「声劇台本置き場」

二人台本↓

「たーくんとみーちゃんのラブラブゲーム♡」(比率:男1・女1)約20分。

役表
たーくん:♂
みーちゃん:♀



ーーー




みーちゃん「ねぇねぇ、たーくぅ～ん！」

たーくん「なーに？　みーちゃん」

みーちゃん「今から、ラブラブゲームしない～？」

たーくん「するするぅ～！」

みーちゃん「やったぁ～！　たーくん好きぃ～！」

たーくん「俺も、みーちゃん好きぃ～！　で、ラブラブゲームってどんなゲームなの～？」

みーちゃん「えっとねぇ～今から私がぁ、いっぱい問題を出すからぁ、それをたーくんが答えていくゲームなの～！」

たーくん「なにそれ楽しそうぅ～！　早くやろぉ～！」

みーちゃん「それじゃあ、いくよぉ～？　第一問っ！　たーくんは、みーちゃんのことどう思っているでしょうか～？」

たーくん「す～きっ！」

みーちゃん「ぶっぶぅ～！　ざんね～ん！」

たーくん「えぇ～⁈　どうしてぇ～？」

みーちゃん「正解はぁ……だ～いすきっ！　でしたぁ～！」

たーくん「もぉ～みーちゃぁ～ん♡」

みーちゃん「たぁ～くぅ～ん♡　次の問題、いくねぇ～！　みーちゃんは、たーくんのことどれくらい好きでしょうか～？」

たーくん「だ～いすきっ！」

みーちゃん「ぶっぶぅ～！　はずれで～すっ！」

たーくん「えぇ～⁈　たーくん悲しいぃ～！」

みーちゃん「正解はぁ……ちょうちょうちょう、だいだいだ～～いすきっ！　でしたぁ～！」

たーくん「もぉ～！　みーちゃぁ～ん♡」

みーちゃん「たぁ～～くぅ～～ん♡」

たーくん「ちょっと問題が難しすぎるぅ～！」

みーちゃん「じゃあ、次は簡単な問題にするねぇ～！」

たーくん「うん～！」

みーちゃん「じゃあ、次の問題いくねぇ～」

たーくん「次こそは当てるぞぉ～！」

みーちゃん「第三問っ！　昨日、たーくんの隣にいた女は、だ～れだっ？」

たーくん「……んん？」

みーちゃん「どうしたの、たーくん？　あっ、もしかして問題文が聞き取れなかった？　ごめんね、たーくん！　今度はちゃんとしっかり聞き取れるように、ゆっくり、はっきり問題読むから！」

みーちゃん「いくよぉ～？　昨日　たーくんの　隣にいた　女は　だぁぁぁぁ～……れだ？」

たーくん「え、えっとぉ……」

みーちゃん「どうしたの、たーくん？　これ、簡単な問題だよね？　そんな悩む問題じゃないよね？　もしかして、知らない女なの？　そんなはずないよね？　ねぇ？」

たーくん「あ、え、えっとぉ……」

みーちゃん「どうしてスッと答えられないの？　もしかして──」

たーくん「お、お姉ちゃん！　お姉ちゃんなの！　あの人は、俺のお姉ちゃんなのさ！」

みーちゃん「……お姉ちゃん？」

たーくん「そう、お姉ちゃん！　も、もしかして、俺が浮気してると思ったのかぁ～？　もぉ～みーちゃんってばぁ～！」

みーちゃん「もぉ～お姉さんならお姉さんって早めに教えてよぉ～！　私、変なこと考えちゃったじゃんかぁ～！　たーくんのおばかぁ～！」

たーくん「ごめんごめん～！」

みーちゃん「ちなみにぃ～お姉さんとはなにしてたのぉ～？」

たーくん「あ、えっと、そ、それは……」

みーちゃん「どうしたの？　私になにか言えないことしてたの？」

たーくん「いや、別に、その……い、言えないわけじゃないけど……あ、あんまり言いたくないといいますか……？」

みーちゃん「どうして？」

たーくん「そ、それは、え、えっとですね……！」

みーちゃん「もしかしてだけど、その女はお姉さんではなく、うわ──」

たーくん「馬鹿野郎！　浮気相手なわけないだろ！　みーちゃんというとっても可愛い彼女がいるのに、浮気なんてするはずないだろ！」

みーちゃん「だよねぇ～！　じゃあ、何してたの？　早く答えて」

たーくん「あ、え、えっと……あ、あれだよ、あれ！」

みーちゃん「どれ？」

たーくん「えっと、ほら、あれ……みーちゃん、誕生日近いじゃん？　だから、それの……その……！」

みーちゃん「も、もしかして……！」

たーくん「当日まで言いたくはなかったんだけど……みーちゃんに変な心配かけるくらいなら、言った方がいいよね。みーちゃんには、最高の誕生日プレゼントを渡したくて。だから、その……お、お姉ちゃんに、アドバイスもらってたんだ」

みーちゃん「たーくん……！　もぉ～もぉ～♡　たぁ～くぅ～～ん♡」

たーくん「みぃ～ちゃぁ～ん♡」

みーちゃん「たぁ～くぅ～ん♡」

たーくん(あっぶねぇ～！　この女がバカでよかったぁぁぁ！　ってか、なんで知ってんだよ！　どこから見てたんだよ！　怖っ！　怖すぎるって！)

みーちゃん「じゃあ、次の問題行くねぇ～！」

たーくん「えぇ⁈　まだあるの⁈」

みーちゃん「何か問題でも？」

たーくん「ありません！　次の問題、楽しみだなぁ～！」

たーくん(も、もしかして、次もこんな問題が⁈　いやいやいや、さっきので疑いは晴れたはず！　次からは一番最初のバカップルがやるような問題に戻るはず！　だから──)

みーちゃん「昨日、たーくんは朝の9時に家を出て、10分歩いて駅に着きました。そこから30分電車に乗って、10時集合の駅前に着きました。そして、待ち合わせ場所にいたお姉さんと合流し、手を繋いで、15分歩いて映画館へといきました」

みーちゃん「①私の誕生日プレゼントを買いに行ったはずのたーくんは、なぜ映画館へと入って行ったのか？　②どうしてお姉さんと手を繋いでいたのか？　二つの問いを、1分以内に述べよ」

たーくん「い、1分で……⁈」

みーちゃん「もし解答できなかった場合、たーくんの解答は『浮気をしていたから』とする」

たーくん「えぇ⁈　ちょっ、ちょっと待っ──」

みーちゃん「よ～い……スタート」

たーくん「あぁぁぁぁぁ！　え、えっとえっと……！　①プレゼント買うのに付き合ってもらうお礼として、姉が見たかった映画に連れて行った！　②姉は方向音痴なので手を繋いで誘導しないとどこに行くかわからないので、仕方なく！」

みーちゃん「……だよねぇ～！　それくらい知ってたぁ～！」

たーくん(よーしよしよしよし！　乗り切った！　この難問をなんとか乗り切ったぞ！　すごいぞ、俺！　マジやばいぞ、俺！　あの素晴らしい言い訳をあの状況でスッと言えた俺、凄すぎるだろ！　あとでなんか買ってやるからな、俺！)

みーちゃん「そうだよね～！　私みたいな可愛い彼女がいるのに、浮気なんてするわけないもんねぇ～！」

たーくん「当たり前だろ、そんなの～！　はっはっはっはっ！」

みーちゃん「次の問題です」

たーくん「まだあんのかぁぁぁ……！」

たーくん(大丈夫だ、俺！　あの難問を乗り越えた俺に、もう乗り越えられないものはない！　どんな問題だろうがパパッと解決して、ここを乗り切ってみせるぜ！)

みーちゃん「たーくんのスマホは、四桁の数字を入力しないとホーム画面へいけません。ホーム画面へ行くための四桁の数字は、なんでしょう？」

たーくん「え？　み、みーちゃん、さすがにそれはプライバシーの問題もあるから──」

みーちゃん「ただし、たーくんのスマホにパスワード入力が必要となったのは、2ヶ月ほど前からとする」

たーくん「なっ……⁈」

みーちゃん「どうして突然パスワード入力が必要になったんだろうねぇ……。私に見られたくないものが、できたのかな……？　かなぁ……？」

たーくん「そ、そんなことは──」

みーちゃん「ねぇ、どうして……？　どうして急にパスワードなんて設定したのぉ……？　ねぇ、どうしてぇ……？」

たーくん「そ、それは……か、会社でさ、プライバシーとセキュリティの問題について改めて話があったというか！　だから、自分のスマホもちゃんとロックかけとかないとなと思ってさ！　ほ、ほら、いつどこで誰が見てるかとかわかんないし！　会社の人とのやりとりもあるし！　だからだよ！　うんうん！」

みーちゃん「……そっか。プライバシーとセキュリティって、とっても大事なことだもんね。私ね、たーくんが私に見られたくないものがあるからパスワードかけたんだと思ったの」

たーくん「そ、そんなものあるわけないだろ～！　みーちゃんに見られたくないものなんてあるわけがない──」

みーちゃん「なら見せてよ」

たーくん「……へ？」

みーちゃん「たーくん、今自分で言ったよね。『私に見られたくないものなんてあるわけがない』って。だったら、見せられるよね。ねぇ？」

たーくん「え、えっと……い、今から？」

みーちゃん「今すぐ」

たーくん「そ、それは、さすがに──」

みーちゃん「どうして？　たーくんが言ったんだよ。私に見られたくないものなんてないって。だったら今すぐ見せても問題ないよね？　ねぇ？」

たーくん「ほ、ほら、会社のこととか──」

みーちゃん「大丈夫だよぉ！　私一人で見るわけじゃないから。たーくんの隣で、一緒に見るから……！　だから、会社関係のところ見ようとしたら、そこはダメって止めてくれれば見ないから……。だから、ね……？」

たーくん「いや、でも……！」

みーちゃん「たーくん、自分で言ったんだよ……。それとも、あの言葉……嘘、だったのかなぁ……？」

たーくん(は、嵌はめられたぁぁぁぁ！　この女、まんまと俺を嵌めやがったぁぁぁ！)

みーちゃん「どうしたの、たーくん？　汗、びっしょりだよぉ……？　やっぱりさっきの言葉は嘘で、私には見られたくないものがあるってことなのかなぁ……？　かなぁ……⁈」

たーくん「そ、そ、そんなわけ──」

みーちゃん「なら、早く見せてよぉ……！　やましいことがないなら、見せられるはずだよねぇ？　見られたくないものがないなら、見せられるはずだよねぇ？　ねぇ、早く見せてよ……！」

たーくん「ま、待って──」

みーちゃん「ねぇ、早く……早く早く早く早く早く早く早く早く……！」

たーくん(ど、どうする⁈　どうする、俺ぇ！　ここで下手な言い訳すれば『嘘だ！』と一蹴されバッドエンドまっしぐら！　それだけはなんとかして避けなければ！　どこかにあるはずだ……どこかに、俺が……いや、俺とみーちゃんが幸せになれる道が、まだどこかに──)

みーちゃん「10.9──」

たーくん「え⁈　ま、待っ──」

みーちゃん「6.5.4──」

たーくん(お、俺は……俺はぁぁぁぁ……！)

みーちゃん「2……い──」

たーくん「ご、ごめん！　みーちゃん！」

みーちゃん「……どうして謝るの？　やっぱり、さっきの言葉は嘘で、浮気──」

たーくん「浮気なんてしてない！　してないけど……浮気をしているって思われるようなことをしてきたんだ。疑われて当たり前だよな……。だから、ごめん……」

みーちゃん「……」

たーくん「俺のこと信じてほしい。なんて言っても、信じられるわけないよな。だから、見せるよ。俺のスマホ」

みーちゃん「え？　い、いいの……？」

たーくん「それでみーちゃんの気持ちがスッキリするなら、いくらでも見せるよ。それに、さっきも言っただろ。見られたくないものなんてないってさ」

たーくん「ただ、スマホ見せる前にパスワード設定をオフにするよ。会社の情報とかも大事だけど、それ以上に俺はみーちゃんのことが大事だ。だから、君を不安にさせてしまうパスワードなんて、無くした方がいいよね」

みーちゃん「たーくん……！」

たーくん(お、落ち着け、焦るなよ、俺……！　まだ勝負は終わってない！　パスワード設定をオフにする前にPINEぽいんを開いて、一番上のトークを削除する！　もしもの時のために、電話やら写真やらは全くしていない！　証拠はトーク画面だけ！　つまり、それを消せば俺の勝ちだ！)

みーちゃん「たーくん……！　私、私……！」

たーくん「みーちゃんは何も悪くないよ。悪いのは疑われるようなことをした俺。もし逆の立場だったとしたら、俺もみーちゃんと同じようなことしてるはずだよ。だからさ──」

たーくん(あと少し、あと少しだ……！　できる、俺ならできる……！　これまで数々の死線を潜り抜けてきた俺ならできるはずだ……！　よし、いけ……いけ……！　いっけぇぇぇぇ！)


　みーちゃんは、スマホを操作するたーくんの腕を力一杯掴む。


たーくん(んなっ……⁈)

たーくん「ど、どうしたの、みーちゃん……！　急に腕を……！　そ、そんな力強く掴まれると、腕が痛いんだけど……！」

みーちゃん「……最後の問題です」

たーくん「も、問題なら、スマホを見た後の方がいいんじゃないかな！　その方が、俺もみーちゃんもスッキリした気持ちで挑めると思うよ！　だからさ──」

みーちゃん「たーくんは今、パスワードをオフにすると言ったのにPINEぽいんを開いています。それは、一番上にあるトークを削除するためです」

たーくん「な、何言ってんだよ！　俺は、そんなこと──」

みーちゃん「一番上のトークは、一体誰とのトークなのでしょうか……？　次の選択肢からお答えください……！」

みーちゃん「①お姉さんとのトーク　②お姉さんでも私でもない……浮気相手との、トォォ……ク」

たーくん「……っ⁈」

みーちゃん「さぁ、選んで。たーくん」

たーくん「い、い……ま、まるい──」

みーちゃん「ただし、たーくんは三人兄弟の真ん中で、上はお兄さん、下は弟の男兄弟である」

みーちゃん「あなたにお姉さんは、いないこととする」

たーくん「お、おま……！　知って……⁈」

みーちゃん「①と②、たーくんはどっちを選ぶのかなぁ……？　まさか②を選ぶなんてことはないよね？　そんなことはないよね？　ねぇ？」

たーくん「……っ！」

みーちゃん「どうしたの、たーくん？　こんな簡単な問題に、時間かけすぎじゃないかな？　もう答えは分かりきってるんだから、スッと答えてほしいなぁ～！」

みーちゃん「ねぇ、たーくん……この問題の答えは、①？　②？　ねぇ……どっち？」

たーくん「ご、ご、ごめん！　ごめんなさい！　お、俺、浮気してました！　本当にごめんなさい！」

みーちゃん「……やっぱり、浮気してたんだ」

たーくん「本当にごめんなさい！　もうこんなこと絶対にやらないから！　許してください！　本当にごめんなさい！　ごめんなさい！」

みーちゃん「……顔あげて。たーくん」

たーくん「ごめんなさい！　ごめんなさい！」

みーちゃん「謝らないで。たーくんは謝らないでいいんだよ。　たーくんは、なにも悪いことしてないんだから」

たーくん「……へ？」

みーちゃん「たーくんは、なにも悪くない。悪いのは私なの。だから、謝らないで」

たーくん「な、何言ってんだよ！　誰がどう見ても悪いのは俺だろ！　みーちゃんは、なにも悪く──」

みーちゃん「ううん。悪いのは私だよ。私が悪いの。だって、たーくんが浮気しちゃったのは、私のたーくんへの愛が足りなかったからだもんね？」

たーくん「……え？」

みーちゃん「そう、私の愛が足りなかった。だからたーくんは寂しくなって他の女のところに……。悪いのは私。悪いのは、私」

たーくん「み、みーちゃん？　何言ってるの？　みーちゃんは、なにも悪く──」

みーちゃん「安心してね、たーくん！　これからは、たーくんが他の女のこと考えられなくなるくらいにぃ……愛して、愛して愛して愛して愛してあげるから……♡」

たーくん「あ、いや、あの……お、落ち着いて。一旦落ち着こう。ね？」

みーちゃん「大丈夫だよ、たーくん……！　私は浮気したくらいじゃ、たーくんのこと嫌いになんてならないから……！　だって私は、たーくんのこと、ちょうちょうちょう、だいだいだ～～いすきっ！　なんだから……♡」

たーくん「あ、う、うん……！　そ、それはすごくすごく嬉しいんだけど……あ、あの、い、一旦ね、一旦落ち着こうよ！　ほら、落ち着いた方がさ、色々と考えが……あ、いやぁぁぁぁぁ⁈」


みーちゃん(M)浮気なんて、ダメ。絶対。だぞ♡