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【VerΑ編第2章〜古竜の寝所】

35話「古竜眠りし地」

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 私達が扉を通り抜けると、そこは外に繋がっていた。

 切り立った崖で囲まれた空間。上を見れば、遠くに空が見える。
 崖は地層が見えるのか、まだら模様になっていた。

 出口はこの扉以外にない。

 前方の崖の上の方から滝が落ちているが、高すぎるせいか、水が途中で水蒸気となってこの空間一旦に降り注いでる。

そのせいか辺り一帯がコケや背の低い草で覆われていた。

「あれは……」

 その空間の真ん中に、大きな岩があった。岩は苔むしており、緑と灰色のまだら模様になっている。

 私達が近付くとその岩山の上に、何者かが現れた。大きさだけで言えば子供に見える。

 それはフード付きのローブ被った姿でよく見れば、少し浮いていた。

「子守歌が消えた……だけど……もう遅い」

 その人物から発せられた声は、老人の声にも聞こえるし、少女の声にも聞こえた。

「誰?」

 私がそう聞くと、その人物がローブについているフードを脱いだ。

「……もう……竜はいない……時計仕掛けは壊れた……永遠に……永遠に……」

 フードの下には、まるで人形のように整った少女の顔があった。頬や額にはよく分からない紋様が入れ墨のように入っている。

 その瞳はまるでガラスのように澄んでいて、私は妙にその眼差しに惹かれた。

「竜と人に——祝福を」

 そう言うと、その少女が消えた。

「……さっぱり意味が分からん」
「俺も分からん」
「……なんか悲しそうだった」

 あの子は、何を訴えようとしていたんだろ?

「まあ気にしなくてええで。思わせぶりな事言うてプレイヤーに考察させるのはこの運営がよくやる手や」
「そうなのか」
「そうや。まあそれがまたええんやけどな。そ れ よ り も」
「それよりも?」
「採掘や!」

 ミリーが指差した先。少女がいた場所に、先ほどまでなかった澄んだ緑色の結晶が生えていた。

「レア素材!」
「よし、やるか」

 私達がその岩に近付く。

「っ! これ……岩ちゃう」
「……! ほんとだ」
「なるほど……」

 私達が岩だと思っていたものは——竜だった。

 いや、正確に言えば、竜の化石だ。

 岩の後ろに回り込めば、顔があった。瞳は閉じており、全体が石化しているが、骨だけでなく鱗まで残っている。

 スピちゃんみたいな恐竜じゃなくて、ファンタジーなんかによくいるあのドラゴン。翼もあり、それが身体を覆っているせいで、こんもりとした岩に見えたのだ。

「竜とかおったんやな」
「いないとは限らんだろ。ゲームなんだから」
「いやほら、このゲーム魔法とかないし。さっきもスチームパンクっぽいボスやったし」
「多分、昔はいたけど……もういないんだよ」

 私は手を合わせて黙祷を捧げた。

「じゃあ掘ろっか」
「うい」

 私達はそれぞれ手分けして、竜に生えた結晶を掘った。

「見た事ない素材ばっかやな!」
「えへへ~何が出来るかな!」
「レベルも上がったしステ振りも考えないとな」

【古竜の石骨】
【古竜の石牙】
【古竜の心】

 そういった物が手に入った。

 ふと、私は崖の方へと目線を向けた。

「ねえあれ……」

 私が指を差した先。崖のまだら模様はよく見れば地層じゃなかった。

「ここは、墓場か、それとも戦場か」
「はん、どっちも終着点って意味じゃ一緒やよ」

 崖の模様は、無数に折り重なっただった。

 ぐちゃぐちゃに入り交じったそれらがまるで地層のようになっているのだ。

「何があったのかな?」
「さてな。ストーリーを進めれば、また何か分かるかもしれない」
「うん」
「さて……掘るもん掘ったし」

 ミリーがピッケルを肩に担ぎながらそう呟いたので私はこう続けて、このダンジョン攻略を締めくくった

「帰ろっか!」


☆☆☆

【暴王】前々前世オンライン【笑】 Part770

444 名前:前世は負け犬
やっとミスリルゲット!!

445 名前:前世は負け犬
ミスリルブレードつえええええ

446 名前:前世は負け犬
いやあのダンジョン敵つよない!?

447 名前:前世は負け犬
つうかボスがいねえ

448 名前:前世は負け犬
いるぞ。ただし、力のステが一定以上ないと奥にいけない

449 名前:前世は負け犬
>>448
は? 器用振りワイにどうせーと

450 名前:前世は負け犬
>>449
群体入れ。入れば誰かおるやろ

451 名前:前世は負け犬
行けても、今のレベルじゃ無理だぞ。
道中強い、ボスは鬼

452 名前:前世は負け犬
あのボス無理ゲー
獣化上手く使っても削りきれない

453 名前:神聖猫姫天使@前世やってます
イベント……そろそろだなあ
どっか入れてくれないかにゃあ

…………
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