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第十章 肥大化作戦
75.カトリーナからの手紙
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パーティーから数日。内心ヒヤヒヤして過ごしていたのだが、俺のミニスカートの中は激写されなかったようで、新聞や週刊誌に俺のあそこが女だというスクープが載ることはなかった。
すっかり安堵した俺は、部屋の窓からバラの咲き誇る庭を眺め、紅茶を楽しんでいた。
「シュライフェ様、カトリーナ様からお手紙です」
部屋に入って来たルークが一通の手紙を差し出した。
「カトリーナから?」
なんだろう、改まって……。
カトリーナは俺の許嫁である隣国の王女だが、彼女から手紙が来るなんて珍しいことだった。軽い胸騒ぎを感じながら封を開けた。
手紙には、半年後に迫った結婚に先立って、二人で婚前旅行をしたいと記されていた。
「こ、婚前旅行……だとっ……!?」
なんでまたそんなことを……。俺たちは政略結婚で恋仲でも何でもないというのに……。
手紙には旅行の詳細な日時や場所まで書かれていた。日程は来週末に一泊二日。リゾート地として有名な離島の別荘が指定されている。隣国の港から出る船で1時間ほどの場所だ。
「おい、これを見ろ。参ったな、一体どうすれば……」
困り果てた俺はルークに手紙を見せた。
「はあ、婚前旅行ですか。それは楽しみですね」
のん気に返事するルークに苛立ちを感じた。
「バカか、貴様っ! 二人で宿へ一泊するとなると、それってつまり男女の仲になるってことじゃないか!?」
今の俺の体でどうしろと言うのか。結婚までまだ日があると思って、俺は油断していたのだ。
カトリーナの提案を断ることなどできない。彼女の機嫌を損ねて婚約が破談になったら一大事だ。彼女との結婚にはこの国の未来がかかっているのだから、俺は彼女に従うことしかできないのだ。
「やっぱりあのとき、魔女に性器を戻してもらえばよかった……。俺はなんて愚かなのだろう……。カトリーナに婚約破棄されたら、もう、この国は終わりだ……」
旅先でカトリーナに俺の女性器を見られたらどうなる……。俺は頭を抱えて狼狽えた。
「シュライフェ様……、そんなに悲観なさらないでください」
「慰めの言葉などいらぬっ! お前に俺の何がわかるっ!」
この大変なときだというのに全く取り乱していないルークを睨みつけた。結局こいつにとって俺の悩みなど他人事なんだ。そう思うと胸がズキンと痛んだ。
「性器が元に戻るのはまだ先になるかもしれませんが、陰核を肥大化させて男性器のようにすることは可能ではないでしょうか。宿の暗がりの中であれば、きっとごまかしがききます。来週末までにできることをやりましょう」
確かにルークの言う通りだ。結婚まではまだ時間がある。旅行の一晩だけなら肥大化させたクリトリスでやり過ごせるかもしれない。
すっかり安堵した俺は、部屋の窓からバラの咲き誇る庭を眺め、紅茶を楽しんでいた。
「シュライフェ様、カトリーナ様からお手紙です」
部屋に入って来たルークが一通の手紙を差し出した。
「カトリーナから?」
なんだろう、改まって……。
カトリーナは俺の許嫁である隣国の王女だが、彼女から手紙が来るなんて珍しいことだった。軽い胸騒ぎを感じながら封を開けた。
手紙には、半年後に迫った結婚に先立って、二人で婚前旅行をしたいと記されていた。
「こ、婚前旅行……だとっ……!?」
なんでまたそんなことを……。俺たちは政略結婚で恋仲でも何でもないというのに……。
手紙には旅行の詳細な日時や場所まで書かれていた。日程は来週末に一泊二日。リゾート地として有名な離島の別荘が指定されている。隣国の港から出る船で1時間ほどの場所だ。
「おい、これを見ろ。参ったな、一体どうすれば……」
困り果てた俺はルークに手紙を見せた。
「はあ、婚前旅行ですか。それは楽しみですね」
のん気に返事するルークに苛立ちを感じた。
「バカか、貴様っ! 二人で宿へ一泊するとなると、それってつまり男女の仲になるってことじゃないか!?」
今の俺の体でどうしろと言うのか。結婚までまだ日があると思って、俺は油断していたのだ。
カトリーナの提案を断ることなどできない。彼女の機嫌を損ねて婚約が破談になったら一大事だ。彼女との結婚にはこの国の未来がかかっているのだから、俺は彼女に従うことしかできないのだ。
「やっぱりあのとき、魔女に性器を戻してもらえばよかった……。俺はなんて愚かなのだろう……。カトリーナに婚約破棄されたら、もう、この国は終わりだ……」
旅先でカトリーナに俺の女性器を見られたらどうなる……。俺は頭を抱えて狼狽えた。
「シュライフェ様……、そんなに悲観なさらないでください」
「慰めの言葉などいらぬっ! お前に俺の何がわかるっ!」
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「性器が元に戻るのはまだ先になるかもしれませんが、陰核を肥大化させて男性器のようにすることは可能ではないでしょうか。宿の暗がりの中であれば、きっとごまかしがききます。来週末までにできることをやりましょう」
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