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三人台本↓
「華野さんは花を刈る」(比率:男1・女2)。
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華野 薫:♂ 27歳。和服が似合う男性。たまに女性と間違われるほどに美しい顔立ちをしている。
三ツ橋 果子:♀ 23歳。身長が142センチと小さく童顔のため、よく小中学生と間違われる。彼女自身、子供扱いされるのは身長のせいだと思っているが、発言や行動が子どもっぽいから子供扱いされているということには全く気付いていない。
戸張 桃奈:♀ 高校二年生。華野の屋敷へと導かれるように来た女の子。優しい性格だが、ここ最近怒りっぽくなってしまったことを悩んでいる。
・役表
華野:♂
三ツ橋:♀
戸張:♀
ーーーーー
戸張(M)『どんなお悩みも、相談してください』ふと目に止まった、この言葉。なんてことない電柱に貼られた、なんてことない売り文句。目を引く要素はどこにもないのに、何故だか目が離せない。
戸張(M)私は、導かれるように紙に書かれた場所へと向かう。まるで、知っている場所へ向かうように、迷うことなく歩みを進める。
戸張(M)なんてことない歩道を歩き、なんてことない人とすれ違い、少し薄暗い路地裏へと歩みを進める。
戸張(M)視界が徐々に明るくなる。光が私の視界を奪う。真っ白なキャンパスに、少しずつ色がつき始める。一色、一色、色がつく。
戸張(M)歩みを止めて、描き終わったキャンパスを眺める。筆が置かれたキャンパスを、ジッと眺める。目の前に広がる、見たことのない光景……私は、夢を見ているのだろうか?
戸張の目の前には、大きなお屋敷が広がっている。
戸張「綺麗なお屋敷……。こんなところに、お屋敷なんてあったんだ」
戸張(なんだろう? 何かに引っ張られているような感覚……。このお屋敷の中へと、身体が引っ張られていく……)
戸張「は、入っていいのかな……? いやでも、知らない場所だし、入らない方が──」
三ツ橋「ふんふんふ~ん♪」
戸張「え?」
微かに聞こえた上機嫌な鼻歌の元へ視線を送る。三ツ橋は楽しそうに、屋敷の庭に綺麗に並べられた鉢植えにゾウの形をしたジョウロで水を撒いている。
三ツ橋「水撒き、水撒き、らんらんら~ん♪ 大きく育てよ、らんらんら~ん♪ っと! よーし、次はあっちの鉢植えに……ん?」
戸張「あっ、こ、こんにちは」
三ツ橋「どひゃぁぁぁぁ⁈」
戸張「うひぃ⁈」
三ツ橋「び、び、びびびびびっくりしたぁぁ! い、いつからいたの⁈」
戸張「あっ、え、えっと……! ご、ごめんね! 驚かせちゃって!」
三ツ橋「んんん? あなた、見たことない顔……ってことは、お客さん?」
戸張「え? お客さん?」
三ツ橋「違うの?」
戸張「いや、えっと……わ、私も分かんなくて……。気がついたら、ここにいたというかなんというか……」
三ツ橋「あっ、そうなんだ。なら、お客さんだね!」
戸張「そ、そうなの……?」
三ツ橋「うん。ここに来る人、みんなそうだから」
戸張「そ、そうなんだ。ねぇ、あなたはここに住んでる子なの?」
三ツ橋「……」
戸張「どうしたの?」
三ツ橋「もしかしてだけど、私のこと年下だと思ってる?」
戸張「え……?」
三ツ橋「あのね! 私は、23歳なの! あなたはパッと見、制服着てるから高校生でしょ! 私、あなたより年上だからね!」
戸張(23歳……全然見えない……)
三ツ橋「あぁぁぁ! その目はあれだ! 私は知ってるぞ! 23歳には見えないって思ってる目でしょ!」
戸張「え⁈ あっ、いや、えっと……!」
三ツ橋「身長小さいからって、バカにしてるでしょ⁈」
戸張「し、してませんよ!」
三ツ橋「いーや、してるね! その目はしてるね! どうせあんたも『私の方が身長高くて、大人っぽ~い』とか思ってんでしょ! 言っとくけどね、人は見た目じゃなくて中身なんだからね! 小さいからって、バカにすんな!」
戸張「だ、だから! してないって言ってるじゃないですかっ!!」
三ツ橋「……」
戸張「あっ……ご、ごめんなさい! つ、強く言うつもりはなかったんです! 本当にごめんなさい!」
三ツ橋「ううん、気にしないで。ちょっとびっくりしただけだから。あっ、お客さん来たって華野さんに言わなきゃ!」
戸張「華野さん?」
三ツ橋「このお屋敷に住んでる人だよ! 私、ここで住み込みで働いてるんだ! 今呼ぶから、ちょっと待っててね! 華野さぁぁ~ん!」
玄関戸口が、ガラリと音を立てて開く。和服を着た男──華野薫が、屋敷の中から出てくる。
華野「そんな大きな声で呼ばなくても聞こえているよ、果子」
三ツ橋「おっ、お早いですね! もしかして、玄関でスタンバッてました?」
華野「君が『どひゃぁぁ!』とか大きな声出すから、何事かと思って見に来たんだよ」
三ツ橋「あっ、聞こえてましたか。お恥ずかしい……!」
華野「隣の方は? お客さんかい?」
三ツ橋「はい!」
戸張(うわぁ、凄く綺麗な人……! 絵に描いたような美人さんだ。和服も、凄く似合ってる。お、男の人、だよね……?)
華野「どうしたの? 私の顔に、何かついているかい?」
戸張「え? あ、い、いえ! その、す、凄く綺麗な方だなぁ~と思いまして! そ、その、ごめんなさい!」
華野「ありがとう。見た目には気をつけているから、そう言ってもらえて嬉しいよ」
三ツ橋「わかりますわかります。華野さん、綺麗ですからね~。そういう反応しちゃうの、凄くわかりますよ。まぁでも~、私も華野さんに負けないくらい、綺麗で美しい大人の女性ですけどね~!」
華野「果子、うるさいよ」
三ツ橋「なっ⁈ う、うるさいとはなんですか! うるさいとは! 私だって、綺麗で美しい──」
華野「いつまでも立ち話ってのはあれだし、ついておいで」
戸張「は、はい」
三ツ橋「おい、こらぁぁぁ! 無視するなぁぁぁ!」
ーーー
屋敷内の応接室。戸張はソファーに座り、辺りをキョロキョロしている。
華野「そういえば、自己紹介がまだだったよね? 私は、華野薫。よろしくね」
戸張「わ、私は、戸張桃奈って言います。よろしくお願いします!」
三ツ橋「私は、三ツ橋果子だよ~! 年齢は23歳だから、間違えないようにね!」
戸張「は、はい」
華野「それで、戸張さん。あなたの悩みはなんですか?」
戸張「え? 悩みですか?」
華野「ここに来たということは、なにか悩みがあるのでしょう?」
戸張「あ、え、えっと……私、気がついたらここにいたので、その、よくわかっていなくて……」
華野「そうですか。まぁ、急ぎというわけでもないので、ゆっくりで大丈夫ですよ。ところで果子、お茶の準備はまだなのかい?」
三ツ橋「え? お茶?」
華野「はぁ……。もういい、私がやる。戸張さん、今お茶を準備しますので、少々お待ちを」
戸張「あっ、え、えっと、ありがとうございます」
三ツ橋「あっ、お茶ってお客さんに出す……って、あぁぁぁぁ! 待って待って、私がやりますやります! やりますからぁぁぁ!」
華野「もう遅い。今回の件は仕事放棄と見なして、きっちり給料から差し引くからね」
三ツ橋「やだぁぁぁぁ! 挽回するチャンスをくださいぃぃぃ!」
戸張(やっぱり、23歳には見えないよなぁ……)
華野「戸張さん、お待たせしました。遠慮せず飲んでください」
戸張「あ、ありがとうございます。では、いただきます」
戸張は、運ばれてきたお茶を喉奥へと流し込む。
戸張「凄く、美味しい」
華野「それはよかった」
戸張「なんでしょう、凄く身体の中がポカポカするというか……飲むと落ち着きます。これ、なんてお茶ですか?」
華野「これは、私が作ったお茶だから。お店には売ってないやつだよ」
戸張「そうなんですか」
三ツ橋「うぅ……お、お給料が……! 私のお給料が……!」
戸張(泣くほどお給料引かれるのだろうか……?)
華野「お茶菓子も用意するから、しばらくゆっくりしていってね」
戸張「あ、はい」
華野「悩み事は、言いたくなった時に言ってくれればいいから。焦らなくていいからね」
戸張「悩み事……悩み……。あ、あの」
華野「ん? どうしたんだい?」
戸張「え、えっと……私、色々考えてみたんですけど、特にこれと言って悩み事はなくて……」
華野「あるよ」
戸張「え? あ、いや、だから──」
華野「ここの屋敷は、悩みがある人が訪れる場所。言い換えれば、悩みがある人のみが来る場所だ。君がここに来たということは、何かしら悩みがあるってことだよ」
戸張「そんなこと言われても……」
華野「君、張り紙を見てここに来たんだろ?」
戸張「は、はい」
華野「その張り紙には、なんて書いてあった?」
戸張「……どんなお悩みも、相談してください」
華野「そう。どんな悩みでもいいんだよ。どれだけ小さな悩み事でも、どれだけおかしな悩みでも、遠慮せずに話していいんだよ。ここは、そういう場所だから」
戸張「小さな……。あ、あの」
華野「なんだい?」
戸張「一つ、ありました。悩み事」
華野「言ってごらん?」
戸張「……私、最近すごく怒りっぽくて。ちょっとしたことでも、すぐムカムカしちゃうというか」
三ツ橋「そういえば、私と会った時も、がぁぁぁって急に強く言ってきたもんね」
戸張「前はそんなことなかったんですけど……最近は、ホントに些細なことにも、すぐにイライラしちゃうというか……。そのせいで、親と喧嘩することも増えちゃうし、友達とも上手く話せなくなったというか……。ムカムカイライラするのを抑えるのに必死で、なんか……なんていうか……」
三ツ橋「わかるわかる。私もね、よく不安定になるよ~。女の子の日って大変だよねぇ」
戸張「あっ、いや、それは特に関係なくて……」
三ツ橋「え?」
華野「果子、少し黙ってなさい」
三ツ橋「なんでですか⁈」
華野「君が話に入ってくると、話が進まない」
三ツ橋「そ、そんなことないですよ! 私が会話に参加していても、円滑に会話は進んでいきますよ!」
華野「君、円滑だなんて言葉をよく知っていたね。私はびっくりしているよ」
三ツ橋「あぁぁぁぁ! バカにしてる! 華野さん、今私のことバカにしたでしょ! 私は、もう大人なんですよ! 23歳なんですよ! いつまでも子ども扱いしないでくださいよ!」
戸張は、拳をギュッと握りしめて、ふるふると小さく震えている。
華野「……」
三ツ橋「おい、こら! 無視するな!」
華野「戸張さん、今もイライラしてますか?」
三ツ橋「え、嘘っ⁈」
戸張「……はい。怒るほどのものではないって、わかってはいるんです。でも、身体の奥底から、怒りが沸々と……。わ、私、どうしちゃったんでしょうか……? おかしくなっちゃったんでしょうか? それとも、元からこうだったんでしょうか……?」
華野「戸張さん、安心してください。今のあなたは、あなたじゃないですよ。だから、自分を責めなくていいんですよ」
戸張「え……? ど、どういうことですか?」
華野「果子、薬を。机の上、右から二番目、上から四番目の棚」
三ツ橋「えっと、机の上の右から二番目、上から四番目……っと! 了解しましたぁ!」
戸張「あ、あの、私じゃないって、どういうことですか?」
華野「わかりやすく、単刀直入に言いますと、戸張さんは今、病気なんですよ」
戸張「病気? 怒りっぽくなってるのは、病気のせいってことなんですか?」
華野「そうです。信じてもらえないかもしれませんが、私はこう見えて医者なんですよ。今、私が処方した薬をお持ちしますので、それを飲んでいただければ、あなたの病気はすぐに良くなりますよ」
戸張「ほ、本当ですか!」
華野「えぇ。戸張さん、何点かお聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
戸張「は、はい。どうぞ」
華野「まず、戸張さんが症状を自覚し始めたのは、いつ頃からですか?」
戸張「え、えっと……詳しくは覚えていないんですが、二ヶ月ほど前だと思います」
華野「なるほど。では、その症状が起こる前に──」
三ツ橋「華野さ~ん! 薬、持ってきましたよ! 多めに!」
華野「……」
三ツ橋「な、なんですか、その目は⁈ 私、言われた通りちゃんと仕事しましたよ!」
華野「タイミングが悪すぎてびっくりしただけだよ」
三ツ橋「あっ、大事な話してたんですか? はっ⁈ ま、まさかとは思いますけど、会話をぶった斬ったからって、減給は無いですよね⁈」
華野「考えておくよ」
三ツ橋「うわぁぁぁぁ! 考えないでくださいぃぃぃ! 嫌だぁぁぁぁ!」
戸張「あ、あの、質問の続きなんですけど、症状が起こる前に、なんですか?」
華野「それは、君を治療してからゆっくり聞かせてもらうよ。まずは、この薬を飲んで」
華野はカプセル型の薬を2つ、戸張に手渡す。
戸張「は、はい」
華野「飲み方は、市販のカプセル状の薬と一緒。噛まずに飲み込んでね。さっき出したお茶で飲んで構わないから」
戸張「わかりました」
三ツ橋「華野さぁぁぁん! 減給だけは、減給だけは勘弁をぉぉぉぉ!」
華野「果子、これ以上うるさくするなら減給するよ?」
三ツ橋「嫌だぁぁぁぁ! うわぁぁぁぁ!」
戸張「……」
華野「戸張さん、どうしました? あっ、すみません。うるさかったですよね? 今すぐにこの子の口は塞ぎますから。果子、こっちに来なさい」
三ツ橋「嫌だぁぁぁ! 暴力反対っ! 暴力反対っ!」
戸張「あ、あの、華野さん」
華野「はい、なんですか?」
戸張「……この薬、危なくないですか?」
華野「はい。副作用はありませんよ。どうしました?」
戸張「な、なんというか……身体が拒絶しているというか……? この薬は飲むなって……なんだか、この薬を見ていると、凄く気持ち悪いというか……」
華野「……これは、早く治療しないとマズイな」
戸張「え?」
華野「果子、彼女を抑えて」
三ツ橋「え? あっ、は、はい!」
戸張「え⁈ 抑えるって──」
三ツ橋「大人しく……!」
三ツ橋は、戸張めがけて飛びつく。
三ツ橋「してろぉぉぉいっ!」
戸張は、スッと横に避ける。三ツ橋は顔面から床に落ちていく。
戸張「うわぁ⁈」
三ツ橋「おぶしぃっ⁈」
戸張「な、なにするんですか⁈」
三ツ橋「な、な、なんで避け……⁈ あぁぁぁぁ……か、顔がぁぁ……!」
戸張「華野さん、これはどういうことですか⁈ もしかして、この薬は──」
華野「薬には問題はないよ。問題があるのは、君だよ」
戸張「な、何言って……?」
華野「これ以上放っておけば、君は君ではなくなってしまう。だから、急いで治療しないと──」
戸張「そ、そんなこと言って、私を騙してなんかする気なんでしょ⁈ 信じられるわけないでしょ、そんな話! 絶対に飲まないからね、こんな薬!」
三ツ橋「戸張ちゃん、その薬は苦くないよ! 甘いから! だから飲んでも──」
戸張は、薬を力任せに三ツ橋へと投げつける。
戸張「っ!」
三ツ橋「あだっ⁈ おい、こら! 歳上に向かって薬を投げつけるな! もう少し礼儀というものをだな……って、待ちなさぁぁい!」
華野「果子、追いかけるぞ」
三ツ橋「は、はい! あの若僧に、礼儀ってものを叩き込んでやります!」
華野「叩き込むのは薬にしなさい。無駄話はいいから、急ぐぞ」
ーーー
屋敷の廊下を、戸張は必死に駆けている。
戸張「はぁ、はぁ、はぁ……!」
戸張(な、なんなのよ……! なんなのよなんなのよ! いい人だと思っていたのに! な、なんでこんな……私が、何したっていうのよ!)
戸張(とにかく、ここから逃げなきゃ! ここにいたら、何をされるかわからない! ここにいたら、私はきっと……!)
戸張「はぁ、はぁ、はぁ……!」
戸張は、出口へ向かってただひたすらに駆ける。だが、一向に廊下から出られない。それどころか、どれだけ走っても景色が変わらない。
戸張「はぁ、はぁ……! ど、どうなってんのよ⁈ 走っても走っても、廊下が終わらない! な、なんで⁈ なんでなんでなんで⁈」
華野「残念ですが、今この屋敷から出ることは不可能ですよ」
戸張「ひぃ⁈」
華野「わかりやすく言うと、今この屋敷には魔法がかかっています。私を倒さない限りは、あなたはここから出られません」
三ツ橋「おぉ! 華野さん、今のセリフはゲームのラスボスみたいですね! カッコいいです!」
華野「果子、黙ってなさい」
三ツ橋「なんでですか⁈」
戸張「ま、魔法……? な、なによ、それ? そんな非現実的なことがあるわけ──」
華野「あるんですよ。現に私が使っているじゃありませんか」
戸張「な、なんなのよ……! なんなのよ、あんたたちは! 私が何したっていうのよ⁈ 私をどうしたいのよ⁈」
華野「私は、あなたを救いたいのです」
戸張「そんなの信じられるわけないでしょ! さっさとここから出しなさいよ! 出してよ! なんで……なんでこんなことに……! あぁ、ムカつく……ムカつく、ムカつくムカつくムカつく! イライラするイライラするイライラする! あぁぁぁぁ……!」
三ツ橋「華野さん、あの子めちゃくちゃ怒ってますけど……。どうするんですか……?」
華野「彼女の身体に負担をかけることになるが、無理矢理にでも出したほうが良さそうだ」
華野は右中指と人差し指を突き出し、真っ直ぐに戸張に向ける。
華野「川はせせらぎ 風はそよぐ 野山を駆ける童の声」
戸張「……は?」
華野「朝露滴る 地を踏みしめ 登る陽の日に 夢描く」
戸張「あ、あんた、何言って──」
強烈な頭痛が戸張を襲う。
戸張「うぅ⁈ な、なに、これ⁈ あ、頭が、割れ、る……!」
華野「歌う小鳥に声合わせ 踊る草木と揺れ踊る」
戸張「や、やめ、やめて! あ、あぁぁぁ! あぁぁぁぁぁ⁈」
華野「血潮に逆らうことはなく 其方の自を我らに示せ」
華野「花華よ 命を宿せ」
戸張「あ、あぁぁぁ……あぁぁぁぁぁ⁈」
戸張の髪色が、徐々に鮮やかな紫色へと染まっていく。
三ツ橋「おぉぉ⁈ 髪が紫になりましたよ!」
華野「色素が濃い。これは、深く根付いているな」
戸張「……なにすんのよ? 邪魔、すんじゃないわよぉぉぉ!」
三ツ橋「うひぃ⁈ 怖っ! めちゃ威嚇してくるじゃないですか! 華野さん、あれは一体なんですか⁈」
華野「芍薬。紫色の芍薬の花言葉は『怒り』『憤怒』」
三ツ橋「な、なるほど! だから、あの子は怒りっぽくなってしまったと! あっ、花言葉メモしなきゃ! えっと、メモメモメモ……!」
戸張「もう少しで、この子を乗っ取れたのに……! 邪魔するんじゃないわよ! 殺してやる! ぶっ殺してやる!」
華野「悪いけど、殺されるわけにはいかない。その子を助けないといけないからね」
戸張「助ける、ねぇ? つまり、あんたは私を殺すってことよね? あぁぁ、ムカつく、ムカつくムカつくムカつく! 私を殺せると思ってるお前が! 私を舐めているお前がムカつく! ムカつくムカつくムカつく!」
華野「あぁ、すまない。一つ、訂正しなきゃいけないね」
華野「私は、その子と……君を助けてあげるよ」
戸張「……はぁ? 私を助ける? 何言ってんの、あんた? ってか、私を助けたいんなら、このまま放っておいて、この子の養分を吸わせなさいよ! 私にとっては、それが助けよ! それが救いよ! あはははは~!」
華野「あまり長引かせると、彼女の身体に負担をかけてしまうからね。さっさと終わらせようか」
戸張「あんた、本当にムカつくやろうねぇ……! 私を相手に、さっさと終わらせるだなんて! 殺す、殺す、絶対に殺す!」
華野「果子、扇子を」
三ツ橋「え? あ、はい! 了解しまし──」
三ツ橋はポケットに手を突っ込むが、扇子はどこにも見当たらない。
三ツ橋「……あれ?」
華野「果子、早く」
三ツ橋「は、はい! 少々お待ちを! あ、あれ⁈ あれれ⁈ どこだ⁈ 扇子どこだ⁈」
華野「……君、もしかしてだけど?」
三ツ橋「あ、あははは~……リビングに置いて来てしまいました……多分……」
華野「……君には二度と預けものをしない」
三ツ橋「ぎゃぁぁぁ! ごめんなさいごめんなさい! 今すぐに取りにいきますので、減給だけはご勘弁をぉぉぉぉ!」
三ツ橋は、慌ててリビングへと駆けていく。
華野「やれやれ。扇子無しでどこまでやれるか」
戸張「扇子があろうがなかろうが、あんたはここで……!」
戸張の右掌から、真っ白な縄のようなものが華野めがけて伸びてくる。
戸張「死ぬのよぉぉぉぉ!」
華野「おっと」
戸張「ちぃ! ちょこまかと動くな! さっさと死ね!」
白くて細い根っこのようなものが、戸張の身体を伝い覆っていく。
華野(身体の外にまで、根を張ったか。根を伸ばすこともできるし……のんびりしている時間はないな。少し傷をつけることになるが、根を張られた今は、除去することが最優先だ)
華野「月夜照らす 闇の──」
戸張「させるかぁぁぁぁ!」
戸張は、根を勢いよく伸ばす。
華野「っ⁈」
華野(さっきよりも、早──)
華野は、間一髪で避けるが頬を掠めてしまう。頬からぽたぽたと血がゆっくりと流れ落ちていく。
戸張「ちぃ! 掠っただけか。もう少しで、あんたの綺麗な目を潰せたのに~!」
華野「……」
戸張「安心しなさい。痛いのは一瞬だから! あんたはここで死んで、私の養分になるのよ! あんたを殺して、ここから出て、この子の身体を乗っ取ったら、色んな奴らの養分を吸って吸って吸いまくってやるんだから! うふふ、あははは! 楽しみだわ楽しみだわ~!」
華野「……」
戸張「ちょっと、何か言いなさいよ。それとも、私を無視しているのかしら? あぁ、そう。ムカつく、ムカつくムカつくムカつく! この私を無視するだなんて、ムカつくムカつくムカつくムカつく! 殺してやる! 今すぐに殺して──」
三ツ橋「は、華野さぁぁぁん! 持ってきました! 扇子、持ってきましたよぉぉぉ!」
華野「ん? あぁ、思っていたよりも早かったね」
三ツ橋「こ、これ以上、減給されたら、たまったもんじゃないですから……! ぜぇ、はぁ……! あ、あと、今回はヤバそうだったんで、これも持ってきました! 除草ボール!」
華野「たまにはいい仕事をするじゃないか、果子」
三ツ橋「たまにはじゃなくて、いつもですよ! いい仕事したので、お給料上げてください!」
華野「きっちり彼女に当てられたらね」
三ツ橋「言いましたね! 約束ですよ! 絶対ですからね!」
戸張「何よ、あんたたち……! 私を無視して、楽しそうにおしゃべりしちゃって……! あぁぁぁ……イライラするイライラする……!」
華野「悪いけど、これ以上戸張さんの身体に負担をかけたくはないから。一瞬で終わらせるよ」
戸張「……なに、それ? 扇子持っただけで何が変わるのよ? あぁぁ、ムカつくムカつく! あんたのその態度、めちゃくちゃにムカつく! あんたたち、二人まとめて私の養分にしてやるぅぅぅぁぁぁ!」
戸張は、身体中の根を華野たちに向かって勢いよく伸ばしていく。
華野「舞い散れ」
サッと扇子を開き、軽く払うように扇子を戸張に向い仰ぐ。
突如、突風が根を払い退けながら廊下を駆け抜けていく。
戸張「んぐっ⁈ な、なんだ⁈ か、風がぁぁ!」
三ツ橋「いくぞぉぉ……! 中、高とソフトボール部だった私の実力、見せつけてやんよぉぉぉ!」
三ツ橋「くぅぅぅらえぇぇぇ! 火の玉、ストレェェェェトォォ!」
三ツ橋は勢いよく腕を回転させ、ボールを力任せに投げ放つ。除草ボールは勢いよく回転しながら、風に押されグングン加速していく。
戸張「んなっ⁈」
風に気を取られていた戸張がボールの存在に気づくころには、除草ボールは戸張の腹に直撃し、中から透明な液体をぶちまけながら破裂する。
戸張「あがっ……⁈ く、クソがぁ……!」
透明な液体に触れた根は、みるみるうちに枯れていき、ボロボロと地面へと崩れ落ちていく。
戸張「あ、あぁぁぁ……⁈ な、なに、これ……⁈ あ、あぁぁ⁈ い、痛い、痛い痛い痛い痛いぃぃ! あぁぁぁぁ⁈」
三ツ橋「よっしゃぁい! クリーンヒットォ! 除草液ベタベタァ! 給料アァァッップ!」
戸張「痛い! 痛い痛い痛い! 根が、根が枯れて……! あぁぁぁぁ!」
華野「すぐ、楽にしてあげるよ」
戸張「っ⁈ い、いつの間──」
華野は扇子を閉じ、持ち手で軽く戸張のお腹をトンッと叩く。
戸張「……え?」
華野「さぁ、出ておいで」
戸張「あ、あんた、何言っ──」
戸張は、腹の奥底に激痛を感じる。何かが、ゆっくりと這い上がっていく感覚に襲われる。
戸張「あ、あ、あぁぁぁぁ⁈ あぁぁぁぁぁ⁈」
三ツ橋「うわぁぁ……は、始まったぁ……!」
戸張「き、き、気持ち、気持ち悪……⁈ あ、あがぁぁぁぁ⁈ あぁぁぁぁあ⁈」
戸張は、喉の奥から小さな紫色の芍薬を吐き出す。
戸張「うぇぇぇぇぇ⁈」
三ツ橋「ぎゃぁぁぁ! 出たぁぁぁ! 口から花が出たぁぁぁ! いつ見ても慣れないぃぃぃ! 気持ち悪いぃぃぃ!」
芍薬は喉奥から伸びる根っこと繋がっており、戸張の胸元辺りで力なくフラフラと小さく揺れている。
戸張「あ、あ、あぁぁ……⁈ や、やばい、やばいやばいやばい! も、戻さないと、戻さないと──」
華野は、両手のひらで芍薬を優しくすくいとる。
華野「怖がらないで」
戸張「あ、あぁぁぁ……! や、やめろ、触るな! やめろぉぉ!」
華野「大丈夫、痛くはしないから」
戸張「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ! やめろ! やめて! 嫌だぁぁ!」
華野「種に、お戻り」
華野は、両手で芍薬を優しく包み込む。芍薬を繋がっていた根は、ゆっくりと形を崩し地面へと落ちていく。
戸張「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁ……⁈」
根が姿を消すと同時に、戸張は力なくその場に倒れ込む。
華野「お疲れ様」
三ツ橋「は、華野さん、終わりましたか⁈ 種に戻りました⁈ あと、戸張ちゃんは無事ですか⁈」
華野「無事だよ。彼女と花を完全に切り離したから、もう心配することはない」
三ツ橋「よ、よかったぁ~」
華野「君がもう少し来るのが遅かったら、彼女の身体を傷だらけにしてでも止めようと考えてたから、本当によかったよ」
三ツ橋「あ、危なかったぁ……! 今月の給料、ゼロになるところだった……!」
華野「さて、無駄話は後にしようか。果子、鉢植えの準備。あと、彼女の体内にまだ根が残ってるかもしれないから、除草薬の準備もしておいて」
三ツ橋「は、はい! わかりました!」
三ツ橋は華野に背を向けて、スタスタと廊下を駆けていく。
華野は、両手のひらをゆっくりと開ける。中で眠っている一粒の種を見つめ、フッと微笑む。
華野「安心して。君は、私がちゃんと綺麗に育ててあげるから」
ーーー
応接室のソファーで、戸張は横になって寝ている。
戸張「う、うぅん……」
三ツ橋「あっ、起きた。おはよー!」
戸張「……え?」
三ツ橋「戸張ちゃん、痛いところない? 大丈夫?」
戸張「い、いやぁぁぁ!」
戸張は、三ツ橋の頬を力任せにビンタする。
三ツ橋「ぶべらぁ⁈」
戸張「ち、ち、近寄ってこないで! お願いだから、何もしないで!」
三ツ橋「貴様ぁぁぁ! 歳上の頬を叩くなんて、どんな教育受けてきてんだ⁈ 今すぐに私が教育し直してやるぅぅぅ!」
華野「ギャーギャーうるさいよ、果子。何があったんだい?」
三ツ橋「聞いてくださいよ、華野さん! この子、目を覚ますや否や私の頬を叩いてきて!」
華野「ん? あぁ、目を覚ましたのか。おはよう。体調はどうだい?」
戸張「こ、こないで! 私に何もしないで! お願いだから──」
華野「何もしないよ。もう治療は終わったから」
戸張「……へ?」
華野「もう君の病気は治ったから、お家に帰ってもいいよ」
戸張「びょ、病気……? そ、そんな嘘、信じませんからね! 私が眠ってる間に、何かしたんでしょ! 何したのよ⁈ ねぇ!」
華野「……君には、本当のことを言った方がいいかな?」
戸張「ほ、本当のこと……? や、やっぱり、私の身体に──」
華野「私ね、本当は医者じゃなくて、霊媒師なんだ」
戸張「……へ?」
華野「君は、病気じゃなくて悪霊に取り憑かれてたんだよ。最近、君が怒りっぽかったのも、病気じゃなくて悪霊の仕業だったんだよ」
戸張「そ、そんな話──」
華野「戸張さんは、どこら辺まで記憶がある?」
戸張「き、記憶? そ、それは、あなたたちから逃げて、廊下で……廊下で……あ、あれ? 私、廊下で何してたんだろ……?」
華野「廊下で私たちと話している間にね、悪霊に身体を乗っ取られたんだよ。だから、廊下での記憶がないんだよ」
戸張「じゃ、じゃあ、私は本当に……? で、でも、なんで医者だって嘘吐いたんですか⁈」
華野「悲しいことにね、霊媒師とか悪霊って言っても、素直に信じてくれる人ってなかなかいないんだよ。医者とか病気って言うと、不思議とみんなスッと受け入れてくれるから、除霊を円滑に進められるように、医者って嘘吐いてるんだよ」
戸張「そ、そうなんですか……?」
華野「さてと、君の除霊も終わったし、あまり遅くなると親御さんが心配しちゃうから、もう帰りなさい」
戸張「あ、あの、私、本当に──」
華野「大丈夫だよ。もう君は、ちょっとしたことではムカムカしないはずだ。果子、戸張さんを途中まで見送ってあげて」
三ツ橋「は、はい! わかりました!」
華野「道、迷わないようにね」
三ツ橋「屋敷出て真っ直ぐ行けばいいだけでしょ! バカにしてます? 子ども扱いしてますよね⁈」
華野「子ども扱いされたくなかったら、君はもう少し大人としての立居振る舞いを覚えなさい」
三ツ橋「ムキィィィ! ムカつくぅぅぅ! 身長高いからって、見下しやがってぇぇぇ!」
戸張「ふ、ふふふ……!」
三ツ橋「ちょっと! 笑わないでよ! 笑うところなんてどこにもないでしょ!」
戸張「あっ、ご、ごめんなさい!」
華野「怒りよりも先に、笑いが来たね」
戸張「え? あっ……!」
華野「除霊が成功した証だね。だから、安心して親御さんやお友達と話しなさい。でも、怒りたい時が来たら、我慢せずにしっかりちゃんと怒らなきゃダメだよ? 相手のためにも、君のためにもね」
戸張「は、はい。わかりました。え、えっと、あの……あ、ありがとうございました!」
華野「どういたしまして」
三ツ橋「戸張ちゃん、行こっか」
戸張「は、はい」
三ツ橋「では、見送ってきますね~」
華野「いってらっしゃい」
華野「……最近、多くなってきたな。全く、花をなんだと思っているんだ、アイツは」
ーーー
屋敷を出た二人は、並んで歩いている。
戸張「あ、あの、か、果子さん」
三ツ橋「ん? なーに?」
戸張「あ、え、えっと、その……さっきは叩いてごめんなさい。あと、最初に会った時に歳下扱いしてしまって……」
三ツ橋「許さんっ!」
戸張「ご、ごめんなさい……」
三ツ橋「まぁでも、私はお子ちゃまじゃなくて、立派な大人ですからね。許してあげますよ。感謝したまえ!」
戸張(その発言が、子どもなんだよなぁ……)
三ツ橋「ん? なによ、その目は?」
戸張「い、いや! なんでもないです! なんでも!」
三ツ橋「本当に?」
戸張「ほ、本当です! あ、そうだ! あ、あの、除霊してもらったので、お金とかってどうなってるんですか? わ、私、全然持ち合わせてないんですけど──」
三ツ橋「あ、それなら大丈夫だよ。もう種を貰ってるから」
戸張「え? た、種?」
三ツ橋「うん。まぁ、戸張ちゃんは気にしなくて大丈夫だよ。お金は要らないから」
戸張「は、はぁ」
三ツ橋「あっ! わ、忘れるところだった! 危なぁ~!」
戸張「ど、どうしたんですか?」
三ツ橋「ねぇ、戸張ちゃん」
戸張「は、はい?」
三ツ橋「あのさ、怒りっぽくなったって言ってたじゃん? その症状が出る前にさ、女の人から花の種を貰わなかった?」
戸張「花の……そ、そういえば、貰った気が」
三ツ橋「そっかそっか。ありがとね、教えてくれて」
戸張「あ、あの、それがどうしたんですか?」
三ツ橋「あっ、着いたよ! ほらっ!」
戸張たちは路地裏を抜けて、人通りが多い道へと出てくる。
戸張「な、なんだろ? お昼に通ってた場所なのに、なんかすごく懐かしい感じがする」
戸張「あっ、果子さん、見送りありが──」
戸張がふと果子の元へと振り返るが、果子はどこにも見当たらない。
戸張「……あれ? 果子さーん? 帰っちゃったのかな? ちゃんとお礼言ってないのに……」
戸張「……あれ? 私、なんでここにいるんだ? さっきまで、何してたんだ? あれ、全然思い出せない……。まぁ、いっか。早く帰ろ」
戸張は、夕陽に照らされた道とスタスタ一人で歩いていく。
ーーー
数日後、華野の屋敷の庭。たくさん並べられた鉢植えの中の一つに、綺麗な紫色の芍薬が咲き誇っている。
華野「ふふふ。芍薬、君は本当に綺麗で美しいね」
華野「やはり君たちがいるべき場所は、人の体内ではないよ。こんなにも美しいものが見られないなんて、君たちにも私たちにも損害だからね」
華野「君は、私がちゃんと育ててあげるから、安心していなさい」
屋敷内から三ツ橋の叫び声が、庭にまで響いてくる。
三ツ橋「ぴぎゃぁぁぁぁぁ⁈」
華野「……はぁ。果子のやつ、今度はなにをやらかしたんだ?」
華野「果子~うるさくしていると、減給するぞ~」
華野は、ゆっくりと屋敷の中へと戻っていく。
心地よい風に、紫色の芍薬はゆらゆらと楽しそうに身体を揺らす。
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