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160話「夏に白球〜前編〜②」
しおりを挟む観覧席へと移動した探偵部一行は、両ベンチから駆け出しホームベースへと集まる野球部員たちを見つめている。
張間「おぉ! きましたきましたよ! ついに始まりますよ、間宮先輩!」
間宮「わかったから、肩を掴むな! 揺さぶるなっ!」
関「いや~楽しみですね~!」
張間「今日明日と勝てば、甲子園ですよ! 甲子園!! オラ、ワクワクすっぞぉ!」
間宮「でも、今日の相手って強いところなんですよね? 甲子園に何度も行ってるところなんでしょ? 勝てるんですかね?」
張間「だーかーらー!弱気な発言は控えろと言ったでしょうが!! 間宮先輩のおバカ! おたんこなす!」
関「たしかに、相手は甲子園常連高ですが、勝負というものは最後までなにが起こるかわかったもんじゃないですよ。私たちの応援が東咲高校野球部の背中を押し、大金星をあげることだってできるはずです。と、いうことで...全力全開で応援するぞ、諸君っ! 東咲高校野球部に、パワーを送りつけるぞ!!」
張間「アイアイサー!!」
関・張間「頑張れ頑張れ、東咲!! 負けるな負けるな東咲!!」
間宮「はぁ...うるさ...。」
審判「ただいまより、駒原高校対東咲高校の試合を始めます。両者、礼っ!」
野球部員「「おねしゃぁぁぁすっ!!」」
間宮(M)こうして、駒原高校対東咲高校の熱き戦いが始まった。
関(M)一回は、両者ともに得点を上げることができず。試合が動いたのは、二回表。駒原高校の攻撃。
実況「打ったぁぁぁ! ライト前ヒット! 三塁ランナーホームイン! 先制は、駒原高校!」
石山「くそっ...!」
今本「どんまいどんまいっ! 次、抑えよ!」
鶴森「まだ一点だ! 気にすんな!」
石山(そうだ、まだ一点だ...。落ち着け、俺...。負けたわけじゃない、ここからだ。落ち着いていけ。)
実況「さぁ、ツーアウト、ランナー一三塁。まだチャンスが続きます、駒原高校。」
石山(負けるな、負けるな。気持ちで負けるな。相手がどこだろうが、俺は俺のピッチングをするだけだ。こんなところで、崩れるわけにはいかない...!)
審判「ストライークッ!」
石山(俺は、エースだ。東咲高校野球部のエースだ。自信を持て。自信を持って投げろ...!)
審判「ストライク、ツー!」
石山(こんなところで、終わるわけにはいかない...! まだ、続けるんだ...! 終わるには、まだ早ぇんだよ...!)
石山が投げたボールは打者の手元で大きく曲がり、バットが空を切る。
実況「緩いボール、空振り三振っ! 東咲高校、最小失点で切り抜けました!」
石山「よっし!」
鶴森「ナイスボール!」
山上「よくやった! 欲を言えば、点取られんなっ!!」
石山「うるせぇ! 悪かったな!!」
張間「よーしよし! いいよいいよ、一点くらいどうってことないよ! こっからこっから!!」
関「ナイスピッチ、石山くーーん!」
間宮「もう一点取られちゃったよ。やっぱり強いな...。」
関「傑くん、良いように考えましょう。強豪校相手に、一点しか与えなかった。これは大きいことですよ。」
張間「そうですよ! 今年の駒原は、超重量打線! それを一点で抑えたのは、価値あることですよ! さぁ、私たちも負けじと応援を続けましょう! ファイト、東咲ーー!!」
間宮「頑張れー。負けるなー。」
張間「こらぁぁぁ! 間宮先輩、もっと声張らんかーーーい!!」
関(M)二回の裏、東咲高校の攻撃も、引き続き得点を上げることはできず。三回には、さらに一点を追加され、2対0で三回を終える。
関(M)中々流れを掴めない東咲高校だったが...四回の表、石山くんが三者凡退に抑えるナイスピッチングを披露すると、打者陣も黙っていられない。四回の裏、ついに...。
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