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三人台本↓
「死の脱出ゲーム」(比率:男1・女1・不問1)約15分。
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GM:♂♀
ジョン:♂
ルーシー:♀
ーーーーー
とある独房のような一室。一組の男女が、目の前に置かれているボロボロのモニターを見つめている。モニターには、覆面をつけた謎の人物が映っている。
GM「説明は、以上だ。では、この施設の謎を解き明かし、無事に脱出できるといいね。次に会う時、死体でないことを祈っているよ。んふふふ、あははははは!」
GMは、モニターの電源を切る。
GM「さて、楽しい楽しい脱出ゲームの始まりだ。彼らは謎を解き明かし、無事に脱出できるかなぁ……!」
GM「しかし、あいつら一言も話さなかったな。まぁ、それだけビビっているということだろう。んふふふ、楽しみだ……! 彼らが泣き、恐怖し、絶望し、あの顔をくしゃくしゃにするのが……! あぁ、待ちきれない、待ちきれない! 早速、彼らの様子を監視カメラで見てみるか」
監視カメラの映像を見る。未だに男女は身動き一つとっていない。
GM「おやおや、まだ一歩も動いていないのか。まぁ、急にこんな訳の分からないところに閉じ込められて死のゲームをさせられているんだから、混乱するのも無理ない。次に彼らが行う行動が楽しみだよ……!」
ジョン「な、な、な……ナンテコッタァァ!」
ルーシー「オーマイガー! ドウシテ、コンナコトニィィ⁈」
GM「……え?」
ジョン「チクショウが! ハネムーンリョコウで、ニッポンにアソビにキタラ、コンナワケノワカラナイゲームにサンカサセラレチマウナンテ!」
ルーシー「カミよ! ナゼ、ワタシナノデスカ⁈」
GM(うそーん……めっちゃカタコトやん……)
GM「え、ちょっ、えぇ……。こんなことって、ある? 何千万人といる中でカタコトの人を引き当てるって、なにこれ? 運いいの? 逆に運いいの、私?」
ルーシー「イッタイ、ドウスレバイイノ⁈ オシエテ、ジョン!」
ジョン「ルーシー、ヤツのイッテイタコトをオモイダスンダ! ナゾをトケバ、オレタチはブジにココカラデラレルサ!」
ルーシー「ナゾをトケバイイノネ! オーケー、マカセテ!」
GM「なんだろう、カタコトのせいなのかな? 全然緊張感がないんだけど。マジなんだよ? 失敗したら、マジで死ぬんだよ? なんか、軽い罰ゲームで終わりそうな空気だけど、マジで死ぬからね?」
ルーシー「ミテ、ジョン!」
ジョン「ドウシタ、ルーシー!」
ルーシー「コレ、バクダンじゃナイ⁈」
ジョン「ナンダッテ⁈ オーマイガー! ルーシー、キミのイウトオリ、コレはバクダンだよ!」
GM「んふふふ……! まず一つ目の謎を見つけたようだね」
ジョン「ワァオ⁈ テンからコエがキコエルゼ!」
ルーシー「ドウナッテルノ⁈」
GM「君たちの言う通り、目の前に置かれているのは、爆弾だ。10分以内に解除出来なければ……ドカーンだ!」
ジョン「ワァオ!」
ルーシー「オーマイガー! ドウシマショウ⁈」
GM「安心したまえ。ちゃんと謎を解き明かせば、君たちは助かる。その爆弾には、青と赤の線があるだろ?」
ジョン「ナンダッテ⁈」
ルーシー「ジョン、ミテ! アカとアオのセンがアルワ!」
ジョン「ワァオ! ホントウだ!」
GM「この部屋のどこかに、どちらを切れば助かるか書かれている。爆弾の隣にある紙に場所のヒントが書いてある。君たちはその謎を解き明かし、正しい色の線を切れば助かるよ。言わなくてもわかっていると思うが、もし間違った色の線を切ってしまえば……んふふふ、あはははは!」
GM「では、君たちの無事を祈っているよ」
ジョン「ナンテコッタイ!」
ルーシー「ドウシマショウ、ジョン⁈」
GM「さて、あの二人に謎が解けるかな? んふふふ……! 時間がなくなり、焦ってパニックになる姿が目に浮かぶ! 楽しみだ楽しみだ!」
ジョン「カミにヒントがカイテアルッてイッテタナ!」
ルーシー「カミをミマショウ!」
二人は、爆弾の隣に置かれた紙を見る。
ルーシー「ハッ⁈ コ、コレは……!」
ジョン「ナンダよ、オイ……! ウソだろ⁈」
GM「おやおや、あの二人には難しすぎたかな? 謎を解かず、神に祈りながら切ってもいいけどね。それはそれで、ガクガクと震えながら切る情けない姿が見れるしねぇ……!」
ジョン「……」
ルーシー「……」
GM「ん? どうしたんだ、あの二人?」
ジョン「……ルーシー、ヨメルかい?」
ルーシー「ゴメンナサイ、ヨメナイわ……」
ジョン「ニホンゴって、ムズカシイよね……」
ルーシー「ウン……」
GM(謎解くどころか、文字解読できなかったぁぁ!)
GM「えぇぇぇ⁈ 嘘でしょ⁈ いや、こっちもまさかカタコトの人来るとは思ってなくて、日本語で書いたやつしか用意してなかったけどさ! こんなことってある⁈ 嘘でしょ⁈」
ジョン「ルーシー、ヨメナイモノはシカタナイよ! カミにイノリながら、キロウ!」
ルーシー「エェ、ソウネ! ナイスアイデアだわ、ジョン!」
GM「そんな軽い感じで決めないでよ! 君たち、命を軽く見てる⁈ ダメよ! 命は、そんな軽くしちゃダメよ!」
ジョン「エイッ!」
GM「切ったぁぁぁ! 軽くいきやがったよ、あいつ! もっと震えながら切れよ! ビクビクしろ! 怖がれ!」
ルーシー「バクハツシナイワ! スゴイわ、ジョン!」
GM「しかも成功しやがったし! どんだけ神に愛されてんだ、あいつら⁈」
ルーシー「ネェ、ジョン! イッタイ、ドッチのイロをキッタノ⁈」
ジョン「ソンナノ、キカナクテもワカルダロ? ルーシー」
ルーシー「エ? モシカシテ……⁈」
ジョン「オレタチの、カタクムスバレタアカイイトを、キレルワケナイダロッ!」
ルーシー「ジョン! アイラブユー!」
ジョン「オレもダヨ! ルーシー!」
ルーシー「ジョォォン!」
ジョン「ルゥゥシィィィ!」
GM「いちゃつくなぁぁ! ここでいちゃつくなぁぁぁ! ここは愛を育むところじゃねぇんだよ! 恐怖と絶望を育むところなんだよ! なに真反対のもん育んでんだ! とっとと離れろ!」
ルーシー「サァ、ツギのナゾをトキにイキマショウ!」
ジョン「アァ! ツギのナゾは、ドンナナゾナンダロウナ!」
ルーシー「トッテモ、ワクワクするわ!」
GM「ワクワクするな! ドキドキしろ! 震えろ! 叫べ! 泣き喚け! お願いだからビビってください!」
GM「ま、まぁ、いいさ。脱出ゲームは、始まったばかり! 二度も奇跡は起こらないさ……!」
ジョン「ツギのヘヤは、ココカ」
GM「第一ステージ、クリアおめでとう。この調子で、次の謎も解けるといいね」
ルーシー「ワァオ! マタ、テンからコエが!」
GM「この部屋は、正しい四桁の数字を入力すれば出られる部屋だ。数字は、先程の部屋と同じようにこの空間のどこかに隠されている。」
ジョン「サキホドって……オレタチはサッキ、ナンニモサガシテナイゼ!」
ルーシー「ソウヨ! サガシテナイワヨ!」
GM「細かいこといちいち言うな! わかってんだよ! 全部見てるからな!」
ジョン「ナンダッテ⁈ オレタチのコト、ミテイルだって⁈」
ルーシー「キャァァァ! エッチィィィ!」
ジョン「コノヤロウ! イクラ、ルーシーがカワイイカラッテ、ユルサネェゾ!」
ルーシー「ダイジョウブよ、ジョン! ワタシは、アナタしかミテイナイカラ!」
ジョン「ル、ルーシー!」
ルーシー「ワタシは、アナタヒトスジよ!」
ジョン「ルゥゥシィィィ!」
ルーシー「ジョォォン!」
GM「いちゃつくなぁぁぁぁ! 貴様ら、緊張感を持て! 緊張感を! 謎解けなかったら、死ぬんだよ⁈ わかってる⁈」
ジョン「オレタチ、サッキナゾトケテナイケドナ」
ルーシー「ソウネ」
GM「うるせぇぇぇ! とっとと次行くぞ! んで、絶望しやがれ!」
ジョン「な、ナンダ、アレは⁈」
ルーシー「ミテ、ジョン! アノ、オリのナカを!」
ジョン「ソンナ……! ウソだろ、オイ!」
GM「この部屋の謎が解けなかったら……檻の扉が開き、君たちはライオンのエサとなるだろうねぇ……!」
ルーシー「ソ、ソンナ……! コンナコトッテ……!」
GM「はっはっはっは! 先程の奇跡は、もう起こらない! 制限時間は30分だ! ライオンのエサにならないように、頑張るんだな!」
GM「くくくく……! 今回は、どうあがいても奇跡など起こらない! 四桁の数字を適当に入れて当たる確率など、0に等しい! 謎を解かなければ、貴様たちは死ぬんだよ! さっきまでのお遊び気分は、ここで終わりだ! 絶望しろ! 泣き叫べ! 恐怖に震えろ! はっはっはっは!」
ルーシー「ウソよ、ウソだとイッテヨ……!」
ジョン「アリエネェよ、コンナコト……!」
GM「嘘じゃない、現実だよ……! いいねいいねぇ! ふるふると小さく震えて、可愛いねぇ! どうだ? 死が目に見える気分は? そこの部屋の問題は少々簡単だが、ハッキリと見える死が、貴様らの思考を狂わせる! さぁ、狂え狂え! 私を楽しませろ! はっはっはっは!」
ジョン「レオン! レオンじゃねぇか!」
GM「……え? レオン?」
ルーシー「ソノ、ヒタイのキズ……マチガイナイワ! アナタ、レオンね!」
ジョン「ソンナ……! コンナトコロで、オマエにアエルナンテ……!」
ルーシー「ウソよ、シンジラレナイワ……!」
GM「ちょっ、え? 待って待って? どういうこと?」
ジョン「レオン! アイタカッタゼ、レオン!」
ルーシー「ホゴしたトキは、コーンナにチイサカッタノに……! リッパに……コンナリッパにナッテ……!」
GM(取り寄せたライオン、あの人たちが保護してたヤツゥゥゥ⁈)
GM「どうなってんだ、おいこら! 四桁の数字を適当に入れて当てるよりも起こりえないことが起こっちゃってるよ! 死の脱出ゲームで出てきた肉食獣が、まさかのお知り合いって、なに⁈ ラスボスがずっと近くにいた奴だったって真実よりもビックリなんだけど! あり得ないんだけど!」
ジョン「コンナリッパにナッテ、レオン……! ウゥ……!」
ルーシー「ゲンキソウで、ホントヨカッタ……! ウゥ……!」
GM「泣くなぁぁぁ! 泣いてほしいけど、そんな涙は望んでないわぁぁぁ! 感動の涙を流すなぁぁぁ! 絶望の涙を流せぇぇぇ!」
ジョン「オイ、ルーシー! ハヤクコノヘヤのナゾをトイテ、レオンをコノセマイハコからダシテヤロウゼ!」
ルーシー「エェ!」
GM「逆なんだよぉぉぉ! ライオンを檻から出さないようにするゲームなんだよぉぉぉ! 出すゲームじゃないんだよぉぉぉ! クソがぁぁ! こうなったら、こっちで鍵をロックして感動の再会を──」
ルーシー「アッ、マッテジョン」
ジョン「ナンダイ、ルーシー?」
ルーシー「コレ、ナゾトカナクテモ、マチガエたらアクンジャナイ?」
ジョン「アッ、ソッカ。サスガ、ルーシー! タヨリにナルゼ!」
GM「クソが! 気づきやがった! 急げ急げ~! 急いでロックしろ~!」
ルーシー「ウフフ、ヨンケタのスウジ、ドウスル?」
ジョン「セッカクだし、オレタチのケッコンキネンビにシヨウ!」
ルーシー「モォ~ジョンったら♡」
GM「クソがぁぁぁぁ! イチャイチャするな、クソ野郎どもがぁぁぁぁ! 待ってろ! その幸せの顔を、すぐ絶望に──」
ジョン「レオン! ヒサシブリだなぁ!」
ルーシー「アハハッ! クスグッタイわ、レオン! カオをナメナイデ~!」
GM「ちくしょうが! 一歩遅かった! ってか、めちゃくちゃ懐いてるし! なんかムカつく!」
ジョン「サァ、サンニンでココをダッシュツしよう!」
ルーシー「エェ!」
GM「がぁぁぁぁ! なんでこんなことにぃぃぃ⁈ もういい! 今日はやめだやめだ! こんなのやってられっか! さっさと帰って──」
ジョン「エェ、ナンダッテ⁈ 『オレはハナがイイカラ、シュサイシャのイバショまでアンナイできる』って⁈」
GM「なんだってぇぇ⁈ というか、ライオンの言葉がわかるの⁈ 嘘でしょ⁈」
ルーシー「サスガ、レオン! ジョンよりもカシコイワ!」
ジョン「オイオイ、ソレはイイスギだぜ! ルーシー!」
ジョン「ハッハッハッ~!」
ルーシー「ウフフフフ~!」
GM「マズイぞマズイぞマズイぞぉぉぉ! あいつらの元には、腹を空かせたライオン……! 今、奴らとばったり会えば、私がライオンのエサに……!」
ジョン「ヨシ、ジャア……コノ、クソッタレなゲームをカンガエタヤロウを、ブットバシにイコウゼ!」
ルーシー「エェ! ボコボコにシテアゲルワ!」
GM「ボコボコ以上の結果になるわ、こんちくしょうが! うぎゃぁぁぁ⁈ 動き始めたよ、あいつら! ひえぇぇぇ! 急げ急げ! 急いで逃げないとぉぉぉ! 地図、地図持って! あとはあとは……うわぁぁぁぁ! なんでこんなことにぃぃぃぃ⁈」
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