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第七章 真夜中の木馬遊び
44.ルークの正体?
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その夜、俺は眠れなかった。
考えれば考えるほど、あのカラスの声が俺の性器を女性器にした魔女の声だった気がしてならなかった。
ルークは裏であの魔女と繋がっていたのか? 今までずっと軍の部隊に魔女の居場所を探させていたが、一向に見つからなかった。いくら他国と比べて弱い部隊とはいえ、この小さな国の中で魔女の一人も見つけられないのは、おかしいと思っていた。
それはルークが手を回していたからだというのか? 部隊長は優秀な剣士の家の出のルークのことを一目置いているから、ルークが助言すれば喜んで聞くだろう。
魔女とグルということは、俺の性器が女性器になったのはルークのたくらみでもあるということか……!?
でも、どうして? 俺のアソコが女になって、ルークが得をすることなんて何一つないはずだ。世話係であるがゆえに、男の俺についた不気味なおまんこを洗ったり、拭いたり、挙句の果てにセックスまでさせられて、ルークは一番の被害者だと思うのだが……。
そもそも俺の性器が女性器になって、得をする人物なんているのだろうか?
最初こそは宴に招待されなかったことに腹を立てた魔女が腹いせに俺を辱めたのだと思っていたが、そもそもあの魔女は俺の父の古くからの知り合いでも何でもないと言うから、裏がありそうだとは思っていたのだ。
魔女はルークもしくは別の誰かに頼まれて俺の性器を女性器にしたのか? ……しかし、なぜ?
頭の中で考えが堂々巡りだ。
ああ、もう夜中じゃないか……。
ベッドから起き上がって俺は本棚を眺めていた。手掛かりになりそうな本なんてないけど……。そう思いながら、一冊の古い本を引き抜いた。
この国の歴史が書かれている本だ。
子供の頃、眠れない夜に乳母がよくこの本を読んでくれていたので、懐かしく思って手に取ってしまったのだ。
俺は子供の頃からプライドが高かった。学校で何か悔しい出来事があって怒りに震えて眠れないとき、乳母はこの国の歴代の国王たちがどのように領土を広げてきたか読み聞かせ、次の王はシュライフェ様です、一国の主となるお方が貴族と言えどたかが一般人に怒りの炎を燃やしては損ですよ、と優しく諭してくれたのだった。
本のページをめくる中で、ある部族の暮らす土地を侵略した記録の挿絵に目を奪われた。剣と盾を手に対抗するアレ族の戦士と記された人物が背の高い色白黒髪の美丈夫で、その目鼻立ちがルークによく似ていたのだ。
100年前の記録のようだが……、こんなに似ているなんてただの偶然とは思えない。もしかしたらこのアレ族の戦士はルークの先祖ではないだろうか?
仮にルークがアレ族の生き残りだとしたら、この国を滅ぼしアレ族復活を目論んでいるのではないだろうか? 俺の性器を女性器にしてしまえば世継ぎが産まれずこの国は滅びる。
それがルークの狙い? まさか、そんな……。
考えれば考えるほど、あのカラスの声が俺の性器を女性器にした魔女の声だった気がしてならなかった。
ルークは裏であの魔女と繋がっていたのか? 今までずっと軍の部隊に魔女の居場所を探させていたが、一向に見つからなかった。いくら他国と比べて弱い部隊とはいえ、この小さな国の中で魔女の一人も見つけられないのは、おかしいと思っていた。
それはルークが手を回していたからだというのか? 部隊長は優秀な剣士の家の出のルークのことを一目置いているから、ルークが助言すれば喜んで聞くだろう。
魔女とグルということは、俺の性器が女性器になったのはルークのたくらみでもあるということか……!?
でも、どうして? 俺のアソコが女になって、ルークが得をすることなんて何一つないはずだ。世話係であるがゆえに、男の俺についた不気味なおまんこを洗ったり、拭いたり、挙句の果てにセックスまでさせられて、ルークは一番の被害者だと思うのだが……。
そもそも俺の性器が女性器になって、得をする人物なんているのだろうか?
最初こそは宴に招待されなかったことに腹を立てた魔女が腹いせに俺を辱めたのだと思っていたが、そもそもあの魔女は俺の父の古くからの知り合いでも何でもないと言うから、裏がありそうだとは思っていたのだ。
魔女はルークもしくは別の誰かに頼まれて俺の性器を女性器にしたのか? ……しかし、なぜ?
頭の中で考えが堂々巡りだ。
ああ、もう夜中じゃないか……。
ベッドから起き上がって俺は本棚を眺めていた。手掛かりになりそうな本なんてないけど……。そう思いながら、一冊の古い本を引き抜いた。
この国の歴史が書かれている本だ。
子供の頃、眠れない夜に乳母がよくこの本を読んでくれていたので、懐かしく思って手に取ってしまったのだ。
俺は子供の頃からプライドが高かった。学校で何か悔しい出来事があって怒りに震えて眠れないとき、乳母はこの国の歴代の国王たちがどのように領土を広げてきたか読み聞かせ、次の王はシュライフェ様です、一国の主となるお方が貴族と言えどたかが一般人に怒りの炎を燃やしては損ですよ、と優しく諭してくれたのだった。
本のページをめくる中で、ある部族の暮らす土地を侵略した記録の挿絵に目を奪われた。剣と盾を手に対抗するアレ族の戦士と記された人物が背の高い色白黒髪の美丈夫で、その目鼻立ちがルークによく似ていたのだ。
100年前の記録のようだが……、こんなに似ているなんてただの偶然とは思えない。もしかしたらこのアレ族の戦士はルークの先祖ではないだろうか?
仮にルークがアレ族の生き残りだとしたら、この国を滅ぼしアレ族復活を目論んでいるのではないだろうか? 俺の性器を女性器にしてしまえば世継ぎが産まれずこの国は滅びる。
それがルークの狙い? まさか、そんな……。
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