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【VerΑ編第1章〜ラノアのマイホーム】

20話「バレた」

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「なにこれなにこれ!! すごーい!!」

 私のマイルームにミリーがぴょんぴょん飛びながら驚いていた。

「へへへ~凄いでしょ! あ、案内するね」

 私もなんだか嬉しくなってミリーを案内した。

 最初はふんふんと聞いていたミリーがキッチン辺りで笑顔が消えて、地下の鍛冶場を案内し終わった頃にはすでに黙っていた。

「ええっと。ラノアは……ずっとここに引き籠もってたってこと?」
「そだよ? へへへスキルもマックスになっちゃった~。まだ上のスキル有りそうなんだけどなあ」
「色々と疑問がある……そもそもどやってここを手に入れたの?」
「あー、特典? らしい?」
「私、自慢じゃないけどVerβでランキング二位やったけど……特典しょぼかったで?」
「そうなの? あー……なんかの手違い?」
「んなアホな!」

 ぴしゃんと、綺麗にツッコミが決まった。やっぱり関西の人だ。

「いやうん、まあいいや……あたしも人の事言えんし……」
「あはは……とりあえず、武器いっぱいあるから、好きなの選んでいいよ。プレゼントする!」
「いいの!? あたし今クロー系使ってるんやけど、ある?」
「一通り作ったからあると思うよ」

 ええっと、あったあったこれだ。
 おーパーティメンバーに送るって項目ある。よしこれを送って、と。

「ありがと! って……なんじゃこりゃあああああああああ」

 ミリーの盛大なツッコミがマイルーム内に響いた。

「気に食わなかった!? 確かに名前がちょっと可愛くない……」
「なんやこれ!! 【アダマンクロー】!? いや、待ってなにこれステータスの伸びエグっ! スキル付いてるやん! は? どないなっとんねーーーーん」

  おお、混乱してるし、すごい、漫才してる人みたい。

「……えっと、ほんまに貰っていいの? これ多分凄い高いというかめっちゃレアな素材を使ってへん?」
「いいよ? 素材もここでタダで手に入るし」
「……ラノア、ちょっとステータス見せて。あたしのも見せるから」
「うん」

 ミリーが、ステータスウィンドウを見せてくれた。

 【ミリー】
 前世:【カラカル】
 Lv5
 ステータスポイント:0
 HP:   3500
 スタミナ:
 体力:   7(+5)
 持久力:  6(+3)
 力:    5(+1)
 器用さ:  6(+4)
 素早さ:  5(+4)
 獣性:   10
 攻撃力:  1925(+1800)
 防御力:  189(+34)
 
「ええっとこの括弧かっこはなに?」
「ステータスの基本値については、括弧内は前世の補正の数値で、例えばあたしの前世【カラカル】だと体力と器用さと素早さに多く補正が付いてるんよ。だから体力の値が7で、カラカルの補正で更に+5の計12ってこと。私はレベルを5まで上げて手に入れた4ステータスポイントを既に振ってるから、ステータスポイントの項目はゼロやな」
「ステータスポイント? ってなんだっけ?」
「レベルが1上がる毎に貰えるポイントで、それを自由にステータスに振れるんや」
「ふんふん。攻撃力と防御力は?」
「……攻撃力は力と器用さの数値から計算されて、それに武器の攻撃力が後から加算されるんだけど……+1800って見たことないよ! あたしが装備してた奴ですらせいぜい+100ぐらいだよ!?」
「おーそういう数値なんだねえ……」
「防御力は、体力と持久力の数値から計算されて、防具の数値を加算するの」


 ミリーのステータス欄の下にはスキルの項目があった。

 『所持スキル』
 【PKマスター】【人体破壊lv5】【凶化lv2】【人狩り】【弱点特攻】【弱点目視】【窮猫人噛】【ダブルクロー】(+【暗黒葬爪】)

 なんか物騒な名前がいっぱい並んでる!

「この【暗黒葬爪】ってのが武器による追加スキルなんやけど……名前からしてやばそう……ほら、ラノアの見せてみ?」
「えっと、こうかな?」

 私がステータス欄を表示させる

 【ラノア】
 前世:【スピノサウルス】
 Lv1
 ステータスポイント:0
 HP:   8500
 スタミナ:
 体力:   5(+30)
 持久力:  5(+15)
 力:    5(+30)
 器用さ:  5(+15)
 素早さ:  5(+15)
 獣性:   100
 攻撃力:  924(+50)
 防御力:  820(+10)

『所持スキル』
 【菜園lv5】【採掘lv5】【伐採lv5】【料理人lv5】【手料理】【鍛冶lv5】【武器職人lv5】【家具職人lv5】【錬金術lv5】【職人気質lv5】【器用さマスタリィlv5】

「……どっから突っ込めばいいか分かんないけど……まって。前世……?」

 あ、やば。

「ラノアって、Verβ経験者だよね……?」
「あーえーっとどうだったかな?」
「……そうか……そうなのね……なるほど」
「えーっとミリー?」

 なんか勝手にミリーがうんうん頷いている。なんかちょっと怖い。

「ねーラノアいえ——【アキコ】、聞いて欲しいの」
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