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第十四章 その後の生活
138.聞いてしまった真実
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旅から帰った俺は城の部屋のバルコニーへ出て風に当たっていた。
嫌でも、島での出来事ばかり思い出してしまう。
静養の旅だと言うから行ったのに、とんでもない目に遭った。
「……くそっ……」
ヨガやお灸、膣内洗浄などをされている際に、周囲に集まった人々が俺に向けていた好奇の視線が脳裏に蘇って、俺は奥歯を噛みしめた。苛立ちを抑えきれず、こぶしをぎゅっと握り締める。
この俺が数々の屈辱を味わわされた挙句、タコに犯されたなんて……。もう思い出したくもないのに。
全身に力がこもると俺の秘部はくちゅっ……と濡れた音を立てた。
「……っ♡」
頭は怒りの感情でいっぱいなのに、局部はじんわりと濡れて腹の奥がキュンと甘く疼いてしまう。
ルークは俺があんな目に遭うと知っていながら、あの島へ俺を連れて行ったのだろうか?
もし俺のことを本当に好きなら、俺が人前で痴態を晒すのを黙って見ていられないんじゃないだろうか。
あいつの気持ちはやっぱりわからない……。
もしかしてルークは俺に対して恋愛感情なんてないんじゃないか。いつだか考えていたように、やっぱりルークはこの国に滅ぼされた民族の生き残りで復讐のために俺の従者になったんじゃないか。そんな気がしてくる。
……俺だけがルークを好きで、ルークの方は何とも思っていないのか。
そう思うと胸の奥がズキンと痛んで、俺はバルコニーから部屋へ戻ろうとした。
他の部屋のバルコニーから人の声が聞こえて、俺はそちらを見た。
話しているのはルークとカラスだった。
いつだったか、ルークは以前もこうして老婆のような声のカラスと会話していた。
俺は身を隠して息をひそめ、彼らの話を聞いた。
「それなりによかったんですけど……、シュライフェ様は怒っていると思います。帰りの船でも口を聞いてくれなかったんです」
ルークはカラスに旅行でのことを話しているみたいだった。
あの島へ行くことはライアに提案されたと言っていたが、このカラスはライアか、もしくはライアの使いなのだろうか……?
「フン……、なに、心配いらん。向こうはもうお前さんにぞっこんなんじゃから」
「ぞっこん!? シュライフェ様が私に!? ……いや、まさか」
カラスに言われてルークは顔を赤く染めて、照れ笑いしていた。
「自信を持て。ここまで長かったが、お前さんの夢はようやく叶おうとしている」
「……ええ。思い返せば、恋焦がれるシュライフェ様の従者になれたものの、ただそばで見ていることしかできなかった頃が遠い昔のようです。私がシュライフェ様と結ばれるために魔術でシュライフェ様のアソコを女の子に変えていただいて、シュライフェ様がカトリーナ様と結婚してしまうことも回避できたのですから、夢みたいです。本当に感謝しています」
嫌でも、島での出来事ばかり思い出してしまう。
静養の旅だと言うから行ったのに、とんでもない目に遭った。
「……くそっ……」
ヨガやお灸、膣内洗浄などをされている際に、周囲に集まった人々が俺に向けていた好奇の視線が脳裏に蘇って、俺は奥歯を噛みしめた。苛立ちを抑えきれず、こぶしをぎゅっと握り締める。
この俺が数々の屈辱を味わわされた挙句、タコに犯されたなんて……。もう思い出したくもないのに。
全身に力がこもると俺の秘部はくちゅっ……と濡れた音を立てた。
「……っ♡」
頭は怒りの感情でいっぱいなのに、局部はじんわりと濡れて腹の奥がキュンと甘く疼いてしまう。
ルークは俺があんな目に遭うと知っていながら、あの島へ俺を連れて行ったのだろうか?
もし俺のことを本当に好きなら、俺が人前で痴態を晒すのを黙って見ていられないんじゃないだろうか。
あいつの気持ちはやっぱりわからない……。
もしかしてルークは俺に対して恋愛感情なんてないんじゃないか。いつだか考えていたように、やっぱりルークはこの国に滅ぼされた民族の生き残りで復讐のために俺の従者になったんじゃないか。そんな気がしてくる。
……俺だけがルークを好きで、ルークの方は何とも思っていないのか。
そう思うと胸の奥がズキンと痛んで、俺はバルコニーから部屋へ戻ろうとした。
他の部屋のバルコニーから人の声が聞こえて、俺はそちらを見た。
話しているのはルークとカラスだった。
いつだったか、ルークは以前もこうして老婆のような声のカラスと会話していた。
俺は身を隠して息をひそめ、彼らの話を聞いた。
「それなりによかったんですけど……、シュライフェ様は怒っていると思います。帰りの船でも口を聞いてくれなかったんです」
ルークはカラスに旅行でのことを話しているみたいだった。
あの島へ行くことはライアに提案されたと言っていたが、このカラスはライアか、もしくはライアの使いなのだろうか……?
「フン……、なに、心配いらん。向こうはもうお前さんにぞっこんなんじゃから」
「ぞっこん!? シュライフェ様が私に!? ……いや、まさか」
カラスに言われてルークは顔を赤く染めて、照れ笑いしていた。
「自信を持て。ここまで長かったが、お前さんの夢はようやく叶おうとしている」
「……ええ。思い返せば、恋焦がれるシュライフェ様の従者になれたものの、ただそばで見ていることしかできなかった頃が遠い昔のようです。私がシュライフェ様と結ばれるために魔術でシュライフェ様のアソコを女の子に変えていただいて、シュライフェ様がカトリーナ様と結婚してしまうことも回避できたのですから、夢みたいです。本当に感謝しています」
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