」
「…………は?」
「ほら、アナニーっていうの? ケツでするオナニーみたいなの。普通に自分の指でもやるけど、ローターとか、一応バイブとかでも……」
「わかった! わかったからもういい!」
あまりにあっけらかんと答えるニンゲンに呉凱の方が焦って止める。彼は何を咎められているのかまるでわからない、という顔でぽかんと呉凱を見返していた。
呉凱は何か色々とヤバそうなこの子猫相手にため息をつきたくなるのをなんとか我慢する。
「……あのよ、俺はニンゲンでそういうヤツに会ったことがねぇからよくはわからんが、オスが好きなら好きでなんで同じニンゲンの相手を探そうとしねぇんだ?」
「いえ、だって人間の知り合いとかほとんどいませんし。それに俺たちの世界ではゲイってかなり少数派で、ただでさえ人数いないのにそう都合よく男がOKな相手が見つかるとは思えませんから」
だったら最初っから獣人狙いの方がまだ当たる確率は高いでしょ? などと宝くじか何かのように話すニンゲンに、呉凱はただ「…………そうかい」としか答えられなかった。
(なんかこいつ……ほんとにわからんな……)
ニンゲンの中ではそれなりにガタイのいい方には見えるが、良くも悪くも直情的な獣人と比べると随分と品がいいというか大人しそうなのに、言ってることはあまりにも身も蓋もない。
昔から異世界からやってきたニンゲンはいろんな意味でちょっと変わったヤツが多い、というのがまさかこういう意味だったとは。
この旧市街であまり大っぴらには言えぬような生き方を長年してきた呉凱にしては珍しくも、このよくわからんニンゲンを持て余していた。
呉凱は勢いよく椅子の背もたれに背中を預けて腕を組む。安物のパイプ椅子がギシリ、とヤバそうな音を立てたが、それを無視して言った。
「…………よし、そこまで言うならテスト受けろ」
「テスト?」
「体験入店ってやつだよ。ソープだけじゃなくてキャバクラとかでもあんだろ」
「あー、そうですね」
ニンゲンがこくり、と頷く。
「えーと、お客さん相手にやるんですか?」
「仕込み終わってねぇ嬢を客前に出すわけねぇだろ? 俺がすんだよ」
「え、あなたが?」
「これでも店長だからな」
そう言って呉凱はパイプ椅子から立ち上がると、ニンゲンに顎で促して言った。
「俺は呉凱だ。で、おめーの名前は?」
我ながら順番がめちゃくちゃだと思いつつ尋ねる。すると黒髪のニンゲンはすこし首を傾げて「南です」と答えた。
「ミナミか、わかった」
そう言って呉凱が立ち上がると、同じく椅子から腰を上げたミナミは呉凱の胸の当たりまでしか身長がなかった。
呉凱はニヤリと笑って今から自分が何をされるのかちっとも分かっていないような顔のミナミを見下ろす。
「来いよ、ほんとに働く覚悟あんのか試してやる」
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