異世界騎士団の広報しない広報係～ゆるふわゴリラは溺愛に定評があります～

第８章 登場人物紹介

人物紹介 その８

【綾那あやな】
「牛女」「雪だるま」「脳筋」「ゆるふわゴリラ」と、次から次へと蔑称が増え続ける主人公。
　つい最近、颯月の家族に関する問題をある程度解決した――までは良かった。
「解毒デトックス」のせいで一切の薬効を打ち消してしまうにも関わらず風邪をひいてしまったようで、しばらく寝込むだろう事は想像に難くない。

【颯月そうげつ】
　つい最近、綾那のお節介もあって実父と和解した。ただ自分が話しかけただけでこれでもかと取り乱す父親の反応を、面白がっている節がある。
　相変わらず綾那と結婚したい毎日を送っているが、薬の効かない彼女が風邪をひいたため、先行きに不安を感じている。

【竜禅りゅうぜん】
　颯月と主従契約を結んでおり、『共感覚』という特殊な魔法で繋がっている。
　普通の人間にしか見えないが、実は聖獣というリベリアス中の『水』を司る生き物らしい。
　本来の名前は青龍だが、誰から授かったのか今の名前は竜禅である。
　つい最近国王と舌戦を繰り広げて、彼に対し抱いていた長年の誤解に小さな疑念が生まれた。

【陽香ようか】
　四重奏カルテットの頼れるリーダー兼、自由奔放なゆるふわゴリラの飼育員さん。
　繊維祭のファッションショーを見事に成功させた上に、騎士団の広報としても大成功した。
　素性や目的がはっきりしない事から、ここ最近はルシフェリアの事を疑っている。
　広報の責任者であるはずの綾那が全く頼りにならないので、実質的に陽香が旗頭のようなもの。胆が据わっており、イベントや撮影の最中に不測の事態が起きてもあまり動じない。

【右京うきょう】
　子供の振りをしたまま、アイドクレース騎士団の新人として入団。
　書類上は陽香の婚約者――とは言え、童顔・小柄で少女のような彼女と一緒に居ると、まるで自身がロリコンのように思えて複雑だった。
　しかし、繊維祭のファッションショーで陽香のポテンシャルを正しく認識した結果、少女には見えなくなった。しかし、意外と「好みである」と判明して、余計に複雑な思いを抱えるようになった。

【アリス】
　四重奏を奈落の底へ「転移」させた犯行グループの九割が、アリスを獲得する事を目的としていた。
　ここ最近「転移」の男二人と対峙して精神的に疲弊し、更に明臣の『異形』に泣かされて、何かと痛い目に遭っている。
　彼の『異形』について初めは「この私に堕ちずに、そんな事を言うなんてね……フフ、面白い男！」と、まるで少女漫画の俺様ヒーローのような感想を抱いていたものの、その僅か三分後には心がぽっきりと折られたらしい。
　彼のお陰で、異性から悪態を吐かれる事に対する免疫が絶望的にない事が判明した。

【明臣あきおみ】
　北部ルベライト騎士団所属。神がかり的な方向音痴で、領内を巡回する騎士にも関わらず、頻繁に行方不明になる。
　現在、迷子期間の最長記録を更新中。
　素顔のアリスを好ましく思っており、「姫」と呼んで甲斐甲斐しく世話を焼いている。
　天邪鬼の眷属に呪われた悪魔憑きで、『異形』は外見ではなく、中身に影響してしまう。
　魔具を外すと粗暴な性格、そして態度と口が悪くなり、思っている事と真逆の言葉しか喋れなくなる。
　今のところ、彼の本心を正確に通訳できるのは右京一人だけ。

【ルシフェリア】
　リベリアスをつくり出した創造神であり、自称美と慈愛の天使。
　予知に始まり魔法とは違う特殊な力を使うなど、人智を超えた存在。綾那達を煙に巻くような発言が目立ち、目的も本心もイマイチ分からない。

【ヴェゼル】
　リベリアスの悪魔の一柱。
　眷属を増やして人間の脅威になるのが仕事なのだが、すっかり職務放棄気味。ルシフェリアからは「もうダメかも知れない」と評されている。