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第五章 通じ合った想い(朋美side)

24.幸せの絶頂…現れた不安…※

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 彼は止めていた腰振りを再開した。
 ヌプ、ヌプ、ヌプ、ヌプ……とさっきよりも早い動きで、張り出したペニスの段差で的確にいい場所をゴリゴリ虐める。
「……ああっ、ぁん、……あんっ……」
 彼の濁りのない瞳を見つめながら、私は律動に合わせてあられもない声を上げた。
「……ン、……ッン……あぁっ、朋美さん……」
 蓮くんは夢中で抜き差ししながら、感じるままにうっとりと吐息を漏らす。

 太ももの付け根同士がぶつかり合い、パンッ、パンッ、と乾いた音が上がると共に、彼の柔らかな袋が当たる感触がする。
「……んっ、……蓮くん」

 私の子宮の入口へ彼の先端がちゅっちゅっとキスしている。
 そう思うとめまいを感じて、私は体を痺れさせた。
「ああっ、だめっ、……い、イクっ……!」
「ン、ク……、朋美さんっ……」

 彼が追い込むみたいに最奥をズンズンするから、私はプシャアアッと大量の潮を吹きながら、絶頂してしまった。
「ひいいいっ……!」
 その瞬間、私に激しく締め上げられた彼のモノがビクッ、ビクビクッ……と脈打つのを感じた。

 私は一瞬、気を失っていたようだった。彼は私を抱きしめて、ちゅっ、ちゅぱっ……と唇を吸っていた。
「大丈夫ですか、朋美さん……」
 心配そうに私の顔を覗きこんだ。
「うん……」
 私はコクッと頷いた。
 彼が私のナカで逞しいままの肉棒を引き抜くと、ゴムの先にたっぷりと白濁の液体が溜まっていた。

「……シャワー浴びましょうか」
 彼は私を優しくエスコートして、私の体をいたわるように丁寧に洗ってくれた。
「体、痛いですよね? 僕、理性を失って……、無理させるつもりなんてなかったのに……」
 心底申し訳なさそうに言う彼に私はキュンとした。

 その後、彼の匂いたっぷりのベッドの中で、彼の腕に包まれて私はドキドキが止まらなかった。彼からパジャマ代わりに借りたぶかぶかのティシャツと半ズボンに包まれているのも落ち着かない。
「好きです……朋美さん……」
 蓮くんは余裕のない切ない眼差しでもう一度私に告白した。
「私も……」
 素直にそう答えるとねっとりとキスされた。
 こんなに優しくて素敵な彼氏ができるなんて、私にとってもとんでもない幸せで心は舞い上がっていた。 
 それでも初めてセックスして体の奥に甘い違和感が渦巻いているままだし、ひどく疲れ切っていたので、私はいつの間にか眠りについていた。

***

 マンションの通路からけたたましい非常ベルの音が響いてきたのは、それからしばらく経ってからのことだった。
 ジリリリリリリリリ!
 私が飛び起きると蓮くんが部屋の電気をぱっとつけてくれた。
「一体何事っ!?」
「わからないけど、様子を見ましょう」
 私は彼に手を引かれて部屋の外へ出た。

 このワンルームマンションに住む多くの住人がパジャマのまま廊下へ飛び出していた。
 どこかの部屋で火事になっているのだろうか。なんだかかすかに焦げ臭い空気が漂っていた。

「何事ですか? まさか火事ですか?」
 階段のところにいた中年男性に蓮くんが尋ねた。
「駐輪場にずっと置いてあった古い原付が燃えたらしいんだ。燃えたって言ってもボヤだね。今見てきたけど、もう火は消えてたよ。こっちに燃え移ったら大変だからって誰かが早めに非常ベルを押してくれたみたい」

 なんだ、大丈夫なのね、と周囲の人々は部屋へ引き返していった。
 蓮くんと私は階段を降りて駐輪場へ向かった。
 近所の人かマンションの住人か、人だかりができていた。
「吸い殻が落ちていたって言うけど、たばこの火が原因なのかしらね……」
「物騒だなぁ、放火かねぇ?」

 落ちていたたばこの吸い殻の銘柄を聞いた瞬間、私は妙な胸騒ぎがして、全身から血の気が引いた。
 ただの偶然? でも、まさか……。
「……どうしたんです、朋美さん?」
 傍らで蓮くんが心配そうに私の顔を見ていた。
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