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第6章 奈落の底に囚われる
31 誤解の申し子
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「――義姉上、迎えに来たぞ」
颯月とよく似た笑顔の王太子に腕を差し出されて、綾那はたっぷりと間を空けてから「…………どうしてですか?」と、思いきり首を傾げた。
◆
時間は、今から数十分ほど遡る。
ショーの準備がある陽香、そしてアリスと別れた綾那は、教会の子供達と一緒に街を回って良いかどうか確認するために、颯月の居る応接室を訪れた。
昨日、国王に強引な召集をかけられたせいで、皆――特に颯月と竜禅は――神経質になっているだろうから、どこへ行って何をするのか、きちんと報告しておいた方が良いと思ったのだ。
応接室の扉をノックして開けば、会議はある程度終わっていたのか、椅子に腰掛けた面々はどこかダレた表情をしていた。まあ、これから丸一日かけて魔物の氾濫の相手をするのだ。
それは、げんなりした表情になっても仕方がないだろう。
綾那の姿を認めた颯月はちょいちょいと手招くと、人前にも関わらず綾那の腰を抱き寄せた。それどころか「座るか?」と言って自身の膝へ誘おうとしたため、応接室の面々はますますダレた表情になる。
綾那は困ったように笑ってやんわり断ると、「既に国王には顔バレしたし問題もなかったので、教会の子供達と街を見て回りたいのですが」と用件を告げた。
「綾那殿、危険だ。昨日は運よく幽閉を免れたのかも知れないが、今後もそうとは限らないだろう。油断は禁物だ」
颯月よりも先に、まだ国王の『誤解』について話せていない竜禅が過剰反応する。綾那はなんと言っていいものやら分からなくなった。
下手に喋れば颯月の二の舞だろうし、だからと言って、他に彼を納得させられるような言葉もない。
「でも、私どこにも閉じ込められていません……」
「だから、運が良かっただけに過ぎない。陛下の執着心を甘く見てはいけない、しばらく宿舎の中で過ごした方が良いだろう。どこに居たって陛下の手が伸びて来るなら、いっそ私達の目の届きやすい所に居てもらう方が良い」
「だ、だけど――」
「綾那殿、聞き分けてくれ。あなたと――颯月様の幸せを守るためだ。陛下に奪われる訳にはいかない」
きっぱりと言い切った竜禅に、何やら綾那は泣きたくなってしまった。しかし、「違う」と言ったところで誰も信じないのだ。
何故なら今の颯瑛には、周囲の信頼がなさすぎる。綾那一人が彼を信用していたって、仕方がないのだから。
(ああ……これは確かに、対話を諦めたくなる気持ちが分かるかも知れない……不貞腐れたくもなるよね)
綾那は僅かに目を伏せると、「この調子では、今後は気軽に外出すらできそうにない」と悟った。それは困るが、しかし我が儘を言って無駄に言い争うのは、綾那の望むところではない。
――ただそうなると、果たして綾那を閉じ込めているのは誰なのだろうか。颯瑛でない事だけは確かである。
綾那は渋々、「分かりました」と言いかけた。しかしそれよりも先に応接室の扉がノックされて、キュッと口を噤む。
一番扉に近い席に座る旭が立ち上がり、扉を開けると――そこには何故か、維月が立っていた。そうして開口一番、綾那に向かって冒頭のセリフを吐いたという訳だ。
「迎え? なんの……?」と頭上に『?』を飛ばしまくる綾那に、維月は続けた。
「昨日陛下と話して、義姉上は了承したのだろう? 「今日も呼んでいいか」という問いかけに」
「え――えぇえっ!? あ、アレって、繊維祭が終わってからのお話じゃないんですか!?」
「うん? 陛下は、「共にショーを見よう」という意味合いで告げたようだが? 母上はショーで不在だから、陛下と俺と――義姉上の席を用意したらしい」
キョトンとする維月に、綾那は唇を戦慄かせた。
そんな事、昨日は一言も言っていなかったではないか。綾那はただ、「明日また呼んでも良いか」としか言われていない。何故そんなぶっ飛んだ解釈になるのか、分かりやすく説明して欲しい。
彼は誤解の申し子なのか。いや、そういえば誤解の申し子だった。
――誰だ。颯瑛は実際に話してみると、意外と分かりやすいなんて言ったのは。
(私だよ……!!)
綾那は途端に眩暈に襲われた気がして、額を押さえて目を閉じた。しかし腰に巻きつく颯月の腕がぎりりと力を増して、鯖折りの気配を感じる。
早くも危険を察知した綾那は、眩暈に襲われている場合ではないと、苦し気な息を漏らしながら身を捩った。
「んっ――そ、颯月さん……そのまま力を入れられると、私『く』の字に折れ曲がりますけれど……っ!」
「………………悪い」
颯月は謝罪したが、しかし腕の力が弱まる事はなかった。そんな二人を見ながら、竜禅が大きなため息を吐き出す。
「――だから言っただろう、あの方の執着心を甘く見るなと。しかも正妃様が不在の時にわざわざ綾那殿を傍に侍らせるなんて、どうかしているとしか思えない……! 他の王族の方々が目にすれば、何を言われるか……我が主の事を掘り返され、下手をすればまた颯月様が悪く言われるかも知れない」
「え……っ、そ、それは、困ります。えっと、殿下、せっかく席を用意してくださったとの事ですが、それってお断りする事はできるのでしょうか……? たぶん、颯月さんにとって都合が悪いと伝えれば、陛下は理解してくださると思いますが――」
「え? ああ……確かに、義兄上の評判が悪くなるのは困る。ただ、父う――陛下が、とても楽し……いや、そうだよな……」
維月は何やら言いづらそうにして、僅かに目を伏せた。彼はどこかしょんぼりと落ち込んでいるように見えて、年相応の姿に庇護欲をそそられる。
何せ維月は、国王の命令を受けて綾那を迎えに来たのだ。その任務が遂行出来ないとなると、やはり不都合があるのだろう。
それに何より、席まで用意してもらっておいて人伝に「お断りします」では、不敬が過ぎる。
そもそも席を用意してくれとは言っていないのだが、それは今、良いだろう。
「あ、じゃあ、あの――せめて直接、お断りに伺います」
「綾ちゃん!? な、なあ、あんまり陛下のところは行かない方が良いんじゃねえかな――颯はそんなだし、禅もピリついてるしよ……」
幸成は「ただでさえ繊維祭で神経過敏になってるとこに、正直キツイ――」と続けて、細く息を吐き出した。
確かに、今現在この応接室の空気は最悪だ。颯月はいまだ綾那を鯖折りせんと腕の力を抜く気配がないし、竜禅はマスクをしていても、不快極まりない様子なのが丸分かりだ。
国王と颯月達とのアレコレなど知る由もない、他領出身の旭は居心地が悪そうだし――右京だって、愛らしい顔に「面倒事に巻き込まれるのは御免だ」とハッキリ書かれている。
「――とは言え、曲がりなりにも陛下の厚意を無下にするのですから……やはり、綾那さんが直接断りを入れるのが筋ではありませんか? 下手に不義理を通して、後々「あの時はよくも」なんて逆恨みされるのも――それを理由に綾那さんを取り上げられるのも、馬鹿らしいですよね」
「和巳、お前……この状況でよくそんな事が言えるな、漢かよ」
「ええ、漢ですとも。まあ幸い殿下もいらっしゃいますから、そう神経質になる必要はないと思いますよ。きっと綾那さんの事を、丁重にエスコートしてくださるでしょう?」
「あ、ああ、もちろんだ。陛下と話した後は、俺が責任をもって義兄上の元まで送り届けます。ですから……少しだけ、義姉上を借りても良いですか?」
維月が窺うように問えば、颯月はグッと眉根を寄せた。彼はなんだかんだで義弟に弱いはずだ、お願いを断るなんてできないだろう。
じっと彼が動くのを待っていると、やがて綾那を拘束する腕の力が弱まった。ほうと安堵の息をついた綾那に、颯月は「耳を貸せ」と告げる。
何か、内密の話があるのだろうか――綾那は手で髪の毛をかき上げて片耳を露にすると、僅かに腰を折って彼に顔を寄せた。
颯月は綾那の後頭部に手を添えると、耳ではなく首筋に唇を寄せる。その意図を察して「あ」と呟いた時には、颯月はもう、綾那の首筋に吸い付いていた。
ちゅうと水っぽいリップ音が鼓膜を震わせて、綾那は体を硬くする。
「――おいバカ、颯! 殿下が居るんだぞ!!」
「いいえ、お、俺の事は気にせず、存分に楽しんでください……!」
「こんなところで存分に楽しまれるのは困ります。颯月様、自重なさってください――あと綾那殿、ちゃんと拒絶して欲しい」
「ひ、ひとつも嫌でない場合は、どうすれば……?」
リップ音はいまだに続いており、付けられた痕が一つや二つではないだろう事がよく分かる。しかし綾那は颯月になされるがまま、身じろぎ一つせずに受け入れた。何故なら拒絶する理由がないからだ。
そんな綾那の背に、竜禅は至極冷静な声色で「嫌とか嫌でないとかそういう話ではなく、人前なのだから弁えなければ」と正論を浴びせた。
「あーあ。もう、見てらんない。僕もう仕事行くからね、ダンチョー」
「ぶ、分隊長、お待ちください! 自分も行きます!」
「僕はもう分隊長じゃないって、何回言わせるんだよ……別に良いけど――」
右京は呆れた声色で告げると、旭を連れてさっさと応接室を後にした。
そうして残された颯月と、そのお世話係達。そして綾那と維月は、それからまだしばらくの間応接室を騒がせたのであった。
颯月とよく似た笑顔の王太子に腕を差し出されて、綾那はたっぷりと間を空けてから「…………どうしてですか?」と、思いきり首を傾げた。
◆
時間は、今から数十分ほど遡る。
ショーの準備がある陽香、そしてアリスと別れた綾那は、教会の子供達と一緒に街を回って良いかどうか確認するために、颯月の居る応接室を訪れた。
昨日、国王に強引な召集をかけられたせいで、皆――特に颯月と竜禅は――神経質になっているだろうから、どこへ行って何をするのか、きちんと報告しておいた方が良いと思ったのだ。
応接室の扉をノックして開けば、会議はある程度終わっていたのか、椅子に腰掛けた面々はどこかダレた表情をしていた。まあ、これから丸一日かけて魔物の氾濫の相手をするのだ。
それは、げんなりした表情になっても仕方がないだろう。
綾那の姿を認めた颯月はちょいちょいと手招くと、人前にも関わらず綾那の腰を抱き寄せた。それどころか「座るか?」と言って自身の膝へ誘おうとしたため、応接室の面々はますますダレた表情になる。
綾那は困ったように笑ってやんわり断ると、「既に国王には顔バレしたし問題もなかったので、教会の子供達と街を見て回りたいのですが」と用件を告げた。
「綾那殿、危険だ。昨日は運よく幽閉を免れたのかも知れないが、今後もそうとは限らないだろう。油断は禁物だ」
颯月よりも先に、まだ国王の『誤解』について話せていない竜禅が過剰反応する。綾那はなんと言っていいものやら分からなくなった。
下手に喋れば颯月の二の舞だろうし、だからと言って、他に彼を納得させられるような言葉もない。
「でも、私どこにも閉じ込められていません……」
「だから、運が良かっただけに過ぎない。陛下の執着心を甘く見てはいけない、しばらく宿舎の中で過ごした方が良いだろう。どこに居たって陛下の手が伸びて来るなら、いっそ私達の目の届きやすい所に居てもらう方が良い」
「だ、だけど――」
「綾那殿、聞き分けてくれ。あなたと――颯月様の幸せを守るためだ。陛下に奪われる訳にはいかない」
きっぱりと言い切った竜禅に、何やら綾那は泣きたくなってしまった。しかし、「違う」と言ったところで誰も信じないのだ。
何故なら今の颯瑛には、周囲の信頼がなさすぎる。綾那一人が彼を信用していたって、仕方がないのだから。
(ああ……これは確かに、対話を諦めたくなる気持ちが分かるかも知れない……不貞腐れたくもなるよね)
綾那は僅かに目を伏せると、「この調子では、今後は気軽に外出すらできそうにない」と悟った。それは困るが、しかし我が儘を言って無駄に言い争うのは、綾那の望むところではない。
――ただそうなると、果たして綾那を閉じ込めているのは誰なのだろうか。颯瑛でない事だけは確かである。
綾那は渋々、「分かりました」と言いかけた。しかしそれよりも先に応接室の扉がノックされて、キュッと口を噤む。
一番扉に近い席に座る旭が立ち上がり、扉を開けると――そこには何故か、維月が立っていた。そうして開口一番、綾那に向かって冒頭のセリフを吐いたという訳だ。
「迎え? なんの……?」と頭上に『?』を飛ばしまくる綾那に、維月は続けた。
「昨日陛下と話して、義姉上は了承したのだろう? 「今日も呼んでいいか」という問いかけに」
「え――えぇえっ!? あ、アレって、繊維祭が終わってからのお話じゃないんですか!?」
「うん? 陛下は、「共にショーを見よう」という意味合いで告げたようだが? 母上はショーで不在だから、陛下と俺と――義姉上の席を用意したらしい」
キョトンとする維月に、綾那は唇を戦慄かせた。
そんな事、昨日は一言も言っていなかったではないか。綾那はただ、「明日また呼んでも良いか」としか言われていない。何故そんなぶっ飛んだ解釈になるのか、分かりやすく説明して欲しい。
彼は誤解の申し子なのか。いや、そういえば誤解の申し子だった。
――誰だ。颯瑛は実際に話してみると、意外と分かりやすいなんて言ったのは。
(私だよ……!!)
綾那は途端に眩暈に襲われた気がして、額を押さえて目を閉じた。しかし腰に巻きつく颯月の腕がぎりりと力を増して、鯖折りの気配を感じる。
早くも危険を察知した綾那は、眩暈に襲われている場合ではないと、苦し気な息を漏らしながら身を捩った。
「んっ――そ、颯月さん……そのまま力を入れられると、私『く』の字に折れ曲がりますけれど……っ!」
「………………悪い」
颯月は謝罪したが、しかし腕の力が弱まる事はなかった。そんな二人を見ながら、竜禅が大きなため息を吐き出す。
「――だから言っただろう、あの方の執着心を甘く見るなと。しかも正妃様が不在の時にわざわざ綾那殿を傍に侍らせるなんて、どうかしているとしか思えない……! 他の王族の方々が目にすれば、何を言われるか……我が主の事を掘り返され、下手をすればまた颯月様が悪く言われるかも知れない」
「え……っ、そ、それは、困ります。えっと、殿下、せっかく席を用意してくださったとの事ですが、それってお断りする事はできるのでしょうか……? たぶん、颯月さんにとって都合が悪いと伝えれば、陛下は理解してくださると思いますが――」
「え? ああ……確かに、義兄上の評判が悪くなるのは困る。ただ、父う――陛下が、とても楽し……いや、そうだよな……」
維月は何やら言いづらそうにして、僅かに目を伏せた。彼はどこかしょんぼりと落ち込んでいるように見えて、年相応の姿に庇護欲をそそられる。
何せ維月は、国王の命令を受けて綾那を迎えに来たのだ。その任務が遂行出来ないとなると、やはり不都合があるのだろう。
それに何より、席まで用意してもらっておいて人伝に「お断りします」では、不敬が過ぎる。
そもそも席を用意してくれとは言っていないのだが、それは今、良いだろう。
「あ、じゃあ、あの――せめて直接、お断りに伺います」
「綾ちゃん!? な、なあ、あんまり陛下のところは行かない方が良いんじゃねえかな――颯はそんなだし、禅もピリついてるしよ……」
幸成は「ただでさえ繊維祭で神経過敏になってるとこに、正直キツイ――」と続けて、細く息を吐き出した。
確かに、今現在この応接室の空気は最悪だ。颯月はいまだ綾那を鯖折りせんと腕の力を抜く気配がないし、竜禅はマスクをしていても、不快極まりない様子なのが丸分かりだ。
国王と颯月達とのアレコレなど知る由もない、他領出身の旭は居心地が悪そうだし――右京だって、愛らしい顔に「面倒事に巻き込まれるのは御免だ」とハッキリ書かれている。
「――とは言え、曲がりなりにも陛下の厚意を無下にするのですから……やはり、綾那さんが直接断りを入れるのが筋ではありませんか? 下手に不義理を通して、後々「あの時はよくも」なんて逆恨みされるのも――それを理由に綾那さんを取り上げられるのも、馬鹿らしいですよね」
「和巳、お前……この状況でよくそんな事が言えるな、漢かよ」
「ええ、漢ですとも。まあ幸い殿下もいらっしゃいますから、そう神経質になる必要はないと思いますよ。きっと綾那さんの事を、丁重にエスコートしてくださるでしょう?」
「あ、ああ、もちろんだ。陛下と話した後は、俺が責任をもって義兄上の元まで送り届けます。ですから……少しだけ、義姉上を借りても良いですか?」
維月が窺うように問えば、颯月はグッと眉根を寄せた。彼はなんだかんだで義弟に弱いはずだ、お願いを断るなんてできないだろう。
じっと彼が動くのを待っていると、やがて綾那を拘束する腕の力が弱まった。ほうと安堵の息をついた綾那に、颯月は「耳を貸せ」と告げる。
何か、内密の話があるのだろうか――綾那は手で髪の毛をかき上げて片耳を露にすると、僅かに腰を折って彼に顔を寄せた。
颯月は綾那の後頭部に手を添えると、耳ではなく首筋に唇を寄せる。その意図を察して「あ」と呟いた時には、颯月はもう、綾那の首筋に吸い付いていた。
ちゅうと水っぽいリップ音が鼓膜を震わせて、綾那は体を硬くする。
「――おいバカ、颯! 殿下が居るんだぞ!!」
「いいえ、お、俺の事は気にせず、存分に楽しんでください……!」
「こんなところで存分に楽しまれるのは困ります。颯月様、自重なさってください――あと綾那殿、ちゃんと拒絶して欲しい」
「ひ、ひとつも嫌でない場合は、どうすれば……?」
リップ音はいまだに続いており、付けられた痕が一つや二つではないだろう事がよく分かる。しかし綾那は颯月になされるがまま、身じろぎ一つせずに受け入れた。何故なら拒絶する理由がないからだ。
そんな綾那の背に、竜禅は至極冷静な声色で「嫌とか嫌でないとかそういう話ではなく、人前なのだから弁えなければ」と正論を浴びせた。
「あーあ。もう、見てらんない。僕もう仕事行くからね、ダンチョー」
「ぶ、分隊長、お待ちください! 自分も行きます!」
「僕はもう分隊長じゃないって、何回言わせるんだよ……別に良いけど――」
右京は呆れた声色で告げると、旭を連れてさっさと応接室を後にした。
そうして残された颯月と、そのお世話係達。そして綾那と維月は、それからまだしばらくの間応接室を騒がせたのであった。
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