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6話

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戦艦型機動要塞【エルメア・ランラ】内、作戦室。

「はい、注目! では、主様お願いします!」
「ああ」

 会議室にいるのは、俺、クカ、ジス、ネシアの4人だ。他の幹部については別の仕事を与えている。

 俺の膝に座るクカの頭に手を置くと、俺はその頭の中ある記憶を他次元へと保存し、更にそれをデータに変換して会議室のディスプレイへと映し出した。めんどくさい手順だが、この世界で共有するにはこうするのが結果速いのだ。

 そのディスプレイは拡張現実と呼ばれる技術を進化させた物で、まるでその場にいたかのように感じられるのだ。

 俺達の視界が変化する。

 そこは石造りの壁と天井の無骨な作りの部屋だ。

「あーつまんねえな。おい、【悪】の出現はまだか?」

 その部屋の奥にある大きな椅子に座っているのは、青い鎧を纏った一人の男だ。竜をかたどったヘルムを椅子の横にあるサイドテーブルに置いている。いかにも武人といった顔付きで、濃い眉毛と髭が印象的だ。

 椅子には、長い槍が立て掛けてあり、背後には飛竜をモチーフした柄のタペストリーが飾ってあった。

 間違いない。こいつが俺の村を焼いた【竜騎士】だ。

「カダム様……一人の悪を討つ為に街ごと燃やすのは些かやり過ぎかと……」

 どうやら【竜騎士】はカダムという名前らしい。奴の前で頭を垂れてそう進言したのはおそらく部下か何かだろう。

「……おいおい。おいおいおい! 今、お前なんつった? やり過ぎって言ったよな?」
「……ですが……【抑止力】の皆様もそう仰っ――ひぎぃいいい!!」

 一瞬で槍を手に取ったカダムがその穂先を、部下の腕へと刺していた。

「やり……すぎ? なあ、お前どの立場で言ってんの?」

 カダムがゆっくりと槍を捻っていいく。それによって槍の穂先も回転し、部下の腕を抉っていく。

「いだいぃぃぃ!! お許しぃを!」
「あいつらが何を言っていたか知らねえけどよ……お前が言うのは――違うだろ!!」

 カダムが槍を横へと払った。同時に部下の腕が千切れ、壁際へと転がっていった。

「ああああ!! 腕が!!」
「うっさ、死ね」

 カダムの槍が泣き叫んでいた部下の口へと突き刺さり、部下が絶命した。

 俺はそこで、記憶再生を停止した。

 視界が会議室へと戻る。止めた理由は、もう十分だからだ。

 それに少々――
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