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第十三章 現実逃避のバカンス

116.最上級の癒しの島※

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 ずいぶんと長い時間眠ってしまったようだ。目が覚めてデッキに出ると、夕焼けがまぶしかった。

「もう間もなく到着します」
 ルークは荷物をまとめて船を降りるための支度をしていた。
 目の前の小さな島の船着場に船は向かっていた。

「ようこそ、最上級の癒しの楽園へ」
 島民の男たちが歓迎してくれているが、その格好に愕然とした。丸裸に10センチ四方程度の小さな布切れの前掛け一枚で局部を隠しているだけなのだ。しかもその薄っぺらい布は海辺の風にひらひらとたなびいて、彼らのイチモツがちらちらと見えているのだが、それを気にするそぶりも見せない。

 俺が呆気に取られて男たちの股間の前掛けを眺めていると、島民が俺とルークに自分たちが身につけているものと同じ前掛けを差し出した。
「どうぞ我々と同じものにお着替えください」

「えっ……」
「ありがとうございます」
 ルークは丁寧に礼を言って受け取った。

「さあ、シュライフェ様、着替えましょうか」
「これを着ろだと!? 冗談じゃないっ!」
 そんな格好をしたら俺の女性器が人々に見られてしまうではないか。

「この島は癒しと健康の最高級のリゾートですから、教育の徹底された島民とお忍びで訪れる各国のVIPしかおりません。プライバシーは守られていますからご安心ください」
「だがっ……」
 プライバシーの保証があるとはいえ、あそこを見られるなんて絶対に嫌だ。

 困っているルークを見かねて、島民が答えた。
「本来、人間は丸裸で生活する生き物なのです。下着や衣服で一番大事な部分を覆い隠していては、この島の癒しのパワーを十分に得ることができませんので、どうか恥じらわず……」

「契約書に同意のサインをしてこの島へ来たからには、誰であろうと癒されて帰ってもらわないと困るのです」
「俺は同意のサインなどしていないっ!」

「そちらの従者の方が代筆しております。当日のキャンセルは受け付けておりません。……そちらに着替えるのがどうしても嫌となると、丸裸にしてはりつけにするしかないですね」
 王太子であるこの俺に向かって、なんと無礼な……っ! 苛立ちを覚えたが、島民の口ぶりからしてどうやらこの島では利用客の身分など関係がないようだ。

「丸裸ではりつけは困るっ……」
 仕方なく俺はここでのルールに従うことにした。ルークと共に草むらへ入って、衣服を脱いだ。10センチ四方の布切れの右上と左上に紐がついていて、島民たちがそうしていたように腰の後ろで結んだ。

「これではほとんど意味がないじゃないかっ……」
 股の間を風が抜けてすーすーする。
 この俺が、屋外でこんな恥ずかしい格好をするなんて……。

 ルークの股間に目をやると萎えているというのに立派なそこは布をふっくらと押し上げていた。
「……っ……♡」
 思わずゴクッと喉が鳴ってしまい、慌てて目を背けた。
 布の中で俺のクリトリスがピクンと震えあがる。
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