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二人台本↓
「死体」(比率:不問2)約5分。
しおりを挟む・役表
通行人1:♂♀
通行人2:♂♀
・所要時間:約5分
ーーーーー
とある路上。通行人1が倒れている人を見つける。
通行人1「ん? あれ? 誰か倒れてる……? あ、あの、大丈夫ですか⁈」
通行人1「へ、返事がない……。もしかして、し、し、死んでる⁈ は、早く警察に連絡しなきゃ! え、えっと、スマホスマホ……! ど、どこだ⁈ えっとえっと……!」
通行人1は死体から目を離し、スマホを慌てて探す。
通行人2が反対側から歩いてきて、死体を見つける。
通行人2「ん? え⁈ 大丈夫ですか⁈ しっかりしてください!」
通行人2「い、意識が……死んでる……? や、やばい! 早く警察に……! え、えっと、どこだ⁈ えっと……!」
通行人1、2は互いの存在に気づく。
通行人1・2「ん?」
通行人1「あっ、こんにちは」
通行人2「こんにちは。なにしてるんですか?」
通行人1「私ですか? 私は、死んでる人を見つけたので警察に連絡しようと思いまして!」
通行人2「え⁈ 奇遇ですね! 私も今、警察に連絡しようとしてたんですよ!」
通行人1「え⁈ そうなんですか⁈」
通行人2「自分以外に連絡しようとしている人がいるなんて驚きましたよ~。あ、スマホあった。では、私が──」
通行人1「は? ちょっと待ってください」
通行人2「え? なんですか?」
通行人1「あなたが警察に連絡するんですか?」
通行人2「はい」
通行人1「この死体を最初に見つけたのは私です。だから、警察に連絡するのは私です」
通行人2「え? 何を言ってるんですか? 私が最初に見つけたんですよ。だから、警察に連絡するのは私です」
通行人1「いやいやいや、あなたは私の後に来たじゃないですか!」
通行人2「いやいやいや、私が見つけた時誰もいませんでしたよ」
通行人1「あんたが死体しか見てなくて、私に気づいてなかっただけですよ! とにかく、私が最初に見つけたので私が連絡します!」
通行人2「待て待て待て! あなたが最初に見つけたという証拠がないじゃないですか! そんな作り話、信じられません! 自分が警察に連絡したいからって嘘吐かないでくださいよ!」
通行人1「嘘じゃないですよ! 私が最初に見つけたんです!」
通行人2「私です!」
通行人1「私!」
通行人2「私!」
通行人1「私!」
通行人2「私!」
通行人1「あーー! これじゃ埒が明かない! こうなったら、どっちが警察に連絡するか勝負して決めましょう!」
通行人2「いいですよ! 勝負内容はどうします?」
通行人1「うーん、そうだなぁ……。じゃあ、この死体に『愛の告白』をするってのはどうだ? キュンってさせられた方の勝ち!」
通行人2「いいだろう!」
通行人1「よし。では……シンキングタイム、スタート!」
通行人2「整いました!」
通行人1「はやっ!」
通行人2「では、いきます」
通行人1「はい、どうぞ」
通行人2、死体にむかって愛の告白をする。
通行人2「私は、あなたから放たれる『死臭』これを含めてあなたを愛することができる! さぁ、こっちにおいで。抱きしめてあげるから。大好きだよ」
通行人1「……」
通行人1、膝をついて悔しがる。
通行人1「死体が最も気にしているであろう『死臭』! この禁忌にあえて触れることで、愛の大きさを物語っている! さらに『こっちにおいで』と言うことで、先程の言葉に信憑性を持たせている……! こいつ、できる!」
通行人2「私のことは恋愛マスターと呼んでください。さぁ、あなたの番ですよ。まぁ、何をしたところで私の勝ちは変わりませんけどね」
通行人1「……」
通行人2「おやおや、何もしませんか。では、不戦勝で私の勝ちと──」
通行人1、死体に近づく。
通行人2「ん? 貴様、死体に近づいて何をする気だ?」
通行人1、死体の耳元でささやく。
通行人1「好きだよ」
通行人2「……」
通行人2、膝をついて悔しがる。
通行人2「言葉は単純でありきたり! 耳元でささやくだけという、なんの捻りもない愛の告白! なのに……なのに……! どうして、こんなにもキュンキュンしてしまうんだぁぁ……⁈」
通行人1「愛ってのは、言葉じゃねぇ。気持ちなんだよ」
通行人2「く、くそぉ……!」
通行人1「この勝負、私の勝ちだな」
通行人2「いやいやいや、私でしょ」
通行人1「あんた、めちゃ悔しがってたじゃん」
通行人2「その言葉、そっくりそのままお返しします」
通行人1「私の勝ちです」
通行人2「私です」
通行人1「私」
通行人2「私」
通行人1「私!」
通行人2「私!」
通行人1「ぐぬぬぬ!」
通行人2「ぬぬぬぬ!」
2人、死体にむかって。
通行人1「なぁ、どっちの告白が!」
通行人2「キュンときた⁈」
通行人1「……なぁ。なんでこいつ、動きもしないし喋りもしないんだ?」
通行人2「するわけないじゃん。だって、死んでるんだし」
通行人1・2「……死んでる」
通行人1「うわぁぁ!」
通行人2「人が死んでるぅぅぅ!」
2人、その場を慌てて去っていく。
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