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第四章 抑えられない僕の気持ち(蓮side)
16.若社長
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僕の朋美さんに何してくれたんだっ!
あの黒髪黒シャツ金のネックレスの淳士の顔を思い出してイラっとした。
それにしても、とっくに終わった過去の人なのに、朋美さんのあの取り乱しぶりは気になる……。元カレが僕に向けてきた敵意のこもった視線も……。
「松山淳士。親が地元じゃそこそこの会社を経営していて、一人息子だっていうから昔からわがまま放題の性格に育ったみたいよ。確か、松山産業って名前の会社だったと思ったなぁ」
松山産業……?
あれ、どこかで聞いた名前だ……。気のせいだろうか。
「金に物言わせて、夜な夜なキャバクラなんか通って派手に遊び歩いているんだから。若社長なんて呼ばれてチヤホヤされてて」
「加奈子さんはあの淳士って人と知り合いなんですか?」
「違う、違う。SNSで検索して見たのよ、朋美の元カレってどんな人か気になるじゃない」
加奈子さんはスマホを取り出してあの男のSNSを見せた。確かにクラブだか、パーティー会場だかで、煌びやかな女性を両脇に座らせて酒を飲んでいる写真ばかりだ。
「朋美さんとこの人は高校以来会ってないんですよね? なのに、なんて言うか、この人は今でも朋美さんに執念のようなものを持っている気がしました……」
「まあそうでしょう、この男にしてみれば、今までで唯一自分の思い通りにならなかった朋美をどうにか自分のものにしたいって思っているんでしょうね。ああいうオラオラ系の男にありがちな思考だわ」
ここまで加奈子さんの話を聞いたところで、僕の頭に疑問が浮かんだ。
「あの、どうして、そんなこと……、わざわざ僕に教えに来てくれたんですか?」
目の前でアイスコーヒーを飲んでいる加奈子さんに尋ねた。
「まさか朋美さんの男性恐怖症がフラッシュバックしているから、朋美さんに近づかないでくれと言いに来たんですか……?」
「……いいえ、そうじゃないわ」
加奈子さんはきっぱりと否定した。
「朋美は今回の件で、蓮くんにまでしばらく心を閉ざしてしまうかもしれない。でも、彼女にとって、あなたは特別な人だから、そんなことで疎遠になってほしくないなって、私は個人的に思って……。私と朋美は入社同期でずっと仲良しだけど、今まで楽しそうに男性の話をしたことなんてなくて。あなたと出会って朋美は変わったなぁって……」
朋美さん、僕とのことを楽しそうに加奈子さんに話してるの!?
何それ、嬉しすぎる……。
「あ、もうこんな時間。私そろそろ子供のお迎えに行かないと……」
加奈子さんは腕時計を見ながら席を立った。
「ありがとうございました。お話聞けてよかったです」
僕はお会計して彼女と別れた。
「ご馳走様。これからも朋美のことよろしくね」
「はい、絶対に僕が彼女を幸せにします……」
あの黒髪黒シャツ金のネックレスの淳士の顔を思い出してイラっとした。
それにしても、とっくに終わった過去の人なのに、朋美さんのあの取り乱しぶりは気になる……。元カレが僕に向けてきた敵意のこもった視線も……。
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松山産業……?
あれ、どこかで聞いた名前だ……。気のせいだろうか。
「金に物言わせて、夜な夜なキャバクラなんか通って派手に遊び歩いているんだから。若社長なんて呼ばれてチヤホヤされてて」
「加奈子さんはあの淳士って人と知り合いなんですか?」
「違う、違う。SNSで検索して見たのよ、朋美の元カレってどんな人か気になるじゃない」
加奈子さんはスマホを取り出してあの男のSNSを見せた。確かにクラブだか、パーティー会場だかで、煌びやかな女性を両脇に座らせて酒を飲んでいる写真ばかりだ。
「朋美さんとこの人は高校以来会ってないんですよね? なのに、なんて言うか、この人は今でも朋美さんに執念のようなものを持っている気がしました……」
「まあそうでしょう、この男にしてみれば、今までで唯一自分の思い通りにならなかった朋美をどうにか自分のものにしたいって思っているんでしょうね。ああいうオラオラ系の男にありがちな思考だわ」
ここまで加奈子さんの話を聞いたところで、僕の頭に疑問が浮かんだ。
「あの、どうして、そんなこと……、わざわざ僕に教えに来てくれたんですか?」
目の前でアイスコーヒーを飲んでいる加奈子さんに尋ねた。
「まさか朋美さんの男性恐怖症がフラッシュバックしているから、朋美さんに近づかないでくれと言いに来たんですか……?」
「……いいえ、そうじゃないわ」
加奈子さんはきっぱりと否定した。
「朋美は今回の件で、蓮くんにまでしばらく心を閉ざしてしまうかもしれない。でも、彼女にとって、あなたは特別な人だから、そんなことで疎遠になってほしくないなって、私は個人的に思って……。私と朋美は入社同期でずっと仲良しだけど、今まで楽しそうに男性の話をしたことなんてなくて。あなたと出会って朋美は変わったなぁって……」
朋美さん、僕とのことを楽しそうに加奈子さんに話してるの!?
何それ、嬉しすぎる……。
「あ、もうこんな時間。私そろそろ子供のお迎えに行かないと……」
加奈子さんは腕時計を見ながら席を立った。
「ありがとうございました。お話聞けてよかったです」
僕はお会計して彼女と別れた。
「ご馳走様。これからも朋美のことよろしくね」
「はい、絶対に僕が彼女を幸せにします……」
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