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エピローグ

133 恋人を家に招いてやる事は①

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「やぁいらっしゃい」
「お邪魔します~」

 扉を開けて、世界で1番かわいい恋人を迎え入れた。
 神凪月夜は今日もかわいい。交際して3週間が過ぎた。美人は3日で飽きると言うがまったく飽きる気配はない。
 むしろお互い熱が加速しているような気もするくらいだ。

 3月に入って最初の土曜日に僕はある目的をもって月夜をここに迎え入れた。
 ここは僕の家、つまり彼氏の家となる。両親は旅行で帰ってこず、妹も友人の家へ泊まりにいくと行って今日は帰ってこない。
 つまり彼女を連れ込んでイチャイチャすることができる。

「そ、その……今日は誰もいないんですよね」
「そうだよ。ずっと2人きりの予定」

 月夜も察してくれたのかもしれない。
 そう、今日は決めなくてはいけない。交際を始めて3週間。月夜と身も心も結ばれるのだ。
 っといってもまだお昼過ぎだし、雰囲気というものがある。ちょっとしたことで駄目になる可能性だって……ある。
 単純に家で休日を恋人と過ごす。それだけでも構わない。

 月夜は手渡したハンガーを使って白のコートを脱ぐ。
 シンプルな縞々のカーディアンとミニスカートから見える白い太ももがまぶしい。
 昨日は月夜も文芸部の方に顔を出して会えなかったし、今日はいっぱい求め合いたい。

「月夜、さっそく」
「ダメです。手洗いとうがいをしてからです」

 お預けをくらった感じがした。
 がっつきすぎるのはよくないのかもしれない。

 ウチは一軒家である。2階には僕と妹と父の部屋がそれぞれあり、1Fの共用スペースはそこそこ広い。
 月夜はずっとキョロキョロしていた。

「太陽さんの家って広いですね」

 普通の一般家庭に比べれば恵まれている方だと思う。裕福とは言い難いけどね。
 神凪家に比べたら断然に広く感じるのは当然だ。
 星矢は何度か泊まりに来ているが当然月夜は初めてだ。
 実は家族には月夜と交際していることを伝えていない。1つ下の妹は僕と血を分けているとは思えないくらいにそこそこ彼氏と続いており、
 その反動で何の女の気配のない僕は親から心配されている。放っておいてほしい。まだ高校生なんだから彼女いなくてもおかしくないだろ。
 それで月夜を連れてきたらどんなことになるか……、泣いて月夜を崇めるかもしれない。

 月夜はリビングのソファーに座り込む。そこには人を駄目にするクッションが置いてあるのだ。
 月夜もそれに気づき、その手触りに感激を受けて、ずっと触り続けている。
 良き光景だ。僕は机の上においてあったカメラで月夜の姿を何枚か撮った。

「テレビも大きし、全部が大きい。いいなぁ」
「世良さんとか瓜原さんの家にも何回か泊まりにいってるんだろう? そこまで変わらないんじゃ」
「2人ともマンションタイプなんですよ。だから、ちょっと憧れがあります」

 そこで月夜は僕を手招きした。

「手洗いとうがいが終わったからいいんですよ。昨日……触れ合えなかった分を下さい」
「そうか……。頂きます!」

 僕はソファに飛び込んで、月夜に抱き着き、何度も何度もキスをした。
 自分でもバカな行為だと思うけど……月夜が愛おしい。

 ソファの上でひとしきり愛を育んだ僕達は少しだけ距離を置く。
 月夜の額に汗が見える。

「ん……ちょっと暑くないですか?」
「僕は薄着だからそんなにかな? 暑いなら月夜も脱げばいいんじゃないかな」

 僕の言葉に月夜は少し目を細める。やばいわざとらしかったか。
 確かに暖房の温度設定を27度にしているのは分かっているが……。
 月夜はため息をついた。

「太陽さんが意外にえっちなのは知ってたからいいんですけど」

 恐ろしく性欲の強い女に言われてもピンとこないんだが…‥。
 月夜はカーディガンを脱ぐと薄い桃色のブラウスがこんにちはをする。これは高ぶってくるな……。
 月夜は属にいう着痩せするタイプだ。胸はそうは感じないが、特に手足は細く見える。
 だけど……抱いてみると確かな肉感に心が震える。

 この冬場……抱き合ってもコートが邪魔でその肉感を楽しむことができなかった。
 春、夏まで待てばいい話だが……もう待つのは止めにしたい。チャンスがあるならすぐに動く。そうしないからこのバレンタインデーまで好きな女の子に告白できなかったのだ。
 その服より下は夜に楽しめばいい。

「じゃあ、さっそく」
「ちょっと」

 抱き着こうとしたら月夜に静止された。

「私が1枚脱ぐんだから、太陽さんも1枚脱いでください」
「これ以上脱ぐと下着になっちゃうんだけど……」
「だからいいんじゃないですか……。ふふ」

 月夜の鼻息が妙に荒い…‥。どうやら襲われるのは僕のようだ。
 性欲の強い女マジ怖い
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