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エピローグ
148 Last Episode あの花畑で月夜と共に①
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3月下旬の春休み。
学期末試験も何とか終え、終わってしまえば危なげなく進級できそうだ。晴れて4月からは3年生となる。
高校生活最後の1年間か。早いよなぁ。
「はぁ」
「どうしたんですか?」
隣で微笑む学園のかぐや姫様。いや、もう恋人がいるのでそのあだ名を使うのは間違っている。美しさ観点で言えば間違っていないのだが。
僕の恋人神凪月夜はニコニコした笑顔で僕の手を握ってくれる。とてもかわいい。
交際を始めて一ヶ月半。まだまだ愛しさは衰えないものだ。
学園でも月夜が交際した話は広まっているので最近は告白される回数が激減したらしい。手紙や呼び出しがあっても恋人がいるのでと断っているので当然といえば当然だ。
相手が僕であることも未だバレていない。意外にバレないものだな。
「月日はあっという間だなと思って。3年生になると受験勉強をしないといけなくなるし、せっかくこうやって月夜と一緒になれたのに遊べる回数が減るのは惜しいよね」
「ふふふ、仕方ないですよ。じゃあウチで勉強すれば私と兄で教えますから毎日来てもいいですよ」
「星矢は嫌がりそうだな。でもその時は頼むよ」
僕と月夜のカップルぶりに星矢は逃げ癖がついている。僕が月夜に会いにいくたびに星矢は水里さんの家へ逃げていく。
そして水里さんがびっくりしてトギマギするまでが一連の流れだ。ある意味恋路の応援をしてると言ってもいい。
今日、僕と月夜は県外にある観光地、栄生高原へ向かっている。
栄生高原は春になるとたくさんの花が一面に咲き、素晴らしい光景の花畑があるという。テートスポットしては定番だ。
1人で行く所でもないので避けていたが、こうやって世界で1番かわいい恋人と一緒であればやっぱり行くべきと思う。
電車に乗って約1時間。混んでいない電車の椅子に座って手を繋ぎ、僕達はゆったりと過ごす。
学校の話、知り合いの話、本の話。本当に話題が尽きることはない。
栄生高原駅へ到着して僕と月夜は電車を降りた。
「今日は暑いね~」
「半袖でよかったです」
今日のお昼は3月なのに20度を大きく超えるという。なので僕も月夜も半袖の服を着ている。ただ朝晩はやはり冷えるので上着は忘れない。
月夜は清楚な白のワンピースだ。ふわりとした格好で今日もとてもかわいい。
今日もかわいいという言葉は出会って即伝えたため安心である。
春休みとはいえ、平日のためそこまで人は多くない。高原駅の観光客もそこそこと言った所か。
改札を抜けて、駅の出入り口を抜けた。
「さぁ、行こうか」
「太陽さん」
月夜に腕を引っ張られる。
「いつものですよ」
そのまま建物の隅まで手を引っ張られ、壁に押しつけられ、この後何回もキスをした。
相変わらず数十分に1回以上の口づけは必須である。
◇◇◇
「まだ時間があるね」
「もうちょっとキスした方がよかったかな」
「これからもするでしょ……」
相変わらず月夜はキス魔である。
隙あらばキスしてくるのも変わらない。いや、ほんとかわいいし、僕も好きだからいいんだけどね。まわりの目さえなければいつだって構わない。
お昼は定番の月夜のお弁当が準備されており、高原でブルーシートを張って食事をする予定だ。
言えば今回のデートはピクニックということだ。
目的地までは1時間もあれば到着するだろう。
「太陽さん! アレ!」
月夜の指さす先は売店があった。
高原名物のソフトクリームか。今日は暑いしちょうどいいかもしれない。
「相変わらずアイスに目がないね」
「暑くなると食べたくなりますよね。冬の間は減らしていたから、解禁です! 何にしようかな~」
僕はバニラ、月夜は抹茶を選んだ。
僕と月夜は手を繋ぎ、売店から離れて目的地へ向かってゆっくりと歩く。
快晴で良い天気だ。自然豊かで空気も美味しいや。
「甘くて美味しい~」
月夜はアイス嘗めてご満悦だ。食べながら歩くのもいいよね。
月夜が僕のバニラのソフトクリームを見つめる。
「バニラをもらってもいいですか?」
「うん、いいよ」
月夜にソフトクリームを差し出す。月夜はぺろっと舌ですくい取った。
「バニラもいいですねぇ~。ミックスがあればよかったのになぁ」
チョコとバニラのミックスはあったんだけどね。
僕と月夜は笑い合う。
「太陽さんも抹茶をどうですか?」
「じゃあ、もらおうかな」
月夜が差し出した抹茶のアイスを口にする。
ん、抹茶もいいなぁ。多少の苦みがほどよい。
そのまま、バニラアイスを口に含む。やっぱりミックスとして売り出した方がいいような気がする。
「太陽さん、こっち」
「ん? んぐっ!」
月夜に呼び止められ、振り向くと急に唇を奪われる。
前キスしてから30分経ったっけ。まぁいいか。月夜の求めに応じて、長めにキスをした。
唇を離す。
「これが甘いキスってやつですね」
「アイスを食べさせたのはそういうことか……」
いろんなキスを考えるものだ。
「あれ、あなた達?」
僕と月夜は呼びかけに歩みを止める。
僕達と同じような格好をした夫婦だ。でもどこか見覚えがあるような……。
「吟画山でお会いしましたよね?」
「そうそう、久しぶりねぇ」
ああ! 秋に月夜と2人で吟画《ぎんが》山にハイキングへ行った時の帰りに会ったっけ。
あの時、この奥さんに提案された10の言葉が意外に後に引いたんだよな。
それにしても月夜の記憶力は見事だ。
「あなたがすっごいかわいいから覚えてたのよ」
「ありがとうございます」
月夜を見たらみんなそう思えるよな。星矢も月夜も目を惹く容姿だから本当にみんなから覚えられている。
奥さんは僕と月夜の握りあった手を見る。
「ふふっ、あなたたちは恋人なのかしら?」
この口ぶりは秋の時、恋人同士でなかったことがバレていたのかもしれないな。
でも……今はもうしっかりと言える。
僕と月夜は1度互いを見て、頷いた。
「僕達は恋人同士です!」「私達は恋人同士です!」
もう自信を持って言える。
学期末試験も何とか終え、終わってしまえば危なげなく進級できそうだ。晴れて4月からは3年生となる。
高校生活最後の1年間か。早いよなぁ。
「はぁ」
「どうしたんですか?」
隣で微笑む学園のかぐや姫様。いや、もう恋人がいるのでそのあだ名を使うのは間違っている。美しさ観点で言えば間違っていないのだが。
僕の恋人神凪月夜はニコニコした笑顔で僕の手を握ってくれる。とてもかわいい。
交際を始めて一ヶ月半。まだまだ愛しさは衰えないものだ。
学園でも月夜が交際した話は広まっているので最近は告白される回数が激減したらしい。手紙や呼び出しがあっても恋人がいるのでと断っているので当然といえば当然だ。
相手が僕であることも未だバレていない。意外にバレないものだな。
「月日はあっという間だなと思って。3年生になると受験勉強をしないといけなくなるし、せっかくこうやって月夜と一緒になれたのに遊べる回数が減るのは惜しいよね」
「ふふふ、仕方ないですよ。じゃあウチで勉強すれば私と兄で教えますから毎日来てもいいですよ」
「星矢は嫌がりそうだな。でもその時は頼むよ」
僕と月夜のカップルぶりに星矢は逃げ癖がついている。僕が月夜に会いにいくたびに星矢は水里さんの家へ逃げていく。
そして水里さんがびっくりしてトギマギするまでが一連の流れだ。ある意味恋路の応援をしてると言ってもいい。
今日、僕と月夜は県外にある観光地、栄生高原へ向かっている。
栄生高原は春になるとたくさんの花が一面に咲き、素晴らしい光景の花畑があるという。テートスポットしては定番だ。
1人で行く所でもないので避けていたが、こうやって世界で1番かわいい恋人と一緒であればやっぱり行くべきと思う。
電車に乗って約1時間。混んでいない電車の椅子に座って手を繋ぎ、僕達はゆったりと過ごす。
学校の話、知り合いの話、本の話。本当に話題が尽きることはない。
栄生高原駅へ到着して僕と月夜は電車を降りた。
「今日は暑いね~」
「半袖でよかったです」
今日のお昼は3月なのに20度を大きく超えるという。なので僕も月夜も半袖の服を着ている。ただ朝晩はやはり冷えるので上着は忘れない。
月夜は清楚な白のワンピースだ。ふわりとした格好で今日もとてもかわいい。
今日もかわいいという言葉は出会って即伝えたため安心である。
春休みとはいえ、平日のためそこまで人は多くない。高原駅の観光客もそこそこと言った所か。
改札を抜けて、駅の出入り口を抜けた。
「さぁ、行こうか」
「太陽さん」
月夜に腕を引っ張られる。
「いつものですよ」
そのまま建物の隅まで手を引っ張られ、壁に押しつけられ、この後何回もキスをした。
相変わらず数十分に1回以上の口づけは必須である。
◇◇◇
「まだ時間があるね」
「もうちょっとキスした方がよかったかな」
「これからもするでしょ……」
相変わらず月夜はキス魔である。
隙あらばキスしてくるのも変わらない。いや、ほんとかわいいし、僕も好きだからいいんだけどね。まわりの目さえなければいつだって構わない。
お昼は定番の月夜のお弁当が準備されており、高原でブルーシートを張って食事をする予定だ。
言えば今回のデートはピクニックということだ。
目的地までは1時間もあれば到着するだろう。
「太陽さん! アレ!」
月夜の指さす先は売店があった。
高原名物のソフトクリームか。今日は暑いしちょうどいいかもしれない。
「相変わらずアイスに目がないね」
「暑くなると食べたくなりますよね。冬の間は減らしていたから、解禁です! 何にしようかな~」
僕はバニラ、月夜は抹茶を選んだ。
僕と月夜は手を繋ぎ、売店から離れて目的地へ向かってゆっくりと歩く。
快晴で良い天気だ。自然豊かで空気も美味しいや。
「甘くて美味しい~」
月夜はアイス嘗めてご満悦だ。食べながら歩くのもいいよね。
月夜が僕のバニラのソフトクリームを見つめる。
「バニラをもらってもいいですか?」
「うん、いいよ」
月夜にソフトクリームを差し出す。月夜はぺろっと舌ですくい取った。
「バニラもいいですねぇ~。ミックスがあればよかったのになぁ」
チョコとバニラのミックスはあったんだけどね。
僕と月夜は笑い合う。
「太陽さんも抹茶をどうですか?」
「じゃあ、もらおうかな」
月夜が差し出した抹茶のアイスを口にする。
ん、抹茶もいいなぁ。多少の苦みがほどよい。
そのまま、バニラアイスを口に含む。やっぱりミックスとして売り出した方がいいような気がする。
「太陽さん、こっち」
「ん? んぐっ!」
月夜に呼び止められ、振り向くと急に唇を奪われる。
前キスしてから30分経ったっけ。まぁいいか。月夜の求めに応じて、長めにキスをした。
唇を離す。
「これが甘いキスってやつですね」
「アイスを食べさせたのはそういうことか……」
いろんなキスを考えるものだ。
「あれ、あなた達?」
僕と月夜は呼びかけに歩みを止める。
僕達と同じような格好をした夫婦だ。でもどこか見覚えがあるような……。
「吟画山でお会いしましたよね?」
「そうそう、久しぶりねぇ」
ああ! 秋に月夜と2人で吟画《ぎんが》山にハイキングへ行った時の帰りに会ったっけ。
あの時、この奥さんに提案された10の言葉が意外に後に引いたんだよな。
それにしても月夜の記憶力は見事だ。
「あなたがすっごいかわいいから覚えてたのよ」
「ありがとうございます」
月夜を見たらみんなそう思えるよな。星矢も月夜も目を惹く容姿だから本当にみんなから覚えられている。
奥さんは僕と月夜の握りあった手を見る。
「ふふっ、あなたたちは恋人なのかしら?」
この口ぶりは秋の時、恋人同士でなかったことがバレていたのかもしれないな。
でも……今はもうしっかりと言える。
僕と月夜は1度互いを見て、頷いた。
「僕達は恋人同士です!」「私達は恋人同士です!」
もう自信を持って言える。
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