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2章 8月下旬
018 再び登校
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星矢と月夜を起こして、通常の登校となったのだけど……
あまりに例のない事態この場にいる全員がわりと混乱している。
「あの水里さん、歩きづらいから離してほしいんだけど」
「水里ちゃん……引っ付きすぎ」
「ごめん、月夜ちゃん! ちょっと壁が欲しいだけなの。他意はないから」
壁扱いをしてくるこの女、加賀谷水里さんは僕の右腕を掴み、一番離れた所から星矢を見続ける。
気は起こさないにしろ、顔立ち整った女の子に引っ付かれるのはちょっと照れる。水里さんの亜麻色の髪って綺麗だよな……。
それに機嫌をよくしないのが月夜だ。さっきから僕の制服の左袖をちょこんと指で掴んで引っ張る。
こっちは非常に照れる。困ってるようで、少し機嫌の悪そうな表情、あまり見れない月夜の顔を記憶したい。ってかカワイイ。
「両手に花じゃないかよかったな」
面白そうに言う星矢に腹が立つ。誰のせいだと思っているんだ。
ちょっと動きずらそうに。そしてぎこちなく僕は歩いている。このまま学校到着はしんどいんだが……。
「それで水里……おやじさんの具合はいいのか?」
「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
その言葉を持って星矢は水里さんの横へと移動した。声が聞こえずらかったのか、それとも別の考えなのか。
星矢が逆側に移動したことにより、水里さんの壁は必要なくなる。星矢の奴、気をつかったのか。明日槍でも降るんじゃないか?
水里さんも星矢とゆっくりと話すことでいつもの調子を戻してきたようだ。
話の内容は気になるけど……。
「なんか……話に入りにくい雰囲気ですね」
「あの2人やっぱちょっと変わったよな」
僕と月夜は仲睦まじく会話をする星矢と水里さんに視線を向ける。夏休み前、星矢はもう少しぶっきらぼうだったし、水里さんはもう少し騒がしかった。
会話の特徴として、星矢は僕に対してはよくある言葉の棘がないし、水里さんは僕に対してはぞんざいな扱いなのにそれがない。
アレ、この2人僕の扱い悪くない? 慕ってくれるのは今も左袖を掴んでくれる月夜だけです。
こう見ると美男美女の理想なカップルの見えてくるのだからこちらとしても穏やかに見れてしまう。
「私は……あまり大きな声で言えないですけど、お兄ちゃんと水里ちゃんの関係見ていて好きなんですよね。お互いの無い所を支え合ってる感じがします」
この2人の関係を月夜は支え合いと評しているのか。その2人の目の前で話すべきではない気もするけど面白いよね。
水里さんがこの地区、学校に転校してきて、7か月か……。まだ1年も経ってないのにそう見えてしまうだななて、人の関係は長さではないものだね。
それとも夏が大きく変えてしまうのかな。
「夏は関係をいろいろ変えてしまうのかな」
「そうかもしれませんね」
月夜はくすりと笑みを浮かべる。
そろそろ学校に到着するので僕は言わなければならないことがある……。
「言いにくいんだけど……」
「はい?」
「そろそろ腕を放してもらえると……いいかな」
登校が始まりからずっと僕の制服の左袖は月夜の指に捕まれている。おかげで僕は左腕を動かせず、ちょっと大変だった。
「っ!?」
月夜がばっと指を外し、申し訳なさそうに頬を紅く染め、目線を下げる。
夏は関係を変える。僕と月夜の関係も随分と変わったよな……。
「夏か」
「夏だねぇ」
こっちを見てあらぬ笑いをする星矢、水里さんの視線が無駄に突き刺さった。
あまりに例のない事態この場にいる全員がわりと混乱している。
「あの水里さん、歩きづらいから離してほしいんだけど」
「水里ちゃん……引っ付きすぎ」
「ごめん、月夜ちゃん! ちょっと壁が欲しいだけなの。他意はないから」
壁扱いをしてくるこの女、加賀谷水里さんは僕の右腕を掴み、一番離れた所から星矢を見続ける。
気は起こさないにしろ、顔立ち整った女の子に引っ付かれるのはちょっと照れる。水里さんの亜麻色の髪って綺麗だよな……。
それに機嫌をよくしないのが月夜だ。さっきから僕の制服の左袖をちょこんと指で掴んで引っ張る。
こっちは非常に照れる。困ってるようで、少し機嫌の悪そうな表情、あまり見れない月夜の顔を記憶したい。ってかカワイイ。
「両手に花じゃないかよかったな」
面白そうに言う星矢に腹が立つ。誰のせいだと思っているんだ。
ちょっと動きずらそうに。そしてぎこちなく僕は歩いている。このまま学校到着はしんどいんだが……。
「それで水里……おやじさんの具合はいいのか?」
「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
その言葉を持って星矢は水里さんの横へと移動した。声が聞こえずらかったのか、それとも別の考えなのか。
星矢が逆側に移動したことにより、水里さんの壁は必要なくなる。星矢の奴、気をつかったのか。明日槍でも降るんじゃないか?
水里さんも星矢とゆっくりと話すことでいつもの調子を戻してきたようだ。
話の内容は気になるけど……。
「なんか……話に入りにくい雰囲気ですね」
「あの2人やっぱちょっと変わったよな」
僕と月夜は仲睦まじく会話をする星矢と水里さんに視線を向ける。夏休み前、星矢はもう少しぶっきらぼうだったし、水里さんはもう少し騒がしかった。
会話の特徴として、星矢は僕に対してはよくある言葉の棘がないし、水里さんは僕に対してはぞんざいな扱いなのにそれがない。
アレ、この2人僕の扱い悪くない? 慕ってくれるのは今も左袖を掴んでくれる月夜だけです。
こう見ると美男美女の理想なカップルの見えてくるのだからこちらとしても穏やかに見れてしまう。
「私は……あまり大きな声で言えないですけど、お兄ちゃんと水里ちゃんの関係見ていて好きなんですよね。お互いの無い所を支え合ってる感じがします」
この2人の関係を月夜は支え合いと評しているのか。その2人の目の前で話すべきではない気もするけど面白いよね。
水里さんがこの地区、学校に転校してきて、7か月か……。まだ1年も経ってないのにそう見えてしまうだななて、人の関係は長さではないものだね。
それとも夏が大きく変えてしまうのかな。
「夏は関係をいろいろ変えてしまうのかな」
「そうかもしれませんね」
月夜はくすりと笑みを浮かべる。
そろそろ学校に到着するので僕は言わなければならないことがある……。
「言いにくいんだけど……」
「はい?」
「そろそろ腕を放してもらえると……いいかな」
登校が始まりからずっと僕の制服の左袖は月夜の指に捕まれている。おかげで僕は左腕を動かせず、ちょっと大変だった。
「っ!?」
月夜がばっと指を外し、申し訳なさそうに頬を紅く染め、目線を下げる。
夏は関係を変える。僕と月夜の関係も随分と変わったよな……。
「夏か」
「夏だねぇ」
こっちを見てあらぬ笑いをする星矢、水里さんの視線が無駄に突き刺さった。
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