45 / 59
地獄の釜は開かれた
しおりを挟む
バックドア。
その言葉に衝撃を受けていると、レオが消毒液の匂いをぷんぷんさせながら訊いた。
「ボス、バックドアって何だよ」
「裏口だ」
「まんまじゃねーか」
「……コンピューターに侵入するための不正経路のことだ」
「死語だろ。そんなモン、今時は仕掛けられねーよ」
そう、レオの指摘はすこぶる正しい。だからこそ、それが存在しているということは、時期もルートも限られてくる。
ボスはサリエルズをひたと見据えた。
「まさか、AI仕掛けの生き物全てが……」
「まさかと言うほど、驚くことか?」
サリエルズの二人は、開き直っているようだった。
「安全のためには、無条件に情報を渡す。それは、個人の義務だろう」
「おい、さっきから意味が全然わかんねーよ」
レオがイライラと言う。ボスはごくりと唾を飲み込むと、口を開いた。
「AI仕掛けの生き物は、全て自律式で動いている。自分で経験し、自分で考えて動くようにプログラムされている。……そして、そのプログラムは決して侵入されることはない。何故なら、現世で管理しているからだ。現世を通せば、ハッキングは絶対にありえない。どうあっても、何かしらの監視に引っかかる」
「ああ、そうだな」
「だが、AI仕掛けの生き物に、裏口をつくっていたとしたらどうだ?」
レオが不快そうに眉根を寄せる。
「……はあ?」
「開発の段階で、わざと侵入できる経路を作り、いざというときにCASと天使に繋がる道をつくっておく。……アクセス権が、ここに渡るように」
レオは目を見開いて、傷だらけの体で立ち上がった。
「おい、まさか……。AI仕掛けの生き物を、ここから操れるようになるのか?」
「ああ。『御門帝夜を探せ』という命令を出して、従わせることも」
「つまり……AI仕掛けの生き物全てが、現世でいうデジタル監視の目になる……」
白髪がフンと鼻を鳴らした。
「その通りだ。見た目ほど、馬鹿でもなさそうだな」
「陰謀論の通りじゃねーか……」
ああそうか、とボスは腑に落ちたことがあった。
だから、CASの本部は異世界にあるのだ。現世を通してしまえば、必ず不正経路は探知されてしまうから。
おそらく守護天使のアジトも、異世界のどこかにあるのだろう。
「今まで、よくそんなモンが見つからなかったな」
「バックドアのキーが特殊すぎるからな。これはどうあっても破れん」
白髪がどこか得意げに言って、
「バックドアのキーは、異世界安全保障理事会のトップと、世界情報管理事務局のトップ。それぞれが守護天使とCASの本部に足を運び、キーを挿し込むことで、バックドアは起動する」
それで、ここに来ていたのか。こうなる事態を予測して。CASと天使がお互いを知らなかったのも、キーを隠すための策だったのだろう。
「これで、奴を一瞬で見つけ出せる。どこに潜伏していようとも、監視の目から逃れることはできん」
そう言って、白髪が誰かと連絡を取り始める。その姿をうさんくさそうに眺めていたレオがぽつりと呟いた。
「ケイティなら、この状況をどう見る……」
「レオ?」
レオは口元に手を当てて、黙考にふけった。
「なあ、ボス。……奴はこのときを待っていたんじゃねーか?」
「待ってた?」
「ああ。キーを挿し込んだら、異世界内だけで、AI仕掛けの生き物の管理システムが閉じる。そうしたら、ハッキングも可能になるだろ」
「だが……どうやってだ? 以前の不正アクセスの後、セキュリティをより強固にしただけでなく、罠まで仕掛けた。新たに侵入すれば、確実にその前にバレ……」
そこまで言って、ボスとレオは同時に思い当たった。
「……標的リストか」
「守護天使もリストを盗まれたのか? だとしたら、そのときだ。盗まれたことばかりに気を取られていたが、その際に仕掛けられていたとすれば」
「バックドアを起動した瞬間に、乗っ取られる……」
「黙れ!」
ポニーテールが激昂した。
「ぐちゃぐちゃうるさいぞ、下っ端が! こういうときのための保険だ! いつまでも、こいつを野放しにするわけにはいかん! お前らが足踏みしている間にも、平和は脅かされているのだ!」
連絡を終えた白髪が、蔑んだ目でボスとレオを見た。
「フン、これだから臆病者は……。見当外れの推論ばかりで、保身に走ってばかりいる。リスクを取らねば、安寧は得られんのだ」
そのリスクを背負うのは、貴様らではないだろう……!
仲間をやられたばかりのレオが、額に青筋を立てて拳を握る。ボスも同じ思いだったが、素早く立ちはだかった。
「レオ、下がれ」
「……ボス」
「俺は下がれと言ったんだ」
噛みしめた奥歯の間から、絞り出すように言った。
俺だって、こいつらをぶん殴ってやりたい。
大切な精鋭たちを駒のように扱い、意見に耳を傾ける脳みそもない。しかし、だからこそ、自分が理性を失うわけにはいかなかった。特に、ケイティが不在の今は。
「飼い犬の躾ぐらい、きちんとしておけ」
言って、白髪はスマホをCASのシステムにかざした。
「バックドアを起動する」
複雑なウインドウが、次々に現れては消えていく。それは鍵を開けて、扉をどんどん抜けていく動きに似ていた。
最後に現れたのは、異世界のマップだった。
壁一面にマップが表示され、AI仕掛けの生き物の動きがリアルタイムで示されている。
小さな点は複雑に動き、隠しキャラや神獣の現在地まで、赤裸々に表示されている。夢も何もない光景だった。
「おおっ、素晴らしい……。では早速……」
『御門帝夜を探し出せ』。白髪が命令を下すと、小さな点が活発に動き始めた。特に異常らしきものは見られない。
考えすぎだったか……?
ほっと安堵したときだった。ぽん、と一つの点が真っ赤に染まった。そこから感染が広がるように、赤い点が増えていく。
ぽん、ぽんぽんぽんぽんぽん……。
「な、何だ……」
「これは……」
みるみるうちに、全ての点が赤く染まり、その動きを止めた。マップを凝視していると、視界の隅で何かが光った。見ると、白髪のスマホからバチチ、と火花が散っている。やがて、スマホは煙を上げて、うんともすんとも言わなくなった。
「なあっ……!?」
完全に壊れたスマホを手に、白髪がバックドア起動をもう一度試みる。
そんなむなしい努力をよそに、真っ赤になった画面には、新たな命令が表示されていた。
『AI仕掛けの全ての生き物たちよ。以下の優先順位に従い、奴らを抹殺せよ』
1.CAS・守護天使・その上位組織に属する人間全て
2.異世界にいる人間全て
「なんっ……何だ、これはぁ! ふざけるなあああ!」
白髪とポニーテールの怒号が響き渡った。
その言葉に衝撃を受けていると、レオが消毒液の匂いをぷんぷんさせながら訊いた。
「ボス、バックドアって何だよ」
「裏口だ」
「まんまじゃねーか」
「……コンピューターに侵入するための不正経路のことだ」
「死語だろ。そんなモン、今時は仕掛けられねーよ」
そう、レオの指摘はすこぶる正しい。だからこそ、それが存在しているということは、時期もルートも限られてくる。
ボスはサリエルズをひたと見据えた。
「まさか、AI仕掛けの生き物全てが……」
「まさかと言うほど、驚くことか?」
サリエルズの二人は、開き直っているようだった。
「安全のためには、無条件に情報を渡す。それは、個人の義務だろう」
「おい、さっきから意味が全然わかんねーよ」
レオがイライラと言う。ボスはごくりと唾を飲み込むと、口を開いた。
「AI仕掛けの生き物は、全て自律式で動いている。自分で経験し、自分で考えて動くようにプログラムされている。……そして、そのプログラムは決して侵入されることはない。何故なら、現世で管理しているからだ。現世を通せば、ハッキングは絶対にありえない。どうあっても、何かしらの監視に引っかかる」
「ああ、そうだな」
「だが、AI仕掛けの生き物に、裏口をつくっていたとしたらどうだ?」
レオが不快そうに眉根を寄せる。
「……はあ?」
「開発の段階で、わざと侵入できる経路を作り、いざというときにCASと天使に繋がる道をつくっておく。……アクセス権が、ここに渡るように」
レオは目を見開いて、傷だらけの体で立ち上がった。
「おい、まさか……。AI仕掛けの生き物を、ここから操れるようになるのか?」
「ああ。『御門帝夜を探せ』という命令を出して、従わせることも」
「つまり……AI仕掛けの生き物全てが、現世でいうデジタル監視の目になる……」
白髪がフンと鼻を鳴らした。
「その通りだ。見た目ほど、馬鹿でもなさそうだな」
「陰謀論の通りじゃねーか……」
ああそうか、とボスは腑に落ちたことがあった。
だから、CASの本部は異世界にあるのだ。現世を通してしまえば、必ず不正経路は探知されてしまうから。
おそらく守護天使のアジトも、異世界のどこかにあるのだろう。
「今まで、よくそんなモンが見つからなかったな」
「バックドアのキーが特殊すぎるからな。これはどうあっても破れん」
白髪がどこか得意げに言って、
「バックドアのキーは、異世界安全保障理事会のトップと、世界情報管理事務局のトップ。それぞれが守護天使とCASの本部に足を運び、キーを挿し込むことで、バックドアは起動する」
それで、ここに来ていたのか。こうなる事態を予測して。CASと天使がお互いを知らなかったのも、キーを隠すための策だったのだろう。
「これで、奴を一瞬で見つけ出せる。どこに潜伏していようとも、監視の目から逃れることはできん」
そう言って、白髪が誰かと連絡を取り始める。その姿をうさんくさそうに眺めていたレオがぽつりと呟いた。
「ケイティなら、この状況をどう見る……」
「レオ?」
レオは口元に手を当てて、黙考にふけった。
「なあ、ボス。……奴はこのときを待っていたんじゃねーか?」
「待ってた?」
「ああ。キーを挿し込んだら、異世界内だけで、AI仕掛けの生き物の管理システムが閉じる。そうしたら、ハッキングも可能になるだろ」
「だが……どうやってだ? 以前の不正アクセスの後、セキュリティをより強固にしただけでなく、罠まで仕掛けた。新たに侵入すれば、確実にその前にバレ……」
そこまで言って、ボスとレオは同時に思い当たった。
「……標的リストか」
「守護天使もリストを盗まれたのか? だとしたら、そのときだ。盗まれたことばかりに気を取られていたが、その際に仕掛けられていたとすれば」
「バックドアを起動した瞬間に、乗っ取られる……」
「黙れ!」
ポニーテールが激昂した。
「ぐちゃぐちゃうるさいぞ、下っ端が! こういうときのための保険だ! いつまでも、こいつを野放しにするわけにはいかん! お前らが足踏みしている間にも、平和は脅かされているのだ!」
連絡を終えた白髪が、蔑んだ目でボスとレオを見た。
「フン、これだから臆病者は……。見当外れの推論ばかりで、保身に走ってばかりいる。リスクを取らねば、安寧は得られんのだ」
そのリスクを背負うのは、貴様らではないだろう……!
仲間をやられたばかりのレオが、額に青筋を立てて拳を握る。ボスも同じ思いだったが、素早く立ちはだかった。
「レオ、下がれ」
「……ボス」
「俺は下がれと言ったんだ」
噛みしめた奥歯の間から、絞り出すように言った。
俺だって、こいつらをぶん殴ってやりたい。
大切な精鋭たちを駒のように扱い、意見に耳を傾ける脳みそもない。しかし、だからこそ、自分が理性を失うわけにはいかなかった。特に、ケイティが不在の今は。
「飼い犬の躾ぐらい、きちんとしておけ」
言って、白髪はスマホをCASのシステムにかざした。
「バックドアを起動する」
複雑なウインドウが、次々に現れては消えていく。それは鍵を開けて、扉をどんどん抜けていく動きに似ていた。
最後に現れたのは、異世界のマップだった。
壁一面にマップが表示され、AI仕掛けの生き物の動きがリアルタイムで示されている。
小さな点は複雑に動き、隠しキャラや神獣の現在地まで、赤裸々に表示されている。夢も何もない光景だった。
「おおっ、素晴らしい……。では早速……」
『御門帝夜を探し出せ』。白髪が命令を下すと、小さな点が活発に動き始めた。特に異常らしきものは見られない。
考えすぎだったか……?
ほっと安堵したときだった。ぽん、と一つの点が真っ赤に染まった。そこから感染が広がるように、赤い点が増えていく。
ぽん、ぽんぽんぽんぽんぽん……。
「な、何だ……」
「これは……」
みるみるうちに、全ての点が赤く染まり、その動きを止めた。マップを凝視していると、視界の隅で何かが光った。見ると、白髪のスマホからバチチ、と火花が散っている。やがて、スマホは煙を上げて、うんともすんとも言わなくなった。
「なあっ……!?」
完全に壊れたスマホを手に、白髪がバックドア起動をもう一度試みる。
そんなむなしい努力をよそに、真っ赤になった画面には、新たな命令が表示されていた。
『AI仕掛けの全ての生き物たちよ。以下の優先順位に従い、奴らを抹殺せよ』
1.CAS・守護天使・その上位組織に属する人間全て
2.異世界にいる人間全て
「なんっ……何だ、これはぁ! ふざけるなあああ!」
白髪とポニーテールの怒号が響き渡った。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる