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第十二章 本音の薬

108.出てしまう本音※

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 ただ、絶頂するにはほんの少し物足りない快感なので、俺はもどかしく腰をうねらせていた。

「ルークぅ……♡」
 俺の口は勝手にルークの名前を呼んだ。

「なんですか、シュライフェ様」
 突き入れていた舌を引き抜いて返事をしたルークの吐息が敏感な秘部に吹きかかり、俺はゾクゾクと背筋を震わせた。

「……あはぁっ……♡」
 そんなところでしゃべるな、と普段の俺なら怒るところだが、言葉が口から出ない。
 代わりに別の言葉が勝手に口から飛び出した。

「もう……我慢できないっ♡ ……ルークの太くて硬い肉棒で俺の一番奥をめちゃくちゃにかき混ぜてくれっ♡♡」
 うわ、なんて恥ずかしいことを……。
 もっと強い刺激が欲しくてじれったいのは本当のことだが、こんな媚びるような真似、いつもの俺ならするわけがない。

 ルークも俺がいつもと違うと気づいたみたいで、不思議そうな顔で見ている。
「シュライフェ様、やはりお熱が……?」

「熱などない。熱いのはここだけだと言っている……っ♡」
 散々舌で愛撫されたせいでとろとろにとろけて力が入らない股はだらしなく開いたままだ。ビクビクと勃起したクリトリスが震えて、穴からくぷっと泡と共に愛液が吹き出す。

「ルーク♡ 俺のナカをお前で満たしてくれ……♡♡」

 いつもと違う俺の態度にルークは戸惑っているようだった。俺を見つめたまま何か考え込んでいる。

「何を躊躇っている……? 早くしてくれっ♡」
 じれったい、と思った瞬間、俺の口から言葉が飛び出した。

 ルークは何とも切ない表情をして言葉を選びながら口を開いた。
「ただの従者である私が、こんなに何度も、シュライフェ様と……」
 想像していた通り、ルークは身分の差を気にして自分の気持ちに蓋をしているのだ。

 こればかりは仕方のないことだ。感情を押し殺して身分をわきまえて立ち振る舞うことなんて、俺自身が生まれてから今までずっとしてきたことだ。そうだな、と言ってこの場を終わらせようと思うのに……。

「いいんだ、俺がお前に抱かれたいんだ♡」
 口が勝手に心の奥の願望を口にしてしまう。

「しかし……」
 ルークはもうすぐカトリーナと結婚する俺の気まぐれに付き合って、こんなことをしたって後々辛くなるだけだと思っているのかもしれない。

「俺が好きなのはルーク、お前だけなんだ」
 心の奥にしまってある、自分でも未確認だった言葉が口から飛び出した。
 ルークは目を見開いた。俺自身もぎょっとした。

「カトリーナのことなど愛していないんだ。昔から国のために仕方なくと思っているが、本当はずっと嫌なんだ。カトリーナにも本当の恋人がいるのだから、彼女だってそうだ。俺が心から好きなのはお前だけなんだ」
 なんてことを言っているのだろう。こんなことを言ったところで政略結婚は避けて通れない俺の運命だというのに……。
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