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第五章『開戦』
147話 成功の代償
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夕方になって屋敷に帰ると、屋敷の周囲は馬車で渋滞していた。
「こりゃ動きそうもないですな。坊ちゃん、ここから歩いた方が早いかもしれませんぜ?」
御者が小さな窓を開けて声をかけてくれる。半日前に襲われたばかりだが、心配はしてくれていなさそうだ。
「あ~、そうするよ。ありがとう」
僕は、今日受け取った書類と投げナイフを放り込んだカバンを肩にかけ、平民がよく着るローブを羽織って馬車を降りた。馬車道の横にはそれなりに広い歩道がもうけられている。立ち並ぶ街路樹はもう色を変え始めていて、多分もう少ししたら一気に落葉するだろう。掃除が大変そうだ。
ここは平民街だが、貴族街に近いだけあって、立ち並ぶ建物は屋敷と呼ぶにふさわしい威容を誇っている。貴族街からあぶれた貴族やお金持ちの平民が邸宅を構えるエリアで、れっきとした高級住宅地だ。こんなところに拠点を持つなんて思っても見なかった。
歩道をしばらく進むと、おかしなことに気がついた。足止めされている馬車の横を通り過ぎると、次々と扉が開いて、人が降りてくる。
「えっ?」
振り返ると、降りてきた全員が笑顔でこちらを見ていた。
「ヒッ」
異様な光景で、背筋に寒気が走る。渋滞自体が罠だった可能性もある。これは襲撃か?
「そちらにおられるのはイント・コンストラクタ殿とお見受けいたし」
口上の途中で、『縮地』を発動した。街路樹の枝を蹴って、音をたてないように次の枝をさらに蹴る。
樹が揺れるのはどうにもできず、落ち葉が舞い散った。
「き、消えた!?」
男の声を置き去りに、僕は屋敷へ急ぐ。これが襲撃なら、うちの屋敷が危ない。
◆◇◆◇
「あれ?」
まず目についたのは、飲み物を売り歩く子どもの売り子だった。うちの屋敷の門の前に、大勢集まった貴族の使いらしき人々や、停車場に停まっている馬車の御者を狙っているらしい。
湯気が上がっているあたり、果実水ではなくスープだろうか?
「現在当家の当主及び当主代行は留守です! 面会希望や用件は書面にてお願いします!」
うちの門番がかすれた声で叫んでいる。門番は門の左右と、塀の向こうから首から上を出している見張りの三人がいる。いつもより人数が多い。
一方、集まった馬車は、家紋を見る限り古典派貴族の下位貴族だらけだ。紋章学を極めたわけではないので、全部とは断言できないが。
昼間の騒ぎ関係だとしたら、やっぱり抗議とか襲撃だろうか? しかし、それにしてはそこまで殺気だった気配がない。
ローブの前を閉じて、貴族っぽい服が見えないようにしてから、フードをかぶって門番の前に進み出る。
「そこの方! そこで止まって顔を見せてください!」
門番が声をかけて来たので、他の者に見えないよう、頭を上げた。
「ぼ!」
『坊ちゃん』と言いかけたのだろう。しかし、衛兵はあわてて口を閉じた。
「すいません。ちょっと今は門を開けられないんで、飛び越えてもらっても?」
顔を寄せて、コソコソと話しかけてくる。塀の向こうの見張りに合図を出して、門番が道を開けた。
「わかった」
トンっと地面を蹴って、僕の身長の何倍もの高さがある門を飛び越える。コツは門に触れないことだ。もし触れてしまうと、義母さんが仕込んだ神術が発動して麻痺してしまうらしい。
「おお~!」
背後で歓声があがって、また門の外が一気に騒がしくなった。
「おかえりなさい。坊ちゃん」
飛び越えたところに、シーピュが待っていた。服の隙間から見えている包帯が痛々しい。どうして起きているのだろうか?
「シーピュ、動いて大丈夫なの?」
「この騒ぎじゃ、そんなこと言ってる場合じゃねえんでさ」
大怪我しても働かせるとか、どこのブラック企業だ。これでも人数を増やしたはずなのに、人手不足感がすごい。
「これは何の騒ぎ?」
「いろいろでさぁ。天船の建造発注、自領内の塩泉の調査依頼、夜会への招待。坊ちゃんが出てからたくさん使者がきて、今はお家騒動中の古典派貴族からの支援要請ですかね? 坊ちゃん、行く先々で騒ぎ起こすもんだから……」
朝から忙しかったのに、そのせいで更なる仕事を呼び込むとか、どんな罰ゲームだろうか。
「リナはどうしてるの?」
「シーシャ家の伯爵様を名乗られる方が直接来られましてね。断りきれなかったんで、お嬢さんは今その対応をしてまさぁ。一緒にゴート様も入ってくれてます」
ゴート爺さんは元侯爵なので、安心感はある。しかし、無理矢理押し掛けてくるとか、どんな人なのだろう?
「ちょっと盗み聞きに行こうかな。どこの部屋?」
リナはもうすぐ7歳で、戦闘能力はすでに人外の領域だが、それでも政治的な話をこなせるかどうかは微妙だ。多分無理だろう。
「第二応接室でさぁ」
「ありがとう」
僕は小さな庭を横切り、正面の扉から館に入る。第二応接室は、この館に三つある応接室で、当主や当主代行以外が使う応接室になる。
我が家の場合、家具の値段が第一よりちょっとだけ安いだけで、大した違いはない。そもそも、品質の違いなどほとんどわからなかった。
「この国の国民は神を信じている。国王ですら、神に認められなければ王にはなれないでしょう? 教会に異端認定されるリスクを避けるためにも、今すぐ天船に混沌魔術が使われていないことを証明するべきだと言っているのです」
扉の前に来ると、内部の会話が聞こえてきた。こんな簡単に立ち聞きできるとか、扉が薄いのではないだろうか。
「ではこれを進呈しよう。少し小さいが、天船じゃ。霊力を一切使っていないことは、見る者が見ればすぐにわかるはずじゃろ」
ゴート爺さんの声も聞こえる。確かにあの風船は、見るだけで飛行船の仕組みがわかる。
「千年に渡るテレース学派の錬金術の研究でも、こんなものは作れなかった。教会に公認されたテレース学派が作れないものを、作ってしまうことが問題と言っているのです。これは神がお認めになっていない」
うん? 何かおかしな混同が起きている気がする。
「おや、勉強熱心なシーシャ伯爵らしくもない発言ですな。聖典にはそのようなことは書かれておりません。これは神術も仙術も魔術も使わない、純粋な摂理だ。神があたえたもうた世界そのものですよ」
うんうん。前世の知識を使ってはいるけど、その知識はこちらでも通用している。何も問題ないはずだ。
「しかし、このようなふるまい、普通ではない。何かトリックがあるのでしょう? それを教えていただけないのであれば、邪法と判断するしかないではありませんか」
う~ん? この人、大丈夫だろうか
「実際に目にして、それを否定するのですか? 目にしたものがテレース学派と違うのであれば、それはテレース学派が誤っている可能性だってあるはずです。仮説をたて、実験をし、検証をして証明するのが科学者というものでしょう?」
あ、化学の教科書の末尾に載っていたやつだ。あれ、ゴート爺さんに話したことあったっけ?
「これはひどい侮辱だ。ゴート卿はテレース学派千年の叡智を否定なさるのですか?」
王都から公国派貴族は一掃されたはずだが、まだこういう人がいるのか。
「否定などとんでもない。しかし、その傲慢で、神にご意思を示させてしまったのでは?」
痛烈な皮肉だ。教皇領ルップルを始めとしたアンタム都市連邦は、公国派貴族に請われて、わが国に出兵して負けた。
それを主導したのはテレース派の枢機卿らしい。
「私はログラム王国の貴族だ。アンタム都市連邦に我が国が勝利したことには何の含みもない。しかし、かの国にはまだ遠征中の聖櫃騎士団もいる。あの騎士団相手では、我が国であっても勝てないでしょう? 無駄な犠牲がでるだけだ」
「さて? それこそ神の思し召しでしょう。さ、我々は忙しいのです。要件がそれだけなのであれば、お引き取りください」
穏やかな声で、ゴート爺さんが最後通牒を突きつける。僕と話すときも、これぐらい落ち着いて話してくれたら嬉しいのだけど。
「そうですか。『ログラムの賢者』と呼ばれたあなたが、そのような狭い見識だったとは、正直がっかりです。お嬢ちゃんも注意したほうが良い。彼には常識というものがないようだ」
思わず、扉に手をかける。妹に何を吹き込む気だ。
「かみさまはなんでもしっていて、なんでもできるとききました」
嫌味に答えるでなく、ストリナが喋りはじめたので、僕はすんでのところで扉を開けずに踏みとどまることができた。
「その通り。お嬢ちゃんはよく勉強しているようだ」
「じゃあ、あなたはふしんじんものなのです」
ストリナが爆弾を投げ込む。
「教育が行き届いていないようだけど、どうしてそう思うんだい?」
シーシャ子爵は険悪な雰囲気を必死に隠そうとして、隠しきれていない。
「どうしてかみさまがおつくりになったせかいより、テレースさんをしんじているの? どうしてせかいをみようとしないの?」
耐え切れなくなったのか、ゴートおじさんが噴き出す。
「そのとおりだな。我々は神と神が創造した世界を信じているのだ。神の信徒として、伯爵らもそうであると願っておるよ」
「何が信徒か! 伝統を否定して利益を独占するとは! 痛い目を見ることになるぞ!」
ドカドカと伯爵出口へ向かう足音がして、中に控えた執事が扉を開ける。
おっと。聞いていたことがばれたら厄介だ。僕は『縮地』で、扉が開ききる前にその場から姿を消した。
「こりゃ動きそうもないですな。坊ちゃん、ここから歩いた方が早いかもしれませんぜ?」
御者が小さな窓を開けて声をかけてくれる。半日前に襲われたばかりだが、心配はしてくれていなさそうだ。
「あ~、そうするよ。ありがとう」
僕は、今日受け取った書類と投げナイフを放り込んだカバンを肩にかけ、平民がよく着るローブを羽織って馬車を降りた。馬車道の横にはそれなりに広い歩道がもうけられている。立ち並ぶ街路樹はもう色を変え始めていて、多分もう少ししたら一気に落葉するだろう。掃除が大変そうだ。
ここは平民街だが、貴族街に近いだけあって、立ち並ぶ建物は屋敷と呼ぶにふさわしい威容を誇っている。貴族街からあぶれた貴族やお金持ちの平民が邸宅を構えるエリアで、れっきとした高級住宅地だ。こんなところに拠点を持つなんて思っても見なかった。
歩道をしばらく進むと、おかしなことに気がついた。足止めされている馬車の横を通り過ぎると、次々と扉が開いて、人が降りてくる。
「えっ?」
振り返ると、降りてきた全員が笑顔でこちらを見ていた。
「ヒッ」
異様な光景で、背筋に寒気が走る。渋滞自体が罠だった可能性もある。これは襲撃か?
「そちらにおられるのはイント・コンストラクタ殿とお見受けいたし」
口上の途中で、『縮地』を発動した。街路樹の枝を蹴って、音をたてないように次の枝をさらに蹴る。
樹が揺れるのはどうにもできず、落ち葉が舞い散った。
「き、消えた!?」
男の声を置き去りに、僕は屋敷へ急ぐ。これが襲撃なら、うちの屋敷が危ない。
◆◇◆◇
「あれ?」
まず目についたのは、飲み物を売り歩く子どもの売り子だった。うちの屋敷の門の前に、大勢集まった貴族の使いらしき人々や、停車場に停まっている馬車の御者を狙っているらしい。
湯気が上がっているあたり、果実水ではなくスープだろうか?
「現在当家の当主及び当主代行は留守です! 面会希望や用件は書面にてお願いします!」
うちの門番がかすれた声で叫んでいる。門番は門の左右と、塀の向こうから首から上を出している見張りの三人がいる。いつもより人数が多い。
一方、集まった馬車は、家紋を見る限り古典派貴族の下位貴族だらけだ。紋章学を極めたわけではないので、全部とは断言できないが。
昼間の騒ぎ関係だとしたら、やっぱり抗議とか襲撃だろうか? しかし、それにしてはそこまで殺気だった気配がない。
ローブの前を閉じて、貴族っぽい服が見えないようにしてから、フードをかぶって門番の前に進み出る。
「そこの方! そこで止まって顔を見せてください!」
門番が声をかけて来たので、他の者に見えないよう、頭を上げた。
「ぼ!」
『坊ちゃん』と言いかけたのだろう。しかし、衛兵はあわてて口を閉じた。
「すいません。ちょっと今は門を開けられないんで、飛び越えてもらっても?」
顔を寄せて、コソコソと話しかけてくる。塀の向こうの見張りに合図を出して、門番が道を開けた。
「わかった」
トンっと地面を蹴って、僕の身長の何倍もの高さがある門を飛び越える。コツは門に触れないことだ。もし触れてしまうと、義母さんが仕込んだ神術が発動して麻痺してしまうらしい。
「おお~!」
背後で歓声があがって、また門の外が一気に騒がしくなった。
「おかえりなさい。坊ちゃん」
飛び越えたところに、シーピュが待っていた。服の隙間から見えている包帯が痛々しい。どうして起きているのだろうか?
「シーピュ、動いて大丈夫なの?」
「この騒ぎじゃ、そんなこと言ってる場合じゃねえんでさ」
大怪我しても働かせるとか、どこのブラック企業だ。これでも人数を増やしたはずなのに、人手不足感がすごい。
「これは何の騒ぎ?」
「いろいろでさぁ。天船の建造発注、自領内の塩泉の調査依頼、夜会への招待。坊ちゃんが出てからたくさん使者がきて、今はお家騒動中の古典派貴族からの支援要請ですかね? 坊ちゃん、行く先々で騒ぎ起こすもんだから……」
朝から忙しかったのに、そのせいで更なる仕事を呼び込むとか、どんな罰ゲームだろうか。
「リナはどうしてるの?」
「シーシャ家の伯爵様を名乗られる方が直接来られましてね。断りきれなかったんで、お嬢さんは今その対応をしてまさぁ。一緒にゴート様も入ってくれてます」
ゴート爺さんは元侯爵なので、安心感はある。しかし、無理矢理押し掛けてくるとか、どんな人なのだろう?
「ちょっと盗み聞きに行こうかな。どこの部屋?」
リナはもうすぐ7歳で、戦闘能力はすでに人外の領域だが、それでも政治的な話をこなせるかどうかは微妙だ。多分無理だろう。
「第二応接室でさぁ」
「ありがとう」
僕は小さな庭を横切り、正面の扉から館に入る。第二応接室は、この館に三つある応接室で、当主や当主代行以外が使う応接室になる。
我が家の場合、家具の値段が第一よりちょっとだけ安いだけで、大した違いはない。そもそも、品質の違いなどほとんどわからなかった。
「この国の国民は神を信じている。国王ですら、神に認められなければ王にはなれないでしょう? 教会に異端認定されるリスクを避けるためにも、今すぐ天船に混沌魔術が使われていないことを証明するべきだと言っているのです」
扉の前に来ると、内部の会話が聞こえてきた。こんな簡単に立ち聞きできるとか、扉が薄いのではないだろうか。
「ではこれを進呈しよう。少し小さいが、天船じゃ。霊力を一切使っていないことは、見る者が見ればすぐにわかるはずじゃろ」
ゴート爺さんの声も聞こえる。確かにあの風船は、見るだけで飛行船の仕組みがわかる。
「千年に渡るテレース学派の錬金術の研究でも、こんなものは作れなかった。教会に公認されたテレース学派が作れないものを、作ってしまうことが問題と言っているのです。これは神がお認めになっていない」
うん? 何かおかしな混同が起きている気がする。
「おや、勉強熱心なシーシャ伯爵らしくもない発言ですな。聖典にはそのようなことは書かれておりません。これは神術も仙術も魔術も使わない、純粋な摂理だ。神があたえたもうた世界そのものですよ」
うんうん。前世の知識を使ってはいるけど、その知識はこちらでも通用している。何も問題ないはずだ。
「しかし、このようなふるまい、普通ではない。何かトリックがあるのでしょう? それを教えていただけないのであれば、邪法と判断するしかないではありませんか」
う~ん? この人、大丈夫だろうか
「実際に目にして、それを否定するのですか? 目にしたものがテレース学派と違うのであれば、それはテレース学派が誤っている可能性だってあるはずです。仮説をたて、実験をし、検証をして証明するのが科学者というものでしょう?」
あ、化学の教科書の末尾に載っていたやつだ。あれ、ゴート爺さんに話したことあったっけ?
「これはひどい侮辱だ。ゴート卿はテレース学派千年の叡智を否定なさるのですか?」
王都から公国派貴族は一掃されたはずだが、まだこういう人がいるのか。
「否定などとんでもない。しかし、その傲慢で、神にご意思を示させてしまったのでは?」
痛烈な皮肉だ。教皇領ルップルを始めとしたアンタム都市連邦は、公国派貴族に請われて、わが国に出兵して負けた。
それを主導したのはテレース派の枢機卿らしい。
「私はログラム王国の貴族だ。アンタム都市連邦に我が国が勝利したことには何の含みもない。しかし、かの国にはまだ遠征中の聖櫃騎士団もいる。あの騎士団相手では、我が国であっても勝てないでしょう? 無駄な犠牲がでるだけだ」
「さて? それこそ神の思し召しでしょう。さ、我々は忙しいのです。要件がそれだけなのであれば、お引き取りください」
穏やかな声で、ゴート爺さんが最後通牒を突きつける。僕と話すときも、これぐらい落ち着いて話してくれたら嬉しいのだけど。
「そうですか。『ログラムの賢者』と呼ばれたあなたが、そのような狭い見識だったとは、正直がっかりです。お嬢ちゃんも注意したほうが良い。彼には常識というものがないようだ」
思わず、扉に手をかける。妹に何を吹き込む気だ。
「かみさまはなんでもしっていて、なんでもできるとききました」
嫌味に答えるでなく、ストリナが喋りはじめたので、僕はすんでのところで扉を開けずに踏みとどまることができた。
「その通り。お嬢ちゃんはよく勉強しているようだ」
「じゃあ、あなたはふしんじんものなのです」
ストリナが爆弾を投げ込む。
「教育が行き届いていないようだけど、どうしてそう思うんだい?」
シーシャ子爵は険悪な雰囲気を必死に隠そうとして、隠しきれていない。
「どうしてかみさまがおつくりになったせかいより、テレースさんをしんじているの? どうしてせかいをみようとしないの?」
耐え切れなくなったのか、ゴートおじさんが噴き出す。
「そのとおりだな。我々は神と神が創造した世界を信じているのだ。神の信徒として、伯爵らもそうであると願っておるよ」
「何が信徒か! 伝統を否定して利益を独占するとは! 痛い目を見ることになるぞ!」
ドカドカと伯爵出口へ向かう足音がして、中に控えた執事が扉を開ける。
おっと。聞いていたことがばれたら厄介だ。僕は『縮地』で、扉が開ききる前にその場から姿を消した。
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