なんでも探偵部!

きとまるまる

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240話「海!海!!海!!!④」

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 海へとやってきた、探偵部一行とバド部メンツ。

関は大きく開けたビーチパラソルを立てかけ日陰を作る仕事を終えると、額に滲む汗を手で拭い、視線いっぱいに広がる海を目で堪能する。


関「やってきましたね、海~!」

間宮「ですね...。」

関「おやおや、元気がないですね傑くん。どうしました?」

間宮「暑い...。」

関「そりゃ砂ばっかり見てたら暑いという感想しか出てきませんよ。視線を上げて、海を見て、テンション上げていきましょう! 彼のように。」

綾小路「いやっふぅぅ~! やってきたぞ、海~~! 海だぁぁ~! いやっふぅぅ~!!」

綾小路「青い、空! 白い、雲! 美しい、僕!! そしてそしてぇぇ...!」

張間「お待たせしました~! 女性陣の登場で~す!」

綾小路「きたぁぁぁぁ!!」


 海の家に併設されていた更衣室で着替えを済ませた女性陣が、男性陣の元へと駆けてくる。


張間「男性の諸君、お待たせしました! 可愛いきゃわわな張間 彩香ちゃんです!」

狗山「うぅ...は、恥ずいっす...!」

張間「もぉ~いつまで恥ずかしがってんの羽和ちゃ...って、いつの間にラッシュガードを!? ガードするな、前を開けろ!」

新沼「あんたスタイルいいんだから、堂々と見せなさいよ。」

狗山「恥ずいっす!!」

張間「そんなこと言わずに...そぉら、脱げ脱げぇ~~!」

新沼「脱げ脱げ~!」

狗山「ぎゃぁぁぁぁ!? お、おまっ、やめろっすぅぅぅ!!」

間宮「楽しそうですね。」

関「ですね~。」

綾小路「あ、あぁぁ...!? さ、ささささ咲ちゃんの、水着...! か、可愛すぎて...可愛すぎて...ぐはっ!?!?」


 愛しの新沼の水着姿を目にし、幸せが限界値を超えた綾小路は口から吐血し、砂浜へと崩れ落ちていく。


綾小路「わ、我が生涯に...一片の悔いなし...!!」

間宮「おい、仲直りはどうした?」

狗山「ちょっ、バカ、新沼! 押すなっす!」

新沼「ねぇ、部長さん部長さん!」

関「ん? なんだい?」

新沼「どうです、ワンちゃんの水着は? 可愛くないですか!?」

狗山「はぁぁぁ!? お、おまっ、なに言って...!?」

関「えぇ、可愛くてとっても似合ってますよ。」

狗山「は、はいぃぃぃ!? いやいやいや、俺なんか全然ーーー」

新沼「褒められてよかったね、ワンちゃん♡」

狗山「な、なななな何言ってんすか!? 俺は別にーーー」

新沼「顔真っ赤! 可愛い~!」

狗山「赤くねぇし可愛くないっす! やめろやめろやめろぉぉぉ!!」

間宮(賑やかだなぁ。)

張間「むふふふふふ...! 間宮先輩間宮先輩!」

間宮「ん? なに?」

張間「むふふふふふ...!」

間宮「...なに?」

張間「なに?じゃないですよ! どうですか、私の水着は!?」

間宮「張間さん、スクール水着で来ると思ってた。」

張間「てめぇぇぇぇ! そんなことよりも言うことがあるだろうがぁぁぁぁ!!」

間宮「あだだだだだ、痛い痛い痛いぃぃぃ!! 張間さん、最近暴力的ではぁぁぁぁ!?」

張間「お前が乙女心を理解してないからだ、このやろうがぁぁぁぁぁぁ!!」

間宮「痛いってばぁぁぁぁ!!」

関「やれやれ、どこに行ってもうるさい連中だこと。」

狗山「幸先輩、それブーメランっす。」

狗山「にしても、あの二人は仲良いっすねぇ。」

関「そうですね~。仲良しさんですね~。」

新沼「ソウダネー。」

狗山「...新沼?」

新沼「なに?」

狗山「あ、いや、その...大丈夫っすか...?」

新沼「なにが?」

狗山「あ、いや...なんでもないっす...。」

関(張間くんと新沼くんの友情に、亀裂が入らないことを祈ってよう...。)

綾小路「咲ちゃん、僕らもあの二人みたいにイチャイチャーーー」


関(M)しばらくお待ちください。


新沼「せっかく海に来たんだから、誰が一番深く穴を掘れるか勝負しましょう!」

狗山「新沼、もっと海らしい遊びが他にあるっすよ。」

関「というか、穴掘ってどうするんだい?」

新沼「もぉ~部長さんってば、わかってるくせに♡」

関「新沼くん、落ち着きなさい。もっと有効活用しようじゃないか。」

新沼「え? このゴミは埋める以外に用途はないですよ?」

狗山「新沼、落ち着くっす...。」

関「羽和くんの言うように、落ち着いて考えてごらん。この戦闘不能になってしまった綾小路くんを、こう...カカシのように立てれば...ほら、これで荷物番だ。」

張間「おぉ! これなら誰も近づいて来ませんね!」

間宮「警察が飛んでくるわ!」

新沼「部長さん、さすがにこれは可哀想ですよ。せっかく綾小路も一緒に来たんですから、海にいれてあげましょう。」

狗山「傷口に塩を浸すなっす! そっちのが可哀想っすよ!」

新沼「じゃあ、やっぱり埋める?」

狗山「埋めないっす! ほら、ビーチボールで遊ぶっすよ! 綾小路のことは忘れて、楽しむっす! ほらほら、いくっすよ!」

新沼「はいはい。」

張間「待て待て待て! 私も行く~~!」

関「傑くん、私たちも行きましょう!」

間宮「あの、綾小路これはこのままでいいんですか?」

新沼「間宮先輩、行きましょう!」

間宮「あ、うん。」

関「さぁ、夏を楽しみましょ~!」
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