「声劇台本置き場」

きとまるまる

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二人台本↓

「少女と死神の奇妙な関係」最終話(比率:男1・女1)。

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登場人物

少女:♀ 16歳 死のうとしていた少女。

死神:♂ ?歳 人を不幸にできない死神。

役表
少女:♀
死神:♂



ーーー



 少女の目の前に広がる、真っ暗な景色。その視界の先に、薄らと死神が見える。


死神「軍曹! ぐんそーう!」

少女「……クソ虫? ってか、ここはどこ?」

死神「軍曹」

少女「な、なによ?」

死神「僕は、あなたに伝えなければいけないことがあります」

少女「え? なによ?」

死神「今まで、ありがとうございました」

少女「え? ちょっ、ちょっと待ってよ! どういうこと⁈」

死神「さよなら」


 死神が、少しずつ、遠くへ、小さくなっていく。


少女「さよならって……ま、待ちなさいよ! ねぇ、待ってよ! 待って! 待ってったら! ねぇ!」

少女「やだ、嫌だよ! ねぇ、待ってって! お願いだから、お願いだから!」

少女「私を、一人にしないでよぉぉぉ!」



 とある病院の一室。少女が勢いよく目を覚ます。


少女「っ⁈ はぁ、はぁ、はぁ……はぁ……。ゆ、夢か……」

少女「……あれ? ここは……?」


少女(M)気がついたら、病院にいた。私は、生きていた。屋上から落ちたのに、奇跡的に軽い打撲などで済んだらしい。

少女(M)奇跡なんかじゃない。私は知ってる。あいつが、あいつがいてくれたから、私は……。

少女(M)でも、あいつは……クソ虫は……。



 数日後、少女が息を切らして病院から帰ってくる。


少女「た、ただいま!」

少女「はぁ、はぁ……! ク、クソ虫! いないの⁈ ねぇ、クソ虫!」

少女「……」


少女(M)机や棚に、少し埃がたまっている。クソ虫が帰ってきてない証拠。


少女「どこ……いっちゃったの?」


少女(M)クソ虫はあの日以降、姿を見せなくなった。何日経ってもあいつは帰ってこなかった。どれだけ探しても見つからなかった。あいつがいなくなって、1週間、1ヶ月……時間だけがどんどん過ぎていく。10月、11月、そして、12月。

少女(M)あいつがいなくなって、3ヶ月近くが経とうとしていた。



 少女のバイト先。バイトを終えた少女が、店から出てくる。


少女「お疲れ様でしたー」

少女「……さむっ」


 少女はゆっくりと家へと歩き出す。


少女「……」

少女「……」

少女「……」

少女(……私)

少女「なんで、生きてんだろ……?」


少女(M)屋上から落ちたあの日……あの日から、私の学校生活は少し変わった。私をいじめてたやつらは、あの後屋上で意識不明の状態で全員倒れていたらしい。私が退院した数日後に、みんな目を覚ましたみたいだが。目を覚ましてから、様子がおかしくなっていた。

少女(M)私のことをいじめなくなったのだ。私のことを避けている。理由はなぜかわからないが、廊下ですれ違ったりするだけで、震えて、泣くものもいる。私が一体なにをしたのだろうか? 私は被害者なのだが……。とにかく、理由はわからないがあいつらがいじめてこなくなって、学校生活は快適なものとなった。

少女(M)……快適になったはずなのに。ずっとずっと、この環境を望んでいたはずなのに。なんでだろう? ちっとも嬉しくない。あの時、死のうとしてた時と同じ……心にぽっかりと大きな穴が空いてる。快適な学校生活を得たかわりに、大切なものを失った。


少女「私は、なんで生きてるんだろ……?」


少女(M)あいつがいたから生きていた。

少女(M)あいつがいたから、生きようって思えた。

少女(M)ずっとずっと、隣にいるために……。なのに……。


少女「ただいま」

少女「……」


少女(M)今日もあのバカみたいに明るい声は聞こえてこない。あいつがいなくなって、何日目だろうか?

少女(M)最近、思うようになってきた。

少女(M)全て、夢だったのではないか……と。


少女「死神なんて、いるわけないじゃん。あーあ、そうだよ。死神なんてさ、いるわけないじゃん」

少女「夢だったんだ、全部。今までのこと、全部、ぜーんぶ……夢、だったんだよ。死神なんて、いなかったんだ……」


 少女はブレザーの内ポケットから生徒手帳を取り出し、中から一枚の紙を取り出す。


少女「……」


少女(M)私が風邪引いた時に、机に置いてあった手紙。クソ虫からの、温かい手紙。今でも大事に持っている。


少女「……これも早く捨てよ」

少女「全部無かったことに。死神なんて、いないんだよ」


少女(M)このままあいつと会えなければ、いつかきっと忘れていく。この手紙を捨てて、あいつとの思い出を全てなくせば、忘れられる。

少女(M)もともと、無かったことになるよ。私たちの出会いは。私たちの関係は。


 少女が手紙をくしゃくしゃに丸めだす。


少女(M)手紙をくしゃくしゃに丸める。

少女(M)丸めるたびに、苦しくなる。辛くなる。

少女(M)あいつとの思い出が、消えていくようで……。


少女「……よし」


 少女はゴミ箱の前に立つ。


少女「今まで、ありがとね。あんたと出会えてよかったよ。楽しかったよ。死にたいって思ってたのに、生きたいって思えるくらいに」


 少女の頭の中に、死神との思い出が浮かび上がっていく。


死神「ぐんそ~う!」

少女「……今更だけど、軍曹ってなによ?」

死神「僕を、弟子にしてください!」

少女「弟子って……なんだよ……?」

死神「行ってらっしゃい!」

死神「ぐんそ~う、起きてくださ~い!」

死神「軍曹!」

少女「やめてよ……やめて……! 忘れさせてよ……!」

死神「ぐんそ~う」

少女「あんたなんていなかった! いなかったんだ! クソ虫なんて……死神なんて……!」

死神「今日はオムライスですよ!」

少女「あんたのご飯なんて、食べたくない……!」

死神「大丈夫ですか?」

少女「あんたの優しさなんて、もういらない……! あんたがいなくたって、いなくたって……私は!」

死神「一人じゃないですよ、軍曹」

少女「……わた……しは……」


 少女は丸めた紙を広げ始める。


少女「……しないでよ……。一人に……しないでよ……! 一人にしないでよぉ!」


 広げた紙に、ボロボロ涙がこぼれ落ちる。


少女「捨てれるわけないじゃん……! 忘れられるわけないじゃん……! こんなに、こんなに好きにさせといて、一人にしやがって……! 最低だよ……最低……だよぉ……!」

少女「帰ってきてよ……! お願いだから……! 顔が見たい……声が聞きたい……抱きしめたい……! もっともっと、一緒にいたいよ……! バカクソ虫ぃ……!」

死神「軍曹」

少女「もう、呼ばないでよ……! 会いに来ないんだったらさ……もう……!」

死神「軍曹!」

少女「…………クソ虫?」

少女「……」


少女(M)あいつが呼んでる気がした。こっちに、こいって。


 少女は勢いよく外へ出て行く


少女「っ!」


少女(M)会える気がした。あいつに、クソ虫に。そんな気がした。無我夢中で走った。

少女(M)あの場所へ。







 二人が出会った屋上。死神が一人、街の景色を眺めている。


死神「……寒いですねぇ」

死神「……懐かしいなぁ」

死神「……ありがとうございました」

死神「さてと、行きますか」


 死神は景色に背を向け帰ろうとする。入り口には、息を切らした一人の少女。


少女「はぁ、はぁ……はぁ……!」

死神「ぐ、軍曹。なんで……?」

少女「……あ、あんた、死神?」

死神「え?」

少女「真っ黒のローブ……背中に背負ってる大きな鎌……誰がどう見ても、死神としか思えないわよ……!」

死神「……」

少女「やっと……やっと、見つけた……」

死神「なんで、ここに……?」

少女「あんたこそ、なんで帰ってこなかったのよ……? なんでなの……?」

死神「そ、それは……」

少女「おい、クソ虫!」

死神「は、はい!」

少女「帰ってこないなら、帰ってこないって連絡しろよ!」

死神「……え?」

少女「あの日から、学校終わってからとか、バイト終わってから、ずっと探してたんだぞ! そのうち帰ってくるんじゃないかと思って、ご飯二人分作って毎日待ってたのに帰ってこないから、あんたの分も食べるようになって、少し太ったんだけど! どう責任とってくれるわけ⁈ あぁん⁈」

死神「いや、それは──」

少女「クソ虫!」

死神「はいぃぃぃ!」

少女「……なったの?」

死神「え?」

少女「私のこと……き、嫌いになったの……? だから、会いにきてくれなかったの……?」

死神「……」

少女「私、ずっと待ってたんだよ……? あんたが帰ってくるの、ずっとずっと……」

死神「軍曹……」

少女「なんで……なんで会いにきてくれなかったの……? ねぇ、なんでよ⁈」

死神「……軍曹」

死神「僕は、死神です。人を不幸にする死神なんです」

少女「……屋上のあいつら、やっぱりあんたが?」

死神「どうやったのかは無我夢中だったので覚えてないんですけどね。気がついたら、みんな倒れてました。声をかけても、誰も反応しなくて」

死神「僕は、軍曹をいじめていた奴らを不幸にすることができたんですよ! ついに、ついに不幸にすることができたんです! 僕だってやればできるんだって! 幸福にしかできなかった僕が! やったぞぉぉぉ!」

死神「……って、なるはずだったんですけどね」

死神「ずっと、ずっとこうなることを望んでたはずなのに。それなのに、真っ先に思ったのは……『軍曹を不幸にしたらどうしよう?』って」

少女「……え?」

死神「どうやったかわからないから……どうやってあの子たちを不幸にしたか、わからないから……。軍曹の近くにいたら、軍曹のこともあの子たちみたいに……。だ、だから……」

死神「お、おかしいですよね~! 死神は人を不幸にする存在なのに……不幸にするのが当たり前なのに……。僕は……僕は……!」

死神「あなたのことを、不幸にはしたくない」

死神「軍曹には笑っていてほしい……! ずっとずっと、笑っててほしい……! 悲しい顔、してほしくない……泣いてる顔は見たくない……!」

死神「あなたのこと、大好きだから……!」

少女「……」

死神「ずっとバカにされてきて、死のうと思ってたのに……早く不幸にできる力がほしいって思ってたのに……。いつからだろ……? あなたと一緒にいられるなら……不幸にできなくても、バカにされ続けても……あなたの笑顔が見れるなら、幸福を届ける死神のままでも、いいかなって……」

死神「そう思えるくらい、あなたとの生活は楽しかった……! ずっと隣にいたいなって、思えるくらいに……!」

少女「じゃあ、なんで……?」

死神「……軍曹!」

死神「僕は、不幸を届ける死神です」

死神「だから、あなたから離れます」

死神「あなたのこと、大好きだから」

死神「あなたのこと、不幸にしたくないから」

死神「僕たちの関係は、今日で終わりにしましょう」

死神「今まで、ありがとうございました」

少女「……なんだよ、それ? 勝手すぎるよ……勝手すぎだろ……!」

少女「あんたさ、ずっと私の近くにいたのに、私のことなんにもわかってないんだね」

少女「私のこと、不幸にしたくない? なに言ってんの?」

少女「私は、あんたとここで出会ってから……ずっと不幸だよ」

死神「……え?」

少女「死のうと思ってここにきてさ。楽になりたくて、ここにきたのに……。不幸にできないとか、よくわかんないこと言ってるうるさいバカがいてさ……」

死神「バ、バカ⁈」

少女「あんた、バカにされ続けてたんでしょ? なら、いじめられる辛さくらいわかるでしょ? ずっとずっと、早く楽になりたいって思ってたのに……。死にたいって思ってたのに……」

少女「学校に行けばいじめられて……家に帰れば『あいつが私の親を奪った』とか言われてさ……。私、何にもしてないじゃんか……! 私が何したっていうのさ……! どこに居ても、文句言われる毎日……。だから無理言って一人暮らしさせてもらったのに……弟子にしろとか、うるさい奴がきてさ……。隣でぎゃーぎゃー騒いでて、ホントうるさい……!」

少女「消えてなくなりたかった……! 早く死んで、楽になりたいって思ってた……! いじめられて……痛くて、辛くて、泣きたくて、誰にも言えなくて……! なんでこんなこと我慢しなきゃいけないんだって、毎日毎日思ってた! 幸せそうな奴らが羨ましかった! なんで私だけこんな目に合わなきゃいけないんだって、ずっとずっと思ってた! 今すぐに死んで、楽になりたいって! 楽に、なりたくて……なりたかったのに……!」
 
少女「あんたが……楽にしてくれなかった……!」

少女「あんたがいたから、こんな辛いことをずっとずっと我慢しなきゃいけなくなった……! あんたがずっと隣にいるから、私は死ねなかった……! 楽になれなかった! こんな辛い思いしてでも、生きたいって思っちゃったんだ!」

少女「あんたのことが、大好きだから!」

死神「……」

少女「なにが幸福を届けるだ! 死にたかった少女を生かして、ずっとずっと我慢させて! 心も体も傷だらけにしてさ! あんたがいなくなって、どれだけ寂しかったと思ってんの⁈ どれだけ辛かったと思ってんの⁈ あんたがいなくなって、一人で……数ヶ月……いじめられてた時よりも、辛かった……! いじめられてた時よりも、泣いてたよ……!」

少女「どこにもいかないでよ……! 私を一人にしないでよ……! もう、一人は嫌だよ……!」

死神「……でも、僕は……」

少女「……あんたがいなくなるっていうなら……私、生きてる意味がない」

死神「え?」


 少女は屋上端へと駆け出す。


少女「っ!」

死神「え⁈ 軍曹、そっちは──」

少女「じゃあね、クソ虫」


 少女は死神に顔を向けて伝えると、背中から落ちていく。


死神「ぐんそぉぉぉぉぉぉ!」


少女(M)懐かしい感覚……。屋上から落ちるのは何回目だろう?

少女(M)ありがと。私と出会ってくれて。

少女(M)そばにいてくれて。

少女(M)支えてくれて。

少女(M)生きたいって、思わせてくれて。

少女(M)私、あんたと出会えて……

少女(M)『幸福』だったよ。










 トラックの荷台に積んであった布団の上で大の字になり真っ暗な空を眺めている少女。


死神「ぐんそぉぉぉぉ!」

少女「あっ、やっときた」

死神「な、なにやってるんですか⁈ バカなんですか⁈ 屋上から飛び降りてバカですか⁈」

少女「死んでないからいいじゃん」

死神「落ちたところに布団があったから良かったですけど! というか、また布団ですか⁈ 布団に命を救われすぎじゃないですか⁈」

少女「……なんで布団があったと思う?」

少女「あんたが、幸福を届ける死神だからだよ」

死神「……え?」

少女「あんたが近くにいたから、私は生きられたんだよ。あの高さから落ちたら、普通は死んでるって」

死神「そ、それは……」

少女「あんたのおかげ。あんたはまだ人を幸福にできる。だからさ……」


 少女は、死神の手をギュッと強く握りしめる。


少女「この手、離さないで……。そばにいてよ……。お願い……」

死神「……わかりましたよ」

死神「軍曹」

少女「なに?」

死神「不幸になっても、しりませんからね……!」

少女「……私はさ、あんたが隣にいない方が、不幸だよ」




少女(M)私は、死ぬためにここにいた。

死神(M)僕は、ここで死ぬはずだった。

少女(M)なのに……

死神(M)なんでだろ?


少女・死神(M)どうして、生きたいと思っちゃったんだろ?


少女(M)クソ虫と出会って。

死神(M)軍曹と出会って。

少女(M)一緒に生活して。

死神(M)笑って。

少女(M)時々泣いて。

死神(M)そんなことを繰り返してるうちに。

少女(M)こいつといるのが、幸せだって思ってしまった。





 二人は冬の寒さに震えながら、家へと歩いている。


少女「あぁ……寒い……!」

死神「早く帰って、暖かいお味噌汁を飲みましょう……!」

少女「う、うん……!」

少女「……ねぇ」

死神「ん? なんですか?」

少女「ふと思ったんだけどさ。あんた、名前なんていうの?」

死神「名前ですか?」

少女「うん。ずっとクソ虫って呼んでたから、ちょっと気になっただけ」

死神「……僕ら、お互いの名前知りませんね」

少女「あれ? 私も言ってなかったっけ?」

死神「言ってないから軍曹って呼んでるんですよ」

少女「でもあんた、私の履歴書とか見てたじゃん。他にも色々と名前見る機会あったでしょ」

死神「まぁちょこちょこ見る機会はありましたけど、軍曹の名前の漢字、見たことない字があったんで読めてません」

少女「……はい?」

死神「一個はなんとな~く見たことあるなぁと思ってたんですけど、もう一個は全く見たことなかったんで、アレとアレと組み合わせることによってなんと読むのかはさっぱりです」

少女「……履歴書にふりがな振ってあったでしょ」

死神「履歴書ってそんなジロジロ見るものじゃないでしょ。人の個人情報がいっぱい書いてあるんだから。なので、パッと見て記憶から消去してました。だから、覚えてません」

少女「……」

死神「軍曹? どうしました?」

少女「いや、別に……うん……。こいつはそういうやつだもんね。なんかこう、意外としっかりしてるというか……。ってかよく考えたら、こいつ一応外国人ってことになるんだろうし……違う、国? の人だし、読めなくてまぁ当然というか……」

死神「軍曹? ぐんそーう? 一人でぶつぶつ言ってどうしたんですか?」

少女「……ふふふっ」

死神「今度は急に笑って……どうしたんですか?」

少女「私たち、長いこと一緒にいるのにお互い名前知らないなんて。なんかおかしいなって」

死神「ですね」

少女「私たちのこの関係、なんなんだろうね?」

死神「少女と死神の仲良しコンビ! でも、お互いの名前は知りません! そんな関係ですね!」

少女「ふふっ……! なんだよそれ? 奇妙な関係だ」

死神「軍曹、名前教えてくださいよ!」

少女「じゃあ、あんたの名前も教えて」

死神「いいですよ! じゃあ、せーので言いましょう! いきますよー!」

少女・死神「せーの!」


死神(M)幸福を届ける死神でよかった。

少女(M)死のうと思ってよかった。

死神(M)君と。

少女(M)あなたと。

少女・死神(M)出会えてよかった。



















 数年後。スーツを着た少女が大慌てで寝癖を直している。


少女「あぁぁぁぁ! 遅刻するぅぅぅぅ!」

死神「全く……早く起きろっていつもいつも言ってるじゃないですか」

少女「文句を言うなら私のことを離してくれなかった布団に言え!」

死神「なに言ってんだか。はい、お弁当」

少女「ありがと! あぁぁ、やばいやばいぃぃぃぃ!」

死神「ほらっ、急がないと電車の時間が~!」

少女「わかっとるわ! 急かすな、バカ!」

死神「あっ! ちょっと待った!」

少女「なによ!」

死神「えり、乱れてる! 全く……こっちきて!」

少女「襟なんてどうでもいいでしょ!」

死神「あんた社会人なんだから、そういうところもきっちりしなさい!」

少女「あーはいはい、わかりましたよ! うるさいな、もぉぉ!」

死神「ほいっ! これで完璧! 今日もお仕事、頑張ってね!」

少女「うん、ありがと!」

死神「いってらっしゃい、莉央りお!」

少女「うん! 行ってきます!」


死神(M)僕、幸福を与えてしまう死神と。

少女(M)私、死にたかった少女の奇妙な関係は。

少女(M)まだまだ、終わりそうにない。

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