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第十二章 本音の薬

104.ルークの気持ち※

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 ある日の昼間、俺は部屋で一人、机に向かって手紙を読んでいた。
 差出人はカトリーナで、先日の婚前旅行を中止にしてしまった詫びと、もうすっかり流行病が治って体調が回復したことが書かれていた。

 返事を書こうと思ってペンを取ろうとすると、ライトスタンドの磨き上げられた金の装飾に自分の瞳が映って、思わず見入ってしまった。

 先日の夜のうっとりと俺を見つめるルークの眼差しを思い出し、俺の胸はぎゅんと締め付けられる。何だか苦しいほど体の奥が熱くなってざわざわと落ち着かないのだ。

 目は口ほどにものを言うという言葉があるように、言葉で言われなくても、ルークは俺のことが好きなのだと確信した。
 俺に仕える身分であるがゆえに、ルークは俺への恋心を口にできずにいるのだろう。
 だとすると、俺がもうすぐカトリーナと結婚しなければならないことをルークはどう思っているのだろうか……。

 ……あのルークが俺のことを好いているだなんて。そう思うと顔がかあっと熱くなった。

 先日の夜のことを思い出しているせいで、服の中で俺のクリトリスがトクンと脈打った。
「……っ♡」

 太くて硬くて熱いペニスを挿入されると、膣内を満たされて何とも言えない悦びを感じた。張型じゃ味わえない満足感に体が芯から痺れ上がった。ルークのとろけるような熱い視線と荒い吐息……。
 あのときのことを思い出しただけで、体の奥からとろりと蜜が滴ってしまう。

 ああ、ムラムラする。
 ゴクッと喉を鳴らし、俺はズボンの生地を押し上げている尖りを撫でようと指先を伸ばした。

「シュライフェ様、ライア様がお見えです」
 ドアの向こうからルークの声が聞こえて、俺は肩をビクッと震わせた。

「わかった、すぐ行くからいつもの応接間へ通しておいてくれ」
 鏡越しに俺の様子を見ていたのだろうかと思うようなタイミングだった。机に向かっていたので後姿しか見えていないから股へ手を伸ばした様子は見られていないだろうけど。



 ムラムラを発散できず不完全燃焼のまま応接室へ向かった。
「何の用だ?」
 苛立ちをライアへ向ける。

「どうです? 先日お渡ししたものの使い心地は?」
 あの偽ペニスのことか。
「使い心地も何も、やたらキュウキュウ吸いついて、あんなものをつけていてはとても平静ではいられないぞ」
 ムラムラしてたまらず、晩餐会から急いで部屋へ戻ってそれを挿入してしまったのだから。

「そうは言っても、あそこが女の子のままでは結婚生活は難しいと思いますが?」
 そんなこと俺だってわかっている。
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