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第五章 通じ合った想い(朋美side)

19.一人になりたくない

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「私のせいでケガさせたようなものだから、せめて手当させて」
 マンションへ着くと、私は一度自分の部屋へ絆創膏や消毒液の入った薬箱を取りに行き、蓮くんの部屋へ向かった。

「そんな、手当てしてもらうほどのケガじゃないですって」
 蓮くんは笑ったけど、私は蓮くんのきれいな顔に万が一でも痕が残るのが心配だった。

 フローリングに敷かれたラグの上に向かい合って座り、薬箱から消毒液を取ろうとした私の手を蓮くんが掴んだ。
 蓮くんの澄んだ瞳が私の目をじっと見つめた。
 蓮くんが私のことをずっと好きでいてくれたなんて、改めて考えると胸がキュンキュンして顔が熱くなってしまう。

 恥ずかしくて視線を逸らせようとすると、
「消毒なんかより、こうしてくれた方がよっぽど癒えます」
 蓮くんの手が私のあごに添えられ、顔が近づいた。ふわっとアロマオイルみたいな彼の匂いがした。
 うそ、まさか……。
 そう思って私が肩を強張らせた瞬間、薄くて柔らかな彼の唇が私の唇に押し当てられた。

 キ、キスしてる……。
 私にとっては生まれて初めてのキスだった。

 触れるだけの優しい口づけが終わって、蓮くんはすんなり唇を離した。
「ふふ、……元気出ました」
 彼は目元を赤らめ照れ笑いした。

「朋美さん、明日も仕事じゃないですか? もう遅いですから」
 部屋に帰ることを促されたのに、私は首を横に振った。
「そばにいてもいい? 一人になりたくなくて……」
 最近、私っておかしい。蓮くんのマッサージを受けるようになってから、彼の匂いを嗅いだり、彼に触れられたりすると、体の奥がトクンと脈打って疼いてしまうのだ。
「もちろん、いいですけど……」
 少し前に蓮くんの部屋へタッパーに入れたおかずを持ってきて一緒にワインを飲んだ日なんて、酔って蓮くんの布団で寝ていたせいか下着の中がとろとろになっていた。

「体を張って助けてくれて、……本当にありがとう」
 ベッドに背をもたれて座る彼の胸板へ、私はそっと寄りかかった。
「朋美さん……」
 彼の逞しい腕に体を包まれ、私の心臓はうるさいほど騒いでいる。

「今までマッサージで何度も触れられているのに、蓮くんにこうされるとドキドキしちゃう……」
 私は素直に自分の心境を口にした。
「そんな可愛いこと言われたら、もっとドキドキさせたくなっちゃいます」
 再びちゅっと優しいキスをされた。

「嫌だったら言ってくださいね」
 彼の長い指が私のブラウスのボタンを、一つずつ丁寧に脱がしていく。ブラジャーを外され、ぷるんと胸が丸出しになってしまった。
 わきの方からゆっくりと中心へ向かって彼の両手が乳房をマッサージしている。
 普段から大きくて恥ずかしい乳輪や先端がさらに大きくなってしまっている。

 彼はちゅぱっと片方の乳頭を咥え、唇の内側の柔らかで温かい部分でやわやわと扱く。
「……ン、んんっ」
 私は恥ずかしくて手の甲を噛みながら、うめいた。

 だめ、こんなことされたら、下腹部に熱が渦巻いてしまう。
 こらえきれず太ももをもじっと擦り合わせると、彼は私のスカートとストッキングを丁寧に脱がした。
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