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Ⅲ 有為転変はエルフの習い 編
アドルティス、完敗 ★
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「…………泣くなよ」
低くて少し擦れた、俺の大好きな声がしっとりと耳に染み込んでくる。
「アドルティス、泣くなよ」
「…………泣いてない」
「泣いてんじゃねぇかよ」
「泣いてない」
「あー、わかったわかった」
突然、硬くて逞しい腕に抱き寄せられる。途端に俺たちエルフとは骨の太さからして全然違うような鬼人の頑強な身体と、俺よりずっと高い体温に閉じ込められて心臓が高鳴る。
顔を上げると、涙で滲んだ視界に目つきの悪い鬼人の顔が映っていた。
口が悪くて意地悪で俺様で剣鬼様で、でも泣いてるヤツにはすごくやさしくてあったかくなる。
あんたの弱点、見つけちゃったな、俺。
「もうすぐイけるから、もうちょっとだけ頑張れ」
「…………ん、がんばる」
別になにか競争してたり実験したりしてるわけでもないのに、頑張れとか、おかしいよな。でも多分おかしいのは俺だけじゃなくてラカンもだ。だってあんた、なんでそんなやさしい目で俺を見てるんだ? なんで尻にこんないやらしいモノ突っ込んでる俺の手を、そんなに優しく握ってくれるの?
「ほら、入れてやるから、力抜け」
「ん」
もういいや。もう全部ラカンに任せた。
俺は道具を持ってない方の手をラカンの太い首に回す。いいよな、これくらいなら甘えちゃっても。こないだだって首に掴まらせてくれたし。
すると俺の上に圧し掛かるようにして、ラカンが俺の手ごと、でこぼこと隆起した淫具を握りこんで一気に突き入れた。
「~~~~~~~~~ッツ!!!」
「どうした、気持ちすぎて声も出ないか?」
「ひぁああっ! はあっ、あんっ!」
「まだ挿れただけだぞ?」
「ま、まって……っ、ラカ、ま、まって……っ」
「イキたいんだろ? オラ、頑張れ、アディ」
「ひうんっっ!!」
その瞬間、かつてないくらい深くまでソレが入ってきた。ソコ、こないだのラカンだって、触れてない、それくらい奥。
「ラカ、ラカンっ、ラカ、ひあんっ! あんっ! んあっ!」
「大丈夫だから、俺に掴まっとけ」
「まっ、まって、ラカ、ラカン……っ、やだ、まって……っ!」
ラカンがそれをゆっくり動かす度に、ぽってりと熱を持った粘膜を淫具の凶悪な隆起が抉るように行き来する。それに、奥、奥を、瘤みたいになった先端が、ぐぷ、って、
駄目だ、これ駄目だ。絶対にまずい。
「ひゃっ、や、ラカ、ン、やだ、頼むから、これダメ……っ!」
「どうした、キツイのか」
「じゃなくて、これ、いやだ……っ」
まずい、これ本気でイってしまうかも。全然前触ってないのに。頭が真っ白になる。駄目だ。今意識飛ばすわけにはいかない、だって。
ラカンの短い髪を引っ張って死に物狂いで叫ぶ。
「待って、止めて、こ、こんなので、いやだ、俺、イきたくない……っ」
「は? でもお前いつも道具使ってて、これだって興味あるから買ったんだろう?」
クソッ、この大馬鹿鬼瓦男! そこは察しろよ!
「イヤだ、んっ、オモチャなんかに……っ、後ろだけでイかされるの、いやだ……っ!」
それに、こんな奥に、最初に触れたのがこんなモノだなんて、ああ、でもダメだ、イく、イっちゃう、イきたい、早くイきたい、イかせて……ぇ……っ!!
すると突然、中を容赦なく犯してた淫具が動きを止めた。あまりに寸止め過ぎて俺はたまらず大声を上げる。
「な、なんで!?」
「だってイヤなんだろ?」
「そ、そうだけど…っ」
だからって、そんな。
思わず涙目で睨みつけると、意外にもラカンの顔は笑ってもいないし意地悪そうでもなかった。あ、この顔はアレだ。俺が一度だけ結構な深手を負ってラカンに担がれてダナンの街に戻ってきた時の顔だ。すごく、すごく心配してるんだ。
途端に俺の涙腺は決壊して、だらだら涙を流しながらひたすらラカンの名前を呼ぶ。俺、本当によく泣くな。生まれてこのかた泣いた事なんか一度もなかったのに。エルフってそういうものだからな。
「…………ラカン、たすけて、ラカン」
ラカンはしばらく考えてから舌打ちすると「しょうがねぇな」と呟いて淫具を握りこんでた俺の手を緩めさせた。
「お前、こっちの手も離して俺に掴まってろ」
俺は言われた通りにソレから手を離してラカンの肩に掴まる。するとラカンがぐいっと俺の身体を抱き寄せてくれた。
ああ、ラカンのにおいだ。森と土とさっき食べた肉と酒と、そしてラカンのにおい。
「手離すからしっかりしがみついとけ」
そう言ってラカンは片腕で俺を前から抱きしめて、もう片方の手を離す。
「前、触るぞ」
「ん……っ」
やっと、やっと前触って貰える。やっとイケる。あああ嬉しすぎてまた涙出る。
「力抜いて、声出せ。いつもみたいにヘタな我慢すんなよ」
しないしない。だってアドルティスは痛いとか辛いとかすぐ隠すけど、アディは絶対あんたに隠し事なんてしないしできっこない。だろ?
「あ、あの、たぶん、さ、さわったら、すぐ、でちゃうと、おもう」
「わかってる。もう、なんにも考えるな」
「……ん」
そうだ、ラカンは俺のことが俺よりよくわかる。初めて会った頃からずっとそうだった。
「先、後ろからな」
「お、おく、そこまで、いれたことない、から、だから……」
「わかってる。ゆっくり、優しくしてやるから」
ラカンが俺の中からずるずると淫具を引きずり出す。その感触に俺は全身震えながら途切れ途切れの声を上げた。すると完全に外に出る前に止めたそれを、今度は俺の中を探るように少しずつ、ゆっくり入れていく。
「ふ……ぅああ……ぁあ……んんっ」
ラカンの操るその先端が確実に俺のイイところを見つけ出す。そしてソコを何度も突いて、えぐって、撫でて、存分にかわいがってくれる。
「あっ、あっ、んぁああっ」
感極まったアディちゃんがひっきりなしに甘ったるいあえぎ声をあげてる。これは俺の声じゃない。断じて俺のじゃない。そういうことにしといて欲しい。
「お前、ほんとに後ろだけでイけそうだな」
「やっ、やだっ、こんな、道具なんかっ」
「……………………なら、俺のならいいのか?」
ラカンがなにかいってる。なにかきいてる。そう、ラカンの。ラカンのがいい。ラカンならいい。
「ラカン、ラカンなら、いい、なにされても、ラカン」
「…………ああ、くそっ」
ラカンが珍しく籠った声で何かいってる。なに? なんていってる? おれ、あんたのこえ、ぜんぶききたいな。
「ラカン、ラカン、はやく、はやくいかせて」
「……大丈夫だ、任せろ」
ラカンが低く笑う。ああ、そうだ。ラカンがこういう笑い方するのはセックスしてる時だけ。出会って八年目にして俺が初めて知ったこと。
「ほら、お前俺の手が大好きなんだろう? そうだったよな?」
「そう、すき、すごく、すき」
アディくんもアディちゃんも、そしてアドルティスも、ラカンの熱くて硬くて乱暴で、でもとびきりやさしいその手が大好き。
「すき、だいすきラカン、んっ、あ、さ、さわって、ラカン、さわって……あっ」
「お待ちかねだな」
ラカンがまた笑う。いつも通りのその声を聞いて俺は泣きたくなるほど安心する。
ラカンがわずかに身じろいだ。俺は期待に震えながらその首っ玉にかじりつく。痛いほど反り返った性器にラカンの指先が触れる。
きた。ゆび。ラカンのゆび。
さわって。なぞって。こすって。
めちゃくちゃにして……ぇ……。
熱い息が俺の耳にかかる。聞いたことないほど低い声でラカンが何か囁いてる。なに? なにいってるの? でもそう尋ねる前にとうとう待ちわびた熱い手のひらが俺のモノを包み込んだ。
「ふ、ぁあんっッ!!」
たったそれだけで俺はイッた。背骨が折れるかと思うほど大きく逸らせて、踵でベッドを深々とえぐって。全身痙攣が止まらない。ナニこれ。こわいこわいこわい。
でもその時ラカンの腕が俺を支えてくれた。俺、重いよな。小さくて可愛い女の人じゃないし。しかもこんな、全身ガチガチに力んでしまって。支えるのしんどいよな。ごめん。
でもうれしい。安心する。いつだってラカンのそばが一番安心できて心地いい。
「お前、このあいだ俺が言ったことちゃんと覚えてんだろうな」
またラカンがなにか言ってる。
「どこの誰ともわかんねぇようなヤツとこういう事すんじゃねぇぞ」
なに? こういう事? 自慰? 自分で慰めること?
「道具なら使っていい。だからよその男はやめとけ。いいな」
だって自慰って一人でやるものだろう? 誰かとやるわけないじゃないか。
「…………どうしても、どうしてもさみしくなったら…………」
俺を呼べ。
確かに、ラカンはそう言った。
ねぇ、なんであんたは俺にそんなにやさしいの。俺が少しはラカンの役に立ててるから? 気を遣わなくてよくて、上手くやっていけてるから?
前に討伐依頼を片付けて戻ってきた時に、言ってたよな。
『お前が後ろにいる時に戦うのが一番楽しい。欲しいところに欲しいバフが来て、俺と同じくらい速く走れて高く飛べるお前と一緒に戦うのは気持ちがいい』って。
あんたは、俺をいい相棒だと思ってくれてるんだろうな。多分。
それでいい。それで充分過ぎるほど嬉しい。
なあ、ラカン。
俺、やっぱりあんたが好き。
低くて少し擦れた、俺の大好きな声がしっとりと耳に染み込んでくる。
「アドルティス、泣くなよ」
「…………泣いてない」
「泣いてんじゃねぇかよ」
「泣いてない」
「あー、わかったわかった」
突然、硬くて逞しい腕に抱き寄せられる。途端に俺たちエルフとは骨の太さからして全然違うような鬼人の頑強な身体と、俺よりずっと高い体温に閉じ込められて心臓が高鳴る。
顔を上げると、涙で滲んだ視界に目つきの悪い鬼人の顔が映っていた。
口が悪くて意地悪で俺様で剣鬼様で、でも泣いてるヤツにはすごくやさしくてあったかくなる。
あんたの弱点、見つけちゃったな、俺。
「もうすぐイけるから、もうちょっとだけ頑張れ」
「…………ん、がんばる」
別になにか競争してたり実験したりしてるわけでもないのに、頑張れとか、おかしいよな。でも多分おかしいのは俺だけじゃなくてラカンもだ。だってあんた、なんでそんなやさしい目で俺を見てるんだ? なんで尻にこんないやらしいモノ突っ込んでる俺の手を、そんなに優しく握ってくれるの?
「ほら、入れてやるから、力抜け」
「ん」
もういいや。もう全部ラカンに任せた。
俺は道具を持ってない方の手をラカンの太い首に回す。いいよな、これくらいなら甘えちゃっても。こないだだって首に掴まらせてくれたし。
すると俺の上に圧し掛かるようにして、ラカンが俺の手ごと、でこぼこと隆起した淫具を握りこんで一気に突き入れた。
「~~~~~~~~~ッツ!!!」
「どうした、気持ちすぎて声も出ないか?」
「ひぁああっ! はあっ、あんっ!」
「まだ挿れただけだぞ?」
「ま、まって……っ、ラカ、ま、まって……っ」
「イキたいんだろ? オラ、頑張れ、アディ」
「ひうんっっ!!」
その瞬間、かつてないくらい深くまでソレが入ってきた。ソコ、こないだのラカンだって、触れてない、それくらい奥。
「ラカ、ラカンっ、ラカ、ひあんっ! あんっ! んあっ!」
「大丈夫だから、俺に掴まっとけ」
「まっ、まって、ラカ、ラカン……っ、やだ、まって……っ!」
ラカンがそれをゆっくり動かす度に、ぽってりと熱を持った粘膜を淫具の凶悪な隆起が抉るように行き来する。それに、奥、奥を、瘤みたいになった先端が、ぐぷ、って、
駄目だ、これ駄目だ。絶対にまずい。
「ひゃっ、や、ラカ、ン、やだ、頼むから、これダメ……っ!」
「どうした、キツイのか」
「じゃなくて、これ、いやだ……っ」
まずい、これ本気でイってしまうかも。全然前触ってないのに。頭が真っ白になる。駄目だ。今意識飛ばすわけにはいかない、だって。
ラカンの短い髪を引っ張って死に物狂いで叫ぶ。
「待って、止めて、こ、こんなので、いやだ、俺、イきたくない……っ」
「は? でもお前いつも道具使ってて、これだって興味あるから買ったんだろう?」
クソッ、この大馬鹿鬼瓦男! そこは察しろよ!
「イヤだ、んっ、オモチャなんかに……っ、後ろだけでイかされるの、いやだ……っ!」
それに、こんな奥に、最初に触れたのがこんなモノだなんて、ああ、でもダメだ、イく、イっちゃう、イきたい、早くイきたい、イかせて……ぇ……っ!!
すると突然、中を容赦なく犯してた淫具が動きを止めた。あまりに寸止め過ぎて俺はたまらず大声を上げる。
「な、なんで!?」
「だってイヤなんだろ?」
「そ、そうだけど…っ」
だからって、そんな。
思わず涙目で睨みつけると、意外にもラカンの顔は笑ってもいないし意地悪そうでもなかった。あ、この顔はアレだ。俺が一度だけ結構な深手を負ってラカンに担がれてダナンの街に戻ってきた時の顔だ。すごく、すごく心配してるんだ。
途端に俺の涙腺は決壊して、だらだら涙を流しながらひたすらラカンの名前を呼ぶ。俺、本当によく泣くな。生まれてこのかた泣いた事なんか一度もなかったのに。エルフってそういうものだからな。
「…………ラカン、たすけて、ラカン」
ラカンはしばらく考えてから舌打ちすると「しょうがねぇな」と呟いて淫具を握りこんでた俺の手を緩めさせた。
「お前、こっちの手も離して俺に掴まってろ」
俺は言われた通りにソレから手を離してラカンの肩に掴まる。するとラカンがぐいっと俺の身体を抱き寄せてくれた。
ああ、ラカンのにおいだ。森と土とさっき食べた肉と酒と、そしてラカンのにおい。
「手離すからしっかりしがみついとけ」
そう言ってラカンは片腕で俺を前から抱きしめて、もう片方の手を離す。
「前、触るぞ」
「ん……っ」
やっと、やっと前触って貰える。やっとイケる。あああ嬉しすぎてまた涙出る。
「力抜いて、声出せ。いつもみたいにヘタな我慢すんなよ」
しないしない。だってアドルティスは痛いとか辛いとかすぐ隠すけど、アディは絶対あんたに隠し事なんてしないしできっこない。だろ?
「あ、あの、たぶん、さ、さわったら、すぐ、でちゃうと、おもう」
「わかってる。もう、なんにも考えるな」
「……ん」
そうだ、ラカンは俺のことが俺よりよくわかる。初めて会った頃からずっとそうだった。
「先、後ろからな」
「お、おく、そこまで、いれたことない、から、だから……」
「わかってる。ゆっくり、優しくしてやるから」
ラカンが俺の中からずるずると淫具を引きずり出す。その感触に俺は全身震えながら途切れ途切れの声を上げた。すると完全に外に出る前に止めたそれを、今度は俺の中を探るように少しずつ、ゆっくり入れていく。
「ふ……ぅああ……ぁあ……んんっ」
ラカンの操るその先端が確実に俺のイイところを見つけ出す。そしてソコを何度も突いて、えぐって、撫でて、存分にかわいがってくれる。
「あっ、あっ、んぁああっ」
感極まったアディちゃんがひっきりなしに甘ったるいあえぎ声をあげてる。これは俺の声じゃない。断じて俺のじゃない。そういうことにしといて欲しい。
「お前、ほんとに後ろだけでイけそうだな」
「やっ、やだっ、こんな、道具なんかっ」
「……………………なら、俺のならいいのか?」
ラカンがなにかいってる。なにかきいてる。そう、ラカンの。ラカンのがいい。ラカンならいい。
「ラカン、ラカンなら、いい、なにされても、ラカン」
「…………ああ、くそっ」
ラカンが珍しく籠った声で何かいってる。なに? なんていってる? おれ、あんたのこえ、ぜんぶききたいな。
「ラカン、ラカン、はやく、はやくいかせて」
「……大丈夫だ、任せろ」
ラカンが低く笑う。ああ、そうだ。ラカンがこういう笑い方するのはセックスしてる時だけ。出会って八年目にして俺が初めて知ったこと。
「ほら、お前俺の手が大好きなんだろう? そうだったよな?」
「そう、すき、すごく、すき」
アディくんもアディちゃんも、そしてアドルティスも、ラカンの熱くて硬くて乱暴で、でもとびきりやさしいその手が大好き。
「すき、だいすきラカン、んっ、あ、さ、さわって、ラカン、さわって……あっ」
「お待ちかねだな」
ラカンがまた笑う。いつも通りのその声を聞いて俺は泣きたくなるほど安心する。
ラカンがわずかに身じろいだ。俺は期待に震えながらその首っ玉にかじりつく。痛いほど反り返った性器にラカンの指先が触れる。
きた。ゆび。ラカンのゆび。
さわって。なぞって。こすって。
めちゃくちゃにして……ぇ……。
熱い息が俺の耳にかかる。聞いたことないほど低い声でラカンが何か囁いてる。なに? なにいってるの? でもそう尋ねる前にとうとう待ちわびた熱い手のひらが俺のモノを包み込んだ。
「ふ、ぁあんっッ!!」
たったそれだけで俺はイッた。背骨が折れるかと思うほど大きく逸らせて、踵でベッドを深々とえぐって。全身痙攣が止まらない。ナニこれ。こわいこわいこわい。
でもその時ラカンの腕が俺を支えてくれた。俺、重いよな。小さくて可愛い女の人じゃないし。しかもこんな、全身ガチガチに力んでしまって。支えるのしんどいよな。ごめん。
でもうれしい。安心する。いつだってラカンのそばが一番安心できて心地いい。
「お前、このあいだ俺が言ったことちゃんと覚えてんだろうな」
またラカンがなにか言ってる。
「どこの誰ともわかんねぇようなヤツとこういう事すんじゃねぇぞ」
なに? こういう事? 自慰? 自分で慰めること?
「道具なら使っていい。だからよその男はやめとけ。いいな」
だって自慰って一人でやるものだろう? 誰かとやるわけないじゃないか。
「…………どうしても、どうしてもさみしくなったら…………」
俺を呼べ。
確かに、ラカンはそう言った。
ねぇ、なんであんたは俺にそんなにやさしいの。俺が少しはラカンの役に立ててるから? 気を遣わなくてよくて、上手くやっていけてるから?
前に討伐依頼を片付けて戻ってきた時に、言ってたよな。
『お前が後ろにいる時に戦うのが一番楽しい。欲しいところに欲しいバフが来て、俺と同じくらい速く走れて高く飛べるお前と一緒に戦うのは気持ちがいい』って。
あんたは、俺をいい相棒だと思ってくれてるんだろうな。多分。
それでいい。それで充分過ぎるほど嬉しい。
なあ、ラカン。
俺、やっぱりあんたが好き。
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