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第四章 異物挿入
25.白黒頭の魔術師※
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応接室のソファーで待っていたのは頭の先から全身を黒いローブですっぽりと覆った人物だった。
そのフードの中を覗き見て、ギョッとした。
「ど……、どくろっ……!?」
その者の顔は人間の頭蓋骨だった。
驚いた拍子に腹の奥に込めていた力が緩んでしまうところだったが、どうにか電動歯ブラシを滑り落とす前に俺は下腹部へ力を込め直した。
俺のズボンの下はノーパンだ。膣から電動歯ブラシが飛び出せば戻すすべなどなく、ズボンのすそから愛液でドロドロのコンドームに包まれたそれが床へ落ちてしまうだろう。そんな事態は絶対に避けたかった。
「失礼、これは魔除けでして……」
ローブの袖から手を出して、どくろへ触れた。
不気味な顔がぱかっと外れた。どくろはお面だったのだ。
「シュライフェ王子、初めまして」
頭に被っていたフードを退け、男がにこりと挨拶した。
白と黒の毛束が交互に配置されたなんとも風変わりな髪をしていた。白髪交じりの黒髪というのとは全く違う、ピアノの鍵盤を連想させる頭髪だった。そして両目の下のまるでインクで描いたような濃くて大きな隈が印象的だった。
名の知れた魔術師だというから老人をイメージしていたが、きっと俺たちと同年代なのだろう。想像以上に若い人物だった。
俺があっけに取られていると、男はこう続けた。
「……いや、シュライフェ王女とお呼びした方が?」
「……っ!」
こいつ、俺の秘密を知っているのか!?
まさか、口外したのかとルークを睨みつけるが、ルークではなくその男が返事をした。
「僕にはわかるんです。……さぞ、お困りのことと思いまして」
ライアと名乗った魔術師はにっこりと笑った。
「お前、もしかしてあの魔女の居場所を知っているのか!? だったらすぐに教えてくれっ! 早く元に戻してもらわないと困るんだっ!」
「……残念ながら、それはわかりません」
わからないだとっ!? 期待させておいてっ!
文句を言ってやろうと思った瞬間、ライアが先に言葉を発した。
「ですが、少しばかりお力になることはできると思いますよ。僕は魔術師ですから」
にこっと笑ってライアは俺の下腹部を見た。まさか異物が入っていることを見透かされているようで、俺の背中に嫌な汗が噴き出た。
けれどそいつはそれ以上何も言わずにソファーから立ち上がり、どくろの面をつけて部屋を出て行った。
一体何をしに来たのか……。
応接室に残された俺とルークはポカンとライアの出て行った扉を見ていた。
体の中心に電動歯ブラシを突き刺したまま、俺は自分の部屋へと戻った。応接室まで来るときと同様に、腹の奥に力を込めて中の棒を落とさぬようにゆっくりと慎重に歩いていた。
「……っ♡ ……っん……♡ ……っ♡」
鼻から吐く息に甘い声が混じりそうになる。
「シュライフェ様、どこか具合が悪いんですか?」
ルークに尋ねられて、俺はギクッと背筋を震わせた。
「……ぐ、具合など悪くないっ!」
そのフードの中を覗き見て、ギョッとした。
「ど……、どくろっ……!?」
その者の顔は人間の頭蓋骨だった。
驚いた拍子に腹の奥に込めていた力が緩んでしまうところだったが、どうにか電動歯ブラシを滑り落とす前に俺は下腹部へ力を込め直した。
俺のズボンの下はノーパンだ。膣から電動歯ブラシが飛び出せば戻すすべなどなく、ズボンのすそから愛液でドロドロのコンドームに包まれたそれが床へ落ちてしまうだろう。そんな事態は絶対に避けたかった。
「失礼、これは魔除けでして……」
ローブの袖から手を出して、どくろへ触れた。
不気味な顔がぱかっと外れた。どくろはお面だったのだ。
「シュライフェ王子、初めまして」
頭に被っていたフードを退け、男がにこりと挨拶した。
白と黒の毛束が交互に配置されたなんとも風変わりな髪をしていた。白髪交じりの黒髪というのとは全く違う、ピアノの鍵盤を連想させる頭髪だった。そして両目の下のまるでインクで描いたような濃くて大きな隈が印象的だった。
名の知れた魔術師だというから老人をイメージしていたが、きっと俺たちと同年代なのだろう。想像以上に若い人物だった。
俺があっけに取られていると、男はこう続けた。
「……いや、シュライフェ王女とお呼びした方が?」
「……っ!」
こいつ、俺の秘密を知っているのか!?
まさか、口外したのかとルークを睨みつけるが、ルークではなくその男が返事をした。
「僕にはわかるんです。……さぞ、お困りのことと思いまして」
ライアと名乗った魔術師はにっこりと笑った。
「お前、もしかしてあの魔女の居場所を知っているのか!? だったらすぐに教えてくれっ! 早く元に戻してもらわないと困るんだっ!」
「……残念ながら、それはわかりません」
わからないだとっ!? 期待させておいてっ!
文句を言ってやろうと思った瞬間、ライアが先に言葉を発した。
「ですが、少しばかりお力になることはできると思いますよ。僕は魔術師ですから」
にこっと笑ってライアは俺の下腹部を見た。まさか異物が入っていることを見透かされているようで、俺の背中に嫌な汗が噴き出た。
けれどそいつはそれ以上何も言わずにソファーから立ち上がり、どくろの面をつけて部屋を出て行った。
一体何をしに来たのか……。
応接室に残された俺とルークはポカンとライアの出て行った扉を見ていた。
体の中心に電動歯ブラシを突き刺したまま、俺は自分の部屋へと戻った。応接室まで来るときと同様に、腹の奥に力を込めて中の棒を落とさぬようにゆっくりと慎重に歩いていた。
「……っ♡ ……っん……♡ ……っ♡」
鼻から吐く息に甘い声が混じりそうになる。
「シュライフェ様、どこか具合が悪いんですか?」
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「……ぐ、具合など悪くないっ!」
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