【BL】カントボーイ~気高き王太子のアソコが女の子になっちゃった~【R-18】

衣草 薫

文字の大きさ
上 下
95 / 142
第十一章 鏡の秘密

95.ルークとハンナ

しおりを挟む
 ハンナというメイドに微笑みかけたときのルークの顔が脳裏に蘇るたび、俺はイライラしていた。ルークの奴め、俺にはいつだって冷たい目を向けているというのに、若い女相手だとあんなにいい顔をするのか。
「……くそっ……」

 昨夜も思ったことだが、ルークはこれまで何度か俺を抱いているけどそれは俺が命令したから応じているだけだ。
 ルークは俺に対して何の感情も抱いていないのだろう。

 さっきまでルークをクビにしてほしいと訴えて騒ぎを起こしてやろうと思っていたが、とりあえずその計画はまた今度だ。ハンナのことが気になってもうそれどころじゃない。

 バルコニーから外を見ると一人のメイドが芝生に座って裁縫をしていた。ハンナだ。彼女のそばにルークの姿がなくてほっとした。

 ルークとハンナは恋人同士なのだろうか……? 俺としては面白くない。ルークはあんな平凡なメイドがいいというのか。

 裁縫を続けるハンナは少し地味で大人しそうであるが、よく見るときれいな顔をしている。針を動かすしなやかな指、強く掴めば簡単に折れてしまいそうだ彼女の肩、露出した白いうなじ。全てが細く繊細で、俺とは全然違う。
 今、俺は性器こそ女だが、もちろん本物の女になったのではない。

 ああ、なんだかむしゃくしゃする。なぜ王太子であるこの俺があんなメイド一人にやきもきしなければならないのか。
「フン、バカバカしい……」
 俺は彼女へ向けていた視線を背けた。

「シュライフェ様」
 ルークが部屋に入ってきた。

「な、なんだ?」
 俺は慌てて窓から離れて、外など見ていなかった素振りをしたが、ルークはそんなこと全く気に止めていないようだった。
「ライア様がいらっしゃっています」



 敵か味方かわからない、あの魔術師、また来たのか。
「何の用だ!?」
 応接間で紅茶を飲みながら待っていた白黒頭に俺は眉をひそめながら声をかけた。

「久しぶりにお会いしたというのに、ずいぶん冷たいですね」
 冷たくて当然だ。成人の儀式でもこれ以上ない屈辱を味あわされたし、肥大化する薬やら吸引器やら変なものばかり渡して来て、こいつには毎度とんでもない目に遭わされているのだから。

「聞きしましたよ、スポイトで吸い上げた成果であそこが少し大きくなったと」
 ライアににやりと笑われて、割れ目から飛び出している俺のピーナッツ大のクリトリスが服の中でピクンと震えた。恥ずかしくて一気に顔が熱くなった。

「ルークに聞いたのか……?」
 おしゃべりめ、と俺は心の中でルークを恨んだ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...