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第十一章 鏡の秘密
90.丸見えの鏡※
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あの大きな鏡がこちらからはガラスのように丸見えなのだ。
「なんだ、これは……」
俺がつけてきたぼんやりとしたベッドサイドの明かりに照らされて、ひじ掛け付きの椅子がまるでステージの上でスポットライトを浴びて輝いているかのように鮮明に見えるのだ。
「……どういうことだ……」
この鏡を通して俺の行動はいつもルークに見られていたということか……?
俺は性器が女性器になったとき、この鏡に映して見て確認したし、そのあともたびたびこの鏡の前で局部を見ていた。この部屋にいたルークからはその様子がはっきりと見えていたのか。
それどころか、俺はこの鏡の前で自ら膣へ電動歯ブラシの柄を挿入したし、あの怪しい木馬にも跨った。おまけにあの椅子のひじ掛けへ両足を引っかけて大股開きの格好をしてピンクの張型を抜き差しして絶頂したのだ。
それが全て、ルークに見られていたなんて……。
「う、うそだろう……」
この鏡の前でしてきたことを思い出していくうちに俺の顔から血の気が引いていく。
「うわああああっ……!」
俺は恥ずかしさのあまり絶叫し、自分のサラサラの金髪を握り締めてその場へしゃがみ込んだ。
強引に愛撫されて達する姿ならともかく、自ら快感を求めて性器を扱き絶頂する姿はこれ以上にないほどの醜態だ。
いつも優雅に気高く振舞ってきた王太子であるこの俺のあられもない姿を、他でもないルークに見られていただなんて。
「まさか、見られていただなんて……っ! ……くそっ……!」
欲望に負けて自慰行為をしたことを今更ながら激しく悔やんだ。
ああ、もうルークに合わす顔がない。どこか遠くへ逃げてしまいたい気持ちだった。ルークの部屋を出ようと立ち上がったとき、目の前の扉が開いた。ルークが戻って来たのだ。
う、うそっ……。どうしよう。
こんなことならさっさと部屋を出ていればよかった。狭い倉庫のような部屋には隠れられる場所なんてどこにもない。
「シュライフェ様……?」
逃げも隠れもできないまま部屋に入って来たルークと鉢合わせになった。
「な、なんだよ、お前、この鏡はっ!?」
決まりが悪くて、ルークに何か言われるよりも先に自分の方から鏡を指さしてルークを問い詰めた。
「許可なく俺の部屋を覗いていたのかっ! 悪趣味だぞっ!」
ルークは悪びれる様子もなくいつも通りの冷静な表情のままだ。
「悪趣味……? 従者としていついかなるときもシュライフェ様の身をお守りしなければなりませんので。私はこうしてシュライフェ様が安全に過ごされているかどうかを、いつでも見守っていたのです」
そう言われてしまうと返す言葉がない。
「……くっ……」
部屋で一人になったと思って堂々と自慰行為に耽っていたのは俺が悪かったのか。
「なんだ、これは……」
俺がつけてきたぼんやりとしたベッドサイドの明かりに照らされて、ひじ掛け付きの椅子がまるでステージの上でスポットライトを浴びて輝いているかのように鮮明に見えるのだ。
「……どういうことだ……」
この鏡を通して俺の行動はいつもルークに見られていたということか……?
俺は性器が女性器になったとき、この鏡に映して見て確認したし、そのあともたびたびこの鏡の前で局部を見ていた。この部屋にいたルークからはその様子がはっきりと見えていたのか。
それどころか、俺はこの鏡の前で自ら膣へ電動歯ブラシの柄を挿入したし、あの怪しい木馬にも跨った。おまけにあの椅子のひじ掛けへ両足を引っかけて大股開きの格好をしてピンクの張型を抜き差しして絶頂したのだ。
それが全て、ルークに見られていたなんて……。
「う、うそだろう……」
この鏡の前でしてきたことを思い出していくうちに俺の顔から血の気が引いていく。
「うわああああっ……!」
俺は恥ずかしさのあまり絶叫し、自分のサラサラの金髪を握り締めてその場へしゃがみ込んだ。
強引に愛撫されて達する姿ならともかく、自ら快感を求めて性器を扱き絶頂する姿はこれ以上にないほどの醜態だ。
いつも優雅に気高く振舞ってきた王太子であるこの俺のあられもない姿を、他でもないルークに見られていただなんて。
「まさか、見られていただなんて……っ! ……くそっ……!」
欲望に負けて自慰行為をしたことを今更ながら激しく悔やんだ。
ああ、もうルークに合わす顔がない。どこか遠くへ逃げてしまいたい気持ちだった。ルークの部屋を出ようと立ち上がったとき、目の前の扉が開いた。ルークが戻って来たのだ。
う、うそっ……。どうしよう。
こんなことならさっさと部屋を出ていればよかった。狭い倉庫のような部屋には隠れられる場所なんてどこにもない。
「シュライフェ様……?」
逃げも隠れもできないまま部屋に入って来たルークと鉢合わせになった。
「な、なんだよ、お前、この鏡はっ!?」
決まりが悪くて、ルークに何か言われるよりも先に自分の方から鏡を指さしてルークを問い詰めた。
「許可なく俺の部屋を覗いていたのかっ! 悪趣味だぞっ!」
ルークは悪びれる様子もなくいつも通りの冷静な表情のままだ。
「悪趣味……? 従者としていついかなるときもシュライフェ様の身をお守りしなければなりませんので。私はこうしてシュライフェ様が安全に過ごされているかどうかを、いつでも見守っていたのです」
そう言われてしまうと返す言葉がない。
「……くっ……」
部屋で一人になったと思って堂々と自慰行為に耽っていたのは俺が悪かったのか。
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