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5話:旅の始まり
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「ミネルヴァ様も一緒に旅に出ましょう! 愚かな人類に、ミネルヴァ様の美しさ! 素晴らしさ! 尊さ! その他諸々を叩き付けましょう!! そうすれば、ミネルヴァ様への信仰も増えますよ!」
「あ、いや、しかしだな……」
「良いんじゃないの? 聖女を放っとくわけにもいかないし、どうせこの子、止めても旅に出るだろうし。それに……信仰を増やせるのは確かだよ」
グラウがミネルヴァの肩でエミーリアに同意する。
「流石ミミズク! 分かってる!」
「ミミズクじゃなくて、グラウ」
「よろしくねグラウ!」
「いや、信仰を増やしても……私は何も出来ない。加護を与える事も……何も」
「良いんです! そんなの要りませんよ! 神はいるだけで良いんですよ! 心の寄る辺として、居て下さればそれでいいんです!」
「……護衛ぐらいしか出来ないぞ? それに下界の事は知識はあるものの来るのは初めてだし……」
「ふふふ……ミネルヴァ様に守っていただけるだけで、不肖エミーリア、鼻血が出そうです!!」
怪しい笑みを浮かべたエミーリアを見て、一歩後ずさったミネルヴァだった。
二人が廃教会から出ると、そこは広い草原にある小さな丘の上だった。
すっかり空は晴れており、爽やかな春風が吹いている。草がなびき、ミネルヴァには風が見えた。草原のところどころに林があり、その奥に村が見えた。何処までも続くその牧歌的な光景にミネルヴァはため息をついた。
「美しいな」
「そうですか? よくある風景ですよ? でもミネルヴァ様がそう仰るならきっと、美しいんでしょうね」
うんうんと頷くエミーリアをミネルヴァは見つめた。金色の綺麗な髪と緑色の瞳がこの光景に良く映えていると彼女は感じた。ゆえに、エミーリアの頭をくしゃくしゃと撫で、そのあと彼女が言った言葉は、彼女の純粋な感想だった。
「ああ・天界なんかよりもよほど美しい。エミーリアもな」
「はっ!? 待って待って、え? あー聞き間違いか……いやそんなわけないし!!」
顔を赤くして手をバタバタさせるエミーリアを置いて、ミネルヴァは笑いながら歩いていく。
「……騒がしい旅になりそうだねえミネルヴァ」
「ふっ、思ったよりも下界は楽しくなりそうだよ」
「ミネルヴァ様! もう一回言ってください!! ねえミネルヴァ様!!」
こうして、ミネルヴァとエミーリアの旅は始まったのだった。
「あ、いや、しかしだな……」
「良いんじゃないの? 聖女を放っとくわけにもいかないし、どうせこの子、止めても旅に出るだろうし。それに……信仰を増やせるのは確かだよ」
グラウがミネルヴァの肩でエミーリアに同意する。
「流石ミミズク! 分かってる!」
「ミミズクじゃなくて、グラウ」
「よろしくねグラウ!」
「いや、信仰を増やしても……私は何も出来ない。加護を与える事も……何も」
「良いんです! そんなの要りませんよ! 神はいるだけで良いんですよ! 心の寄る辺として、居て下さればそれでいいんです!」
「……護衛ぐらいしか出来ないぞ? それに下界の事は知識はあるものの来るのは初めてだし……」
「ふふふ……ミネルヴァ様に守っていただけるだけで、不肖エミーリア、鼻血が出そうです!!」
怪しい笑みを浮かべたエミーリアを見て、一歩後ずさったミネルヴァだった。
二人が廃教会から出ると、そこは広い草原にある小さな丘の上だった。
すっかり空は晴れており、爽やかな春風が吹いている。草がなびき、ミネルヴァには風が見えた。草原のところどころに林があり、その奥に村が見えた。何処までも続くその牧歌的な光景にミネルヴァはため息をついた。
「美しいな」
「そうですか? よくある風景ですよ? でもミネルヴァ様がそう仰るならきっと、美しいんでしょうね」
うんうんと頷くエミーリアをミネルヴァは見つめた。金色の綺麗な髪と緑色の瞳がこの光景に良く映えていると彼女は感じた。ゆえに、エミーリアの頭をくしゃくしゃと撫で、そのあと彼女が言った言葉は、彼女の純粋な感想だった。
「ああ・天界なんかよりもよほど美しい。エミーリアもな」
「はっ!? 待って待って、え? あー聞き間違いか……いやそんなわけないし!!」
顔を赤くして手をバタバタさせるエミーリアを置いて、ミネルヴァは笑いながら歩いていく。
「……騒がしい旅になりそうだねえミネルヴァ」
「ふっ、思ったよりも下界は楽しくなりそうだよ」
「ミネルヴァ様! もう一回言ってください!! ねえミネルヴァ様!!」
こうして、ミネルヴァとエミーリアの旅は始まったのだった。
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