なんでも探偵部!

きとまるまる

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243話「海!海!!海!!!⑦」

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間宮「はぁ、疲れた...。」


 一通り遊び終えた間宮は、日陰となっているパラソルの下に逃げ込み、ゴクゴクを大きく喉を鳴らしながら身体に水分を流し込む。


新沼「傑先輩。」

間宮「あ、咲ちゃん。」

新沼「あれ、ワンちゃんはどこに行ったんですか?」

間宮「狗山さんなら「砂浜で走ったら、足腰すげー鍛えられるっすよね!?」って言って走りに行ったよ。あんなに遊んだ後なのに、よく走れるよね。僕、もう疲れちゃったよ。」

新沼「うふふ、傑先輩は体力がないんですね。」

間宮「あはは、悔しいけど全く否定はできないよ。」

新沼「では、体力つけるためにも私と走りに行きますか?」

間宮「体力はつけた方がいいんだろうけど、今回は遠慮しておきます...。今から走ったら、帰り歩けなくなっちゃうよ。」

新沼「ですね。私も体力そんなある方でもないので、傑先輩と同じになっちゃうかもです。」

間宮「いやいや、咲ちゃんは運動部だし、僕よりは体力あるよ。」

新沼「ですかね?」

新沼「...えっと...隣、座ってもいいですか?」

間宮「うん、いいよ。」

新沼「ありがとうございます。」

間宮「飲み物、飲む?」

新沼「はい、お願いします。」


 間宮の隣に腰を下ろし、飲み物を受け取る新沼。

喉を潤した後も、たわいのない会話で楽しそうに話す二人ーーー関と張間は綾小路を掘り起こす手を止め、パラソルの下で起こる青春を見つめる。


関「いやー青春だね~。」

張間「......。」

関「おや、どうしたんですか張間くん?」

張間「へ!? べ、別になんでもありません!」

関「本当ですか~?」

張間「本当です!」

関「それならいいですけど。」

関「しかしまぁ、楽しそうにお話ししてますねぇ。こう見ていると、本当に付き合っているように見えますね。」

張間「うぐっ...!」

関「どうします、張間くん? あのままあの二人が付き合い出したら?」

張間「ちょっ、ちょっと!変なこと言わないでくださいよ!」

関「変でもないですよ。ほら、見てください。あの二人を。」

張間「やめてくださいやめてください! いくら部長でも怒っちゃいますよ!!」

関「これ以上は、本気で怒られそうなんでやめときま~す! はっはっは~!」

張間「全く...!」

綾小路「...あの二人、もう付き合ってるのでは?」

関「...あっ。」

張間「いるの忘れてた...!」

綾小路「え? どういうことですか? あの二人、付き合ってるんですよね? あれ? んん?」

関「綾小路くん、落ち着いて聞いてください。」

張間「私たちの目を見て、しっかり聞いてね。」

綾小路「...あっ、なるほどなるほど! そういうことか!!」

関「待ちたまえ、綾小路くん! その答えは間違っている!!」

張間「今からでも遅くはない! 私たちの話をーーー」

綾小路「咲ちゃぁぁぁぁぁん!!」

関「うおっ!? 君、自力で出られたのね!?」

張間「そんなことより、ヤバいですよ部長!! このままではーーー」

綾小路「咲ちゃぁぁ~ん!!」

間宮「あっ、綾小路くん。」

新沼「なによ? 見ての通り、私は傑先輩と話してるんだけど。邪魔しないでーーー」

綾小路「さっき聞いたよ! その関係は、嘘なんだね!!」

間宮・新沼「...え?」

綾小路「さっき関先輩と張間ちゃんが言ってたよ! なんでそんな嘘を僕に吐いてたのかは、まだわからないけど...とにかく、僕は今とてもハッピーさ! 今すぐパーティーを開きたい気分さ! もちろん、咲ちゃんも招待するよ!」

綾小路「はっはっは!残念だったな、間宮 傑! 付き合ってもない君に、勝ち目はないよ! 咲ちゃんとお付き合いするのは、僕の方がふさわしいからね! はっはっはっは~! いや~ハッピーハッピー!」

関「お、遅かった...!」

張間「部長、今すぐ逃げましょう! 今すーーー」

新沼「うふふ~♡」

関「...ロックオンされちゃいましたね。」

張間「あの...木の棒持ってらっしゃるのですが...もしかしなくても、この後の展開は...!」

新沼「うふふ~♡ 部長さぁ~ん♡ 彩香ちゃ~ん♡」

関「う、うふふ~♡ 捕まえてご覧なさぁ~い♡」

張間「あはは~♡ こっちよ、こっち~♡」

新沼「待て待て~♡」

関「うふふ~♡」

張間「あはは~♡」

新沼「待ってぇ~♡」

関「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
張間「うぎゃぁぁぁぁぁ!!」

新沼「絶対に、逃さないからねぇ~♡」

綾小路「咲ちゃ~ん! 僕も着いていくよ~! これからのこと、一緒に考えよ~~!」

間宮「あーあ、なにやってんだか...。」

間宮「...ふぁぁ~...。なんか、眠くなってきた...。ちょっと寝よう...おやすみなさい...。」

関・張間「いやぁぁぁぁぁ!?!?」
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