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50話「〇〇死す!③」
しおりを挟む理科準備室へとたどり着いた一行。鍵がかけられている扉を、張間はドンドンと激しく叩いている。
張間「おい、ごらぁぁぁ! ここにいるんは、わかっとるんやで! とっととドアあけーや!!」
関「雪だるま作~ろぉぉぉぉ! ドアを開けてぇぇぇ~!!」
青海「え!? 5月なのに雪だるまが作れるの!?」
関「騙されたな、バカめ! 確保ぉっ!!」
張間「サーイエッサーーー!!」
鍵を開け出てきた怪盗2こと青海を、張間は目にも止まらぬ速さで縄を使い縛りあげる。
青海「いやぁぁぁぁ!? だ、騙したなぁ!!」
張間「騙される方が悪いんですよ...! うふふふふ!」
関「七海ちゃんってホント...バカだよねぇ!」
椅子に縛られ身動きのとれない間宮は、目の前で行われたバカな出来事を、冷たい眼差しでジッと見つめている。
張間「間宮せんぱぁぁぁい! どこですかぁぁぁぁ!?」
関「いたら返事してくれぇぇぇ! 助けにきたぞぉぉぉぉ!!」
間宮「目の前にいんだろうが! この距離で見えねぇのか!? 目ん玉交換してもらえや!」
張間「あぁ、気持ちいい...! 足りない何かが満ちていきます...!」
間宮「え? 何言ってんの?」
関「すーぐーるーくん♡」
間宮「え? なに?」
張間「まーみーやーせーんーぱいっ♡」
間宮「笑顔で寄ってこないで! 恐怖しか感じないよ!」
関「ふとんがふっとんだ♡」
間宮「...は?」
張間「餅は、もっちもち♡」
間宮「なに? なんなの?」
関「豚がブッタをぶった♡」
間宮「なに? 笑ってほしいの? なら、もっとボケのレベル上げて。」
張間「コンドルがおケツに食い込んどる♡」
間宮「張間さん、おケツとか言うのやめなさい。」
関「好きって10回言って♡」
張間「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き!」
関「私のことは?」
張間「だーーいすき♡」
間宮「2ヶ月で別れるカップルか。」
張間「あーーー! おかえりなさい、ツッコミ!」
関「君がいなくて寂しかったよ、ツッコミ!」
間宮「間宮 傑と呼べや!!」
ツッコミの帰還を熱い抱擁で喜んだ二人は、サササッと縄を解き、間宮を解放する。
関「さて、間宮 傑ルートは無事エンディングを迎えた。残るは、五山海森ルートだ。」
張間「よっしゃ! トゥルーエンド迎えるで!」
関「今回の五山海森事件も、七海ちゃんが関わってるんでしょ?」
青海「私は今、怪盗2なの! 怪盗2って呼んで!」
張間「怪盗1、五山海森をどこにやった!?」
間宮「張間さん、ボケが雑すぎるよ。」
張間「こんな雑なボケでも拾ってくれる間宮先輩...好きになっちゃいそう!」
間宮「どうしたの、この子!?」
関「ツッコミのありがたみを、全身で感じているんだよ。」
花ノ山「怪盗2、五山海森をどこへやったでごわす!?」
青海「うふふ...! 残念だけど、私は持ってないわよ!」
関「津々浦くんでしょ?」
青海「ぎくっ!?」
花ノ山「ご、ごわす!? どうして津々浦ちゃんが!?」
関「理由はわかりませんが、君たちが裏で手を組んでるのはわかっている。」
張間「おうおう! とっとと津々浦ちゃんの居場所を吐きな!」
青海「タ、タダで言うわけないでしょ! 知りたかったら、この私をーーー」
津々浦「おっす! 怪盗2さん、準備できました! 五山海森を...ん?」
青海「あっ。」
間宮「なぜ今登場する!? タイミング悪すぎだろ! 空気を読め!!」
青海「逃げて、紅葉ちゃんんんんん!!」
津々浦「お、おっすぅぅぅぅ!」
関「張間くん。」
張間「サーイエッサー。」
関がパチンっと指を鳴らすと、張間は勢いよく床を蹴り、猛スピードで津々浦を追っていく。
津々浦「うわぁぁぁぁぁ!」
張間「待てや、こらぁぁぁぁ!」
関「あの子は、張間くんに任せておけば大丈夫だろう。私たちはーーー」
関が、捕らえた怪盗2へと視線を戻す。が、そこには怪盗の姿はなく、縄だけが床に落ちている。
関「あれ?」
花ノ山「か、怪盗2が消えたでごわす!?」
間宮「え? あっ、ホントだ!? どこ行ったの!?」
関「はぁ...怪盗らしくなっちゃって...。」
間宮「ど、どうするんですか?」
関「どこに行ったかわかりませんから、私たちも津々浦くんを追いかけましょうか。」
花ノ山「ま、まさか、津々浦ちゃんが...。でも、どうして...?」
関「それは、本人から直接聞きましょう。では、行きましょうか。」
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