上 下
37 / 69
第七章 こうするしかなかった(朋美side)

36.蓮くんの見ている前で…※

しおりを挟む
 外が見えないから実感はないけど、壁のデジタル時計では夜になっていた。私はシャワーを浴びて歯を磨き、もう眠ろうかと思っていた。起きていても後悔ばかりしていて、ろくなことを考えないから。

 そう言えば淳士はまだ今日ここへ来ていない。もちろん来てほしいわけではないけれど、何だか嫌な胸騒ぎがする。
 ……蓮くん、どうか無事でいて……。
 私がベッドでそんなことを思っていると、ドアがガチャっと音を立てた。

「ほら、さっさと歩けっ」
 ドアの向こうの階段の方から舎弟の声と複数人の足音がした。
「……んんっ!」
 誰かのうめき声が聞こえる。

 たばこを咥えた淳士が一番に入ってきて、
「よう、トモミ……。楽しい時間の始まりだ」
 と言って私のあごを掴み、顔を近づけてたばこの煙をフーッと吹きかけた。
「ケフッ、ゲフッ……」
 私はむせながらドアから部屋に入って来た人物を見つめた。

 舎弟二人に連れられているのは蓮くんだった。
 頬に殴られたようなアザがあり、後ろ手を縛られて口にガムテープを貼られている。
「蓮くんっ……」
 名前を呼ぶと蓮くんは少しだけ安堵したような目で私を見つめた。

「蓮くんを離してっ! 私がここへ来れば蓮くんには手を出さないって約束だったじゃないっ!」
 私は淳士に向かって叫ぶように訴えた。
「フン、お前が俺に生意気な態度を取ったのが悪いんだ。朋美、俺を怒らせるとどうなるか、よく覚えておけよ」
 淳士はケラケラ笑った。

 金髪の太った舎弟が部屋の中にあった椅子をベッドの近くに持ってきた。そして蓮くんはそこに座らさせられ、縛られている縄を椅子に固定されているらしかった。
「終わったら呼ぶ。一旦下がれ」
「はいっ」
 舎弟二人は出て行って、部屋には私と淳士と蓮くんの三人だけになった。

 淳士はたばこをコンクリートの壁に押しつけて消し、ポケットから折り畳み式ナイフを取り出した。
 ……ま、まさか拷問するつもり!?
 私はゾクッと背筋を震わせた。
 淳士の太い腕が私の左腕を掴んだ。
「い、いやああっ」
 刺されるっ……!
 恐怖に私の体はガクガク震えた。

 ビリッ……! 着ていたネグリジェが音を立てて破れた。淳士は強引に左右にビリビリ引き裂いて、私は下着一枚になった。
 ぶるんっと飛び出して揺れる乳房の先を慌てて両手で隠す。
 そんな私を見て淳はククッと笑い、着ていた黒いワイシャツを脱ぎ捨て、金のネックレスだけになった。ちらりと蓮くんの方を向いた際に、背中に入っている大きな虎のタトゥーが見えた。

 続いて下もズボンと下着を脱いで丸裸になった。逞しく天を仰ぐ黒くて大きなペニスと重たそうな袋が見える。
「だめ、やめてっ……」
 今日こそ犯されるっ……。それも蓮くんの見ている前で!

 私は恐怖にシーツを蹴って、後ろへ下がった。
 そんなことをしても淳士はベッドへ上がり、私をドンっとベッドへ押さえつけ、下着を強引に足から引き抜いた。
「ほら、朋美。大人しくしろよ」
「いやぁっ……」
 どうにか抵抗しようと、宙を蹴っていた私の足が淳士の手に当たった。
 淳士はチッと舌打ちし、私を睨みつけて頬をパシンッと平手打ちした。そして私の髪を掴んで目を合わせさせた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

森でオッサンに拾って貰いました。

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。 ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。

冷徹上司の、甘い秘密。

青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。 「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」 「別に誰も気にしませんよ?」 「いや俺が気にする」 ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。 ※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

処理中です...