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第十三章 現実逃避のバカンス
113.馬に乗って町へ※
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週刊誌には「許嫁であり幼い頃から想いを寄せていたカトリーナ王女に逃げられて、シュライフェ王子はひどく落胆している」と書かれていた。
「ひどく落胆だと……? なぜ、こんな嘘を……」
どの記事にも「失恋」「婚約破棄」「略奪」の文字が躍る。事実を正確に伝えるよりも読者の興味を引くように面白おかしく書かれているのだ。
「こんなのでたらめじゃないかっ! そもそもカトリーナのことなど好きでも何でもないというのに。これじゃまるで俺が一方的にフラれてしまったみたいだっ……」
やり場のない憤りに、思わず週刊誌を握る手に力がこもってしまう。
外の空気を吸ってカッとなった頭を落ち着かせたいと思った。
城の中を歩いていると、すれ違う使用人たちが俺に向けてくる視線が今までと全く異なることに気がついた。腫れ物にさわるように、俺の顔色をやたらと気にして心配そうな上目遣いで見てくるのだった。
なんだよ、もう……。
俺の知らないところで勝手に名誉が傷つけられている悔しさに、俺は奥歯を食いしばった。
久しぶりに馬に乗ることにした。こんな時ぐらい付き人なしでどこか遠くへ行っても罰は当たらないだろうと思ったのだ。
「シュライフェ様、お一人でおでかけでございますか?」
馬の世話係が驚いていた。
「ああ、ちょっとそこまで走らせるだけだ」
とにかく今は一人になりたかった。
考えてみればあそこが女性器になってからというもの、積極的に外に出ることはしなくなっていた。愛馬に乗るのも女性器になって初めての事だった。
馬の鞍に跨るとちょうど肥大化したクリトリスが押しあたった。
「……っ……♡」
性器が男だった頃にもそこに当たっていたはずなのに、肥大化したクリトリスは神経が剥き出しであるかのように敏感で、些細な刺激でも背筋に電流が駆け抜けるように甘く痺れてしまう。
「……っ、……はぁ……♡♡」
馬の動きに合わせて体がゆったりと揺れるたびに肉豆がズンズン刺激され、俺は熱い息を漏らさずにはいられない。
「……くっ……♡♡」
感じすぎておまんこから汁が漏れ出してしまった。このままではまずい、どんどん気持ちよくなってしまいそうだ。
引き返そうかと迷っていながら町の広場に出てしまったため、俺に気づいた一般人が群がって来てしまった。
「あ、シュライフェ様だっ」
「きゃあ、感激だわ」
国民の視線がいつもと変わらぬもので俺は安堵したものの、幼い少年の発言でその空気は一変した。
「ママ、あの人、隣の国の王女様にフラれたかわいそうな王子様なんでしょう?」
隣にいた母親はぎょっとして、慌てて我が子の口を塞いだ。
「こら、変なこと言うんじゃないっ! どうかご無礼をお許しください」
母親は深々と頭を下げて俺に許しを請う。
「ひどく落胆だと……? なぜ、こんな嘘を……」
どの記事にも「失恋」「婚約破棄」「略奪」の文字が躍る。事実を正確に伝えるよりも読者の興味を引くように面白おかしく書かれているのだ。
「こんなのでたらめじゃないかっ! そもそもカトリーナのことなど好きでも何でもないというのに。これじゃまるで俺が一方的にフラれてしまったみたいだっ……」
やり場のない憤りに、思わず週刊誌を握る手に力がこもってしまう。
外の空気を吸ってカッとなった頭を落ち着かせたいと思った。
城の中を歩いていると、すれ違う使用人たちが俺に向けてくる視線が今までと全く異なることに気がついた。腫れ物にさわるように、俺の顔色をやたらと気にして心配そうな上目遣いで見てくるのだった。
なんだよ、もう……。
俺の知らないところで勝手に名誉が傷つけられている悔しさに、俺は奥歯を食いしばった。
久しぶりに馬に乗ることにした。こんな時ぐらい付き人なしでどこか遠くへ行っても罰は当たらないだろうと思ったのだ。
「シュライフェ様、お一人でおでかけでございますか?」
馬の世話係が驚いていた。
「ああ、ちょっとそこまで走らせるだけだ」
とにかく今は一人になりたかった。
考えてみればあそこが女性器になってからというもの、積極的に外に出ることはしなくなっていた。愛馬に乗るのも女性器になって初めての事だった。
馬の鞍に跨るとちょうど肥大化したクリトリスが押しあたった。
「……っ……♡」
性器が男だった頃にもそこに当たっていたはずなのに、肥大化したクリトリスは神経が剥き出しであるかのように敏感で、些細な刺激でも背筋に電流が駆け抜けるように甘く痺れてしまう。
「……っ、……はぁ……♡♡」
馬の動きに合わせて体がゆったりと揺れるたびに肉豆がズンズン刺激され、俺は熱い息を漏らさずにはいられない。
「……くっ……♡♡」
感じすぎておまんこから汁が漏れ出してしまった。このままではまずい、どんどん気持ちよくなってしまいそうだ。
引き返そうかと迷っていながら町の広場に出てしまったため、俺に気づいた一般人が群がって来てしまった。
「あ、シュライフェ様だっ」
「きゃあ、感激だわ」
国民の視線がいつもと変わらぬもので俺は安堵したものの、幼い少年の発言でその空気は一変した。
「ママ、あの人、隣の国の王女様にフラれたかわいそうな王子様なんでしょう?」
隣にいた母親はぎょっとして、慌てて我が子の口を塞いだ。
「こら、変なこと言うんじゃないっ! どうかご無礼をお許しください」
母親は深々と頭を下げて俺に許しを請う。
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