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第一章 恥ずかしすぎる誤配事件(朋美side)
3.彼の勘違い
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私は何も言えず、ただただ固まっていた。
「間違えて買ってしまったの」
なんて言うのも違う気がするし、
「私の荷物じゃないみたい」
とも言えない……。
何を思ったか、小宮くんは真剣な眼差しで私の顔をじっと見つめて、
「あの、これってマッサージ器ですよね?」
と尋ねた。
まあマッサージ器といえばマッサージ器だ。マッサージするのは恥ずかしい部分だけど……。
私は火を噴きそうなほど熱くなっている顔でコクッと頷いた。
そして彼がまじめな顔で、
「このマッサージ器って形からして肩こり用ですよね?」
と言ったので私は唖然とした。
「……笹原さんって肩こりひどいんじゃないかなって、前々から思っていたんですよ」
「え……?」
小宮くんは完全に私の買ったアダルトグッズを肩こり用のマッサージ器だと勘違いしているみたいだった。
確かに私は昔から肩こりがひどい。
「やっぱりそうですよね。僕、マッサージの仕事をしているから、姿勢とか見れば大体どこが凝っているのかわかるんです」
彼は爽やかな笑顔で笑った。
「す、すごいね。プロのマッサージ師さんって、姿勢見ただけで、そういうのわかっちゃうんだ……?」
褒められて彼はにこにこした。
「あの、差し出がましいことですが、笹原さんのマッサージ器壊しちゃったお詫びとして、笹原さんの肩こりが解消するまで僕にマッサージさせてもらえませんか?」
「え、いいのよ。そんなお詫びだなんて……」
「マッサージさせてくれないなら、これと同じ商品をネットで調べて購入させてもらいますね」
「そ、それはダメっ! 絶対ダメ!」
ネットで調べられたらアダルトグッズだってバレちゃう……。
「じゃあ僕にマッサージさせてくれますね? こう言っちゃなんですけど、僕の技術は機械よりずっといいですよ」
「……プ、プロの人に揉んでもらえるなんて嬉しいわ」
適当に言ってとりあえずこの場を切り抜けないと……。
私は彼の手から強引に壊れたアダルトグッズの入った段ボールを受け取り、自分の部屋の玄関へ置いた。
「じゃあまた今度機会があったら是非ということで……」
私は自分の部屋へ戻ろうとした。
大人の会話の中での「また今度」は絶対にやってこない。
小宮くんも大人ならそれぐらい理解できるだろうと思ったのに……。
「じゃあ今から僕の部屋へ来てください。さっそく揉みほぐします」
爽やかな笑顔で彼はそう言った。
「あいにく私は明日の朝早くから用事があって……」
「大丈夫。10分、いや、5分で終わります」
「でも小宮くんも仕事で散々人の体を揉んで疲れているでしょう? 今度お休みの日にでも……」
「僕、今日休みでした。なので全然疲れていません」
小宮くんはにこにこ微笑みながら一歩も引かない。
なんだか少し強引すぎないか。
いくら相手が小宮くんだとは言え、こんな夜に男性の部屋に入るなんて私は少し怖いと思った。
「……どうしてそんなにマッサージしたがるの?」
「だってとてもつらそうだから、僕はマッサージ師として笹原さんのこと放っておけないんです。少しでも早く楽になってほしくて……」
ああ、小宮くんってつくづくまじめで誠実なんだなぁ……。
彼の気持ちに感心した私はとうとう、
「じゃあ5分だけ……」
と言って頷いた。
私って昔から押しに弱い。
「よかった……」
彼は嬉しそうだった。
「間違えて買ってしまったの」
なんて言うのも違う気がするし、
「私の荷物じゃないみたい」
とも言えない……。
何を思ったか、小宮くんは真剣な眼差しで私の顔をじっと見つめて、
「あの、これってマッサージ器ですよね?」
と尋ねた。
まあマッサージ器といえばマッサージ器だ。マッサージするのは恥ずかしい部分だけど……。
私は火を噴きそうなほど熱くなっている顔でコクッと頷いた。
そして彼がまじめな顔で、
「このマッサージ器って形からして肩こり用ですよね?」
と言ったので私は唖然とした。
「……笹原さんって肩こりひどいんじゃないかなって、前々から思っていたんですよ」
「え……?」
小宮くんは完全に私の買ったアダルトグッズを肩こり用のマッサージ器だと勘違いしているみたいだった。
確かに私は昔から肩こりがひどい。
「やっぱりそうですよね。僕、マッサージの仕事をしているから、姿勢とか見れば大体どこが凝っているのかわかるんです」
彼は爽やかな笑顔で笑った。
「す、すごいね。プロのマッサージ師さんって、姿勢見ただけで、そういうのわかっちゃうんだ……?」
褒められて彼はにこにこした。
「あの、差し出がましいことですが、笹原さんのマッサージ器壊しちゃったお詫びとして、笹原さんの肩こりが解消するまで僕にマッサージさせてもらえませんか?」
「え、いいのよ。そんなお詫びだなんて……」
「マッサージさせてくれないなら、これと同じ商品をネットで調べて購入させてもらいますね」
「そ、それはダメっ! 絶対ダメ!」
ネットで調べられたらアダルトグッズだってバレちゃう……。
「じゃあ僕にマッサージさせてくれますね? こう言っちゃなんですけど、僕の技術は機械よりずっといいですよ」
「……プ、プロの人に揉んでもらえるなんて嬉しいわ」
適当に言ってとりあえずこの場を切り抜けないと……。
私は彼の手から強引に壊れたアダルトグッズの入った段ボールを受け取り、自分の部屋の玄関へ置いた。
「じゃあまた今度機会があったら是非ということで……」
私は自分の部屋へ戻ろうとした。
大人の会話の中での「また今度」は絶対にやってこない。
小宮くんも大人ならそれぐらい理解できるだろうと思ったのに……。
「じゃあ今から僕の部屋へ来てください。さっそく揉みほぐします」
爽やかな笑顔で彼はそう言った。
「あいにく私は明日の朝早くから用事があって……」
「大丈夫。10分、いや、5分で終わります」
「でも小宮くんも仕事で散々人の体を揉んで疲れているでしょう? 今度お休みの日にでも……」
「僕、今日休みでした。なので全然疲れていません」
小宮くんはにこにこ微笑みながら一歩も引かない。
なんだか少し強引すぎないか。
いくら相手が小宮くんだとは言え、こんな夜に男性の部屋に入るなんて私は少し怖いと思った。
「……どうしてそんなにマッサージしたがるの?」
「だってとてもつらそうだから、僕はマッサージ師として笹原さんのこと放っておけないんです。少しでも早く楽になってほしくて……」
ああ、小宮くんってつくづくまじめで誠実なんだなぁ……。
彼の気持ちに感心した私はとうとう、
「じゃあ5分だけ……」
と言って頷いた。
私って昔から押しに弱い。
「よかった……」
彼は嬉しそうだった。
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