なんでも探偵部!

きとまるまる

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285話「ハイリスクハイリターンのリスク部分だけ削り取りたい①」

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 放課後となり、いつものように部室へと集まる探偵部一行。メンバー全員が揃ったところで、運動部のように決められたメニューがあるわけでもない部活動ーーー三人は、それぞれ自由気ままに部室の中で過ごしていた。


張間「あ~うまうま。部室で食べるお菓子は、うまうま~。やめられねぇぜ、とまんねぇぜ~!」

間宮「お菓子ばっか食べてると、太るぞ。」

張間「なっ!? し、失礼な! 張間 彩香ちゃんはどれだけ食べても太りません~だっ! というか、女の子に対して太るとか言うもんじゃないですよ、間宮先輩! デリカシーがないですよ、デリカシーが!!」

関「他人にデリカシーどうこう言う前に、自分自身の行動も改めてください。食べカスボロボロとこぼしてからに...掃除する私の身にもなってください。」

張間「いやいや、これはどう食べてもボロボロ落ちるタイプのお菓子ですから、無理ですぅ! 文句を言うなら、このお菓子を作った会社に言ってください~!」

間宮「ボロボロ落ちるってわかってるなら、下になんか敷いておくとか対策ができるでしょ? なんでそういうことしないの?」

張間「あーもぉー! あー言えばこー言って、こー言えばあー言う! お前らは、私の姑か!」

関「言われたくなかったら、言われないような行動をしてください。」

間宮「甘えてばっかりは、ダメだからね。わかってる?」

張間「おいおいおいおい、どうしたどうしたどうしたんだよ!? もっとガンガン甘やかしてよ!? 年下ですよ!?後輩ですよ!?可愛いきゃわわな後輩ですよ!? 先輩というものは、可愛いきゃわわな後輩を甘やかさないといけない生き物なんですよ!? そこ、わかってますか!?」

関「間違った道を進もうとしている後輩を正すことも、先輩としてやらねばいけないことなんですよ。」

間宮「飴と鞭は使い分けないと。」

張間「鞭なんていらん!飴をよこせ、飴を! 間宮先輩、飴ください! あ~め~~!!」

間宮「おい、こら! 肩を揺するな!やめろ!」

張間「ま~み~や~せ~ん~ぱ~いぃぃぃ!!」

関「こらこら張間二等兵、そういうことしてると傑くん怒っちゃいますよ?」

張間「じゃあ、やめるんで遊んでください。」

間宮「嫌だよ。僕、漫画読みたいーーー」

張間「ま~み~や~せ~ん~ぱ~いぃぃぃ!!」

間宮「遊びたかったら、先輩と遊びなさい! 暇そうにしてるでしょ!!」

関「傑くん、私今掃除してます。暇そうにしてませんよ? あと、言っておきますが暇だから掃除してるわけじゃありませんからね?」


 いつも通り、自由気ままに過ごす三人ーーー部室の扉が開き、自由時間の終了を知らせる。


張間「おっ!? お客さんですね!? どうぞどうぞ、こちらの席へ!!」


 ニコニコ笑顔で部室内へと入ってきた女子生徒を椅子へと誘導する張間。

しかし、女子生徒ーーー三年の手鞠 夢衣てまり むいは、俯けた顔を上げることなく、誘導された椅子に座ることもなく、スッと腰を落とすと床に額を擦り付ける。


張間「...え?」

手鞠「どうか...どうか私に力を貸してください! なんでも探偵部の皆さん!! この通り!!」

張間「え!? えぇ!?」

間宮「ちょっ、いきなりどうしたんですか!?」

手鞠「お願いします!お願いします!」

張間「え、え!? なんですか、これ!? なんですか!?」

間宮「と、とにかく、まずは頭を上げてください!」

関「そうですよ。まずは頭を上げて、そして何をして欲しいのか説明してください、夢衣ちゃん。どうして欲しいのかわからないと、我々も力を貸すにも貸せませんから。」

手鞠「そ、そうですね...急に来てすぐにこんなことを...すみません...。」

張間「部長! このお方は、部長のお知り合いなのですか!?」

関「えぇ。彼女は、三年の手鞠 夢衣ちゃんです。クラスは違いますが、私のお友達ですよ。」

張間「ほうほう、なるほど...! 一年の張間 彩香でございます! どうぞ、よろしく!」

手鞠「か、可愛い...! ねぇ、張間ちゃん! 張間ちゃんは、コスプレとかに興味ある!?」

張間「え? コスプレですか?」

関「こらこらこら。そういう話をする前にやるべきことがあるでしょうに。」

手鞠「あ、そうでした...。すみません...。」

間宮「お茶、どうぞ。」

手鞠「あっ、ありがとう。」

関「で、どうしたんですか? いきなりあんなことするくらいですから、私たちの思っている以上の出来事だと思いますが...まずは話を聞かせてください。」

手鞠「は、はい...。実はですね...。」
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