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第4章 奈落の底で祭りを楽しむ
22 奈落の底の起源
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ルシフェリアが語るのは、この世界――「奈落の底」に箱庭を作り出した当時の話だ。
曰く、ルシフェリアが「表」から「奈落の底」へ活動の場を移した時、この場所には何も無かった。何も無いと言うよりも、元はこの場所も「表」と繋がる超深海の一部だったのだ。
そこへ、この場所に満ちていたマナと天使の力とやらを利用して、空気のドームで囲われた空間を作り上げた。そもそもの始まりは、他でもないルシフェリアにとって住みよい場所を作ろうとした事なのだ。
しかし、海中深く沈んだ場所に地表の光は一切届かず、真っ暗闇に包まれた世界ではつまらない。次にルシフェリアが作り出したのは光――空に浮かぶ魔法の光源だ。そして緑溢れる大地と、海。更に、海水とは違う真水で川を作った。
そうして美しい箱庭を作ったものの、己以外の生命が存在しない世界は酷く退屈である。折角ならば「表」と同じように、生命溢れる世界にして彼らの動く様子を観察しようと、天使の力で人や動植物を産み出した。
続けて人が生きやすいように火と、生命が体を休めるための陰――闇を作る。
マナと魔法のせいで科学こそ発展しなかったが、雷を作り出してやれば、まるで「表」のように文明的な道具が次から次へと生まれた。
始めこそ東西南北関係なしにどこもかしこも温暖な気候だったが、普通「表」の北方とは涼しいものである。ルシフェリアは、どうやって北を寒冷な地方へしようかと考えた結果、北海いっぱいに溶けない氷を浮かべて氷河を作った。
そこから発する冷気で北は涼しく、しかし氷河から離れた南は温暖な気候のまま残ったのだ。
当初は八属性全ての管理を担っていたが、しかし一人で世界の管理に奔走していては、唯一の娯楽である箱庭の観察が疎かになる。
そこでルシフェリアは、自身の負担を軽減しようと――特に生命と深く関わる原初の四属性――地水火風の管理を任せるための管理者、『聖獣』を作り出した。
竜禅は――元はルシフェリアから青龍という名を与えられていたらしいが――水を司る聖獣で、今は人そっくりの姿をしているが、本来の姿は名前の通り青い鱗を持つ竜だという。それが何故人の姿をとって、輝夜や息子の颯月の従者をしているのかは、ルシフェリアには分からないそうだ。
天使、そして世界の創造神ルシフェリアから『水』の力を丸ごと分け与えられて創られた竜禅は、水魔法ひとつしか扱う事が出来ない。しかしそれは人に扱えるレベルを超越しており、彼の魔法は上級魔法を超えた天災級、それこそ大雨洪水、津波などの自然災害さえ、彼の意思一つで起こせるほどの力をもつらしい。
時たま思い出したように降る雨も、実は竜禅の力によるものだ。ルシフェリアにこの世界の水の一切を管理するように作られた存在だから、特に意識せずとも適切なタイミングで――この世界の生命が乾きに苦しみ、喘ぐ前に――雨を降らせる事ができる。
「聖獣に役割分担した後は、ゆっくり箱庭の観察ができるようになって楽しかったよ」
美しい世界の、移り変わる自然。そこでイキイキと活動する生命達。聖獣にある程度世界の管理を任せて、その様子をのんびりと眺めているのは、大変よい暇潰しになった。「奈落の底」はルシフェリアにとって、文字通り箱庭なのだ。
中でも、産み出した人間たちが生活を発展させていく様を見ているのは特に楽しかったが――しかし人間が増えると、やがて同種族で土地や利権を巡って争うようになってしまった。
そうして我が子が大層な喧嘩をしている様を観察するのも、最初は楽しめた。けれど、あまりにも長く続く喧嘩に――疲弊していく人間や荒れ果てていく大地に、段々と不愉快になってくる。
せっかく愛でていた我が子が醜く争う姿を見ていると、どうにも辟易してしまうのだ。何か良い手はないかと対策を練った結果、ルシフェリアは人類共通の敵を創り出すという発想に至った。
試しに魔物を生み出してみたが、知能と魔力の高い人間の脅威にはなり得なかった。魔物だけでは駄目ならばと、ルシフェリアは聖獣の時と同じく己の力を分け与える形で、悪魔ヴィレオールとヴェゼルの兄弟を創り出したのだ。
ヴィレオールとヴェゼルは、人類共通の敵となるべくしてルシフェリアの力を強く受け継いで創られた。任意で悪魔の眷属なんてものを生み出せる力を思えば、彼らがどれほど特別な強さを持っているのかが分かる。
悪魔の兄弟が眷属を生み出せば、眷属は人を襲い、呪い始める。突如として現れた人間に害なす敵の存在に、人間同士で争っている余裕など、瞬く間に消え失せた。
また以前のように、手を取り合って生活するようになった人間達。眷属や魔物に抵抗するため、荒れ果てた大地に種を蒔き、食物を育て――ルシフェリアの箱庭は、また緑溢れる世界を取り戻した。
しかし、偉大な創造神ルシフェリアにも誤算があった。
悪魔の兄弟が眷属を生み出すたびに、彼らの親であるルシフェリアの力とマナが大量に消費されてしまう。とは言え、眷属が討伐されれば力はそのまま戻ってくるし、悪魔にも「人間が死に絶えてしまうから、作り過ぎてはいけないよ」と言い含めていた。
悪魔は、産まれ落ちてすぐは従順でおとなしかったのだ。しかし年数が経つにつれて段々と自我が強くなったのか、ヴィレオールとヴェゼルは自分達の愉悦や快楽の為だけに、眷属を大量生産し始めたのである。
ルシフェリアは、突然反抗期を迎えた兄弟を「まあ、そんな事もあるだろう」と傍観していたものの――どうも、説教する事なく放置していたのが悪かったらしい。
結果としてルシフェリアは、延々と力とマナを消費され続けた。そうして綾那と会う頃には、蛍火のような姿になるほど弱ってしまっていた――という訳だ。
「だから僕の力を取り戻すには、増えすぎた眷属を減らすしかないんだよ。さっきも言ったけど、悪さばかりの悪魔とは言え、雷と氷の管理を任せてある子達だから。言う事を聞かないなら殺せばイイって、そんな簡単な話じゃあないんだよね。彼らが居なくなったら、また人間達が喧嘩しちゃうし――最悪、彼らの後任を用意してからじゃないと」
この世界の長い起源を説明し終えたルシフェリアは、ふうと息をつくと「あ~。人の体で喋り過ぎて、喉が渇いちゃった」と言って、空のカップを綾那に差し出した。それは元々、綾那が使っていたカップである。
綾那はなんとも言い難い複雑な感情を抱いたまま、ポットを手に取ると小さな手に握られたカップへお茶のおかわりを注いだ。
そして、思った感想を馬鹿正直に口にして良いものかどうか、逡巡するように目線を泳がせてから――やがて躊躇いがちに口を開いた。
「ええと、でも、それって……シアさんが創り出した悪魔のせいで、ご自身が窮地に立たされて――自業自得な部分もあるのでは?」
「…………だって、皆僕の子供なんだ。せっかく頑張って生きているのに、殺しちゃうなんて可哀相じゃないか。僕にそんな悍ましいことは出来ないよ。僕がエイッて懲らしめられるのは、僕に関係ない余所者だけ」
ルシフェリアは、おもむろに正面に座る颯月を見やると、ふっと目元を緩ませた。颯月はようやく自身の世界から脱したらしく、目を瞬かせると不思議そうに首を傾げた。
「君からは、本当に微かだけれど僕の血を感じるね。もしかして、王族の末裔なのかな」
「……血?」
綾那もまた首を傾げると、すかさず竜禅が説明を付け加える。
「王族の始祖は、神と言われている。彼らは遥か昔より血を繋いできた一族の末裔だ。私はその頃、まだ創り出されて間もなかったので詳しくは知らないが……その昔、創造神が人と交わって産まれた人間こそ、初代の王だと聞いた事がある」
「えっ。あれ、でも、シアさんは――あ、両性具有だからこそ……?」
「ふふ、ノーコメント! なんでもかんでも教えちゃったら、面白くないでしょ? 人類の起源なんて特に、ミステリアスな謎が残ってるくらいがちょうどいいじゃない。ただ、僕にとって王族の末裔が特別に可愛い人間だって事は確かだよ。だから悪魔のバカ兄弟には、「王都にだけは手を出しちゃいけない」と命じてあるんだ」
奈落の底に済む生命は全て我が子で、平等に愛しているのだ――と言っている割に、それは少々不公平ではないのか。綾那はそう思ったものの、しかし独特な価値観を有するルシフェリアにそんな事を言っても、詮無き事だろう。
「とにかく、竜禅さんの事と――ルシフェリアさんや、悪魔の問題については分かりました」
「それは重畳! 青龍がどうして人の中に混じって生活しているのかは、僕もよく知らないから本人に聞いてね。力が弱ってからは、のんびりと箱庭を眺める暇がなくてさ……今の僕は、この世界について把握していない事の方が多いんだよ」
ルシフェリアの言葉に綾那は竜禅を仰ぎ見たが、しかし彼は小さく首を振った。
「今は私の身の上話よりも、創造神に聞くべき話があるのではないか? 綾那殿のご家族の事や、セレスティン領の様子などを」
「あっ、そうだシアさん! 渚は? 渚はどんな様子でしたか?」
ルシフェリアは頷くと、にんまりと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
曰く、ルシフェリアが「表」から「奈落の底」へ活動の場を移した時、この場所には何も無かった。何も無いと言うよりも、元はこの場所も「表」と繋がる超深海の一部だったのだ。
そこへ、この場所に満ちていたマナと天使の力とやらを利用して、空気のドームで囲われた空間を作り上げた。そもそもの始まりは、他でもないルシフェリアにとって住みよい場所を作ろうとした事なのだ。
しかし、海中深く沈んだ場所に地表の光は一切届かず、真っ暗闇に包まれた世界ではつまらない。次にルシフェリアが作り出したのは光――空に浮かぶ魔法の光源だ。そして緑溢れる大地と、海。更に、海水とは違う真水で川を作った。
そうして美しい箱庭を作ったものの、己以外の生命が存在しない世界は酷く退屈である。折角ならば「表」と同じように、生命溢れる世界にして彼らの動く様子を観察しようと、天使の力で人や動植物を産み出した。
続けて人が生きやすいように火と、生命が体を休めるための陰――闇を作る。
マナと魔法のせいで科学こそ発展しなかったが、雷を作り出してやれば、まるで「表」のように文明的な道具が次から次へと生まれた。
始めこそ東西南北関係なしにどこもかしこも温暖な気候だったが、普通「表」の北方とは涼しいものである。ルシフェリアは、どうやって北を寒冷な地方へしようかと考えた結果、北海いっぱいに溶けない氷を浮かべて氷河を作った。
そこから発する冷気で北は涼しく、しかし氷河から離れた南は温暖な気候のまま残ったのだ。
当初は八属性全ての管理を担っていたが、しかし一人で世界の管理に奔走していては、唯一の娯楽である箱庭の観察が疎かになる。
そこでルシフェリアは、自身の負担を軽減しようと――特に生命と深く関わる原初の四属性――地水火風の管理を任せるための管理者、『聖獣』を作り出した。
竜禅は――元はルシフェリアから青龍という名を与えられていたらしいが――水を司る聖獣で、今は人そっくりの姿をしているが、本来の姿は名前の通り青い鱗を持つ竜だという。それが何故人の姿をとって、輝夜や息子の颯月の従者をしているのかは、ルシフェリアには分からないそうだ。
天使、そして世界の創造神ルシフェリアから『水』の力を丸ごと分け与えられて創られた竜禅は、水魔法ひとつしか扱う事が出来ない。しかしそれは人に扱えるレベルを超越しており、彼の魔法は上級魔法を超えた天災級、それこそ大雨洪水、津波などの自然災害さえ、彼の意思一つで起こせるほどの力をもつらしい。
時たま思い出したように降る雨も、実は竜禅の力によるものだ。ルシフェリアにこの世界の水の一切を管理するように作られた存在だから、特に意識せずとも適切なタイミングで――この世界の生命が乾きに苦しみ、喘ぐ前に――雨を降らせる事ができる。
「聖獣に役割分担した後は、ゆっくり箱庭の観察ができるようになって楽しかったよ」
美しい世界の、移り変わる自然。そこでイキイキと活動する生命達。聖獣にある程度世界の管理を任せて、その様子をのんびりと眺めているのは、大変よい暇潰しになった。「奈落の底」はルシフェリアにとって、文字通り箱庭なのだ。
中でも、産み出した人間たちが生活を発展させていく様を見ているのは特に楽しかったが――しかし人間が増えると、やがて同種族で土地や利権を巡って争うようになってしまった。
そうして我が子が大層な喧嘩をしている様を観察するのも、最初は楽しめた。けれど、あまりにも長く続く喧嘩に――疲弊していく人間や荒れ果てていく大地に、段々と不愉快になってくる。
せっかく愛でていた我が子が醜く争う姿を見ていると、どうにも辟易してしまうのだ。何か良い手はないかと対策を練った結果、ルシフェリアは人類共通の敵を創り出すという発想に至った。
試しに魔物を生み出してみたが、知能と魔力の高い人間の脅威にはなり得なかった。魔物だけでは駄目ならばと、ルシフェリアは聖獣の時と同じく己の力を分け与える形で、悪魔ヴィレオールとヴェゼルの兄弟を創り出したのだ。
ヴィレオールとヴェゼルは、人類共通の敵となるべくしてルシフェリアの力を強く受け継いで創られた。任意で悪魔の眷属なんてものを生み出せる力を思えば、彼らがどれほど特別な強さを持っているのかが分かる。
悪魔の兄弟が眷属を生み出せば、眷属は人を襲い、呪い始める。突如として現れた人間に害なす敵の存在に、人間同士で争っている余裕など、瞬く間に消え失せた。
また以前のように、手を取り合って生活するようになった人間達。眷属や魔物に抵抗するため、荒れ果てた大地に種を蒔き、食物を育て――ルシフェリアの箱庭は、また緑溢れる世界を取り戻した。
しかし、偉大な創造神ルシフェリアにも誤算があった。
悪魔の兄弟が眷属を生み出すたびに、彼らの親であるルシフェリアの力とマナが大量に消費されてしまう。とは言え、眷属が討伐されれば力はそのまま戻ってくるし、悪魔にも「人間が死に絶えてしまうから、作り過ぎてはいけないよ」と言い含めていた。
悪魔は、産まれ落ちてすぐは従順でおとなしかったのだ。しかし年数が経つにつれて段々と自我が強くなったのか、ヴィレオールとヴェゼルは自分達の愉悦や快楽の為だけに、眷属を大量生産し始めたのである。
ルシフェリアは、突然反抗期を迎えた兄弟を「まあ、そんな事もあるだろう」と傍観していたものの――どうも、説教する事なく放置していたのが悪かったらしい。
結果としてルシフェリアは、延々と力とマナを消費され続けた。そうして綾那と会う頃には、蛍火のような姿になるほど弱ってしまっていた――という訳だ。
「だから僕の力を取り戻すには、増えすぎた眷属を減らすしかないんだよ。さっきも言ったけど、悪さばかりの悪魔とは言え、雷と氷の管理を任せてある子達だから。言う事を聞かないなら殺せばイイって、そんな簡単な話じゃあないんだよね。彼らが居なくなったら、また人間達が喧嘩しちゃうし――最悪、彼らの後任を用意してからじゃないと」
この世界の長い起源を説明し終えたルシフェリアは、ふうと息をつくと「あ~。人の体で喋り過ぎて、喉が渇いちゃった」と言って、空のカップを綾那に差し出した。それは元々、綾那が使っていたカップである。
綾那はなんとも言い難い複雑な感情を抱いたまま、ポットを手に取ると小さな手に握られたカップへお茶のおかわりを注いだ。
そして、思った感想を馬鹿正直に口にして良いものかどうか、逡巡するように目線を泳がせてから――やがて躊躇いがちに口を開いた。
「ええと、でも、それって……シアさんが創り出した悪魔のせいで、ご自身が窮地に立たされて――自業自得な部分もあるのでは?」
「…………だって、皆僕の子供なんだ。せっかく頑張って生きているのに、殺しちゃうなんて可哀相じゃないか。僕にそんな悍ましいことは出来ないよ。僕がエイッて懲らしめられるのは、僕に関係ない余所者だけ」
ルシフェリアは、おもむろに正面に座る颯月を見やると、ふっと目元を緩ませた。颯月はようやく自身の世界から脱したらしく、目を瞬かせると不思議そうに首を傾げた。
「君からは、本当に微かだけれど僕の血を感じるね。もしかして、王族の末裔なのかな」
「……血?」
綾那もまた首を傾げると、すかさず竜禅が説明を付け加える。
「王族の始祖は、神と言われている。彼らは遥か昔より血を繋いできた一族の末裔だ。私はその頃、まだ創り出されて間もなかったので詳しくは知らないが……その昔、創造神が人と交わって産まれた人間こそ、初代の王だと聞いた事がある」
「えっ。あれ、でも、シアさんは――あ、両性具有だからこそ……?」
「ふふ、ノーコメント! なんでもかんでも教えちゃったら、面白くないでしょ? 人類の起源なんて特に、ミステリアスな謎が残ってるくらいがちょうどいいじゃない。ただ、僕にとって王族の末裔が特別に可愛い人間だって事は確かだよ。だから悪魔のバカ兄弟には、「王都にだけは手を出しちゃいけない」と命じてあるんだ」
奈落の底に済む生命は全て我が子で、平等に愛しているのだ――と言っている割に、それは少々不公平ではないのか。綾那はそう思ったものの、しかし独特な価値観を有するルシフェリアにそんな事を言っても、詮無き事だろう。
「とにかく、竜禅さんの事と――ルシフェリアさんや、悪魔の問題については分かりました」
「それは重畳! 青龍がどうして人の中に混じって生活しているのかは、僕もよく知らないから本人に聞いてね。力が弱ってからは、のんびりと箱庭を眺める暇がなくてさ……今の僕は、この世界について把握していない事の方が多いんだよ」
ルシフェリアの言葉に綾那は竜禅を仰ぎ見たが、しかし彼は小さく首を振った。
「今は私の身の上話よりも、創造神に聞くべき話があるのではないか? 綾那殿のご家族の事や、セレスティン領の様子などを」
「あっ、そうだシアさん! 渚は? 渚はどんな様子でしたか?」
ルシフェリアは頷くと、にんまりと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
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