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会話のIQは2だし、ここはどこだ
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アリアは裕福な家の、幸せな子どもだった。
両親は、異世界に関わる仕事をしていた。
特にパパの家系は、先祖代々、異世界に欠かせない管理運営をしているらしく、毎日楽しそうに仕事に出かけていた。
「僕とママは、異世界を楽しくしてるんだぞー」
パパが誇らしげな顔をして、よくそう言っていた。
その頃は幼すぎて、詳しい仕事内容は聞いたことがなかったが、今なら会話の内容からある程度は推測できる。
「アリアは、どんな子がお友達にいたら面白いと思う?」
ある日、パパにそう訊かれた。
ちょうどおもちゃを散らかして、ママに片付けるよう言われていたアリアは、人形を掲げてこう言った。
「いっぱいね、お片付けするの!」
「お片付け?」
「そう、ずっとお片付けしてね。えっとね、お尻で拭くの」
お尻をふりふりしながら、アリアはパパを振り返る。
「それでね、体にいっぱいゴミ付いちゃう!」
自分の言葉にけらけら笑っていると、パパが目尻を下げてアリアを抱きしめてくれた。
「うーん。子どもの発想は面白いなあ。アリアは天才だ!」
ママが人形を片付けボックスに入れながら、真面目な顔をした。
「墓守の幽霊がいたわよね。ほら、墓地を掃除している。……あの子、見ていてどうも悲惨なのよ。怖い上司に怒られて、泣きながら掃除しているみたいで。お尻で拭くのは、面白いかも……」
おおー! とパパがアリアを宙高く抱き上げた。
「凄いぞアリア! アリアの発想が活かされた!」
「きゃははっ!」
「まだアイデアは通ってないったら。気が早いわねえ……」
二人は、AI仕掛けの生き物を管理する仕事をしていたのだろう。
本当に、優しいパパとママだった。
異世界にも、よく遊びに連れて行ってくれた。アリアは、いつ来ても新しい驚きに満ちている、魔法界がお気に入りだった。
最新型の杖が出るたび、アリアに甘いパパが買い与えては、よくママに怒られていた。幻獣に餌をやっていると、パパの昼食が丸ごと奪われて大笑いした。
楽しかった。本当に、満ち足りた日々だった。
旅行の最後には必ず、遊び疲れたアリアをパパがおんぶしてくれた。
「今日は楽しかったなあ、アリア」
パパの背中でうとうとしながら、アリアは頷く。
「うん、楽しかった」
「また来ような、アリア。何回でも来ような」
「うん。いっぱい来よう。約束だよ、パパ……」
「ああ、約束だ……」
でも、その約束が果たされることはなかった。
じりじりと肌を突き刺すような暑さを感じて、アリアは目を覚ました。
次に感じたのは、規則的なリズムと人のぬくもり。
目覚めたばかりで、夢と現実がごっちゃになっていたアリアは、パパにおんぶされているものと錯覚する。
だが「パパ」と呼びかける前に、目の前で揺れている金髪に気付いた。
「……?」
アリアは恵叶におんぶされていた。
隣には、疲れた顔で歩く紗美がいる。紗美は脱いだ上着を頭にかけながら、気怠そうに喋っていた。
「あーもう駄目。暑い。暑いの駄目、私……。涼しい部屋でずっとヤってたい……」
「脳が煮えてるね、紗美……。発言だいぶあほになってるけど……。てか、やっぱり紗美のほうがエロ……」
「違う、恵叶よ……。恵叶に合わせてるだけよ、私は……」
「ええー……」
アリアたち三人は、何故か砂漠を歩いていた。
強烈な太陽がこちらを見下ろし、時折、風で砂が巻き上がっている。そのたび、紗美が痛そうに目を細めていた。
あっ……。
それで、アリアにすっぽりと恵叶の上着を掛けてある意味がわかった。
帽子を失くしたアリアを、直射日光から守ってくれているのだ。
でも私たち、何でこんなところにいるの……?
「ねえ、恵叶。このゴタゴタ全部片付いたら、すっごい涼しい部屋にこもって……。どれだけ連続でヤれるか、挑戦してみない……?」
「いいね。楽しそう……」
先ほどから何を言っているのかわからないが、会話のIQが2なのは間違いない。
「……何をやるの?」
アリアが静かに訊ねると、二人はぎょっとして、砂にずぼっと足を取られた。焼けて赤い顔をさらに真っ赤にして、紗美が口をぱくぱくさせる。
そこまで驚かなくても。
「お、起きたの……」
「うん。……下ろして。自分で歩けるから……」
アリアは恵叶の背から滑り降りた。
砂の上に降り立った途端、ずきんとした痛みが右足に走り、立っていられなくなる。
「いたっ……。え、何?」
見ると、右足首に布が巻かれて、固定されていた。
痛みを堪えてうずくまっていると、恵叶が手をさしのべてくる。
「大人に踏まれたのよ。歩くなんて無理だって。ほら」
両方の袖が破れた状態で、恵叶が言う。
片方は口元を覆うため、そしてもう片方は包帯代わりに使ってくれたらしい。
「……いらない」
アリアはなけなしの意地をかき集めて、首を振った。
「……そうだ、ジャンプしたらいいじゃん。ねえ、何で歩いてるの? 異世界内では、ジャンプできるんだよ」
「教えてくれてありがとう、先生」
恵叶が皮肉っぽく言うが、スマホを取り出そうとはしなかった。
もうアリアにスマホを渡すつもりはない、ということだろうか。
それなら、アリアが意識を失っていた間に、てきとうな地点にジャンプして、それからスマホを取り上げればよかったのに。
「ところで、ここはどこなの……」
背中から下りて視界が広がっても、見渡す限りの砂漠だった。
紗美と恵叶はもう随分歩いているらしく、肌は熱で真っ赤になって、汗でぐっしょり濡れている。
「02。中華ファンタジーの北東に広がる砂漠、だと思うわ……」と紗美。
「思うって、どういう意味?」
紗美がポケットから出したのは、ぼろぼろになったスマホだった。
「こ、壊れたパスポートでジャンプしたの……? 頭、壊れてるの?」
「生意気な。……しかもジャンプのときの衝撃で、全部壊れちゃって」
「全部ぅ!? わ、私のスマホも!?」
「そうよ。だから歩いてるのよ。一番近い町まで……」
紗美が憂鬱そうに嘆息した。
「あの、方向はこっちで合ってるの?」
うん、と恵叶が額の汗を拭いながら言った。
「私も紗美も、異世界の地図は頭にたたき込んでる。さすがに、こんな僻地まで足を運んだことはないけど、太陽の位置と生えてるサボテンの種類で、進むべき道はわかるわ」
「距離はわからないけどね……」
辛そうな顔で付け加える紗美を見ているうちに、アリアはとんでもないことに気がついてしまった。
「ね、ねえ、腕が……」
ん? と紗美が自身の腕を見やる。
紗美の両腕は、酷く変色していた。
手の甲から肩に至るまで、全てうっ血している。酷い日焼けかと思っていたが、青かったり赤かったりするのは、怪我をしているせいだ。
「それ、折れたの……?」
「折れてはないわ。アバラはちょっとイッた感じがするけど」
それで、さっきから苦しそうにしているらしい。
「大丈夫よ。これぐらいなら、すぐ治療できるもの。町に着けばだけど……」
気丈に笑う紗美に、アリアは唇を噛んだ。
私を守ったせいだ。気を失っていたけど、それぐらいわかる。もみくちゃにされた私を、必死に守ってくれたんだ。
何でよ。もうわかってるでしょ。私は敵なの。……敵なのに。
「……自分で歩く」
ずきずきした痛みを無視して、懸命に前に踏み出そうとする。が、砂を踏みしめる前に、恵叶にひょいと抱き上げられてしまった。
「は、放して!」
「子どもは我慢しなくていいから」
「そうそう。今ちょっと立ってただけでも、砂が顔面にぶつかって痛かったでしょう? アリア、ちっちゃいもんね」
「そ、そこまでちっちゃくない! もう九歳だもん!」
「はいはい」
再び、恵叶におんぶされる。
私死ぬほどかっこ悪い、とは思うものの、快適さは段違いだ。それに正直なところ、子どもの足に合わせていられない、という思いはあるだろう。
恵叶の背中で固まっていると、紗美がボトルを開けて、水を口に含ませてくれた。
「ほら、飲んで。ちょっとしかないから、少しずつね」
こく、とぬるい水が喉を通っていく。ひりついた喉が潤され、命の水のように感じられた。 助かった……。
ほっと息をついた、そのときだった。
『天使が助けてくれる』。
突然、パパの言葉がフラッシュバックした。
両親は、異世界に関わる仕事をしていた。
特にパパの家系は、先祖代々、異世界に欠かせない管理運営をしているらしく、毎日楽しそうに仕事に出かけていた。
「僕とママは、異世界を楽しくしてるんだぞー」
パパが誇らしげな顔をして、よくそう言っていた。
その頃は幼すぎて、詳しい仕事内容は聞いたことがなかったが、今なら会話の内容からある程度は推測できる。
「アリアは、どんな子がお友達にいたら面白いと思う?」
ある日、パパにそう訊かれた。
ちょうどおもちゃを散らかして、ママに片付けるよう言われていたアリアは、人形を掲げてこう言った。
「いっぱいね、お片付けするの!」
「お片付け?」
「そう、ずっとお片付けしてね。えっとね、お尻で拭くの」
お尻をふりふりしながら、アリアはパパを振り返る。
「それでね、体にいっぱいゴミ付いちゃう!」
自分の言葉にけらけら笑っていると、パパが目尻を下げてアリアを抱きしめてくれた。
「うーん。子どもの発想は面白いなあ。アリアは天才だ!」
ママが人形を片付けボックスに入れながら、真面目な顔をした。
「墓守の幽霊がいたわよね。ほら、墓地を掃除している。……あの子、見ていてどうも悲惨なのよ。怖い上司に怒られて、泣きながら掃除しているみたいで。お尻で拭くのは、面白いかも……」
おおー! とパパがアリアを宙高く抱き上げた。
「凄いぞアリア! アリアの発想が活かされた!」
「きゃははっ!」
「まだアイデアは通ってないったら。気が早いわねえ……」
二人は、AI仕掛けの生き物を管理する仕事をしていたのだろう。
本当に、優しいパパとママだった。
異世界にも、よく遊びに連れて行ってくれた。アリアは、いつ来ても新しい驚きに満ちている、魔法界がお気に入りだった。
最新型の杖が出るたび、アリアに甘いパパが買い与えては、よくママに怒られていた。幻獣に餌をやっていると、パパの昼食が丸ごと奪われて大笑いした。
楽しかった。本当に、満ち足りた日々だった。
旅行の最後には必ず、遊び疲れたアリアをパパがおんぶしてくれた。
「今日は楽しかったなあ、アリア」
パパの背中でうとうとしながら、アリアは頷く。
「うん、楽しかった」
「また来ような、アリア。何回でも来ような」
「うん。いっぱい来よう。約束だよ、パパ……」
「ああ、約束だ……」
でも、その約束が果たされることはなかった。
じりじりと肌を突き刺すような暑さを感じて、アリアは目を覚ました。
次に感じたのは、規則的なリズムと人のぬくもり。
目覚めたばかりで、夢と現実がごっちゃになっていたアリアは、パパにおんぶされているものと錯覚する。
だが「パパ」と呼びかける前に、目の前で揺れている金髪に気付いた。
「……?」
アリアは恵叶におんぶされていた。
隣には、疲れた顔で歩く紗美がいる。紗美は脱いだ上着を頭にかけながら、気怠そうに喋っていた。
「あーもう駄目。暑い。暑いの駄目、私……。涼しい部屋でずっとヤってたい……」
「脳が煮えてるね、紗美……。発言だいぶあほになってるけど……。てか、やっぱり紗美のほうがエロ……」
「違う、恵叶よ……。恵叶に合わせてるだけよ、私は……」
「ええー……」
アリアたち三人は、何故か砂漠を歩いていた。
強烈な太陽がこちらを見下ろし、時折、風で砂が巻き上がっている。そのたび、紗美が痛そうに目を細めていた。
あっ……。
それで、アリアにすっぽりと恵叶の上着を掛けてある意味がわかった。
帽子を失くしたアリアを、直射日光から守ってくれているのだ。
でも私たち、何でこんなところにいるの……?
「ねえ、恵叶。このゴタゴタ全部片付いたら、すっごい涼しい部屋にこもって……。どれだけ連続でヤれるか、挑戦してみない……?」
「いいね。楽しそう……」
先ほどから何を言っているのかわからないが、会話のIQが2なのは間違いない。
「……何をやるの?」
アリアが静かに訊ねると、二人はぎょっとして、砂にずぼっと足を取られた。焼けて赤い顔をさらに真っ赤にして、紗美が口をぱくぱくさせる。
そこまで驚かなくても。
「お、起きたの……」
「うん。……下ろして。自分で歩けるから……」
アリアは恵叶の背から滑り降りた。
砂の上に降り立った途端、ずきんとした痛みが右足に走り、立っていられなくなる。
「いたっ……。え、何?」
見ると、右足首に布が巻かれて、固定されていた。
痛みを堪えてうずくまっていると、恵叶が手をさしのべてくる。
「大人に踏まれたのよ。歩くなんて無理だって。ほら」
両方の袖が破れた状態で、恵叶が言う。
片方は口元を覆うため、そしてもう片方は包帯代わりに使ってくれたらしい。
「……いらない」
アリアはなけなしの意地をかき集めて、首を振った。
「……そうだ、ジャンプしたらいいじゃん。ねえ、何で歩いてるの? 異世界内では、ジャンプできるんだよ」
「教えてくれてありがとう、先生」
恵叶が皮肉っぽく言うが、スマホを取り出そうとはしなかった。
もうアリアにスマホを渡すつもりはない、ということだろうか。
それなら、アリアが意識を失っていた間に、てきとうな地点にジャンプして、それからスマホを取り上げればよかったのに。
「ところで、ここはどこなの……」
背中から下りて視界が広がっても、見渡す限りの砂漠だった。
紗美と恵叶はもう随分歩いているらしく、肌は熱で真っ赤になって、汗でぐっしょり濡れている。
「02。中華ファンタジーの北東に広がる砂漠、だと思うわ……」と紗美。
「思うって、どういう意味?」
紗美がポケットから出したのは、ぼろぼろになったスマホだった。
「こ、壊れたパスポートでジャンプしたの……? 頭、壊れてるの?」
「生意気な。……しかもジャンプのときの衝撃で、全部壊れちゃって」
「全部ぅ!? わ、私のスマホも!?」
「そうよ。だから歩いてるのよ。一番近い町まで……」
紗美が憂鬱そうに嘆息した。
「あの、方向はこっちで合ってるの?」
うん、と恵叶が額の汗を拭いながら言った。
「私も紗美も、異世界の地図は頭にたたき込んでる。さすがに、こんな僻地まで足を運んだことはないけど、太陽の位置と生えてるサボテンの種類で、進むべき道はわかるわ」
「距離はわからないけどね……」
辛そうな顔で付け加える紗美を見ているうちに、アリアはとんでもないことに気がついてしまった。
「ね、ねえ、腕が……」
ん? と紗美が自身の腕を見やる。
紗美の両腕は、酷く変色していた。
手の甲から肩に至るまで、全てうっ血している。酷い日焼けかと思っていたが、青かったり赤かったりするのは、怪我をしているせいだ。
「それ、折れたの……?」
「折れてはないわ。アバラはちょっとイッた感じがするけど」
それで、さっきから苦しそうにしているらしい。
「大丈夫よ。これぐらいなら、すぐ治療できるもの。町に着けばだけど……」
気丈に笑う紗美に、アリアは唇を噛んだ。
私を守ったせいだ。気を失っていたけど、それぐらいわかる。もみくちゃにされた私を、必死に守ってくれたんだ。
何でよ。もうわかってるでしょ。私は敵なの。……敵なのに。
「……自分で歩く」
ずきずきした痛みを無視して、懸命に前に踏み出そうとする。が、砂を踏みしめる前に、恵叶にひょいと抱き上げられてしまった。
「は、放して!」
「子どもは我慢しなくていいから」
「そうそう。今ちょっと立ってただけでも、砂が顔面にぶつかって痛かったでしょう? アリア、ちっちゃいもんね」
「そ、そこまでちっちゃくない! もう九歳だもん!」
「はいはい」
再び、恵叶におんぶされる。
私死ぬほどかっこ悪い、とは思うものの、快適さは段違いだ。それに正直なところ、子どもの足に合わせていられない、という思いはあるだろう。
恵叶の背中で固まっていると、紗美がボトルを開けて、水を口に含ませてくれた。
「ほら、飲んで。ちょっとしかないから、少しずつね」
こく、とぬるい水が喉を通っていく。ひりついた喉が潤され、命の水のように感じられた。 助かった……。
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