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プロローグ『嘘の世界』
全ての始まり
しおりを挟むプロローグ『嘘の世界』
中学校生活最後の夏、僕は[イジメ]を受けていた。それは中学2年のある日の出来事がキッカケだった、あの日も、こんな真夏日だったっけ。
あの日は確か、普通に登校して、普通に勉強していた。が、しかし 僕が、あの時あんなミスをしなければ、今頃友達と笑って、たわいも無い話をして、楽しい中学校生活を送って居たはずだった。
この世界は、残酷だ。
この世界は、嘘で出来ている。
この世界は、感情で溢れている。
…感情。それは《赤》《青》《黄》に分かれていた、赤、それは《恋愛感情》を意味し、青、それは《悲しみ》を意味し、黄、それは《怒り》を意味する。
そして、それらの感情は時に[新しい感情]を生み出す。例えば、赤と青が合わされば、紫、それは《憎しみ》を意味する。
この様に人は沢山の感情に飢えている。だが、その反面 人は感情に溺れてしまう事もある。
そして、この世界にはその感情の渦から助けてくれるヒーローも居ない。
だから、僕はこう思う。感情に惑わされるなら『そんな感情いらない』と…。
そうすれば、この世界は、《嘘》の消えたこの世界は、とても美しく生まれ変わると。
そんな時だった、中学校生活最後の夏に、僕の目の前に希望の光が見えた。
それはある人の言葉によってだ。その人の名前すらも知らない、だがしかし、コレだけは分かる。その人は僕を救ったのだと。
その人はこう言った『例えこの世界が残酷で嘘で出来ていても、例え人間が感情に飲み込まれても、感情は捨ててはならない。だって人間は感情が有るままに行動しているから、ヒーローだってそうだ、例えどんなに強いヒーローも感情には勝てない、だが、ヒーローは勝つ!絶対に!そしてもし、君が、ヒーローが居ないと言うのなら、君がヒーローになれば良い!君と同じ様に困っている人を助けてあげるんだ!本当の苦しみを知ってる君にしか出来ない事を…君なら出来る。』
あの人はそう言った。
『Believe yourself』
中学校生活最後の夏、僕はあの言葉を胸に抱いて、屋上へと向かった。
階段を登るに連れ、心拍数が上がっていく!
『Believe yourself-自分を信じろ-』
そう自分に言い聞かせて心を落ち着かせようとするが、その反面心拍数は増すばかりだ、自分の足音と重なる心拍数は、胸に手を当てなくても分かるようになっていた。
『Believe yourself! Believe yourself!』
心臓が言う事を聞いてくれない。
とうとう屋上へ繋がるドアの前に着いた、頭が真っ白になる。
『なんて言えば良いんだろう?』
この先にはイジメっ子3人組がいる。そう考えると脚が竦んでしまいそうだ、毎日毎日パシリにされ続けた結果、僕は逆らえなくなった。最初の頃ならまだ間に合った筈なのに…!だが、今はそんな事考えている暇は無い。僕は竦んでしまいそうな脚を無理やり動かし手力を込める!ガチャ!っと言う音と共にガタイの良い男が声を上げる。
『オイ!!田中!何分待たせる気だ!?餓死にさせる気か!』
『…』
『チッ!ったく、まぁ良い、心の優しい俺様は1万で許してやる。ほら!』
っと、植田が左手を差し出す。
『やだ』
と僕が勢いで言ってしまった、だがコレは好都合だ、このまま勢いで言えば言いたいことがはっきり言えそうだ。ナイスさっきの自分!などと考えていると植田が詰め寄って来た。
『今、なんて言った?もう一度言って見ろや!!!』
『やだって言った。』
勢いで言った、が、ちょっと植田が思ったより怒っている。怖い!こんなこと初めてだから心拍数が信じられない程に膨れ上がる。そんな時、頭の中に一つの言葉が浮かんだ『ヒーローは勝つ!ヒーローは負けない!』、あの言葉だ!その時、少しだけ勇気が出た。そして僕は植田を見つめ直す!
『なんだ?その目は?』
『僕はもう、お前等のパシリ何かやりたくないんだよ!』
そう言い切った僕の前で植田が睨みを斬らして口を開いた。
『チッ!良しお前等やるぞ、どっちの権力が上か教えてやるか。』
『へへ、田中ーだってよー、膝間づくなら今のうちだぜ?』
『そう言うこった。』
と、植田の両隣の男2人が言う、陶然ながら僕は膝間づかない。ここまで来て負ける訳には行かないから!
(Believe yourself Believe yourself!)
-自分を信じろ- 父の口癖だった。
『お父さん、僕、頑張るよ、観ててね』
小声で呟く。それを見て植田達は首を傾げながらも殴る準備をしている。
『これでも、運動神経だけは有るんだよ。』
と、僕が本当のことを言う。が、植田達は信じて無いようだ…なら、教えてやる!
『行くよ!』
『へ、イイぜ!オッラーー!』
植田以外の2人が左右から殴りに来ている。それを僕はバックステップでかわし、殴りの体制に入る、まずは…右の人からかな?そう考え迷わずに顔面にめり込ませる!
『『っ!!』』
植田達が驚きを隠せずに居る。そのまま右の人は気絶して倒れた。もう一人の方は1回体制を整えて、また戦闘体制に入る。
『次は僕からだね。』
とは言っても攻撃は得意では無く、素早く背後に回り姿勢を低くする。そのまま両手で脚を引いて転ばせる。その後、倒れたままの状態に超踵落とし(2mジャンプして踵落としをする。2m飛ぶので植田は捕まえられない)を決めて、残るは植田のみになった。
『ほー、田中にしてはやるなぁ。』
『…』
緊張する、これに勝てばもうパシリにされることは無くなる。そう考えると緊張感が凄い。絶対に負けられない!!
『ハーーァ』
軽く2mは飛んだ、が、低く過ぎる!植田の身長は約185cmって所だ。手を伸ばせば簡単に届いてしまう。案の定、脚を掴まれてコンクリートに叩きつけられる!
『ぐっ!!』
『フン!田中ーどうだ痛いか?これで分かったろ、お前は何も考えずに俺達のパシリをやってれば良いんだよ!』
何も言い返せ無い。体が震えてる、やっぱり、怖いものはこわいんだ。
『重なる時間』
私は、中学3年生の普通の女子である、普段は、何故『普段は』なのかと言うと私はスパイだからです。でも、決して悪いことをするスパイでは無く、悪い奴の事を調べあげて警察に報告するという事をしている。ちなみにコレは警察に頼まれたのでは無く只只、やっているだけだ。因みに今所は仲間は私と生徒会長の『安藤美紗樹』さんの2人でやっている。私と美紗樹は同じクラスであり何かと仲が良く、席も隣だ。とまぁこんな感じだ、でもまだ何もして無いけど…、まず悪い奴等居ない、アジト何処にあるんだろー。美紗樹もまだ何もして無いらしいしなぁー。
そんな事を考えていると、いつの間にか教室に私しか居なくなってた。今は昼休みだからなぁー。
『売店にでも行ったのかなー?』
でも、私は弁当作って来たからあの人だかりに揉まれなくて済む、良かったー。そんなことを考えながら階段を上がっていく、私のスペシャルスポット『屋上』に向かって要るのだ。そしてドアノブに手を掛けようとしたその時!
『ハーーァ』
?、声が聞こえる?人数は2人位か?引き返そうかなぁ…いや、でも気になる!少しなら大丈夫、だよね!
ガチャ
『!』
2人じゃない!床にもう2人が伸びていた。伸びているのは誰か知らないけど、立ってる2人は知ってる!同じクラスだ!
えーと…1人は植田 悠酉君ともう一人は田中 東(あずま)君だ!田中君…いつも本読んでて静かだけど今は何か真剣な眼差しだ。それに凄い反射神経だ!あんな田中君見た事無い!
コレは、どうすれば…。
でも、コレは田中君を応援した方がいいかな?やっぱり…。植田はクラスでも暴れん棒だし、きっと田中君も被害者だ!よし!
『田中君頑張れ。』
聞こえない声で言う。
田中君頑張れ!
『 Believe yourself2 』
怖いものは怖いんだ!
そう思っていた、その時何かが聞こえたような気がした。
-田中君頑張れ!- やっぱり聞こえる。誰?この声は…聞いたことがある。そうだ!同じクラスの羽瀬さんだ!『羽瀬 優希』。でもなんでこんな所で…?いや、考えても無駄だ!今ので元気も出たし、よし!
僕は決心すると、痛みの残った脚で立ち上がる。
『行くぞ!』
そう言うと、植田が不気味な笑いを見せる。クッ!だがここで怯むわけには行かない!そう思い僕は蹴りを入れる『フェイント』を掛ける。予想通り植田は引っかかった!そのままその勢いで走り背後に回る。そして脊髄に掠らせる。すると瞬く間に植田が倒れ込む。それもその筈だ『麻痺』させたんだから!
『ぼくの勝ちだね』
精一杯の声でそう言うと植田は悔しそうに歯軋りをする。
『クソッたれ』
『…』
僕はそのまま倒れ込みそうになるのを堪えて無言で手を振ってその場を立ち去る。最後の力を振り絞ってドアを開ける。
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