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第4章 奈落の底で祭りを楽しむ
30 狼煙
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合成魔法の打ち上げまで、あと僅か。祭りのメイン会場と言っても過言ではない噴水広場は多くの領民で賑わい、一度でもあの人の海に飛び込めば最後、瞬く間に身動きが取れなくなるだろう。
道に目いっぱい立ち並んでいた出店は、十九時前だというのに早くも畳まれたらしい。店番をしていた商人も、観客としてこぞって広場へ集まっている。どうせなら魔法の打ち上げが終わった後も店を構えて、家なり宿なりへ帰る客相手に最後まで商売をすれば良いのに――と思うが、王都ならではの決まり事でもあるのだろうか。
それか、ただ単に「祭りの合成魔法は、何があっても絶対に見る!」という伝統、しきたりがあるのかも知れない。
そうして領民が一所に集まれば、朝から休みなく奔走し続けていた騎士にも、ようやく一息つく余裕が生まれる。多くの人が集中する事によって、スリや小競り合いなども起きやすくなるだろうが、しかし騎士は今まで街の至る所で――しかも限られた人数で――あらゆるトラブルの対処をしていたのだ。それを考えれば、軽いものだろう。
何せ、トラブルが起きる場所はこの噴水広場一択で、既に騎士のほとんどがこの場所へ集まっている。人に揉まれて満足に動けないというデメリットはあるにしても、これだけの騎士と領民の目まで揃えば、犯人も逃げ切れないだろう。
まず、昼間は陽香に「まるで魔物のようだ」と評されていた領民達も、今では打って変わって大人しくなっている。この場には王族が集まっていて、彼ら――特に国王の前で下手な事をすれば、最悪この場で処罰される恐れもあるのだ。それは、大人しくならざるを得ないだろう。
「はあ~また、一段と人が増えたな、しかし!」
ひしめく人の姿を見た陽香が、感心するように嘆息した。
空に浮かぶ魔法の光源は明度を落として、すっかり暗がりになった。しかし、これだけ街灯が煌々と照っていれば、視界が悪くなるような事はない。「まるでアイドルのコンサート会場じゃん」と呟いた陽香に、綾那は頷いた。
入りきらなかった観客は噴水広場から溢れて、街の通路まで流れている。恐らく、二万人には満たないであろう民衆を見渡していると、不意にグイッと髪の毛を引かれて、綾那は眉を顰めた。
引かれた先――下を見やれば、自分そっくりの幼女が「ねえ」と呼び掛けている。
「シアさん、髪を引っ張るのは痛いからやめてください……」
「ああ、ごめんごめん。この短い腕でも届く位置にあるから、引きやすくて。それで、あのさ――もし君達の力だけではどうにもならなくて、収拾がつきそうになかったら……その時は一旦、僕が君達のギフトを全部預かっても良い?」
「ギフトを、全部?」
「……そんなもん、預かってどうするんだよ」
陽香が問いかければ、ルシフェリアは得意げに胸を反らした。
「僕がどうして『顕現』できるほどの力を取り戻せたと思う? 南ではしゃいでた余所者のギフト――つまり、「表」のカミサマから分け与えられた力を少しずつ貰い受けて、僕のモノにしたからさ」
「それは聞いたけど、一旦預かるって……何のためにだよ」
「ほら、いざと言う時は僕が君達を助けなきゃならないだろう? 僕はこの世界には干渉できないけれど、でも余所者の君達に関与するのは別だからね。今僕が持ってるものを全部消費しちゃって、どうしても力が足りなくなった時――もしもの話だよ」
「な、なるほど……?」
「いや、ギフトを吸収してシアの力に変えて消費するって――ソレ、さっきあたしから「軽業師」を預かって、すぐに返した時とは全く状況が違うだろ。ちゃんと返せるんだろうな」
首を傾げつついとも簡単に納得しかけた綾那と違い、目を細めて疑いの表情を浮かべている陽香。ルシフェリアは笑顔で「君って一見すると考え無しだけど、実は慎重派だよね! しかも鋭い! 賢いねえ、しっかりしてて偉いねえ」と、褒めているのか貶しているのか微妙なラインの言葉を口にした。
陽香はますます目を細めたが、しかし怒鳴るような事はせず「茶化さずに、ちゃんと説明してくれよ」と理性的な対応をする。
「正直に言うけれど、僕が力を消費した後――しばらくの間は、返せない」
「オイ、だからそれだと困るって」
「でも、一生返せない訳じゃあない。誰かが眷属を沢山討伐してくれれば、僕はまた天使の力を取り戻せる。取り戻した力を元に君達のギフトを復元すれば、簡単に返せるって訳さ」
「ええと……じゃあ、ちょっとの間くらい預けても、平気って事です……?」
「――平気なもんかよ、ちょっとは考えろアーニャ! ギフト全部なくした状態で眷属の討伐なんて、一体どうやるんだよ? 「怪力」がなけりゃあ「表」の魔獣すら倒せねえだろ。頼みの銃だって、「千里眼」がなかったら……てか、そもそもリベリアスに銃弾が存在しない時点で、あたしは詰んでるんだからな?」
陽香の至極真っ当なツッコミに、綾那は気まずくなって「ごめんなさい」と項垂れた。確かに綾那は、ルシフェリアが話す説明について深く考えていない。考える事なく、あまりにも呆気なく流されようとしている。
争い事を嫌い、人に言われるがまま素直に動きがちの綾那。恐らく、考え無しとか人を疑わない性格とかそれ以前の問題で、単に人と折衝する能力が一切ないのだ。
四重奏として活動し始めてからも、企業との交渉、駆け引きなどは全て陽香や渚に任せっきりだった。そのお陰で、弱点を克服するキッカケが得られなかった事も影響しているだろう。
「そう不安がらなくたって、力が戻ったらすぐに返すよぉ。それはもう、倍にして返す勢いでね!」
「……そういう調子のいい事を言うヤツって、大抵ろくでもないよな。あたしも颯様から服代借りた時、似たような事を言ったような気がするけどさ」
陽香は眉根を寄せてぼやいた。そして、そのまま熟考するように黙り込んだ彼女を、綾那は不安な気持ちで見つめた。
考え無しに流されるのはよくない――と反省してみたところで、今この瞬間に意識が変わる訳ではない。とにかく難しい事は陽香に任せて、綾那はただ、リーダーが下す決定通りに行動するまでだ。
やや間を空けてから顔を上げた陽香は、やはり素直に頷きがたいのか、胡乱な目をしていた。
「――もしもの時、だよな? つまりソレは最終手段であって、あたしらだけでなんとかできるなら、ギフトを預ける必要はない……だよな」
「そうだよ。僕だって、できる事なら使いたくない手だ。何せ君、「軽業師」を奪われただけで生まれたての仔馬みたいになるんだもの。あの姿はすごく不安を煽るね」
「仔馬は余計だ! ――とにかく、分かった。シアの事は奥の手として残しておこうぜ。アーニャも、良いな? 「解毒」も一時的に使えなくなる訳だから、正直ヤバヤバのヤバだけど……ま、あたしには右京が居るからな! ヤツがモフらせてくれりゃあ、動物触るのはいくらでも我慢できる」
「うーん……右京さんの迷惑そうなお顔が、すごく鮮明に浮かぶような」
苦笑する綾那に、陽香は「迷惑なもんか! ヤツの毛並みの手入れは、あたしがしてやってるんだぞ! 絶対に喜んでる、そもそも右京ツンデレだし!」となんの根拠もない反論をした。
ひとまず綾那と陽香の同意を取り付ける事に成功したルシフェリアは、どこか満足そうに頷いている。一時的とはいえ、今まで当然のようにあったギフトが使用できなくなるというのは、陽香の言う通りヤバヤバのヤバである事に違いない。
しかし、少々考え方を変えれば、悪い事ばかりでもないだろう。生まれたての仔馬にはなるかも知れないが、「軽業師」が消えれば、陽香が痩せ続ける問題は一時的に解消される。綾那の「解毒」が消えれば、念願のアルコール――酒精に酔うという、またとない経験ができるだろう。
しかも、「怪力」が消えている間――期間限定にはなるが――綾那は『ゴリラ』を卒業するのである。颯月達に実力を認めてもらうのに一役買ったありがたい「怪力」ではあるが、綾那とて、好きでゴリラに生まれた訳ではないのだ。
これはこれで面白い。少なくとも、「表」でひとつもギフトをもたない生命体は存在しないと言われている。もちろん一生ギフトなしで過ごせと言われるのは困るが、一時的にそんな存在になれるなど、貴重な体験ができて楽しそうではないか。
それこそ、犯罪者になって牢にぶち込まれて、ギフトの抑制具を付けられでもしない限り味わえないものだ。
(『生まれたての仔馬』はしっかりスマホに収めておいて、あとで渚とアリスにも見せてあげよう!)
――なんて、こんな能天気な思考回路をしているから、綾那は陽香に「もっと考えろ」と注意されてしまうのだろう。そうして完全に逸れてしまった綾那の意識を引き戻すように、ルシフェリアはぱちん! と紅葉のような手で拍手を打った。
「――さて! ここらでひとつ、君達の知恵を拝借しようか」
「知恵? なんだよ急に」
「テストだよ。ここには今、とても多くの人間が集まっているよね。時間帯は夜で、魔法の街灯があるとは言え、街の外は当然のように暗い。魔法というのは本当に便利だ、科学が発展していないこの世界では、生活の基盤を支える――限りなく重要な、人が生きる上で必要不可欠な根幹だね」
「……そうですね?」
「それを突然、全部使えなくしたらどうなるかな? 例えば今日、僕が、この場所で」
「へ?」
突然始まったルシフェリアの『テスト』。綾那と陽香は顔を見合わせたのち、それぞれ噴水広場へ視線を巡らせた。
街を照らす街灯や、家々から漏れ出る灯り。次から次へ際限なく湧き出てくる噴水。どこかで芸人が音楽を奏でているのか、聴こえてくる楽器の音色――櫓で過ごす王族をぐるりと囲んで守る、バリアーのような半透明な膜。
それら全てがなんの予兆もなくかき消えたとしたら、恐らく、ここに集まった民衆はパニックを起こすだろう。
魔法の灯りが消えれば、この場所に降り注ぐのは上空高くに浮かぶ、月代わりの光源のみ――いや。もし空の光源すらも消えるとすれば、この世界は真っ暗闇に閉ざされてしまう。
視界を閉ざされて音だけが頼りの暗闇の中、いきなり噴水が止まれば、水音もぴたりと止まって不気味だろう。それは、魔力で動かす楽器についても同様だ。
何も見えないからこそ、櫓のバリアーが消えた事に気付いて慌てふためくような者は居ないだろうが――しかし王族の守りが消えた所へ、パニックを起こした民衆が押し寄せればどうなるか。
混乱に陥った彼らを落ち着かせようにも、取り締まるべき立場に居る騎士もまた、一切の魔法を使えないのだ。ここに居る誰もが為す術なく、ただ闇の中をあてもなく彷徨った結果――もしも人の雪崩が起きて、あの即席の櫓が引き倒されるような事になれば。
上に居る王族はもちろんの事、下の領民や近衛も、タダでは済まないだろう。綾那と陽香は黙って考え込んでいたが、ルシフェリアはそんな二人の胸中を読んだらしい。うんうんと独り頷いたかと思えば、一言も発さない二人に向かって「そうだよね」と相槌を打った。
「きっと、大変な事になるよね。もしもそうなったら、君達はどうやって彼らを落ち着かせる? パニックを起こしてケガでもしたら可哀相だよ、よく考えて」
そもそもテスト内容の仮定がルシフェリアが魔法を封じたら――の時点で、可哀相なんて感想を抱く資格はない気がする。どう落ち着かせるのかという問いかけに、綾那は困り顔になった。それは陽香も同じだ。
「どうって……どうも、できなくねえか? 何せこの人数だろ? それも、いきなり真っ暗になって――それって、この辺りだけの話? それともこの世界全体の話なのか?」
「うーん、そうだねえ。じゃあ、この街限定――いや、この広場の周り限定の話にしようか。それも一時的な話で、じきに状況は回復するよ。何か手はあるかな?」
「って事は、ここら一帯だけが魔法を使えないゾーンで……他の場所は、問題ない訳だな。真っ暗闇じゃなくて、少なくとも月明かり程度の光は届く訳だ。広場から離れれば皆魔法が使えるし、そもそも時間が経てば解決する話だと」
「じゃあ、ここの灯りが消えて魔法が使えなくなっても、「ひとまず問題ないから、慌てずに落ち着いて待機してください」って伝えないとダメですね。暗がりで人の不安そうなざわめき声だけ聞いていると、吊られてパニックになるというか――」
「でも、「すぐ直るから落ち着いて待てよ」ってアナウンスも、魔法がないとできないよな。近場に居るヤツに声掛けして、伝言ゲームするってか? 全員に話が行き渡るまでに時間がかかり過ぎるし、そもそも直る直らないの話以前に、「なんでこんな事が起きたのか説明しろ」って、余計パニックになりかねないよな」
「んー……それじゃあ、いっそハプニングを楽しむとか?」
「は? 楽しむ?」
「せっかくのお祭りなんだし、いっそ「そういうイベントで~す!」って事にして盛り上げられたら良いのにね? 「今だけ魔法の灯りを禁じて、月明かりを愛でましょう」なんてイベントだと、流石に弱いけど――でもそういうイベントに仕立て上げちゃえば、皆が不安でパニックになる事もないんじゃないかな。何はともあれ、訳もなくいきなり停電ってビックリするから……せめて、理由が欲しいかなあ」
綾那のフワフワな意見に、陽香は思い切り怪訝な顔をした。その表情には、はっきりと「何バカ言ってんだ? コイツ」と書かれている。しかし、やや間を空けてからハッと何事かに気付くと、陽香は「ソレだ!」と手を打った。
「悪魔憑キッズーマさんの花火だ!」
「悪魔憑キッズーマさん」
「確か、合成魔法の打ち上げをする場所はここじゃねえんだよ。実行委員の天幕近くから、噴水広場の上空へ向けて打つはずだ。ここからは割と離れてるから、たぶんキッズ達は問題なく魔法を使えるはずだろ?」
「花火……そっか。確かに、花火を見るのにここの街の灯りは明るすぎて邪魔だなって思ってた。あえて街を暗くした上で、しばらく――皆が魔法を使えるようになるまでの間は、空に打ち上がる合成魔法を見て楽しんでねって事にすれば……」
「驚きはするだろうけど、少なくともパニックにはならんだろ! なんなら予言チートっぽいけど、停電前にアナウンスしとくのもアリ。「この後暗くなるけど、合成魔法を楽しむためだぞ」って! まあ、「マジで勝手な事すんな」って、あとで実行委員が死ぬほどキレ散らかしそうだけどな!」
陽香は快活に笑う。
そもそも、決まったプログラム通りの伝統的な合成魔法以外に、子供達が個人的な花火を打ち上げる話すら通していないのだから――それは当然、怒るだろう。
元々は、祭りの最後どさくさに紛れて打ち上げるという話だったが、トラブルを収めるための策として合成魔法の前座に使うのもアリだろう。それに何よりも、やはり花火は暗がりで見るに限る。
どうせなら子供達だけではなく、合成魔法の打ち上げチーム全員が協力してくれれば、勝手にプログラム外の花火を打ち上げる彼らが浮く事もないのに――とは思うが、陽香の『体感』曰く、「お役所仕事っぽいから、決まり事ムシするなんて無理無理のムリだろ」との事。
陽香はルシフェリアを見やると、「これなら、少なくともケガ人は出ないんじゃねえの?」と言って胸を張った。黙って二人の話を聞いていたルシフェリアは、「ふぅん」と小さく呟いた。
「悪くないと思うよ。だけど、どうやって離れた場所に居る子供達に、その花火とやらを打ち上げさせるの?」
「――あ。ケータイ、ないんだもんなぁ……じゃあ、「噴水広場の方が真っ暗になったら、問答無用で花火を打ち上げてくれ」って先に伝えとく。灯りが復旧するまでは頑張って続けてくれって――これもチートか?」
「なるほどねえ、良いじゃない。それじゃあ、早速伝えに行こうか」
「……は?」
「伝えに? ――え、シアさん、まさか本気で魔法を封じるおつもりですか? 一体、何のために……?」
目を丸める陽香、そして首を傾げる綾那に、ルシフェリアは笑みを深めた。しかし笑うだけでその先を話そうとしないため、早々に「これは粘っても、答えてくれないだろうな」と諦める。
何が何やら分からないものの、とりあえずルシフェリアの言う事には従うと決めたのだ。天幕へ向かって歩き出せば、噴水広場をぐるりと囲むように立っている騎士とすれ違いざまに、彼らの会話が耳に入る。
「――街の外に、魔物が押し寄せている? 応援は必要か?」
「いや、今のところは団長達が外で対処してくれているから問題ない。俺達はこのまま、街の警備を続けるようにとの事だ」
「さすがだな……あの方々が相手じゃあ、俺は魔物の方に同情するよ」
「ああ、そうだな――俺も和巳参謀に「風縛」されたい」
「お、お前まさか、広報の動画を見て扉を開いたクチか……!?」
「何が扉だ! 俺は信じてるぞ! 和巳参謀は、騎士になるために男装している麗人であると……!」
「バカ、目を覚ませ! いつかお前にも、きっといい出会いがあるから……! 早まるんじゃない!」
危うげな内容だけは綺麗に聞き流して、綾那は歩きながら「魔物」と呟いた。
(颯月さん達が、街の外で戦っているって事……?)
騎士の会話から察するに、応援不要というくらいだから余裕もあるのだろうが――突然魔物が押し寄せてくるなど、そんな事は今までになかった。本当に大丈夫なのかと颯月の身を案じていると、陽香がルシフェリアに向かって「なあ」と声を掛けた。
しかし、彼女がその先を口にする前に、ルシフェリアは「僕が何かやった訳じゃあないからね」と言って、すげなく突っぱねる。
「とにかく――そうだね、急いだ方がいい。君、「軽業師」を使って子供達のところまで早駆けしてきたら? 集合場所は……人が少ない場所が分かりやすくて良いよね、そこの路地裏だ」
「早駆けしてきたら? って――なんか拒否権、なさそうだな」
気付けばすっかり笑みを消している幼女に、陽香はため息をついた。
彼女は「じゃあ、ちょっと走って来るわ」と言って、綾那とルシフェリアを残し瞬く間に街を駆け抜けて行く。あっという間に小さくなった背中を見ながら、綾那はふと先ほどの騎士達の会話を思い出すと、「そういえば女性の戦闘行為禁止の法律があるのに、私と陽香、大丈夫なのかな? それも今日、街に王様が居るのに――」と、新たな不安を抱いたのであった。
道に目いっぱい立ち並んでいた出店は、十九時前だというのに早くも畳まれたらしい。店番をしていた商人も、観客としてこぞって広場へ集まっている。どうせなら魔法の打ち上げが終わった後も店を構えて、家なり宿なりへ帰る客相手に最後まで商売をすれば良いのに――と思うが、王都ならではの決まり事でもあるのだろうか。
それか、ただ単に「祭りの合成魔法は、何があっても絶対に見る!」という伝統、しきたりがあるのかも知れない。
そうして領民が一所に集まれば、朝から休みなく奔走し続けていた騎士にも、ようやく一息つく余裕が生まれる。多くの人が集中する事によって、スリや小競り合いなども起きやすくなるだろうが、しかし騎士は今まで街の至る所で――しかも限られた人数で――あらゆるトラブルの対処をしていたのだ。それを考えれば、軽いものだろう。
何せ、トラブルが起きる場所はこの噴水広場一択で、既に騎士のほとんどがこの場所へ集まっている。人に揉まれて満足に動けないというデメリットはあるにしても、これだけの騎士と領民の目まで揃えば、犯人も逃げ切れないだろう。
まず、昼間は陽香に「まるで魔物のようだ」と評されていた領民達も、今では打って変わって大人しくなっている。この場には王族が集まっていて、彼ら――特に国王の前で下手な事をすれば、最悪この場で処罰される恐れもあるのだ。それは、大人しくならざるを得ないだろう。
「はあ~また、一段と人が増えたな、しかし!」
ひしめく人の姿を見た陽香が、感心するように嘆息した。
空に浮かぶ魔法の光源は明度を落として、すっかり暗がりになった。しかし、これだけ街灯が煌々と照っていれば、視界が悪くなるような事はない。「まるでアイドルのコンサート会場じゃん」と呟いた陽香に、綾那は頷いた。
入りきらなかった観客は噴水広場から溢れて、街の通路まで流れている。恐らく、二万人には満たないであろう民衆を見渡していると、不意にグイッと髪の毛を引かれて、綾那は眉を顰めた。
引かれた先――下を見やれば、自分そっくりの幼女が「ねえ」と呼び掛けている。
「シアさん、髪を引っ張るのは痛いからやめてください……」
「ああ、ごめんごめん。この短い腕でも届く位置にあるから、引きやすくて。それで、あのさ――もし君達の力だけではどうにもならなくて、収拾がつきそうになかったら……その時は一旦、僕が君達のギフトを全部預かっても良い?」
「ギフトを、全部?」
「……そんなもん、預かってどうするんだよ」
陽香が問いかければ、ルシフェリアは得意げに胸を反らした。
「僕がどうして『顕現』できるほどの力を取り戻せたと思う? 南ではしゃいでた余所者のギフト――つまり、「表」のカミサマから分け与えられた力を少しずつ貰い受けて、僕のモノにしたからさ」
「それは聞いたけど、一旦預かるって……何のためにだよ」
「ほら、いざと言う時は僕が君達を助けなきゃならないだろう? 僕はこの世界には干渉できないけれど、でも余所者の君達に関与するのは別だからね。今僕が持ってるものを全部消費しちゃって、どうしても力が足りなくなった時――もしもの話だよ」
「な、なるほど……?」
「いや、ギフトを吸収してシアの力に変えて消費するって――ソレ、さっきあたしから「軽業師」を預かって、すぐに返した時とは全く状況が違うだろ。ちゃんと返せるんだろうな」
首を傾げつついとも簡単に納得しかけた綾那と違い、目を細めて疑いの表情を浮かべている陽香。ルシフェリアは笑顔で「君って一見すると考え無しだけど、実は慎重派だよね! しかも鋭い! 賢いねえ、しっかりしてて偉いねえ」と、褒めているのか貶しているのか微妙なラインの言葉を口にした。
陽香はますます目を細めたが、しかし怒鳴るような事はせず「茶化さずに、ちゃんと説明してくれよ」と理性的な対応をする。
「正直に言うけれど、僕が力を消費した後――しばらくの間は、返せない」
「オイ、だからそれだと困るって」
「でも、一生返せない訳じゃあない。誰かが眷属を沢山討伐してくれれば、僕はまた天使の力を取り戻せる。取り戻した力を元に君達のギフトを復元すれば、簡単に返せるって訳さ」
「ええと……じゃあ、ちょっとの間くらい預けても、平気って事です……?」
「――平気なもんかよ、ちょっとは考えろアーニャ! ギフト全部なくした状態で眷属の討伐なんて、一体どうやるんだよ? 「怪力」がなけりゃあ「表」の魔獣すら倒せねえだろ。頼みの銃だって、「千里眼」がなかったら……てか、そもそもリベリアスに銃弾が存在しない時点で、あたしは詰んでるんだからな?」
陽香の至極真っ当なツッコミに、綾那は気まずくなって「ごめんなさい」と項垂れた。確かに綾那は、ルシフェリアが話す説明について深く考えていない。考える事なく、あまりにも呆気なく流されようとしている。
争い事を嫌い、人に言われるがまま素直に動きがちの綾那。恐らく、考え無しとか人を疑わない性格とかそれ以前の問題で、単に人と折衝する能力が一切ないのだ。
四重奏として活動し始めてからも、企業との交渉、駆け引きなどは全て陽香や渚に任せっきりだった。そのお陰で、弱点を克服するキッカケが得られなかった事も影響しているだろう。
「そう不安がらなくたって、力が戻ったらすぐに返すよぉ。それはもう、倍にして返す勢いでね!」
「……そういう調子のいい事を言うヤツって、大抵ろくでもないよな。あたしも颯様から服代借りた時、似たような事を言ったような気がするけどさ」
陽香は眉根を寄せてぼやいた。そして、そのまま熟考するように黙り込んだ彼女を、綾那は不安な気持ちで見つめた。
考え無しに流されるのはよくない――と反省してみたところで、今この瞬間に意識が変わる訳ではない。とにかく難しい事は陽香に任せて、綾那はただ、リーダーが下す決定通りに行動するまでだ。
やや間を空けてから顔を上げた陽香は、やはり素直に頷きがたいのか、胡乱な目をしていた。
「――もしもの時、だよな? つまりソレは最終手段であって、あたしらだけでなんとかできるなら、ギフトを預ける必要はない……だよな」
「そうだよ。僕だって、できる事なら使いたくない手だ。何せ君、「軽業師」を奪われただけで生まれたての仔馬みたいになるんだもの。あの姿はすごく不安を煽るね」
「仔馬は余計だ! ――とにかく、分かった。シアの事は奥の手として残しておこうぜ。アーニャも、良いな? 「解毒」も一時的に使えなくなる訳だから、正直ヤバヤバのヤバだけど……ま、あたしには右京が居るからな! ヤツがモフらせてくれりゃあ、動物触るのはいくらでも我慢できる」
「うーん……右京さんの迷惑そうなお顔が、すごく鮮明に浮かぶような」
苦笑する綾那に、陽香は「迷惑なもんか! ヤツの毛並みの手入れは、あたしがしてやってるんだぞ! 絶対に喜んでる、そもそも右京ツンデレだし!」となんの根拠もない反論をした。
ひとまず綾那と陽香の同意を取り付ける事に成功したルシフェリアは、どこか満足そうに頷いている。一時的とはいえ、今まで当然のようにあったギフトが使用できなくなるというのは、陽香の言う通りヤバヤバのヤバである事に違いない。
しかし、少々考え方を変えれば、悪い事ばかりでもないだろう。生まれたての仔馬にはなるかも知れないが、「軽業師」が消えれば、陽香が痩せ続ける問題は一時的に解消される。綾那の「解毒」が消えれば、念願のアルコール――酒精に酔うという、またとない経験ができるだろう。
しかも、「怪力」が消えている間――期間限定にはなるが――綾那は『ゴリラ』を卒業するのである。颯月達に実力を認めてもらうのに一役買ったありがたい「怪力」ではあるが、綾那とて、好きでゴリラに生まれた訳ではないのだ。
これはこれで面白い。少なくとも、「表」でひとつもギフトをもたない生命体は存在しないと言われている。もちろん一生ギフトなしで過ごせと言われるのは困るが、一時的にそんな存在になれるなど、貴重な体験ができて楽しそうではないか。
それこそ、犯罪者になって牢にぶち込まれて、ギフトの抑制具を付けられでもしない限り味わえないものだ。
(『生まれたての仔馬』はしっかりスマホに収めておいて、あとで渚とアリスにも見せてあげよう!)
――なんて、こんな能天気な思考回路をしているから、綾那は陽香に「もっと考えろ」と注意されてしまうのだろう。そうして完全に逸れてしまった綾那の意識を引き戻すように、ルシフェリアはぱちん! と紅葉のような手で拍手を打った。
「――さて! ここらでひとつ、君達の知恵を拝借しようか」
「知恵? なんだよ急に」
「テストだよ。ここには今、とても多くの人間が集まっているよね。時間帯は夜で、魔法の街灯があるとは言え、街の外は当然のように暗い。魔法というのは本当に便利だ、科学が発展していないこの世界では、生活の基盤を支える――限りなく重要な、人が生きる上で必要不可欠な根幹だね」
「……そうですね?」
「それを突然、全部使えなくしたらどうなるかな? 例えば今日、僕が、この場所で」
「へ?」
突然始まったルシフェリアの『テスト』。綾那と陽香は顔を見合わせたのち、それぞれ噴水広場へ視線を巡らせた。
街を照らす街灯や、家々から漏れ出る灯り。次から次へ際限なく湧き出てくる噴水。どこかで芸人が音楽を奏でているのか、聴こえてくる楽器の音色――櫓で過ごす王族をぐるりと囲んで守る、バリアーのような半透明な膜。
それら全てがなんの予兆もなくかき消えたとしたら、恐らく、ここに集まった民衆はパニックを起こすだろう。
魔法の灯りが消えれば、この場所に降り注ぐのは上空高くに浮かぶ、月代わりの光源のみ――いや。もし空の光源すらも消えるとすれば、この世界は真っ暗闇に閉ざされてしまう。
視界を閉ざされて音だけが頼りの暗闇の中、いきなり噴水が止まれば、水音もぴたりと止まって不気味だろう。それは、魔力で動かす楽器についても同様だ。
何も見えないからこそ、櫓のバリアーが消えた事に気付いて慌てふためくような者は居ないだろうが――しかし王族の守りが消えた所へ、パニックを起こした民衆が押し寄せればどうなるか。
混乱に陥った彼らを落ち着かせようにも、取り締まるべき立場に居る騎士もまた、一切の魔法を使えないのだ。ここに居る誰もが為す術なく、ただ闇の中をあてもなく彷徨った結果――もしも人の雪崩が起きて、あの即席の櫓が引き倒されるような事になれば。
上に居る王族はもちろんの事、下の領民や近衛も、タダでは済まないだろう。綾那と陽香は黙って考え込んでいたが、ルシフェリアはそんな二人の胸中を読んだらしい。うんうんと独り頷いたかと思えば、一言も発さない二人に向かって「そうだよね」と相槌を打った。
「きっと、大変な事になるよね。もしもそうなったら、君達はどうやって彼らを落ち着かせる? パニックを起こしてケガでもしたら可哀相だよ、よく考えて」
そもそもテスト内容の仮定がルシフェリアが魔法を封じたら――の時点で、可哀相なんて感想を抱く資格はない気がする。どう落ち着かせるのかという問いかけに、綾那は困り顔になった。それは陽香も同じだ。
「どうって……どうも、できなくねえか? 何せこの人数だろ? それも、いきなり真っ暗になって――それって、この辺りだけの話? それともこの世界全体の話なのか?」
「うーん、そうだねえ。じゃあ、この街限定――いや、この広場の周り限定の話にしようか。それも一時的な話で、じきに状況は回復するよ。何か手はあるかな?」
「って事は、ここら一帯だけが魔法を使えないゾーンで……他の場所は、問題ない訳だな。真っ暗闇じゃなくて、少なくとも月明かり程度の光は届く訳だ。広場から離れれば皆魔法が使えるし、そもそも時間が経てば解決する話だと」
「じゃあ、ここの灯りが消えて魔法が使えなくなっても、「ひとまず問題ないから、慌てずに落ち着いて待機してください」って伝えないとダメですね。暗がりで人の不安そうなざわめき声だけ聞いていると、吊られてパニックになるというか――」
「でも、「すぐ直るから落ち着いて待てよ」ってアナウンスも、魔法がないとできないよな。近場に居るヤツに声掛けして、伝言ゲームするってか? 全員に話が行き渡るまでに時間がかかり過ぎるし、そもそも直る直らないの話以前に、「なんでこんな事が起きたのか説明しろ」って、余計パニックになりかねないよな」
「んー……それじゃあ、いっそハプニングを楽しむとか?」
「は? 楽しむ?」
「せっかくのお祭りなんだし、いっそ「そういうイベントで~す!」って事にして盛り上げられたら良いのにね? 「今だけ魔法の灯りを禁じて、月明かりを愛でましょう」なんてイベントだと、流石に弱いけど――でもそういうイベントに仕立て上げちゃえば、皆が不安でパニックになる事もないんじゃないかな。何はともあれ、訳もなくいきなり停電ってビックリするから……せめて、理由が欲しいかなあ」
綾那のフワフワな意見に、陽香は思い切り怪訝な顔をした。その表情には、はっきりと「何バカ言ってんだ? コイツ」と書かれている。しかし、やや間を空けてからハッと何事かに気付くと、陽香は「ソレだ!」と手を打った。
「悪魔憑キッズーマさんの花火だ!」
「悪魔憑キッズーマさん」
「確か、合成魔法の打ち上げをする場所はここじゃねえんだよ。実行委員の天幕近くから、噴水広場の上空へ向けて打つはずだ。ここからは割と離れてるから、たぶんキッズ達は問題なく魔法を使えるはずだろ?」
「花火……そっか。確かに、花火を見るのにここの街の灯りは明るすぎて邪魔だなって思ってた。あえて街を暗くした上で、しばらく――皆が魔法を使えるようになるまでの間は、空に打ち上がる合成魔法を見て楽しんでねって事にすれば……」
「驚きはするだろうけど、少なくともパニックにはならんだろ! なんなら予言チートっぽいけど、停電前にアナウンスしとくのもアリ。「この後暗くなるけど、合成魔法を楽しむためだぞ」って! まあ、「マジで勝手な事すんな」って、あとで実行委員が死ぬほどキレ散らかしそうだけどな!」
陽香は快活に笑う。
そもそも、決まったプログラム通りの伝統的な合成魔法以外に、子供達が個人的な花火を打ち上げる話すら通していないのだから――それは当然、怒るだろう。
元々は、祭りの最後どさくさに紛れて打ち上げるという話だったが、トラブルを収めるための策として合成魔法の前座に使うのもアリだろう。それに何よりも、やはり花火は暗がりで見るに限る。
どうせなら子供達だけではなく、合成魔法の打ち上げチーム全員が協力してくれれば、勝手にプログラム外の花火を打ち上げる彼らが浮く事もないのに――とは思うが、陽香の『体感』曰く、「お役所仕事っぽいから、決まり事ムシするなんて無理無理のムリだろ」との事。
陽香はルシフェリアを見やると、「これなら、少なくともケガ人は出ないんじゃねえの?」と言って胸を張った。黙って二人の話を聞いていたルシフェリアは、「ふぅん」と小さく呟いた。
「悪くないと思うよ。だけど、どうやって離れた場所に居る子供達に、その花火とやらを打ち上げさせるの?」
「――あ。ケータイ、ないんだもんなぁ……じゃあ、「噴水広場の方が真っ暗になったら、問答無用で花火を打ち上げてくれ」って先に伝えとく。灯りが復旧するまでは頑張って続けてくれって――これもチートか?」
「なるほどねえ、良いじゃない。それじゃあ、早速伝えに行こうか」
「……は?」
「伝えに? ――え、シアさん、まさか本気で魔法を封じるおつもりですか? 一体、何のために……?」
目を丸める陽香、そして首を傾げる綾那に、ルシフェリアは笑みを深めた。しかし笑うだけでその先を話そうとしないため、早々に「これは粘っても、答えてくれないだろうな」と諦める。
何が何やら分からないものの、とりあえずルシフェリアの言う事には従うと決めたのだ。天幕へ向かって歩き出せば、噴水広場をぐるりと囲むように立っている騎士とすれ違いざまに、彼らの会話が耳に入る。
「――街の外に、魔物が押し寄せている? 応援は必要か?」
「いや、今のところは団長達が外で対処してくれているから問題ない。俺達はこのまま、街の警備を続けるようにとの事だ」
「さすがだな……あの方々が相手じゃあ、俺は魔物の方に同情するよ」
「ああ、そうだな――俺も和巳参謀に「風縛」されたい」
「お、お前まさか、広報の動画を見て扉を開いたクチか……!?」
「何が扉だ! 俺は信じてるぞ! 和巳参謀は、騎士になるために男装している麗人であると……!」
「バカ、目を覚ませ! いつかお前にも、きっといい出会いがあるから……! 早まるんじゃない!」
危うげな内容だけは綺麗に聞き流して、綾那は歩きながら「魔物」と呟いた。
(颯月さん達が、街の外で戦っているって事……?)
騎士の会話から察するに、応援不要というくらいだから余裕もあるのだろうが――突然魔物が押し寄せてくるなど、そんな事は今までになかった。本当に大丈夫なのかと颯月の身を案じていると、陽香がルシフェリアに向かって「なあ」と声を掛けた。
しかし、彼女がその先を口にする前に、ルシフェリアは「僕が何かやった訳じゃあないからね」と言って、すげなく突っぱねる。
「とにかく――そうだね、急いだ方がいい。君、「軽業師」を使って子供達のところまで早駆けしてきたら? 集合場所は……人が少ない場所が分かりやすくて良いよね、そこの路地裏だ」
「早駆けしてきたら? って――なんか拒否権、なさそうだな」
気付けばすっかり笑みを消している幼女に、陽香はため息をついた。
彼女は「じゃあ、ちょっと走って来るわ」と言って、綾那とルシフェリアを残し瞬く間に街を駆け抜けて行く。あっという間に小さくなった背中を見ながら、綾那はふと先ほどの騎士達の会話を思い出すと、「そういえば女性の戦闘行為禁止の法律があるのに、私と陽香、大丈夫なのかな? それも今日、街に王様が居るのに――」と、新たな不安を抱いたのであった。
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